刃牙道 第5話 ジョン・ホナー



宮本武蔵復活の中心人物となるジョン・ホナー氏について語られる。
刃牙道は格闘家以外にもスポットを当てるのだ。
宮本武蔵の復活は本人よりも研究者の尽力(と狂気)が大きい。
スポットを当てるのも道理か。
あとは無理無茶に理屈をつけるために必要なのかもしれない。
無理!


「あの日の興奮は生涯忘れまい」

1986年、若き日のジョン・ホナーは語る。
ティラノサウルスの背骨(の化石)を手に入れたジョン・ホナーは興奮していた。
ティラノサウルスの背骨を手に入れたからではない。
それを用いたある実験を自らの手で行えるからだった。
それが背骨を割るという行為だった。

当然ながら化石は貴重品だ。
割るなんて破損に当たる行為は易々と行えない。
だが、ジョン・ホナーは化石はその中身にこそ価値があると考え ていた。
うーむ、それなりに説得力のある論拠に思えてくるから不思議だ。

「“軟組織”の発見だ」

さて、ここで年老いたジョン・ホナー、つまりはハゲになったジョン・ホナーは化石を割った先にあるものを語る。
化石の内部に血管があり、さらに約7000万年前のものだというのに引っ張れば延びるほどの柔軟性を持っていた。
さらにタンパク質の解析からアミノ酸を発見、その配列が鳥類に酷似していることを発見している。
これは実話らしい検索してみると同様の記述がいくつか見つかる。
(その研究に携わった人物の中にはジョン・アサラという名前がある。ジョン・ホナーの元ネタだろう)

そして、DNAの採取まで実現。
恐竜のクローン作成に大きく近付くのだった。
これをジョン・ホナーは2005年に論文として発表する。
これも実話として存在する。
一方でその後の研究でクローンを生み出すことは不可能だと結論づけられてもいる。

ともあれ、化石から恐竜のクローンを生み出せる。
何かペイン博士のことが完全に忘れ去られている気はするが無視しておこう。
そんな論文を発表したジョン・ホナーに徳川光成の使いが現れ、大量の金を渡す。
あまりにも多額のため、あっさりとジョン・ホナーは折れるのだった。
チョロい。多額だったのはわかるがチョロいな。

そして、渡日すると待っていたのは徳川光成だった。
徳川光成の言葉は「人類(ヒト)を作製(つく)りたい」というもの だった。
ジョン・ホナーは当然倫理観の観点からクローンはタブーだと常識を説く。

「ムサシ・ミヤモトの遺体を押さえてある」

そんな気乗りしないジョン・ホナーに対して徳川光成は爆弾発言をする。
刹那、ジョン・ホナーの脳裏に宮本武蔵の肖像画が浮かぶ。
ビッグネームだな、宮本武蔵。
勇次郎並みに知名度があるんじゃないか?

「歴史上 最も有名(メ ジャー)な侍(ソードマン)宮本武蔵(ムサシ・ミヤモ ト)
 議論の余地もなく最強の象徴(シンボル)だ」


宮本武蔵=最強!
それがバキ世界の真理らしい。
って、マジかよ!?
日本人でさえ宮本武蔵=最強には懐疑的なのに、外人でさえ疑わぬほどの最強っぷりなのかよ!
神話の人物を差し置いての最強である。
うーむ、宮本武蔵、恐るべしだな。

そして、やっぱり侍という認識である。
うっかりバキ世界に蘇るのだから実は素手の武術家と勘違いしそうになるが、さすがに そうではないらしい。
いや、実は刀を使っていないバリバリの無手かもしれないが。

さて、ジョン・ホナーは徳川光成の地下基地へと案内される。
そこでは様々な生物のクローンの実験がされていた。
もう徳川光成の活動がブラックというレベルじゃありませんね。
今更ですが。
クローン担当が野 々村仁、化石の解析がジョン・ホナーという役割分担なのだろうか。

徳川光成は宮本武蔵のミイラをジョン・ホナーに見せる。
死体なのか、ミイラなのか、化石なのか、ようわからんな。
宮本武蔵は甲冑を着せて土葬されている。
だからといってミイラになるのはおかしいし、普通なら腐るだろうし土に分解される。
化石になるにせよ肉の部分が残っているのはおかしい。
まぁ、理屈は置いておこう。
ここまでおかしい展開を持ってこられたら気にする方が野暮というものだ。

徳川光成は「スカイツリーがこの設備のカモフラージュであること」「634mの高さは宮本武蔵に由来すること」
「スカイツリーの捻れた構造がDNAを暗示していること」など様々な衝撃の真実を語る。
わざとらしすぎぃ! そんなに気付いて欲しいのかよ!?
何か徳川財閥が悪の秘密結社みたいな感じだな。
悪の秘密結社ほどその活動が派手なのはお約束だ。

ここまでやられたらもはやジョン・ホナーも理性では止まらない。
報酬無用! 宮本武蔵を蘇らせる! そのためなら迷うことなく神に背く!
爆発的な目的を得てここに一人のマッドサイエンティストが誕生した。
うーむ、徳川光成は悪魔だな。
常人を次々と冥府魔道へと誘い込んでいく。
さすがバキ世界一番の邪悪だ。

ともあれ、宮本武蔵降臨儀式の準備はこうして整ったのだった。
そして、徳川光成の邪悪さを改めて知るのだった。
この勢いのまま、第6話へ続く!


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