刃牙道 第7話 鼓動



武蔵の鼓動が刃牙にも聞こえた。
他の格闘は予感任せだが、刃牙は物理的に(と言えるのかは怪しいが)武蔵の存在を感じ取った。
そして、今回も2話同時掲載!
そろそろ体力が持たないのですが……


武蔵の鼓動を聞いて刃牙は思わず立ち上がる。
地面に耳を当てずとも鼓動が聞こえていた。
凄いな、武蔵の鼓動。あるいはこれも妖術なのか?
誰よりも幻術を使った結果、自分自身が幻覚に囚われるようになったとか。

如何に重度のHENTAIで女性の趣味があんまり良くないと言えど範馬刃牙とて18歳の少年である。
突如鳴り響く鼓動には困惑せざるを得ない。
地下室でぐったりしていたらいきなり鼓動が聞こえてくるなんて立派なホラーですからね。
でも、いろいろ変なものを感知しそうだからなー。
事実、勇一郎の亡霊(あるいは生き霊)を見ていたし。(範馬刃牙第285話

「誰とも違う…」
「俺の知る…誰とも……」


刃牙は自分の知る格闘家たちを脳裏に浮かべる。
格闘家一人一人の鼓動を覚えているのか、こやつ。
人体に精通するのが格闘家であり範馬一族だ。
心臓の鼓動を知るのも道理であろうか。

が、答えは全てNOである。
まったくの未知の鼓動だった。
クローンという近未来の技術と謎の鼓動というオカルトを武蔵は兼ね備えている。
近未来と古代の融合だ! ……ごめん、無理言った。

さて、刃牙が思い浮かべた人物は誰なのか。
まずは勇次郎と独歩である。
互いに実力者であり刃牙とも親しい。
独歩なんて「グラップラー刃牙」の第1話からの付き合いである。
一番に思いつくのはやはりこの2人だが違った。

次は渋川先生、花山、克巳であった。
この3人も刃牙との付き合いはけっこうある。
花山は幼年編で勇次郎との戦いの前に友情を確かめ合ったほどの関係だ。
克巳もかつてはお互いに毛嫌いしていた。
だが、克巳のピクル戦の勇姿から刃牙も克巳を認めており、(範馬刃牙第135話
偉大な父を持つという関係からか仲良くなっている。(範馬刃牙第199話

渋川先生ともあまり縁がなさそうで最大トーナメント編ではセコンドを務めたことがある。
(ロジャー・ハーロン戦だけで以降は本部が出ずっぱりでしたが)
また、勇次郎との決戦を前に渋川先生と語らっている。(範馬刃牙第243話
意外と縁のある2人なのだ。

そして、最後にガイア、昂昇、本部である。
ガイアは幼年編で死闘を繰り広げた。
というか、実際に刃牙が1度死んだほどだし、その果てに友情を育んでいる。
昂昇も下調べとして神心会トーナメントを優勝するほどには準備していた。
兄とも戦ったしその兄には医者として世話になることも幾度かあった。
刃牙と鎬兄弟の関係はそれなりにあるのだ。

で、何故そこで本部!?
いや、もうあれじゃん。
本部ってドリームキャストが発売した後のサターンみたいな立ち位置じゃん。
SEGA的には完全旧式化してまったく見なくなった感じですよ。
サターンなんて置いておいてドリキャスの売り方を考える時期にわざわざ思い出しますか。

刃牙と本部の関係はそれなりにある。
稽古を付けてもらっていたほどだ。
刃牙があの本部に稽古を付けてもらったんですよ。
今にして思えばギャンブルに勝つためにパチンコしかやったことのないおっちゃんに弟子入りするような無謀である。
勝つために特訓するのに何故に負けてばかりの奴に師事しなければならんのだ。

本部と言えば解説だ。理論だけなら一流である。
だが、理論の実践が徹底的にダメである。
どれほどダメかとなると力士の小指を取るくらいにはダメだ。

逆に言えばその理論を正しく実践できるような格闘家が付けば本部の能力を活かせるということでもある。
そう考えると刃牙が本部に師事したのはむしろ慧眼とも言えよう。
本部の能力を最大限に活かす方法を考えそれを実行したのだ。

でも、あれ以来、本部に対する刃牙の態度ってちょっと冷めたものになったんだよな。
紅葉戦の前の「アホウッウォームアップもせんで」という武道家としては最大級の失言に対して、
「だまっててくれないか本部さん」と無碍に返したし。
やはり、本部理論で育まれた花田が斗羽に惨殺されたのを見て役に立たないと思ったからだろうか。
本部は理論だけで中身がないと刃牙は見切りを付けたのかもしれない。
刃牙としてもその時点でそんな扱いなんですよ。

金竜山戦直前までは再び評価を持ち上げたみたいだけど、金竜山に惨敗してからまた冷ややかな扱いをし始めたような。
思えば最大トーナメントで本部が勝ち上がれば刃牙と戦うことになっていた。
とても信じられんがそういう未来もあったのだ。
だから、様子見を兼ねて本部に付き添っていたのか?
で、金竜山に負けたからポイ捨てと。

ともあれ、山籠りしただけなら本部個人が狂ったで済んだが、刃牙まで本部を思い浮かべたのなら筋金入りだ。
今、本部の波が来ている。
感想サイト的には乗るしかないですね、このビッグウェーブに。
本部VS寂海王とかどうよ。わりと盛り上がる気がするのだが。

刃牙が思い浮かべた戦士の中にはピクルが入っていない。
「範馬刃牙」最大のキャラとも言えるだけにいないのはちょっと寂しいな。
古代の戦士対決は凄いことになりそうなんだけどなー。

さて、話は過去のスカイツリーの地下に移る。
徳川光成の悪事に荷担すると決めたジョン・ホナーは早速武蔵の脊髄を摘出する。
その保存状態の良さは無論として人類と言うよりも大型の猫科を彷彿とさせる形状に驚く。
野々村仁曰く太すぎる上に人類的ではない形状であった。

「皮膚でもない」「筋肉でもない」
「骨格すらも変形(かえ)る鍛錬………………」
「それが彼の日常だったのだろう」


骨格を変える鍛錬を武蔵は積んでいた!
大分変態的な鍛錬を積んでいるということだろうか。
ピクルといい最近の強者は骨から違うのがムーブメントですね。(範馬刃牙第99話
範馬一族に加えピクルのような非人間が増えたから、強者は人間を止めるところから始めないといかんのか。
うーむ、格闘家業界は厳しいな。

強者になるのは骨格そのものを変えなければならない。
奥歯をすり減らしたくらいで調子に乗っていた柳がまるでピエロだな。
だから、本部にさえ負けるのだ、貴様は。

ジョン・ホナーは武蔵の頸椎を割る。
ノミを使う手作業である。
うーむ、恐ろしい勇気だな。神に背を向けているのだから今更か。
そこにあったのは肉眼で感じ取れるほどの弾力と常人離れした太さの動脈だった。
骨格も並ならぬのなら血管もまた並ならぬらしい。

こうして武蔵の異常性とクローンの実行が近付いた(回想だけど)。
加えて本部の復活も夢ではない。
自分から復活すると決めた。周囲からの復活も期待されている。
これがハードルを上げるという行為である。
これでまともに勝とうものなら怒られる。
本部に期待を抱いたまま次回へ続く!


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