刃牙道 第14話 疑念



花山と勇次郎のバトルと武蔵の復活の同時展開だ。
戦うのが先か、蘇るのが先か。
そして、この大一番に刃牙は無関係だ!
これぞまさに刃牙道。
あんまり歩みたくない道ですな。


さて、寒子がスカイツリー地下にやってきた。
降霊儀式が始まる!
とここで寒子の存在に脳生理学者、田中欽一が疑問符を掲げる。
何せここにいるのは皆が皆、科学者の集まりだ。
ここに至ってこんなオカルトありえません!
当然の発言ではある。

しかし、それならそれでもっと早く言っておきなさい。
会議の時点でつーかオカルトに頼るな!とでも言っておけばよかったのに。
寒子を招聘した後に文句を言うのはさすがに失礼だろう。
いや、そこは徳川光成がゴリ押ししたのかもしれないけど。
そんな徳川光成は今趣味に興じている。仕事しろ。

それならそれで科学的な分析を行った寒子の頭脳を評価してもいいのに。
あれもハッタリとでも思っているのだろうか。
すまぬ、小生もハッタリと思った。
まぁ、わけわからん人だしこれくらいの警戒度の方がいいのか?

さて、ここで寒子はどう田中欽一を崩すのか。
オカルトを信じさせるのに必要なのはオカルトだ。
そんなわけで田中欽一の祖父を降ろした!
田中欽一の名前はもちろん、祖父の口癖。
さらには当人しか知らない情報を引き出していく。
これには否定派だった田中欽一も一発KOだった。

「先入観を捨てよッッ」

祖父が田中欽一に向けて発し、もっとも大きなインパクトを与えた言葉がこれだった。
先入観に縛られないことは大事ですね。
本部が弱い弱いと思っていると実は強い部分をあることを見落とすように!
白亜紀に人類がいないと思っていると実は人類が存在していて恐竜を餌にしていたように!
ヒロインが可愛いに違いないと思っていると実は松本梢江だったように!
そう、バキシリーズは先入観に囚われてはならんのだ。
歌いながらだって戦えるさ。

というわけで物は試しということで田中欽一は寒子の存在を受け入れる。
まぁ、科学的でないとオカルトの可能性を一から否定することも愚かしい。
とりあえず、実験してみてその結果から判断すればいいのだ。
寒子の霊媒は実証されてはいないが実績はある。
なら試してみるに限る。
……これで本部の生き霊とか呼び寄せたら困るけど。

「お呼び立てに応じて頂き感謝してやす」

「花山薫たっての呼び出しとあっちゃな」
「好奇心が勝ろうってものだ」


さて、爆心地並みの危険度を誇る勇次郎と花山である。
相変わらず敬語の花山でって何か敬語のベクトルが変わっていないか?
やっぱり、敬語に慣れていないのだろうか。

勇次郎も花山のことは評価しているらしい。
これが本部だったら歯牙にもかけなかったな、うん。
花山はピクルと力比べできるくらいの力はある。
勇次郎には敵わないかもしれないが、作中屈指の実力者であることはたしかだ。
でも、花山って黒星も多いんだよなー。
まぁ、負けたのは刃牙に克巳と同じく作中屈指の実力者だし仕方ないか。

出逢った場所で始まることもなく2人は歩き出す。
勇次郎が我慢しているというのも意外だ。
刃牙の時は気に入らなかった瞬間、即始めたのに。(範馬刃牙第250話
あれで大分満足して丸くなったのか?

「あの」「親子喧嘩以来だ」
「世界中に面が割れちまってる」「俺が俺だと気付かれる」


「柄にもなくサングラスだ」

さらに意外と言うべきか、勇次郎が世間話をしている。
あれは世界的に放映されていた。
知る人ぞ知る範馬勇次郎の存在が大々的に世界に伝わったのだ。
ただでさえ目立つの勇次郎がさらに目立つことになってしまった。

そこでサングラス!
有名人はサングラスで素性を隠すのがお約束!
いや、問題はそこじゃない。
尻隠して頭隠さずというか、目隠して身体隠さずだ。

範馬勇次郎が範馬勇次郎と主張している部分は他にもある。
バレたくなければそこを隠すといいのではないでしょうか。
個人的に見た目で勇次郎らしいと思う部分はその一張羅かな。
あまりにも雄弁に勇次郎であることを主張しているから、何か別な服に替えればいいのに。
ユニクロなんかどうだ? 巨凶度が大分下がるぞ?

「先日………」「子供(ガキ)にサインをせがまれた」

勇次郎がサインを要求されるご時世だ!
巨凶らしからぬエピソードである。
まぁ、親子喧嘩での勇次郎は強いだけでなく父として大きかった。……はず。
強いだけでなく大きな父親なのだ。
こりゃ男の子なら憧れるな。ここで連載初期の勇次郎を見せると幻滅させそうなので止めときましょう。

勇次郎にサインをせがむ。
おそらくは人類史初の偉業だ。異形でもあるか。
握手をしようとした軍人はいた。無茶振りをした大統領もいた。
だが、サインという発想はなかった。
この発想があればストライダムもオズマもサインをねだっていたかも。
一生の宝物にできる。ヤフオクに出せば高価買い取り確実ですね。

「書いたンすか」

「聞くなッッ」


これは書いた。絶対に書いた。
サインと言えばミーハーとも言える行為ではあるが、相手は殺気剥き出しの巨凶範馬勇次郎だ。
決して容易くできることでもなく、事実、勇次郎が思い起こす少年の表情には恐怖が見える。
それでも年端もいかぬ子供が勇気を振り絞って勇次郎にサインをねだった。
恐怖を乗り越えてサインを求めるには大層な勇気と本物の憧れが必要だっただろう。
勇次郎とてこの心意気を無下にすることはできなかったに違いない。

あと案外子供に優しいのが勇次郎なんですよね。
在りし日のJr.には手心を加えていたし、子供の頃の刃牙には丁寧に技を教えていた。
この辺、父親らしい。

しかし、準備のいい子供やな。
勇次郎を見て即座に色紙を買いに行ったのだろうか。
何にせよ先述した通り、相手は勇次郎だから大層な勇気が必要だったろう。
それでも想いを行動へと移したこの少年の勇気に敬意を表したい。

「さすがです」

「欠伸が出ない」

こんな面白い話を聞かされれば欠伸が出ないのも道理だ。
それでなくとも巨凶範馬勇次郎を前に退屈など許されないのか。
格闘家たちに襲いかかった欠伸は解消されたのか。
一方、武蔵の存在は欠伸にどう関係してくるのか。
そして、勇次郎のオモシロエピソードは続くのか。
次回へ続く。


寒子は実力で科学者たちに霊媒を認めさせた!
内外に問題があってなかなか武蔵の復活とはいかんな。
5分じゃ済みそうにない。

勇次郎はオモシロエピソードを教えてくれた。
昔の勇次郎は抜き身の刃だったのに、こんな話をしたり独歩と楽しげに語らったり丸いですな。
刃牙と戦ったことで強者と戦いたいという欲求が大分満足したのだろうか。

親子喧嘩で強そうなのは間違いなく刃牙より勇次郎だった。
実質的な勝者も勇次郎で間違いない。
そりゃ憧れるなら勇次郎だな。
何やかんやで今の勇次郎は強さに加えて(主に食の作法において)厳格な父親だし、憧れるだけの貫禄はある。
刃牙なんて、ほら、アレだから。
まぁ、憧れるなら勇次郎、喧嘩を売るなら刃牙と差別化できていて良かったデスね。

他にもいろいろなエピソードがあるかもしれない。
例えばソーシャルゲームの題材として使うことを打診されるとか。
でも、それだと金が絡んで不純だから勇次郎がキレるな。
勇次郎に教えを乞うのもちと違うな。
良くてラオウみたいに技を盗めと言われてしまう。

こうなったら花山みたいにメイド喫茶に行ってしまうか?
花山と逢ったのもメイド喫茶に詳しいと見てのことかも。
地上最強の男が初めて挑む頂き! メイド喫茶!
そして、メイドたちからサインをせがまれる。
これだけで1ヶ月はイケるぜ……




サイトTOPに戻る Weekly BAKIのTOPに戻る