範馬刃牙 第151話 点火



THE・担当無視!
ジャックの猛る闘志は担当なんて鎖に縛られない。
担当は漫画家にとって相棒であり上司ですよ。
そんな存在に蹴り入れるとは…さすがアウトローの鑑、ジャックだ。
すごいなー。あこがれちゃうなー。


[続行(つづ)きを!!!]

ジャックはピクルの顔面を蹴った。
ピクルは混乱していたのだろうか、モロに受ける。
並みの人間なら鼻が砕けて大ダメージだろうが、相手はチート原人だ。
大ダメージにはなり得ないか…

[続行(つづ)きを…ッッ]

さらにもう一発蹴る。これも直撃だ。
ジャックは自分を遙かに上回る実力の持ち主を相手にしているというのに一切の躊躇が見られない。
明日を捨てた男だけあり、刹那に全てを燃やし尽くしている。
親を間違えればムエタイ戦士として出てきて、瞬殺されていたかもしれない。

[続行(つづ)きを…ッッ]
[続行(つづ)きを!!!]
[続行(つづ)きを…!!!]


蹴る!蹴る!蹴る!
怒濤の5連打がピクルに直撃した。柵は砕けピクルは吹き飛ぶ。
反撃を恐れない思いきりのいい攻撃だ。
白亜紀闘法でアゴをバラバラに引き裂かれた過去を忘れたかのような勢いであった。

だが、最初の一発で柵が砕けなかったことから、ジャックのパワーは落ち込んでいるのか?
ジャックほどのパワーなら一発目で砕けそうなのだが…
少なくともマックシング時から上昇していないことはたしかだろう。
死地から舞い戻ってきたものの、サイヤ人のようにパワーアップはしているわけではなかった。

今のジャックは勝機があるから再び死闘を望んだわけではなかった。
ただ、戦いたいから戦っているのだ。
「続行(つづ)きを」を5連呼することから、心の底からピクルの闘争を望んでいることが伺える。
純粋な闘争本能がジャックを突き動かしていた。
肉体で負けても己に突き通した意地が今のジャックの武器だ。

しかし、それが闘争に生きるのだろうか。
実力が僅差ならまだしも、神頼みしてしまうほどの差がある。
さらには砕かれたアゴがウィークポイントになっている。ここを殴られれば一発で気絶できそうだ。
さあ、ピクルの反撃やいかに。
それにどう対抗する、ジャック。
俺たちの戦いはこれからだ!

と、思っていたらピクルが背を向けて逃げ出した
闘争開始かと思ったら逃走開始してしまった。
マジ震えてきやがった…怖いです;;
あ、あれ…?せっかく向かってくる餌なのに…
俺たちの戦いはどこからだ?

ピクルは現代に来てから挑戦者に飢えている。
そんな中でジャックは2度も向かってきた。一粒で二度美味しい貴重な存在だ。
逃げるのはもったいないぞ。

ジャックの蹴り5連発のダメージはそれほどでもないようだ。
体重が100倍以上の恐竜と真っ向勝負を繰り広げてきただけのことはあり、ピクルのタフネスはおかしいのだ。
(タフネスに優れるではなく、タフネスがおかしいのがピクルです)
今のところ、蹴りのダメージはピクルの脅威になってはいない。

ピクルは冷や汗にまみれながら走る。
史上最強の男…誉れ高くも畏れ多き二つ名とは裏腹に頼りない姿だ。
自分より強大な恐竜に恐れず立ち向かったピクルとは思えない。
恐竜よりも小さいジャックの何にピクルは恐れたのだろうか。

[もはや体力 戦闘力の問題ではなかった こんな雄(オトコ)見たことないッッ
 殺しても死なない者…… 死んでも死なない者………………]


ピクルにとってジャックは死人扱いだったようだ
たしかにピクルの連撃を食らったとしても死んだ?と疑ってしまった。
でも、死人扱いは酷い 。勝手に殺さないでください。
ジャックのポジションが末堂の位置にまで落ち込んだぞ。いや、それはないけど。
気絶した(だけ)烈の脚を食うだけあり、人間の生死の確認は苦手なのだろうか。
…もしかしたら、烈や克巳もピクルにとっては故人扱いなのかな…

恐竜はいかに強大と言えど死んだらそこで終わりであった。
死してなお致命打を与えたハチだって、歯向かってはこない。
それが白亜紀のお約束だった。

だが、ジャックは向かってきた。
幽霊が目の前に現れた心持ちなのだろう。
身体が大きいけど、天然で怪談が嫌い…
ピクルはどんどん萌え成分を高めておられている。
肝試しに連れて行けば腕に抱きついてくれるぞ!

[自然界(ここ)ではそれが仕組み(ルール)だろッ]
[それが摂理(ルール)だろッッ]
[ここではそれが掟(ルール)だろ!!?]


ピクルが理不尽な展開にキレた!
俺のシマじゃ今のノーカンだからと挑まれたけど意味がわからない!無理!
…逆ギレだな。
あと残念なことに東京は自然界ではないのです。
打ち合わせをなかったことにされた担当も同じようにキレたのかもしれない。
漫画界ではそれが仕組みだろッ。

ジャックはドーピングにオーバーワークにトイレで格闘ととことん反社会的なルールブレイカーだ。キャスターです。
ピクルの抱いていたルールなんて無視して然るべきものだ。
とことん己の道を貫き通すぜ。
そのワガママ、まさに範馬。

これは蹴り殺したはずの刃牙から挑戦を受けたら同じようにキレるのだろうか。
ジャックが食われるのを止めようとした刃牙をシカトしたのは、こいつは死んだからここにいるはずがないという認識だったのかも。
ジャックに引き続き刃牙も死んだ扱いされてたら笑え…る。
そういえば、今回刃牙の出番はない。展開的に死んだ扱いです。

脱兎のごとく逃げようとするピクルとは対称的に、ジャックは雄大に尊大にゆっくりと歩いて追い詰める。
いや、それじゃ逃げられますよ?
ピクルはあくまで短距離だけかもしれないけど、超スピードで動ける。
白亜紀闘法を逃走に駆使されたら追いつけないのでは…

しかし、ここは東京ドーム地下…外界から隔絶された一種の別世界だ。
隠れることは出来ても、逃げる先などない。
だからこそ、ジャックはゆっくりと追いかけているのかもしれない。
これは狩りだ。狩りは走って追いかけるだけでなく、じっくりと獲物を追い詰める戦術も重要となる。
ピクルの反撃に備え、不要な隙を生み出さぬよう、ジャックはじっくりと、ゆっくりと、追いかけているに違いない。


逃げ続けるピクルはやがて東京ドームの外へって外ォッ!?
…狩りがああだこうだと理屈を並べていた私の立場はどうなりますか。
お互いにいっぱいいっぱいだから人目なんて気にしないぜ。
さすがアウトロー二頭。

景色は明るい。また日が暮れる時間帯ではないようだ。
だから、東京ドーム周辺には人がたくさんいる。
そこにフンドシ一丁とハーフパンツ一丁…なんですか、こいつら
ついに露出プレイが開始されてしまった。
パンツだけ履いてるから恥ずかしくないもん!

[ジャック範馬][稀有なる闘技者(ファイター)………]
[意図的な過剰負荷(オーバーワーク)]
[先行きをも鑑みない度を越した薬物摂取]
[四肢の切断をも厭わぬ骨延長の外科手術]
[明日に期待せず―― 刹那に徹した生き様]
[思えばそのどれもが不自然至極ッッ どれもが自然界には存在しない]

[ジャックをジャックたらしめているものに ピクルは恐怖した]


死してなお蘇り(死んでないけど)、不自然主義を貫き通すジャックという男に、ジャックそのものにピクルは恐怖していた
ジャックは積み重ねてきた何もかもを砕かれた。
しかし、砕かれてなお、ジャックは己の生き様を信じて貫いている。
ジャックの心はまだ折れていない。
死してなお心で戦っている。いや、死んでいないけど。

[しかし――――]
[人間(ヒト)はどこまでも恐怖に背を向けていられない]


逃走開始から2分…
ピクルだって逃げてばかりもいられない。
立ち止まって戦いを覚悟する。

その顔は…今までなかったくらいに崩れている。
だが、その表情からは恐怖以上の悔しさが感じ取れる
ジャックは恐れるに値する相手であり、現に逃げてしまった。
しかし、白亜紀最強を誇った男のプライドが逃げに甘んじることを良しとするのか。
甘んじようとしている己に不甲斐なさを感じないのか…
ピクルにだってジャックと同じように、貫いて通す己の生き様があるのだ。

なお、ピクルがさりげなく人間扱いされている
読み仮名はヒトなので、あくまで種としての人間という意味合いかもしれない。
だが、ピクルはジャックとの戦いで怒り悲しみ恐怖して…次々に様々な感情を出している。
人間としてのアイデンティティはほとんど確立されたようなものだ。
だから、いい加減食人は控えた方が…

ピクルが止まると同時にジャックの顔にも汗が走る。
ジャックもピクルに対して、恐れを抱いていないわけではないのだろう。
絶望的な戦力を持つ相手に挑んでいる自覚がある。しかし、貫いた生き様は曲げられない。
恐怖と戦っているのはピクルだけではない。
裸で街中に出たことを後悔した汗とかそういうのは許してください。

[白亜紀無敗の誇りが]
[火を吹いた……ッッ]


けたたましい鳴き声を上げて、ピクルは構える。ジャックも応戦体勢を取る。
第2ラウンドは東京ドーム前で開始された。
観客がたくさんいるぜ。せっかくだから本部も通りすがれ!
そして、白亜紀闘法の踏み台にされます。

お互いに引くに引けぬ意地をぶつけ合う第2ラウンドとなった。
次はないだろう。
最新VS最古、人間の限界VS古代の暴力となり、最後は肩書きも何もない純粋な意味でのジャックVSピクルとなった
もはやジャックに薬など必要ないだろう。最後にぶつけられるのは信じてきた自分だけだ。
お互いに己の全てをぶつけ合うこととなるに違いない。
次回へ続く。


ジャックはピクルを地上最強のファックユーという不意打ちだけではなく、己の生き様でも恐れさせた。
少しずつ範馬一族はピクルの領域に近付いている。
やはり、精神面の脆さがピクルの弱点か。
刃牙はピクルの悪口を言っていじめるといいかもしれない。
明日戦うよ?ゆっくりしていってね!え?ゆっくりもできないの?馬鹿なの?と煽ろう。

今のところ、精神的にはジャックが圧倒的に有利だ。
地獄から戻って来たファイターだけあるぜ。
でも、問題は肉体面だ。
肉体の勝負ではかなわないことが第1戦で証明されている。
ましてあの時はマックシングを発動させた上で、ピクルの潜在能力に遅れを取った。
薬の効果が切れた今、その差はさらに…

最大トーナメント決勝でガリガリになったジャックはステロイドを越えたと叫んだ。
マックシングというドーピングの極みの果てにあったのは、純然たるジャック範馬自身の力であった。
今回もあの時のようにジャック・ハンマーではなく、ジャック範馬としての力を発揮するのであろうか。
範馬一族としての覚醒の時が迫っている。

ジャックの武器はパワーだけではなく、渋川流を使ったように技術も持っている
パワーだけではかなわなかったが、パワーとテクニックを融合させればどうだ。
対勇次郎を想定して開発した力と技の融合系、ジャック流格闘術(仮)を炸裂させるのだ。
あればの話ですが。

それともパワーにはパワー…
ジャックも鬼の貌を宿す時が来るのだろうか。
その場合、刃牙や勇次郎の立つ瀬がなくなってしまう。
異常な強さを誇るピクルとの差を埋められるのは鬼の貌くらいだし、もし鬼の貌が敗れれば刃牙の勝ち目もなくなる。
逆に鬼の貌で勝ってしまえば打ち立ててきたピクルの強さも崩れてしまう。

ただ、鬼の貌が敗れて鬼の貌の先にあるものを刃牙が見つけるのはありだ。
鬼の貌を越えたものは対勇次郎に必須となるだろう。
それをピクル戦で見つければ、勇次郎との戦いに繋がるものとなる。
ジャックVSピクル第2戦は当人だけのものではなく、範馬一族とピクル、ひいては刃牙と勇次郎に関わってくる問題かもしれない。

一方でピクルは目の前の敵から逃げ出した。
策略のために逃げた格闘家はいるが、打算も何もなく純粋な恐怖から逃げた格闘家はどこぞのロシア死刑囚のような雑魚くらいしかいない。
そして、いずれも心が折れている。
ピクルの心は…どうなのだろうか。すんでのところで強者としての誇りで自分を奮い立たせた。
その誇りを覆すような事態、ジャックから大ダメージを受ければ精神にかなりのダメージを受けることだろう。
そうなるとジャックが大きく有利だ。

でも、やっぱり肉体面を崩せるかどうかが問題だ。
ジャックは策を用意しているのだろうか。
闘争に関して純粋であると同時に狡猾なのが範馬一族だし、鬼の貌を含めて隠し球に期待したい。
刃牙が得意とした鼻攻撃をジャックもやってしまうか?
地上最強のファックユーを見せた以上、あの手の攻撃は警戒されそうではある。

しかし、衆人環視の前で戦うことになろうとは…
何かもう機密とかそういうのまったくないな。
特にピクルは文化遺産だ。
それを殴る蹴る…ジャックは勝ってもポリスを気にかける必要がありそうだ。

衆人環視を前向きに捉えるのなら食人の危険は下がることだろう。
そう考えていた時期が俺にもありました。
克巳の時は5万5千人の視線の中に食人敢行直前まで行ったから、人がいるかどうかは関係なさそうだ。
早く謝ってください!ピクルには攻撃きかない!
僕は絶望的な戦いはしたくないです。
必死に逃げても白亜紀闘法されて後ろから食われたくないです!はやくあやまっテ!!



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