範馬刃牙 第158話 矜持 



刃牙VSピクル開戦!
嘘みたいだろ…本当に戦うんだぜ…
GW中の怒濤の開戦だ。バキ感想書きにはGWすら許されないのだ。
…ついでに私は今日チャンピオンが発売することを、コンビニに行くまで知りませんでした。


刃牙とピクルの激突をどこで知ったのか、徳川光成と花山が地下闘技場に訪れる。
息は荒れている。走ってきたのか?
どうやら大急ぎで地下闘技場まで来たようだ。
でも、刃牙の蹴りが決まってからじゃ遅すぎるし、その前からだと早すぎる。
ジャックとピクルの戦いが始まった時と同じくらい、時系列がメチャクチャだ。
もしかして、刃牙のその間実に2秒キックでピクルが気絶したとか
気絶している間に大急ぎでやってきた!…とかやらないでください。

だが、地下闘技場には先客が既にいた。
特別編で大暴れした烈海王だ。
何でお前がここにいる!
刃牙がいるところに烈現れる。大擂台賽以降のお約束だ。
間違いなく「範馬刃牙」において刃牙ともっとも絡んでいる人物だ。
「バキ」でもっとも刃牙と絡んだキャラ、松本梢江の後を継いだのだ。
なお、烈と梢江の共通点はどっちもヒロインなことです。

烈は振り返る。妙にキモい笑みで振り返る。
刃牙が本領を発揮している間に、烈も本領を発揮していた。
どこか笑みがキモいのが烈先生のチャームポイントである。
俺が先取りしていたぜ!みたいなこのキモい笑みは、刃牙から学んだものなのであろうか。

「始まったばかりです」
「恐龍紀最強の雄VS範馬刃牙」


烈は刃牙とピクルの開戦の瞬間をちゃんと見届けたようだ。
…いや、何で見届けられるんだ?
もしかして、烈も飲まず食わずで見守っていたのだろうか
べ、別にあんたのことなんて心配でも何でもないんだからね。これはたまたまよ、たまたま。黙ってあの娘と遊んでなさいよ!
うん。いつものことです。
ところで克巳はどうしたんだ、烈よ。克巳の利き腕になるという誓いはどこへ…(誓ってません)

さて、ピクルはダウンしていた。
刃牙のハイキックでダウンしていたのだ。
…マジかよ。やっぱり、前回のラストはやっぱりダウンだったんだ。
マッハでもなければマックシングでもないただのハイキックでダウン…
ピクルと戦った戦士は嫉妬心で狂いそうだ。

「凄まじい上段廻し蹴りでした」
「豊穣な― それでいて厳かで」
「いかにも刃牙さんらしい初弾です」


〜〜〜〜ッッ。
豊穣とか厳かとか語彙がおかしいが、海王ですら認める見事な蹴りであった。
ハイキックは刃牙の十八番なのだ、とルミナは決めていた(第10話)。
かつて郭春成を秒殺し、アイアン・マイケルも秒殺し、100キロのカマキリには効かなかったハイキック…
これを受ければピクルと言えどって、ダウンしたってことはピクルってカマキリ以下なのか?
人間離れした太い頸椎を持っているから、脳が揺れないという設定はどうしたんだ…?

とにもかくにも、見事な蹴りであったのだ。
それでいて、刃牙らしい…
まぁ、不意打ち同然なのは刃牙らしいな。
何かと不意を突きたがるダーティな戦法が刃牙の格闘スタイルだ。
成功率に関しては…半々か。
ピクルに通じたのはやっぱりピクルが油断しがちだからだろうか。

そして、刃牙らしいと言っている烈の表情は心底嬉しそうだ。
やっぱりコイツ最低だな!という感情が込められているのか?
…まぁ、私も刃牙がクリーンファイトをしたら逆に失望する。
何か汚い方が刃牙らしいと思うし、よく似合っている。

刃牙はポケットからテーピングを取り出し手首に巻く。
テーピングをすることで脱臼や骨折から拳を守ることが出来る。
そして、噛み付かれても皮膚まで歯を通さないのだ(グラップラー刃牙第2話)。
…いや、ピクルはあっさりと貫くだろうけど。

さらに刃牙は靴を脱ぎ、ズボンを脱ぎ、シャツも脱ぎ捨てる。
そして、いつもの漆黒のトランクス姿になった
数年ぶりに見る地下闘技場王者スタイルだ。
前回までは散々ムカつく姿を見せたのに、思わず忘れそうになるくらい堂に入った姿だ。
ぐう…小憎たらしい。さすが主人公だ。華がある。
よく泥にまみれる華だけど。

「おそらく―――― 刃牙さんは伝えるでしょう」
「「狩り」のため――――――ではなく」
「食べるため―――――ではなく」
「言うなれば―――――」
「文化としての闘争(たたか)い」
「誇りを守るため―――……… 気位を守るための闘いを――
 刃牙さんなら伝えられるでしょう」

生物としての戦いではなく、人間としての戦い…
それを刃牙は伝えようとしているらしい。
何甘いこと考えていやがるんだとかピクルに(言葉があるとしたら)言われそうだ。
生きるために戦う。戦いとは即ち生存競争。
シビアな戦いを生き残ってきたピクルとしては、その考えは甘いと言わざるを得ないだろう。
勇次郎だってどちかと言えばピクルに大賛成だ。

刃牙は目の前の相手を問答無用に叩き潰す…
春成やJr.の遠慮のないボコりようから、勇次郎に近付いていると思った。
戦いを通して生まれる絆を大切にする…幼年時に言った志は消えたかに見えた。
だが、違った。その根底にはあくまでもその心が生きているようだった。
でも、春成やJr.は何だったんだ?弱い奴に興味はないと仰るのか?
クソ!嫌味な野郎だ!

ピクルは起き上がろうとする。
さすがにハイキック一発で終わるわけではなかった。
そこに刃牙のローキックだ。
体勢を整えることすら許さん。強烈な現代からの洗礼だ。
誇りを守るための戦いを教えようとしているわりにはなりふり構わない攻撃だが、それも刃牙流か。
じゃあ、例え食われても文句は言わないよね!

ピクルは頭を強かに地面に打ち付ける。
その目は揺れている。
認めがたいが、というよりも認めたくないがダメージがあるようだ。
しかし、ピクルはジャックの猛攻を受けてもノーダメージのチート生物だぜ。
そんなジャブ同然の攻撃でダメージなんぞ受けるものか!
まぁ、刃牙も防御無視攻撃が出来るチート格闘家ですが。

ともあれ、ピクルがペースを取り戻す前の連撃だ。
これで刃牙は夜叉猿・妄想カマキリ・妄想Tレックスと野生動物との対戦数がけっこう多い
妄想生物を数に入れるべきかはともかく、そのキャリアがピクルの戦いにも生きているのだろうか。

さらなる追い打ちがピクルに決まる。
飛び上がって全体重を込めた踏みつけを顔面に行う
序盤から必殺の一撃を持つ攻撃を連続で行う容赦のない攻めだ。
…やっぱり、こいつ、勇次郎の側の人間だ。
誇りとか気位のために戦っているんじゃなく、本気で生存競争しているよ…

(殺るか――ッッ 殺られるかッ)
(――ではないんだよ ピクル…)


ナニ言ってんの、お前!
殺す気の攻撃をしておいてこの言い様だ。
すごい。すごい傍若無人だ。
エイケンを読みながら巨乳か巨乳かではないんだよと言うくらい無茶苦茶だ。
なら、殺るか殺られるかではないとピクルが噛み付いてきても文句を言うなよ。

(喰うか――)
(喰われるかッ)
(―――ではないんだよ ピクル…)


さらに刃牙は踏みつけを連発する。
倒すためではない。殺すための攻撃だ。
なのに、ナニを言ってるんだ、相変わらず。
思っていることと行動が伴っていない。
思わず徳川光成も「殺す気か……ッッ」と少し錯乱している。

だが、ピクルのタフネスは異常だ。
マックシングジャックの攻撃を以てしても、ダメージと言えるダメージは与えられなかった
刃牙の攻撃は普通人にとっては十分殺す気の攻撃だ。
それでも、ピクルに対してはジャブ同然なのかもしれない。
ピクルの異常なタフネスは刃牙もよく知っている。知っているが故の暴言と暴行か?

そして、この連撃を受けたピクルに大きなダメージはないようだった。
なので、這いつくばって逃げようとする。
おいィ?何いきなり逃げようとしているわけ?
地下闘技場は俺にとっては神の贈物だがピクルにとっては地獄の宴だからな。
何かすっかり逃げ腰になってしまったピクルであった。
殺す気なのに殺す気じゃない(らしい)よくわからない攻撃に翻弄されているのか?

(殺し合いではないッッ)
(命の奪い合いまですることはないんだ…)
(そうまですることは―― ないんだよ……………)


そう優しく語りかけるように刃牙はチョークスリーパーをかける
やっぱり、殺す気だ。どっちだよ、お前。
ついでに踏みつけからのチョークスリーパーの連携はJr.を殺すために用いたものだ
…やっぱり、ピクルを殺す気なんじゃないだろうか。

ともあれ、ピクルがおそらくは人生で初めて味わう絞め技だ。
未知のダメージである。ピクルはこれで未知のモノが苦手だ。だから、ジャックから逃げ出した。
さらには絞め技なら異常な頸椎をほぼ無視したダメージを与えられる。
チョークスリーパーは肉体的なダメージに加え精神的なダメージも期待できる選択肢なのだ
打撃では高い効果を望めないことは証明されている。ピクルの戦いを見てきた刃牙だからこその周到な攻撃だ。
あとちょっとセコい。

チョークスリーパーを受け、ピクルは白目になる。お約束のように舌を丸める。
ダメージあり…か?
刃牙のチョークスリーパーを受けたジャックも勇次郎もダメージはなかった。
でも、ピクルにはダメージがあるようだ。
範馬一族にはチョークスリーパー耐性でもあるのだろうか。

「キッ キマっちまうぞこりゃあ」

「いや…」「それはない…ッッ」


徳川光成は沸き立つ。
当然、それを否定するのは烈の仕事だ
ナイスツッコミだ。さすが、解説海王。
そして、思わず敬語を忘れている
馬鹿じゃねーのジジイ!って勢いだ。
まぁ、これで終わったらピクルはJr.同様の扱いになってしまう。

ピクルは噛みしめる。
このままでは終わらないのが史上最強と呼ばれる男だ。
チョークスリーパー、裸締めは抜けられる技はないという。
それに対して原始の戦士はいかに対抗するのだろうか。

ドヒュ

そこでピクルは刃牙を背負ったまま奔った。
一気に観客席を駆け上がり、最上段まで到達する。そして、最上段のパイプを踏み台にして闘技場へ向けて飛んだ
当然、その高度は跳ね上がる。おそらくは3〜4階分の高さから落下することになる。
ピクルは高空からの自由落下でチョークスリーパーを解こうとしているのだ。

奇しくもその手法は勇次郎が独歩のチョークスリーパーを解いた方法と同じだ
両腕を広げる構えといい最強同士のシンクロニシティである。
だが、規模が違う。飛び上がった高さがまるで違う。
刃牙はここからどう脱出するのか。それともダメージ覚悟で締め続けるのだろうか。

(ワカってるじゃんピクル……)
(それでいいんだよ…………)
(そんな程度でいいんだよ…… 強さ比べなんて……)


ナニがワカったのかよくわからないが、ピクルは刃牙の求めるものがわかったらしい。
えーと…強さ比べはチョークスリーパーを食らったら大ジャンプすれば合格なのか?
何だかわからんがとにかく良し!
いや、よくねーよ。ちゃんと説明しろ、刃牙。

しかし、勇次郎が独歩を抱えたまま飛んだ時に思ったのだが、この方法はチョークスリーパーから逃れるために有効なのだろうか
飛ばれた側は驚くだろうが、チョークスリーパーを解くほどの事態にはなり得ない気がする。
下敷きにすればダメージを与えられるかもしれないけど、その衝撃は自分にも来るだろうし諸刃の剣のような…
タフネスに自信のある戦士のみに許された対策なのだろうか。
まぁ、刃牙みたいに殴るよりはマシだろうけど…

何にせよ、これでギャラリー一同にネタが供給されることは間違いない
ピクルの行動は勇次郎とそっくりじゃッッと徳川光成が咆えるぜ。
見たことのないことなので烈は爪を噛むより他ない。
ただここで中国四千年の奥の深さを見せつけるべく、あれは伝説の一戦となった勇次郎と独歩の対戦と〜とか言い出すのもいいだろう。
そうなると寡黙な花山さんは入りにくそうだ。
それとも丁寧でそれなりに饒舌だった今仕様の花山さんが降臨するか?

そういえば、花山さんが見学に来たのはちょっと意外だ。
バキ最終話の勇次郎シャドーには見学に来なかったのに…
あの時はリアルシャドーだから別に見なくてもいいやというのが本音だったりしたのだろうか。

見学者と言えば同じくピクルと戦った克巳やジャックが来ていない。
ジャックは静養中だとしても、克巳は見に来てもいいんじゃないだろうか。
男を上げた克巳なら見学者として適材以上の適材だ。
恋人の烈が来ていることだし、ここで姿を見せないと刃牙に奪われてしまうぞ。
ぬう…克巳は燃え尽きてしまったのだろうか…

とにもかくにも、刃牙VSピクルの戦いは始まった。
とりあえず、今のところは刃牙が優勢だ。
だが、ピクルのエンジンが本格始動していないようにも見える
序盤はある程度好き放題やらせるのがピクル流だ。
ピクルのペースに持ち込ませないように、奇襲からの連打と刃牙は真っ向勝負を避けていることだしなおさらだ。
もしかして、満腹だからピクルはあまりやる気がなかったりして。ムカつく顔にキレてみたけど、まぁいいやとか思っているかも。

力と力の真っ向勝負になった時にピクルのターンが始まりそうだ。
そうなったら刃牙は…おとなしく歯を折られて倒れる姿しか想像できない
泣いたら食われるぜ。よし、ピクルよ。泣け。
情け無用の本気の鬼と本気の非人類の激突になった時が危なそうだ。
そういえば、ジャンプした瞬間のピクルは白目に戻って舌も丸めている
着地と同時にピクルは失神。勝負あり!
…それだけは止めてください。
次回へ続く。


今までは血を血で洗うような凄惨な戦いがピクルとの戦いを意味していた。
克巳はピクルをはねのけるために腕を骨だけにしてグロテスクな光景を披露した。
ジャックもまた顔の皮を食われてやっぱりグロテスクな光景を披露してしまった。
綺麗事がまるで通らないのがピクルだ。
美しさなどまるで存在しない。まさに生物と生物の生存競争だ。

それに対して刃牙はあくまでも腕と腕を比べ合う格闘にしようとしているらしい。
殺し合うのではなく、どちらが強いのかを確かめるだけの戦いだ。
やってることは殺し合いだが、本人が違うと言っているので強引に無視しておこう。

しかし、それをピクルが良しとするのだろうか。
満腹なら保存のために戦えばいいんですよ。
刃牙をビルの屋上に吊るしやがれ!

そして、命を賭けて戦った3人の戦士を刃牙は忘れたのだろうか。
3人とも餌になる覚悟で戦った。それだけの気概があった。
別に殺し合わなくても大丈夫ですよみたいなノリだと、思いっきり怒られそうだ
烈は刃牙のノリに賛成のようだけど。
恋は盲目なのか?

まぁ、刃牙は巨凶範馬ですよ。
範馬の血に目覚めればゆとり教育的な台詞を言っている暇はなくなるだろう。
烈の首をへし折ったことは忘れない。
同じような凶悪さをピクルにもぶつけるか?
…壮絶な勝負になりそうだ。うん、そうなるとちょっと楽しみだ。
ジャックは耳を噛みちぎる謙虚な巨凶だったから、刃牙はチンポを噛み切る危険な巨凶を見せましょう。
逆に噛みちぎられることに注意しておこう。いや、そうなっても別にいいけど。

格闘試合か、生存競争か、刃牙VSピクルはどちらに転がるのだろうか。
でも、現代社会は競争社会だ。
一種の生存競争ですよ。
現代VS古代の生存競争に発展してしまうか?
現代代表の刃牙はこの期に及んでも明日からやるぜ。
明日から!
思いっきり競争に負けます。それが刃牙クオリティ。



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