範馬刃牙 第238話 マッチメイカー



極上のマッチメークが成立した!
どんな組み合わせなのだろうか。
第2回最大トーナメントの前哨戦に相応しい組み合わせに違いあるまい。
でも、栗谷川だからな。
ムエタイ選手を堂々と差し出しそうだ。


[競技としての空手… その存在をよしとしながらも]
[武道家愚地独歩は 慎重に言葉を選ぶ…]
[空手には―――――― 存在してはならない技術(わざ)がある]


愚地独歩はそう語っていたそうな。
競技空手と武道空手が違うことは本部ですら知っていることだ。
武道空手にはえげつない技がいくつも存在している。
本部ですら知っている。ここ、ポイントだ。

そして、愚地流を関する独歩ならば、その技術に非常に精通している。
独歩は相手を壊すことに関しては超一流なのだ。
天内を壊したように、ドリアンを壊したように、Jr.を壊したように…
独歩が本気を出すと相手は壊れる。

さて、栗谷川は徳川光成にパソコンのモニターを見せる。
そこには「御老公の病が尻尾を巻いて逃げ出すような…」代物らしい。
そういえば、このジジイは病気だったんだな。
てっきり忘れていた。
実は死ぬ死ぬ詐欺じゃないのか?

そこに映し出されたのは防犯カメラの映像だった。
武神愚地独歩と牛刀を持った男が路上で対峙していた。
独歩はハンドポケットだ。
対する男は牛刀を抜いて臨戦態勢万全だ。
日常で始まる闘争が独歩に降りかかったのだろうか。

それはその男とすれ違うところに遡る。
独歩はすれ違った瞬間に男の持つ危険性を察した。
強めの香水、乱れた頭髪、体臭、煙草、垢のたまった爪、汚れた襟、無精髭…
明らかにまともな人間じゃない。
ニュースで無職住所不定とか言われそうな風貌だ。

飲食業の人間とはまるで思えないのに、男は脂と金属の臭いを漂わせていた。
独歩は歩き方からベルトの右側に刃渡り30cmほどの牛刀を秘めていることを悟る。
混ざったインクの臭いから新聞紙に包まれていることも推測している。
探偵顔負けの洞察力だ。
危険のただ中に55年生きてきた男ならではである。
いつもの帽子といい見た目も探偵っぽいぞ。何となく。

[この男 何処かで抜く!]

男の、三村雄稀の絵に描いたような危険度の高さに独歩は惨事を予感する。
刃牙だったら全てを把握した上で無視しそうで怖いな。
牛刀を目に突っ込まれればいいのに。

目の前に二人の少年が現れた瞬間、三村は牛刀を抜く。
弱者の方が都合がいいのだろうか。
頸動脈を狙った一撃だったが、独歩が発した一声により手元が狂う。
少年の胸は切り裂かれるが、幸いにも最悪の事態にはならなかった。
刃牙なら何もせずに看過しそうだ。

三村は激昂し独歩に襲いかかる。
動き出した狂犬は百獣の王を前にしても躊躇うことを知らない。
相手の危険度は日本でも有数であることも知らずに…

[戈を止めると書いて 武………… 争いを止めると解釈する………]
[ならば…………]
[わたしは失格だ]


独歩は襲いくる三村の喉を掴む。
圧倒的な握力によって、三村の喉仏は切断された。
躊躇せずに人体の急所を破壊した。
生身だというのに喉仏は鋭利な刃物に晒されたように引き裂かれた。
やはり、独歩の危険度は非常に高い。

普通の人が相手ならこれで勝負ありだ。
普通じゃない人手も勝負ありだけど。
現にスペックは花山に喉を潰されて敗北している。
死刑囚ですら根を上げるようなダメージを独歩は素人に与えたのだ。
普通死にます。レッドフラッグです。

だが、この愚地独歩。一切の容赦をせん。
さらに掌底で三村の股間を突き上げる。
睾丸破裂といい生易しいレベルではない。
この一撃で恥骨が破砕された。
もう股間を押さえるレベルではない。

もはや勝負ありというレベルではないが、独歩と言えば殺傷本能(キラーインスティンクト)の持ち主である。
そのうち、ブッ殺してしまうと危惧していたほどだ(第209話)。
それほど独歩は溜まっていた。
まぁ、もう三村は死んだだろう。
それほど致命的なダメージを負っている。

でも、ここまで来ればどれほどやっても差はないのか。
独歩は貫手を放ち、肋骨を抜き取る。
肋骨の開放性骨折だ。
もはや骨折というレベルではないが、ともあれ骨折判定だ。
こうして三村の肋骨は消え去った。

独歩が貫手を本気で放つと肉を突き破り、骨をちぎり取れるらしい。
腹筋を鍛えていない一般人の腹部など、破壊するのも容易なのだろうか。
喉、股間、腹部…三村は全てを破壊された。
これは死んだだろう。うん、死んだ。
白昼堂々の残虐ショーだ。
これじゃどっちが悪いのかわからんな。

[空手には……………]
[存在してはならない 技術がある]


独歩は人を壊す技術で三村を完膚無きまで破壊した。
多分…というか、間違いなく三村は死んだ。
船井零を倒した後に特に何もなかったからか、独歩のフラストレーションは頂点に達していたようだ。
ふとしたきっかけで爆発してしまった。
本当に殺人を犯してしまったよ。

ともあれ、神心会未曾有の不祥事だ。
正当防衛とはいえ殺人は不味い。
もはや過剰防衛というレベルではない。
独歩も死刑囚の仲間入りになってしまうのか?
黒に染まることになってしまうのだろうか。

この残虐ショーには徳川光成も唖然とする。
そりゃ、唖然とする。
よもや独歩が一般人を破壊する様を見せられるとは思ってもみなかっただろう。
極上のマッチメークってもしかして独歩と三村か?
極上でも何でもなくただの残酷ショーである。

あるいはこれは前振りなのか?
こんな危険度が沸点を超えた独歩と戦う戦士を紹介するのだろうか。
何かご愁傷様としか言いようがない。

何とも想像の斜め上を行くひどい話だった。
斜め上というか、もはや斜め下だな。
まさか、独歩がここまでやる男だったとは…
ひどいとしか言いようがない。

ともあれ、話はさらに混沌としそうだ。
烈も烈でクレーザーが片付いていない上に、さらなるボクシングの強者が待ち受けていることだろう。
…板垣先生は風呂敷をまとめることができるのか?
最終章に突入したと思ったら話の流れがさらに混沌としてきた。
次回へ続く。


最悪だ、この男!
日本中に蔓延する範馬オーラを浴びすぎたのだろうか。
独歩がすっかり悪い人になってしまった。
ここまでやられると笑うしかないな。

独歩は人を壊す技術を披露した。
これを待ち受ける戦いで使うのか?
何とも凄惨な勝負が繰り広げられそうだ。
金的も恥骨を完全破壊するぞ。

でも、試合する前に独歩は警察の厄介になってしまいそうだ。
三村は殺人未遂だし、さすがにやりすぎではないだろうか。
独歩の逃亡生活が始まるのか?
これを見てご満悦の徳川光成は嬉々として保護するんだろうな。

しかし、それもこれも第2回最大トーナメントが遅々として進まないせいだ。
徳川光成はサボっている場合ではないぞ。
あるいはピクルが刃牙のおかげで逐電したのも悪いかも。

適度なストレスの解放ができないとこういうことが起きるということか。
独歩以外にも渋川先生が溜まっていた。
渋川先生も同じことをしちゃうか?
渋川先生なんて雑魚ヤクザしか狩れていないから、独歩以上にフラストレーションが溜まっていそうだ。

今年の範馬刃牙はひどい話で始まった。
一体、今年の範馬刃牙はどうなることやら。
この調子だと今年中に刃牙と勇次郎が戦うことがなさそうだ。
勝つ負けるよりも先にいかにして試合するかを考える必要があるな。
もしかして、刃牙が護身を全開にした結果なのか?



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