範馬刃牙 第270話 巨凶出現 



勇次郎が勇次郎拳を発動させた!
そ、それは象形拳じゃねえ!
ともあれ、鬼の貌の発動だ。勇次郎さん、本気である。
ただでさえ刃牙を圧倒しているのにダメ押しの鬼の貌だ。
刃牙は泣いてもいい。


勇次郎は鬼の演舞を開始する。
ただの演舞ではない。
パンチやキックによって衝撃波が生じ、それが目に見えると錯覚してしまうような演舞だった。
恐ろしいまでの演出力である。
まさかのエフェクト付きだ。
手動ハリウッドだな。

[力強く… 自然で… 美しかった…]

バキ世界ではちっとも重視されない演舞であったが、やはり勇次郎がやると一味違う。
力強いだけではなく美しい演舞だった。
ストロングイズビューティフル。
強いということは美しいのだ。

刃牙だけでなく観客たちもその美しさに目を奪われた。
大国さえ怖れると言われたその武力は、美しかった。
この美しさは本物だ。
これも演出力か?
何かキラキラしているんじゃないか?

[本人が本人を真似る]
[これ以上自然な「象形拳」はまたとあるまい]


それは象形拳じゃねえ! 真似じゃねえ!
なのに、すっかりと騙されやがって。
これじゃあ日常茶飯事全てが自分の真似になっちゃうよ。

あるいは勇次郎の強さというのは何かから学んだり鍛えられたものでなく、勇次郎個人の完全オリジナルということだろうか。
ひとつの強さの結晶だ。
誰にも真似できない。本人だけが為しえる。
だから、勇次郎拳。誰にも真似できない自分を真似ているのだ。
……書いていてわけわからなくなった。
もういいよ、象形拳で……

勇次郎は勇次郎並みの硬い拳を持つ。
勇次郎は勇次郎並みの強靱な筋肉を持つ。
勇次郎は勇次郎並みの俊敏さを持つ。
当たり前のことだが、当たり前すぎて、当たり前のことにしか思えない。

「範馬勇次郎の演じる」
「範馬勇次郎は」
「完璧に決まってんじゃん」


刃牙からも合格判定が出た。
これで勇次郎じゃないとか言われたらどうしろというものだ。
勇次郎は演舞なんてしないとキレる。
そんなこと言ったらいきなり鬼哭拳でKOされても文句は言えませんが。

「――けど親父……」

「はい」

「いつだって「型」に問われること」
「それは見た目じゃない」

だが、ここでまさかの勇次郎に説教開始!
勇次郎も思わず「はい」とか言っちゃってるよ。
これを見て徳川光成は何かに気付き震える。
……そりゃ震えるか。説教なんて畏れ多い。

勇次郎は表情を崩し、あえて刃牙に問いかける。
刃牙も教えてやると前に出る。
相手は鬼の貌解放勇次郎だぞ。
何と畏れ多い。

[「型」の目的地はいつだって実戦性]
[それを――]
[お父さんに 教えなきゃ……]


こうしてお互いに歩み寄る。
型は実戦の動きを行うことに意味がある。
なので、実戦が目的地になるのだが……
刃牙にそれを教えられるのか?
アンタはいつだってビッグマウスだからな……

そう思っていたら勇次郎の上半身がいきなり落ちた。
これは刃牙がオリバ戦で開眼した0.5秒打撃だ! (第70話
まさかの懐かし技の炸裂だ。
というか、勇次郎にも通用するんだあれ……

ついでにバキで説明したユーザーイリュージョンには勘違いがあります。
多分、直らないだろうが。
次回、勘違い解説を本部がするぞ!
多分! むしろ、しろ!

鬼の貌は攻撃力のみならず防御力も上げる。
独歩の打撃をものともしなくなり、郭海皇の消力も破っている。
そう思っていたら0.5秒パンチへの耐性はないようだ。
意識の隙を突く技だからか。
それを鑑みると刃牙のセレクトはいやらしいまでに的確だ。

以前、0.5秒パンチをした時は刃牙は鬼の貌を解放していた。
今回も影に隠れて鬼の貌なのだろうか。
それなら徳川光成が驚いていたのも得心が行く。
これで勝負がついていたら笑えるな……
浦居高校のグリズリー大熊ルイだってもうちょっと粘るよ(どうでもいいことだけど、このハッシュタグを一番最初に使い始めたのは私だ)。
謎を孕みながら次回へ続く。


0.5秒パンチの復活だ!
滅茶苦茶な解説でようわからん必殺技である。
思えばあの頃から妖術師の片鱗は見せていたのやもしれぬ。

0.5秒パンチをオリバは破ることはできなかった。
筋肉ボールで剛体術を引き出させ、それを破ってマッスルパックマンだった。
別の技を使うことで0.5秒パンチを逸らしている。

勇次郎はどうするのだろうか。
鬼の反射神経は完全なフェイントに隠された諸手突きさえも凌駕する。
それは0.5秒の空白を上回るのか?
あるいは勇次郎とて0.5秒の空白は如何ともしがたいのか?

しかし、勇次郎が0.5秒パンチに引っかかるのは不思議だ。
0.5秒の空白にカスりパンチを組み合わせた複合技だったりするのだろうか。
鬼の演舞でちょっといい気になって油断しちゃったのかも。

勇次郎が勇次郎拳なら刃牙は刃牙拳! と思って出したのが0.5秒パンチだったりして。
完全なる刃牙の模倣である。
でも、0.5秒パンチって絵面的に地味すぎて面白みに欠けるのが弱点だ。
観客を魅了した勇次郎と比べるとやや劣勢と言わざるを得ない。

0.5秒パンチで勇次郎をダウンさせたものの、地味すぎるインチキすぎるとバッシングを浴びたりして。
案外、刃牙はピンチなのかも。
そろそろ梢江の力が欲しいところでもある。
そうだよ、梢江だよ。お前何やってんだよ!

ついでに今更の話題ですが、前回のバキではベストバウト人気投票があった。
ベストバウトと言えば個人的にはこれだが、まぁそれは置いておこう。
注目のカードは伝説となった郭海皇VSサムワン海王か。
近年では勇次郎VSストライダムもなかなか評価が高い。

この人気投票はそれぞれのバトルに割り当てられた番号で投票を行う形式だ。
そこで不思議なことに歯抜けがけっこう多い。
81番郭海皇VSサムワン海王の次は83番オリバVS楊海王となっており、82番が存在しない。
存在しない82番は勇次郎VSサムワン海王だと思われるが。
同じような境遇の歯抜けバトルがいくつか見受けられる。

10月12日まで投票を受け付けるようなのでまだまだ余裕があるぞ。
オンラインでも投票を行えれば便利なんですけどね。
組織票で梢江VS刃牙が優勝したらシャレならないのでなしか。
……ついでにこの戦いはエントリーされていない。
歯抜け扱いもなしか……SAGAに対する世間の厳しさを知った。



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