範馬刃牙 第280話 虎王返し



勇次郎が刃牙の虎王にサインを見せた。
丸サインの意図や如何に。
というか、虎王効いているのか?
HP0のサインとかじゃないですよね。


(オ…………… OKェ……って…)

範馬一族のサインは範馬一族にしかわからない。
……と思ったけど、刃牙にもわからなかった。
やっぱり、勇次郎の考えていることは誰にもわからないか。
ストライダムを連れてくれば……あるいは……

サインの真意はともあれ、勇次郎はポジション的には大ピンチだ。
刃牙がちょっとコキャれば腕が逝く。
片腕を使えなくなるとさすがの勇次郎もマズイに違いない。
いや、刃牙相手になら片腕で何とかなるか?

勇次郎は左腕を決められた状況で右腕を高く掲げる。
刃牙は混乱するばかりだ。
この状況でこんなことをしても脱出はかなわない。
混乱しまくって腕を折ることを忘れている。
せっかくのチャンスなのにもったいない。
あくまでも逃走ではなく親子喧嘩ということか。

そこから勇次郎はアスファルトに向けて右腕を叩きつける。
かつて勇次郎は拳で地震を止め、拳で闘技場をメチャクチャにした。
勇次郎が拳を地面に振り下ろすのはそれ自体が一大イベントなのだ。

そして、今回は勇次郎の腕がアスファルトに埋まった。
拳が、ではなく腕が埋まった。
その場に居合わせた誰もが驚く。
観客も、刃牙も、独歩も、オリバも、ピクルもみんな大驚きだ。

零距離かつ踏ん張れない状況から腕を振り下ろしただけで、アスファルトを貫く。
ただただ恐ろしいパワーだ。
だが、勇次郎のそれはただの一芸ではない。
さらにその状況から身体を捻る。
すると、アスファルトから再び拳が出る。
それを利用して刃牙をボディを殴る!
こうして勇次郎は虎王からの脱出に成功するのだった。

――って、馬鹿な! 全然意味がわからない!
もはや勇次郎のパワーよりも腕の長さが気になってしまう。
絶対、腕が伸びたよね。
ジョジョ第1部に登場したズームパンチは、関節を外してリーチを伸ばすパンチだったな。
勇次郎もズームパンチをしちゃったか?

というか、こんなことをわざわざせんでも脱出できるだろうアンタは。
自分の凄さをアピールできる場面では抜かりなくアピールする勇次郎であった。
このアピール力……刃牙には一生かかっても追いつけそうにない。

格闘技のセオリーというか、生物のセオリーにはない抜け技だった。
そりゃピクルもビビるよ。
関節を極めていたと思ったら殴られるなんて、刃牙のキャリアにもない異常事態だろう。

(オーガにとっちゃ地面やアスファルトの認識が違う……)
(ゼリーや寒天の上で闘ったなら――― 寝技(グラウンド)は寝技(グラウンド)にならねェ………)


勇次郎を知るオリバは語る。
いや、地面の硬さの違いじゃなく、勇次郎の腕の長さと柔らかさを突っ込んでください。
何かすごいツッコミどころが出たから細かいツッコミどころが無視された感がする。
原人が現代に蘇れば細かい歴史公証なんてどうでもよくなるように!
ピクル関係の話題は出る度に年代が細かくズレ込んでいくんですよね。

「いかにも俺らしい…………」
「小細工だった…」
「でもさ………」
「この勝負…………」
「ションベンちびったって勝ちたいんだ」


勇次郎の大きさを改めて知ったのか、刃牙は涙を流す。
そして、失禁する。
待てェ!? 何でお前は失禁しているんだ!
いやいや、ここまでの流れに漏らす要素ないじゃないっすか。
どうして漏らしたんだよ。

そういえば、刃牙は大した理由もなく尿を迸らせる男だった。
ジャックとの殴り合いで漏らしたし、ピクルとの戦いでも尿を出した。
ホント、この人は何で漏らすのが大好きなんだろう。
尿に対する深い思い入れだけは伝わってきた。
汁物体勢がある梢江との相性は抜群だな。
刃牙ハウスから出てこないでくれ。

こうして尿を流しながら後編へ続く。
刃牙が尿を流した時は戦いのさらなるヒートアップの前兆だ。
ジャックやピクルの時のように!
尿で本気を出す主人公は本気でどうかと思うが。
本気を出す時、尿も出す。
次回へ続く。



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