範馬刃牙 第281話 闘いの聖水



勇次郎が凄いことをやって刃牙が漏らした!
尿ですよ、尿!
少年誌として女性の尿は厳禁だが、男性の尿はありだと言わんばかりに漏らした!
嬉しくない。いや、梢江が漏らしても嬉しくないけど。


とあるバーで花山と千春は共に酒を飲む。
いつの間にか酒を飲む間柄になっていた。
千春、大出世だな。
刃牙との戦いは無駄ではなかったようだ。

刃牙の眼球に折られた千春の指は既に治っている。
さすがの再生力である。
こいつ、根性出しやがった。

千春は刃牙と勇次郎の戦いについて花山に聞く。
せっかくの大一番なのに二人はバーで飲んでいるだけ。
実にもったいない。
花山なんてあまり関係ないのにピクルとの戦いを観戦したくらいなのに。

「見てぇのか…」
「他人(ひと)さまン家(ち)の親子喧嘩が」

「いえ…」「み……」
「見たいです!!」

「俺も……」


最近、可愛いところをよく見せる花山であった。
萌えキャラとしての地位を確立しようとしているな。
烈がツンデレなら花山はクーデレか。
ピクルといい今のバキは萌えキャラが豊富だ。

花山は勇次郎との取り合わせが悪い。
刃牙との死闘の後に勇次郎に酷い目に遭わされ、一時は再起不能と思われるほどのダメージを受けた。
刃牙と勇次郎の戦いを観戦したら、終了後にまたまた酷い目に遭った。
……案外、その辺が気になって引いているのかも。

(どうだい)(みんな…)
(俺の親父)(スゲェだろ)
(俺が……)
(範馬刃牙が)
(ションベンもらすほど強ええんだ)


涙と尿を漏らしながら、それでも刃牙は内心父を誇らしく思っていた。
尿を漏らすほど強いと言うのは何か違うのだが。
強さと尿は関係ねえよ!
サブタイで「闘いの聖水」とか尿を祭りあげんでいい!

それとも強さ=尿ということか?
強き者の側には必ずと言ってもいいくらい尿が付きまとっている。
出すにせよ出させるにせよ、強者と尿はセットだ。
ピクルだって大量放尿を果たしている。
思っている以上に尿は強さの根源と接している存在なのかもしれない。
ニンジャスレイヤー状態ですか。

「うわァ………」
「失禁してら…」
「きったね…………」


が、ダメでした。
観客にとって尿はあくまでも尿でした。
刃牙の想いは伝わらなかったようだ。
こりゃ尿を題材にした漫画、尿男(ニョーマン)を掲載するしかないか?
掲載してくれる雑誌はどこにあることやら。

「簡単に泣き…… 簡単に漏らす……」

が、当事者にとっては違うようで。
というか、漏らすことを言及するんだ。
こいつら、尿が好きだな……
勇次郎は漏らしたことはないが、漏らさせることに関しては超一流だ。
案外、してやったりなのかもしれない。

勇次郎の無茶なパンチも漏らさせるための技術なのかも。
あの軌道だと股間を直撃してもおかしくない。
ただの失禁と侮るなかれか。

「手段を選ばず」
「勝ちを拾う」


そんな自分の弱さを刃牙は肯定した。
その上で勝ちに走る。
それが弱者を自称する刃牙のスタイルだった。

そんなわけで尿で濡れたジーンズを振り回し蹴る!
二重の意味で汚ェ!
アンモニア臭のするハイキックを勇次郎はいとも簡単にかわす。
だが、刃牙は構わず宙に浮いたまま、さらに飛び蹴りを行う。
それもかわされるが、さらに胴廻し回転蹴りで攻めの手を休めない。
アクロバチックな空中3連蹴りである。
そして、尿を振りまくデンジャラスな打撃だ。

が、勇次郎はそれに対して胴廻し回転蹴りでカウンターを決める。
これは5年前の決戦の再現だ。
刃牙のカウンター胴廻し回転蹴りをさらにカウンターすることで、あの時の刃牙は果てた。
かつての刃牙を落とした因縁の一撃である。

だが、刃牙も成長していないわけではない。
虎王を決めれば尿だって漏らす。
そんなわけで勇次郎のカウンターをしっかりとガードしていた。
尿を漏らしているけど刃牙の調子は良好だ。
キレのある動きをしている。

「さすが親父…」
「5年前より遥かに速くなってるよ」
(当たらなかったけどね………)


勇次郎を讃えながらも内心それを上回っていることを主張する刃牙だった。
相手の評価を高めながら、自分も評価をそれ以上のものとする巧みな話術だ。
力量だけなくこの辺のしたたかさも上がっている。
若干、無理が見えるからそれを補えれば勇次郎に弁舌でも対抗できるかもしれない。

そう思った瞬間、刃牙はふと何かに気付く。
そのことを独歩は後日こう語るのだった。

「ある種………神懸りっていうのかな………」
「息子刃牙も気付いたハズさ……」
「嗚呼…………… 成人式が開始まるんだ……………と」


勇次郎は優しげな笑みを浮かべる。
ついに勇次郎が刃牙を認めたのか?
ここからが本番……なのか?
この人たちは芸を見せ合ったり解説したりで話が進ませないからつい訝しんでしまう。

まぁ、刃牙も尿を漏らした。
ここからが本番と見るべきだろう。
尿を漏らせば本気になるよ。尿は本気の証だよ。
刃牙は尿も次は何を漏らすのだろう。
脱糞?
次回へ続く。


漏らした! 尿を漏らした!
刃牙は漏らしてからが強い。
強いと言うかある意味理不尽。
勇次郎も本気を出す価値があるというものだ。
尿だけど。

そもそも、バキにおける尿の歴史は古い。
時としては恐怖が具現化したものとして扱われ、時としては相手を侮辱するために用いられ、時としては聖水として扱われる。
尿を聖水として扱う文化は何なのだろうか。
というか、結局サブタイが内容に絡んでいない。
そこまで尿を前面に押し出したかったのか?

原作餓狼伝において、丹波は失禁どころか脱糞を果たしている。
これは刃牙もやるべきではないだろうか。
うむ、脱糞さえすればもう出すものなどない。
もう何も怖くない。
逆に勇次郎まで脱糞させたら大したものだな……
さすがに見たくはないが。

あるいは勇次郎がより格式高い尿技術を見せるのかもしれない。
まさしく聖水。それと比べたら刃牙のそれはただの泥水となるような。
ピクルの堂々とした全裸からの大量放尿は尿の歴史の中でも特に際立っている。
勇次郎も全裸になって大量放尿すればカリスマが漂うかも。

まぁ、尿の話はこれくらいにしておきます。
と言っても尿がなければここで突っ込むこともないのですが。
後書きめいたもの、終わり!

さて、結局虎王でも勇次郎にダメージらしいダメージはない。
歯が折れなければ出血もない。
最低、鼻血くらいは流してもらわなければ困るんだけど……
無尽蔵のタフネスだ。
ピクルの犠牲も勇次郎の前にはあまり意味を為さないようだ。

餓狼伝を代表する奥義虎王も勇次郎には通じなかった。
近代バキを代表する奥義ゴキブリダッシュと0.5秒打撃も通じていない。
何か手詰まりだ。
古代バキを代表した剛体術なら……あ、オリバにさえ通じていなかった。

もうどうすりゃいいんだか。
バキは逆ギレが許される立場だ。
もう勝負を放尿距離勝負に変えればいいのに。
より遠くに飛ばした方が勝ち!
刃牙は出したばかりだから勝てないか。

って、結局、尿の話題に戻ったし!
まぁ、それほど尿のインパクトが大きいということです。
これからは日頃の手洗いもグラップラーを意識しておくと日々に強さの要素が増えるやもしれぬ。



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