範馬刃牙 第51話 刃牙



ボッシュのアホ伝説は置いておいて、オリバとゲバルの戦いに話は戻る。
明らかなカーナビを狂わせるほどの致命打を受けた受けたゲバルだが、のっそりと起き上がろうとする。
動きは緩慢だ。
中国拳法よろしくババババジャキッと軽やかに起き上がらない。
今ひとつかっこよくない。攻撃が効いている雰囲気だけが先行してしまう。
こうなったらジョバババババと失禁と共に立ち上がるしかない
それがかっこいいかどうかは知らん。

それでも、立ち上がること自体が奇跡のようなものなのか、観客は驚く。
刃牙も若干うろたえたような表情を見せながら見守る。
…あ、刃牙出てきた
てっきり、勇次郎と再会するまで忘れられるかと思ったら、何とか普通にモブとして出てきてくれた。

ゲバルの脳裏には走馬灯のように自分の国の民の姿が浮かぶ。
餓えと貧困に苦しんでいる弱き民の姿だ。

[誰(た)がために――――――]
[弱き民]


37話では「戦うために何かが……誰かが必要――――」「それはむしろ弱味だというのが持論だ」と断言していたゲバルだが、
その実、自国の民のために戦っていたことが判明した。
あの時は照れ隠しで言ったのだろうか?
自分より弱い者を守るために戦うというのは、バキ世界では非常に珍しい。
そこまで誰かを思いやれる心を持つのなら、大統領としてきちんと国を統治しろ、と言いたい気もするが。

そんな回想パワーによってか、ゲバルは雄々しく立ち上がる
ダメージが残っている雰囲気はまったくない。
このゲバルにはマリアさんも目を見開いて驚いている様子だ。

「今日は 死ぬにはいい日だ」

ゲバルの口癖がまた炸裂だ。
刃牙が言うなら「今日はヤるにはいい日だ」だな。
毎日そう言って梢江とヤリ合う。
飽きたら捨てる。
それが刃牙の人生だ。…多分。

オリバが言うには、死ぬにはいい日だとは、どうやらベトナム戦争に赴いた米兵が好んで口にした言葉のようだ。
さすが、頭脳も超一流のアンチェインだ。
トリビアにも優れている。
多分、本気で解説すれば本部にも勝てるだろう。
いや、勝てないかも。
解説に関しては天才的だからなぁ、あの人。
いきなり刃牙の隣に現れて解説しかねない。加藤も隣で驚く。
そして、刃牙は忘れ去られる。

「死ぬための言葉ではない 生きるための言葉さ」
「苛烈な戦闘を生き残るため 勇敢に戦い生きて祖国に帰るため……」


ゲバルも「死ぬにはいい日だ」の真意を解説して、オリバに遅れを取らないようにする。
字面とは正反対に生きるための言葉のようだ。
ネガティブシンキングかと思ったら、ポジティブシンキングなんですね。
いいことを言う人だ。
…ってあれ?
刃牙と初対面した時には、思い切り殺す気で「死ぬにはいい日だ」と言ったような…

[死ぬにはいい日など――――――死ぬまでないッッ]
[いつだって――――――今日を生きるしかないッッッ]


そんな忘れたい過去は置いておいて、ゲバルはオリバと再度向かい合う。
オリバは拳を握る
本気の一撃で勝負をキメに出るつもりだ。

対するゲバルは空気を歪ませて直立する。
どんな攻撃をしてくるのかまったく読めない。
それだけに何かすさまじいことをやりそうな空気がする。
「風立ちぬ……… いざ生きめやも」とポエム効果も炸裂させている。
…ポエム好きっぽいなぁ、ゲバル。

[決着の刻!]

ついに決着の時が来た!
ルーザールーズが終わってから、やたら展開が速いのは気にしてはいけない。
お互いに体力は十分ある。
ここからどうやって決着に持っていくのだろう。
次回は目が離せない展開になりそうだ。
合併号だから休みだけど。


最初はオリバの方に分があるかと思っていたら、ゲバルが勝利する可能性も生まれてきている。
未だその全力が見えないため、風呂敷の広さはオリバを圧倒する雰囲気がする。
でも、オリバの全力もさほど見せていないんだよなぁ。
正直、勝敗が予想できない。
まぁ、ゲバルはここでまたオリバにやられるようなら、何度も立ち上がった意味がなさそうだけど。

ただ、板垣先生ならゲバルの立ち上がりを無にするような惨敗をやらせる可能性もありそう。
何せJr.を金的→悶絶コンボでギャグキャラに仕立て上げたくらいだし。

ところで今回一番のツッコミどころはタイトルだと思うんですよ。
上の方に書いた通り、『刃牙』なんですけど、肝心の刃牙は1コマしか出てきていません
しかも、台詞なし。
お前それでいいのか。
いいんだろうなぁ…刃牙だし…


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