範馬刃牙 第52話 新たなる動き



新年初の範馬刃牙だ。
今更ながら範馬刃牙掲載から1年弱が過ぎ去ろうとしている。
勇次郎との決着は多分あと5年くらい必要だろうな。
いや、10年必要かも。

去年の新年初の範馬刃牙は小学生虐待直後だった。
いろいろな意味でバキらしいお年玉だ。
それに対して、今年はオリバとゲバルの決着で始まろうとしている。
去年とは対照的に熱いお年玉だ。
それは刃牙がでしゃばっていないからだな。
うん、間違いない。


ゲバルは拳を握るオリバに無防備に近づいていく。
だが、ただ近づくだけではなく、きちんと戦力分析もしている。
ゲバルが見るにはオリバは180cm程度の身長150kgを越える筋肉を持っているらしい。
さすが、筋肉世界の住民だけあり、桁外れの筋量だ。
ゲバルが言うには人類史に前例を見ないらしいが、実にその通り…って、100年前の郭海皇もオリバ並みの筋肉していたような。
まぁ、中国が誇る大妖怪を人類と見なすのも、間違えていると思うが。
そうなるとグラップラーな面々を人類とするのも(ry

[その肉体から生み出される破壊力は]
[俺の持つ想像力を―――――]
[超えはしない!!]


ゲバルはここに来て不敵な発言をする
さながら、郭海皇を否定したサムワン海王だ。
タマピンされる。
あ、オリバだからタマは潰すか。

ゲバルは試合前にオリバが脱いだタキシードを勢いよく指差す。
同時に直立していたタキシードが、硬さを失い地面に崩れ落ちた
って、あのタキシードはまだ立っていたのか
崩れたことよりも、そっちの方が驚きだ。

この強さとは明らかに関係のないパフォーマンスに観客は驚く。
それよりも、地面が揺れるような打撃が何度もあった中、何事もなかったように直立していたタキシードに驚くべきじゃないか?
ともあれ、ゲバルは得意げになって解説をし始める。

「素手による闘いの歴史―――武術史は 人類史にそのままリンクする」
「筋肉への信仰と否定を繰り返しつつ」
「やがては脱力による 速度(スピード)の獲得に至る」
「筋力・脱力・重心(バランス)――――――」
「速度(スピード)・角度・急所――――――」
「気や呼吸力にまで及ぶ 様々な技術革新創意工夫」
「しかるに近代格闘技」
「未だ棍棒・石斧の有史以来――― たったの一歩も進んでいない決定的死角が存在する」


ゲバルは長々と格闘技史を解説しつつ、格闘技の弱点を諮詢する。
この間に殴れとか言うな。
刃牙なら迷わず殴る…いや、蹴るだろうな。金玉を。
この衝撃的な発言に格闘技の類を一切身につけていないだろうと思われるオリバも興味を引かれる。

「支えだ!」
「4000年の歴史を自負する中国拳法に於いてすらが――――」
「支えとなる大地を―――面としかとらえていない」


「あらゆる格闘術が大地を斜めの面でとらえることに何の疑問も持たない」

「地球という――――――――――――偉大な支えを認識していないのだから」

ゲバル先生は踏み込みが格闘技の弱点であると指摘する。
踏み込みの設置面積が不満らしい。
って、そりゃあしょうがねえだろ!
目の前の相手を攻撃しようとすると、どうしても攻撃のベクトルは横向きになってしまう。
縦で捉えようとすると真上にしか攻撃できなくなってしまう
斜めの面でとらえるのはむしろ自然であり、合理的だ。
もっとも、バキのトンデモ理論にそういうツッコミは厳禁だが。

しかし、ゲバルの言葉を信じるなら、三合拳の陳海王は革命的といえる。
気と拳に加えて地を持って、筋力に勝ろうとしたんですよ。
陳海王の言ってることはゲバルの言葉そのものだ。
寂海王に負けたのは未熟だっただけのことなんです。
あ、逆に言えばゲバルの言ってることは陳海王クラスになるんだよなぁ…

「今から君は実感する」
「地上から63780000メートル地下に存在する核の硬さを!!!」


ゲバル得意のオカルトが炸裂した。
思えばゲバルには、風を吹かせたり、化粧したり、歌ったり、タキシードを崩れさせたりとオカルトまがいの行動が多い。
この期に及んでも鍛え上げた筋肉や磨き上げた技術を武器とするのではなく、地球パワーに頼ろうとしている。
ルーザールーズといい、ゲバルは何かやってることが姑息だ。
少年にもらった勇気はどうした?

ゲバルはオリバの足を払う。
踏ん張ることもできず、オリバはゲバルの真上に舞った。
この状態なら、地面を縦に捉えることができる
ゲバル理論は相当の前提が必要だが、今ここに実現した。
陳海王も寂海王を飛ばせばよかったんだな。
まぁ、飛ばせること自体が、陳海王には無理そうだけど。

「とらえろッッ」
「俺の脚――――――――」
「地底の遥か底の底―――――――――この惑星(ほし)の真中心(まんなか)にある確かな物体(もの)」
「核の硬さを!!!」


ゲバルの地球アタックがオリバに入った!
オリバの安否が気遣われる。
勝負は地球に勝つか負けるかの領域になってしまった。
根本的な問題として、地球を味方出来ていない気もするが無視。

しかし、地球アタックはやること自体は簡単そうだなぁ。
刃牙にすぐ盗まれそうだ。
やるだけなら、きっと陳海王にだってできる。
新三合拳として、オリバー刑務所に乱入だ。
きっと、アイアン・マイケルくらいになら勝つる!


Weekly BAKIのTOPに戻る