てんむす 第12話 オレ様時代



今回は過去編だ。
他の部員と比較するとパーソナリティが明らかになっていない部長、由理亜にスポットライトが浴びせられる。
昔はグリーンピースを食べられなかった。
そんな展開が待っているかもしれない。
あとバキの話もするよ(そこまで飛ぶ)。


部員でもないのに天子目当てで哲ちゃんは今日も食い道部に通う。
普段、あまり一緒にいられないのだろうか。
照れ隠しとして部活という大義名分が必要なのか。
この手の作品の幼馴染みという立ち位置は危うい。

だが、この日は全員ロードワークに出ていた。
青葉山を駆け上る過酷なトレーニングである。
基礎代謝は筋肉に比例する。
大食いで大量のカロリーを摂取する以上、基礎代謝を鍛える必要がある。
おとなしめの由理亜も筋力はとんでもなかったりするのだろうか。

部室に男二人きり。
九士朗は唐突に哲ちゃんと天子の関係が自分と部長の関係に似ていると言う。
そして、過去を語り始める。
2年前、高校1年当時の九士朗は他者を見下すワルだった。
表情だってガンダム00のハレルヤだ。
今はいい人だがかつては相当に拗ねていた。

家柄が金持ちであることに加え、成績も容姿も優れていた。
3期連続で生徒会長を務めてもいた。
優秀だ。優秀であることは疑いようもない。
それだけに拗ねた性格になってしまったのだろうか。
ただのボンボンではない。父の跡継ぎとなるべく然るべき努力を重ねていたのだろう。

それだけに名門高校への進学を希望していたが、父からの公立高校に通うことを命じられる。
優秀なだけで医者になれたら鎬紅葉だって名医だ。
やっぱり、拗ねた性格を矯正することが医者には大事なのだろうか。
でも、だからといって公立高校に通わせるのも理由にならないような……

女を4〜5人作って3年間暮らす。
それが九士朗のプランであった。
超女性の敵だ。誠死ね的な思考だ。

そう新入生歓迎会を巡っていると当時の部長と出逢う。
三つ編みで今と比べると幾分か子供らしい雰囲気が漂う。
この頃からトレードマーク(?)のセーターは着用している。

九士朗は食い道部の勧誘を受けた。
女の子らしくご飯を食べる部活!
キャッチコピーは変わっていない。
……何故、九士朗に声をかけた。
当時ワルだった九士朗もビビるよ。

食い道部はその年に、今から2年前に作られたようだ。
部活としての歴史は浅い。
てんむす世界では全国大会が開催されることから大食いの認知度はそれなりに高い……と思ったが、そうでもないようだ。
九士朗もピンと来ていない。
思い返せば天子も哲ちゃんも大食いには疎かったし、何だかんだでマイナー競技のようだ。
麻雀人口数億の咲-Saki-とは勝手が異なるようだ。

拗ねていた九士朗だったが、由理亜の可愛らしさと純朴な態度に心が動く。
けっこう純情だ。
食堂で行われる実演に行かないとツンデレのように言い訳しながら、結局食堂に足を向ける。

「今からこの天丼 5杯を30分で食べてみせまーす」

そこには天丼5杯を30分以内に食べようとする由理亜がいた。
……16時なのに料理を作ってくれるんだ。
学食、営業時間けっこう長いな。

「1杯なら女性でも食べられる」
「2杯なら男性が満腹になる量」
「3杯も大食いの奴なら食べられる」
「だが4杯目からは胃だけでなく満腹中枢も悲鳴をあげる…」
「“常人は足を踏み入れるな”と体と頭が叫ぶ異世界に入る」
「そしてあの湯気なら相当熱いはず…」
「冷めるのを待てば30分を過ぎてしまい」
「急げば口内にやけどをする恐れがある」
「食べられても3杯が限界 そしてその姿は」
「女らしさとはかけはなれたものになるはず―――」


天丼5杯なんてただ食べるだけでも辛いのに、さらに30分という枷を付けている。
九士朗も絶望視するほどである。
しかし、この時点では大食いに詳しくないはずなのに妙に細かく解説している。
医学の知識の応用だろうか。
頭が良いというのは決して自称ではないようだ。

同じものを食べると満腹を感じてしまい、量を食べるのが辛くなる。
さらには天丼自体も熱く、それを補う技術が必要とされる。
(……火傷するほど熱い天丼というのも何か危険な気がするが)
大食い競技には格好の素材だ。
これを食べてみせることで由理亜は食い道部の何たるかを示そうというのだろうか。
全てを理解しているのは九士朗しかいないっぽいが。

ともあれ、苛烈な課題だ。
可愛かった由理亜の苦しむ姿を見てしまうかもしれない。
九士朗はちょっと残念がるが、すぐに否定する。
このツンデレめ。
たしかに哲ちゃんとそっくりだ。

「いただきます」

その時、ほんわかしていた由理亜に凜とした空気が漂う。
場の空気が変わった。
1杯300g、合計1500g、1.5kgだ。
チゲも1500gを食べていたし、1.5kgは大食いにおけるボーダーラインなのだろうか。
次回に続く。
次回からバキが復活するので、感想の続きはないのだが。


さて、次回からバキが連載再開する。
バキ感想サイトとしては生命線がぶっちぎれた状態で辛かった。
バキファンとしても素直に嬉しい。
だが、60ページ!
……感想を書くのが大変なので、無理に気合いを入れなくていいです。



真っ白に見開きで「想像せよ…」なんてインク代に困らなそうな一言も送られる。
えーと、鉄のラインバレルですか?
見方に寄らずとも相当な電波発言に電波行為だ。
編集長曰く想像図を書いて欲しいとのこと。
新手の手抜きを垣間見た。
チクショウ、ムエタイが勇次郎に勝つ姿を書いてやる。

また、板垣先生は以下の言葉を読者に送っている。

「君たちは何の予備知識もなくあの60ページを見られるのか…。
 叶うことならオレもそっちに行きたいよ…。」


〜〜〜〜ッッッ。
板垣先生が大言壮語を!
どうやらそれほど衝撃的な内容らしい。
笑撃的な内容が続いたため、ある意味では期待できる。

あと予備知識というか、板垣先生の展開は本気で予想ができない。
特にギャグ方面はまったく予想できない。
石をも断ち切る鋏という発想はなかった。
いや、浦安鉄筋家族であったけど、あれはギャグ漫画です。

ついに刃牙と勇次郎の戦いが始まろうとしている。
……しているんだよね?
これで始まったら第2回最大トーナメント(仮)の伏線を丸投げだし、ボルトの存在もガン無視してしまう。
一体どうなることやら。ただ始まるだけでは済まないだろう。
でも、範海王の例があるからまったく油断できない。

第2回最大トーナメントを開催して範馬親子対決と烈VSボルトをやれば伏線を丸ごと解消しつつ親子対決へと持ち込める。
さらにフェードアウトしてしまったピクルVS勇次郎の最強対決などもやれば、連載史上もっとも壮大なカードが相次ぎそうだ。
ピクルとググれば「範馬勇次郎VSピクル」なんてキーワードが出てくるくらいに、多大な期待がかかったカードだった。
勇次郎が力で押し切られた時の衝撃は今でも忘れられない。
そのピクルはどこへ消えたんだ?
戦わないにしてもフェードアウトするには惜しいキャラの気が……

……まぁ、板垣先生は空気を読まないことに定評がある。
良くも悪くも空気を読まない。
空気を読まずに刃牙がオリバやピクルに勝つこともあれば、空気を読まずに勇次郎が食事作法について語ったりする。
そんなわけで空気を読まずに伏線丸投げして範馬親子が戦いを始める可能性も高い。
もう何が何だか。

とにかく次号明らかになる。
1ヶ月という力みの果てに何が待つのであろうか。
勇次郎が料理作り始めていたりして。
十分にあり得る可能性なので注意しなければならない。
本部だって柳に勝つ世界なのだ。ムエタイが勝っても驚くには値しない。
……いや、驚くけど。ムエタイ超驚くけど。



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