刃牙道感想 第141話「孤高」



武蔵VS日本が始まった! ……のかもしれない。
日本というよりも警察という気がするが。
そして、警察の頼りなさは死刑囚編で明らかになっている。
せめて自衛隊……
いや、ガイアが無様を晒していたから自衛隊もダメだ……


あれから時間が経過し日中となっている。
そこで武蔵が暴れたことがTVで報道されている。
すっかり大事になってしまった。
そして、大事の発端は生放送でのエア斬りだ。
……みっちゃん、アホか。あの人、アホだ。

このTVを見る男がいる。
刃牙道の主人公、範馬刃牙である。 強調しないと思わず忘れそうになるが刃牙は主人公なのだ。
全然主人公らしいことをしていないが。
武蔵に負けた辺りが主人公としてのピークだよ。

「「生きる」とはそう誰かとの繋がりのなかで営まれる」

刃牙は本部の「それぞれがそれぞれに繋がっている」と言う言葉を思い起こす。
当たり前のことではあるが人には繋がりがある。
グラップラー一同にも繋がりがあり、それが絆となっている。
これは戦うことで育まれるものがあるというかつての刃牙の言葉と同じである。 本部は刃牙の初心を思い出させてくれたのかもしれない。

もっとも、こんなことを言った刃牙だが、一時期は相当に酷い奴だった。
Jr.のボコボコ具合は絆もクソもなかった。
でも、今は、まぁ、それなりにいい奴になっているんじゃないでしょうか。
身のほどをわきまえているし。

「言われて初めて気付いた当たり前っちゃあまりに当たり前の「武蔵」さんの孤独……ッッ」

「家族 親戚 恋人 友人とも 心許せる者が誰一人いない異空間へ」
「400年前の戦国の時代からいきなりの現代」
「どんだけ「独り」なんだ!!?」


刃牙は本部が発した孤独の意味を噛みしめる。
ごくごく当たり前のことだが400年前から現代にいきなりやってくれば孤独である。
グラップラーならそんなことは気にしないと思っていたが孤独は孤独である。

ピクルも同じような境遇だが、この点については触れられなかった。
それはピクルが現代の戦士との戦いの中でたしかな絆を育んだからだろう。
現代の戦士たちはただの餌ではなくかつてのライバル、恐竜に勝るほどにピクルを支えていたのだ。
対して武蔵は一切の繋がりを持たず、さらには一切の繋がりを育んでいない。
戦って生まれる絆が存在しない点で武蔵は異質である。
やっぱり、それは斬殺するからだろうか。
武蔵が全力で戦うと相手の死に直結する。
ピクルクラスの理不尽なフィジカルでなければ死んでしまう。
そのピクルも逃げ出している。
刃牙の時のように追い詰められても戦うという選択肢を取らなかった。
ピクルは刃牙を友と認めているけど、武蔵は危険でヤバい人としか思っていないだろう。

その武蔵の孤独を刃牙はどうするのか。
何か主人公っぽいことをやるチャンスだから主人公っぽいことをやってみようか。
ほら、刃牙道の君は最初のアクビくらいしかムカつくところはないから。
応援しようじゃないか。
これで武蔵との再戦をいきなり制したらムカつくけど。 ……本部に負けてから鍛錬を積んでいるかい?

さて、夜になる。
武蔵は橋の下で焚き火をたいていた。
街灯の光が溢れるこのご時世に焚火である。
人だけでなく文明にも馴染めない武蔵の孤独を示しているようだ。 それにしても飯とかはどうしているんだ?
現世は戦国時代には存在しない食べ物ばかりでキツかろう。
みっちゃんもご飯くらいは届けてあげなよ。

そんな孤独の武蔵の前に平兵衛が現れる。
目には眼帯が巻かれている。
武蔵の拳は平兵衛の目を抉り取ったのであった。
鋼のメンタルかと思いきやわりとノープランな平兵衛であったが、それでもなお武蔵の目の前に立つ胆力は評価したい。

今回、平兵衛が用意したのは100人もの機動隊であった。
前回の12人から質量共に一気にランクアップだ。
無論、勝てる気がまったくしない。
平兵衛は冷静だし胆力もある。
だが、目の前の相手の戦力を見切ることがまったくできない男であった。

武蔵は刀を携える。
抜くことになるかはわからないが斬る気はあるのだった。
そして、武蔵の刀は機動隊の盾を試し斬りとはいえ両断している。 警察が真っ二つになってしまうぞ?
というか、もうちょっと飛び道具を充実させた方が……

愚策とはいえ平兵衛は懲りていない。
でも、機動隊だけだと死刑囚も無理だ。
学べい、平兵衛よ。
それともここでスペックの時に言っていた銃火器の採用の話を持ち出してきたりして。
遠大な伏線回収だ!
……そろそろ武蔵が地下闘技場に示した反応について回収して欲しい。
次回へ続く。


武蔵と警察の戦いはまだまだ続く。
でも、機動隊では勝てんだろう。
目立つ装備が盾ではちょっと……

前回、接近戦ではまったく勝てないとわかったはずだ。
大人しく飛び道具を使うべきではないでしょうか。
現代には武蔵の知らない飛び道具がたくさんあるわけだし。
スペツナズナイフはあれだ。使い方が悪い。使った人も悪い。

何よりも問題は刀だ。
機動隊のうちの一人が一刀両断されれば、機動隊の士気はあっという間に落ちるだろう。
いかに職務に命を賭けているとはいえ、問答無用の斬殺はキツい。
100人分のモツがバラまかれなければいいのだけど。

武蔵の暴走を止めるのは誰なのか。
本部の守護の意志を継げるのは刃牙だけだ。
でも、刃牙は素手の武蔵にボロ負けしている。
何か止められる気がしないし、止めたらピクル戦の時みたいに怒られる。
何か説得力のある止め方をして欲しいものである。

そこで刃牙と言えば天才。
天才だから本部流をマスター!
鎖分銅! 煙玉! メリケンサック!
刃牙のフィジカルと本部流の武器術が組み合わされば最強だ!
格闘漫画の主人公としては最低だ!