刃牙道感想 第146話「妖術」

武蔵に電流走る――!
いや、ダメだろう。
こんなので倒せたら本部でも倒せますよ。倒してた。
……倒せるかも。


機動隊の隊長、岩間達文が用いたテーザー銃だがこれはただのテーザー銃ではなかった。
穴が多いと思われた機動隊の態勢であったが、相手は伝説の剣豪、宮本武蔵である。
警戒はしていたらしくテーザー銃は特別仕様であった。

通常、6.3mのケーブルを10m、つまり1.5倍に延長!
さらに5万ボルトの電圧を50万ボルト、つまり10倍に増大!
10倍の電圧と聞けば凄そうだが、50万ボルトのスタンガンは普通に存在する。
つまり、大したことがない。
まぁ、改造品を用意しただけ立派カモ……

ついでに勇次郎が受けた落雷は200万~10億ボルト、ドイルが受けた電気椅子は2000ボルトである。
格差が非常に激しい。
電気椅子ってスタンガン以下なのかとなるかもしれないが、電気で人体を殺害する上で要となるのは電圧(ボルト)よりも電流(アンペア)だ。

なので、アンペアで考えるとスタンガンは数ミリアンペアと殺傷力が低くなるようにしている。
それに対し、落雷は1千~20万アンペア、電気椅子は8アンペア……
うーむ、数字にすると何が凄いのか凄くないのか……
そもそも人体は電気を通しにくいので、電気で殺傷するためには塩水をぶっかければいいなど、けっこう条件は前後する。

要約すると10倍の電圧のテーザー銃は破格のように見えて、スタンガンでは普通にある数値だし(アンペアが本来と大差ないのなら)殺傷力は低い。
そして、勇次郎は桁違いの電圧と電流に耐え、ドイルも人を殺めるために作られた電気椅子に耐えている。
ダメじゃん! テーザー銃!

「うわァッッ」「骨 透けてんじゃん…ッ」「何ボルトだ!!?」

ともあれ、50万ボルトの電気が武蔵に流れる!
思わずつま先立ちしてしまうほどに痙攣しているようだ。
そして、隊員たちには骨が透けて見えていた。
これって漫画的な表現じゃなくて肉眼で確認しうる現象だったんだ……
電気が流れても透けて見えないとか野暮なことは言うまい。
透ける! 透けるのだ!

そうなるとドイルはちょっと損したな。
あの人、透けて見えなかったし。
ちょっとオモシロポイントを逃しちゃった感じだ。
いや、大事な出だしがギャグみたいになるとそれはそれで良くないか……

この電流により武蔵、ダウンする。
ダウンしたァ!!?
それでも岩間はトリガーを離さず電気を流し続けるが、隊員たちに制止されてやっと止める。
倒れた武蔵を機動隊で囲む。
それだけの余裕があった。
って、勝負あったァ!!?

ま、まさか、テーザー銃が効くとは……
武蔵はピクルタックルに耐えるわりに、本部のパンチやタックルが効いたりとダメージ耐性がよくわかりませんな。
勇次郎の張り手やピクルのパンチで気絶していたし、気絶耐性は低いということだろうか。

だが、武蔵、意識があった、いや、意識が戻ったのかもしれない。
隊員が叫んでいた岩間の名前を覚えていたのだった。
まぁ、そりゃ、テーザー銃で倒せませんよね。
だが、何回殺されていたのかわからないくらいの隙は晒している。
なので、手打ちということにはできないでしょうか……

武蔵はぐるちゃとスタイリッシュに起き上がる。
烈然り渋川先生然り、一流の戦士は起き上がり方もスタイリッシュなのだ。
さらに起き上がりつつ抜刀しテーザー銃のケーブルを斬って無力化する。
不意を突かれたものの武器の性質を見切ってそれに対する対策をしている。
その点はさすがと言うべきか。
とはいえ、テーザー銃は攻撃方法こそ異なれど、拳銃と見た目が似ているからもうちょっと何とかした方が良かったとは思いますが。
もしかして、矢よりも速かったのか?

「岩間…」
「妖術……」「捨て置けぬ」


武蔵はテーザー銃を毒と認識していた。
いや、むしろ妖術であった。
まったくの未知の概念なので妖術と称するより他ないか。

岩間は唯一武蔵に通じた武器を失った。
そして、強大な戦力を持つ相手が敵意を見せている。
この絶望的な状況に冷や汗どころか失禁をする。
ついに出たな、失禁!
記念すべき刃牙道初失禁だ。
本部も失禁しておけば良かったのに。
もったいない。

武蔵は岩間を敵と認識した。
戦意を失っているし、おしっこ出しているし見逃してやっても……
失禁しながら戦うのなんて刃牙くらいだよ。
そんなこちらの願いも知ったことかと武蔵一切の容赦をせん。
一閃で岩間の首をはね飛ばした。
一刀両断の次は斬首である。
殺りすぎだ!

「お……」
「いい月だ………」


人の首がはね飛ばされ死ぬという異常事態に隊員たちは冷や汗しか流せない。
そんな残虐をした武蔵は三日月を見るだけだった。
次回へ続く。

武蔵、また人を殺す!
現代に来て3人目である。
烈は互いに殺す殺される覚悟ができていたからまだしも、半兵衛と岩間は職務上の都合で殺されているから報われない。

これで「機動隊何やってんの」から「機動隊可哀想……」となってきた。
同時に武蔵は求めた賞賛から遠く離れ、殺人鬼として忌み嫌われる道を歩みつつある。
強い物が大好きな格闘技関係者も今の武蔵には拍手を送れないだろう。
烈の時でさえ黙っていたし、通報する人間も現れていたし。
武蔵の抱えた孤独はここに来て急速に深まってきた。

殺人の現行犯となればもはや武蔵はどうしようもない。
警察も武蔵の逮捕ではなく殺害を前提に動き出すだろう。
この先には刃牙史上トップクラスに凄惨な戦いが待ち受けているかもしれない。

発端となったTVに出演させたみっちゃんの愚かさを突っ込む前に、試合という形で戦わせることで被害を広げなかったことを賞賛するべきかもしれない。
諸悪の根源はみっちゃんなのは間違いないけど、今の武蔵は完全に暴走してしまっている。

そして、守護者の本部は動けない。
武蔵を守護ると言ったのにこのザマだよ。
烈を守護れなかった時といいあの野郎は本当に働くべきところで働かないな!

この暴走状態の武蔵はグラップラー一同としても手に余る。
さすがに真っ二つとか首ちょんぱにはされたくあるまいて。
ノープランかつ命知らずなジャックも、2つに分けられた死体を見れば引くだろう。

今の武蔵に挑めるのは殺されそうにない人間か殺されても惜しくない人間だな。
前者は刃牙。
さすがに死なんだろう。
何かいろいろ言って刀を捨てさせれば互角ですよ。
とりあえず、今回の件で本来殺されていたとか言えばいいかも。
いや、刃牙本人が実際に殺されていないからノーカンみたいなこと言っていたからダメかも……

後者は本部。
まぁ、アンタはやることやっただろう。
でも、病院から松葉杖を片手に武蔵の前に立って為す術もなく殺されたらさすがに可哀想だ。
そうなると怒りに燃えたグラップラーたちが武蔵に最終決戦を挑むかも。
花田とか。
そう、武蔵に通じた武器――鎖分銅! ベアナックル! テーザー銃!
全てで武装し武蔵キラーとなったフルアーマー花田が立ちはだかる!
……うわ、弱そう……