喧嘩稼業第78話感想

マガジンの偽喧嘩稼業、次で打ち切りというか掲載誌引っ越しらしいですね。
ツッコミながら読めるのでわりと嫌いじゃなかった。
なお、ツッコミのレベルはガンダムAGEくらい。
というわけで喧嘩稼業。


額をカットされて横綱は血を流す。
観客たちは状況がわかり次第、歓声をあげる。
横綱大好きのかっちゃんも叫ぶ。
ダメージそのものは少なそうだけど流血で目が見えなくなれば大打撃だ。

ここで金隆山康隆、本名武田康隆は力士の道を目指した経緯を思い出す。
力士という相撲取りの呼び方が好きだった。
まぁ、力自慢だからそのものズバリの形容だ。

その呼び方に誇りを持つからこそ禁じ手を作った。
金隆山の力で禁じ手を使えば、相手を怪我させてしまうどころか壊してしまう可能性がある。
相手を壊してしまえばただのゴリラだ。
相手を壊さずに勝つことを求めるのは礼節を重んじる相撲らしい。

また、将棋で例えれば飛車角の駒落ちの状態のため、本気で戦わなければ負ける。
金隆山は戦績から見るに余裕で勝てているかと思ったが、意外と余裕がないのだった。
だからこそ、禁じ手があっても勝つために精進することになる。
禁じ手を作ったのは余裕ではなく、力士という誇りからなのだった。

一方で禁じ手を使って全力で戦いたいという欲求があり、それは自分自身が襲いかかってくる夢で見る。
全力で戦いたいからこそ、金隆山は陰陽トーナメントに出場を決意した。
久し振りの求道者タイプである。陽側らしいと言えばらしいのであった。

ここで川口は事前に拳治と立てた作戦を実行する。
プライドを利用して打撃戦へ持ち込むというものだった。
それも飛び膝蹴り以外の蹴りがワンテンポ遅れるボクサーの構え、つまり得意の蹴りを封印した形である。
キックボクサーの持ち味が生きないため、通常キックボクシングでは使われることがないようだ。

「俺は陰陽では横綱の次に体重があり」「なおかつ打撃の専門の格闘家だ」
「どちらが上かはっきりさせたい 打ち合いを希望します」
「額を割られたぐらいでびびってんなら横綱なんて辞めちまえ」


川口は敬語で話すかと思ったら煽っていく。
川口は人格者だけど進道塾に逃げるなと言っていたようにけっこう煽るタイプだ。
この落差がムカつく! ……のかも。
そんなわけで言葉に出して金隆山を誘っていくのだった。

川口はまず左ジャブを打つ。
それを横綱は素早く反応して逸らし、右の張り手を繰り出す。
が、かわされて右フックで額を攻められる。
左側を完全に見えなくして死角を作って崩していくつもりらしい。

この一撃の後に川口はキックボクシングの重心に変化させる。
スタイルを素早く変化させるとは見た目に似合わず器用な戦い方をする。
一方で崩すことに長けている金隆山は重心の変化を即座に察し、蹴りが来ると読む。
金隆山も筋肉ダルマなのにけっこう鋭い。工藤より頭いいかも。

金隆山は流血している左半身を狙っての蹴りが来ると読み、蹴り脚を捕まえて鉄砲で反撃を試みる。
いきなり禁じ手を使う気かよ……
その読み通りに右前蹴りが左半身に来るのだが、前蹴りは触れた程度ですぐに戻される。フェイントであった。
そして、対角線上を攻める左のステルスパンチで金隆山の右目を切り裂くのであった。
餓狼伝でも対角線上の攻撃は見切りにくいって言ってた!

お互いに筋肉ダルマだが濃密な読み合いが行われている。
そして、それは打撃戦に慣れている川口が一歩リードしていた。
相撲は打撃もあるけど投げの要素も強い。
対して川口は殴り合いだけで食ってきた。
その差が結果として出ている。

反町は捕まえろと横綱に声援を送る。
うわぁ、メッチャ楽しんでる……キミ、選手でしたよね?
アゴこと生野は捕まえに行くのは罠だと開設する。
拳治の決め技は飛び膝蹴り、通称真空飛び膝蹴りである。
掴むために頭を下げたところを狙い撃つと読んでいたのだった。

しかし、金隆山もやられっぱなしではない。
左足を踏みつけることで真空飛び膝蹴りを封じつつ間合いを離させないようにしていた。
相撲では間合いを離させて土俵から押し出すのが主眼となるわけだし、相撲の教科書にはない一手だろう。
金隆山は陰陽トーナメントに対応しているのであった。



逃げ場がないとなればパワーで勝る金隆山の方が有利。
左張り手が決まる。
うわ、川口……どうしてそんなに面白い顔を……
だが、スリッピングアウェーで直撃は避けられてしまう。
そうか、直撃じゃないから面白い顔をできたのか……

しかし、避けられても金隆山の力で逃さない。
つもりがアンクルサポーターを残すことで滑らせるように脱出に成功する。
機転の利いた脱出方法を見せた川口は、その勢いのまま、身体を一回転させて回転肘打ちをテンプルにぶちかます。
大技が直撃しただけに凹んで見えるほどの一撃であり、信奉者もアンチも1億人以上の日本国民が言葉を失う。
これには川口も勝利を確信するのであった。

だが、横綱相撲を続けてきたことで育んだタフネスさからか、金隆山は直撃に耐えきる。
そして、次の打撃、禁じ手である鉄砲を川口に直撃させる。
それはリングの中央からロープまで吹き飛ぶほどの破壊力であった。



先ほどまでの好調っぷりはどこへやら。
一発で川口は白目になる。
おまけに前歯が折れているような……
川口ほどのヘヴィ級が一発でこうなってしまうとは、そりゃ禁じ手にするというものである。
それにしても川口は顔芸が光る。すっかり面白い人になってしまった。

これだけでも十分勝負ありというものだ。
失神したのか、川口は力なく膝を付こうとする。
が、さらに金隆山は素首落としで顔面をリングに叩き付けて追い打ちをするのだった。
容赦ねえ……
さっきから相撲の教科書にない攻撃ばかりしているし、陰陽トーナメントに対応しているのはむしろ金隆山だったようだ。
川口はキックボクシングの範疇で戦っていたわけだし。

筋肉ダルマ2人だが、深い読み合いが火花を散らす戦いとなった。
どっちも頭使ってますね。
工藤の脳筋っぷりがわかるというものである。
まぁ、後半は工藤も頭を使っていたけど。

先に禁じ手を解禁したのは金隆山だが、川口にもローキックとハイキックがある。
器用な戦い方をするよりも最大火力をぶつけた方がいいかも。
でも、火力は金隆山の方が上だし……
自分の持ち味を活かすのではなく、相手の持ち味を潰そうとした結果がこれだよ!
3週間後の次回へ続く。