戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE1 バルベルデ地獄変



2年に1度の全日本同時ライブ、シンフォギア放映の時期がやってきた!
今年は本編はもちろんのこと、ゲームも同時展開の多角攻撃が行われているぞ。
適合者たちに逃げ場なし。全力で絶唱して血涙しよう。
蛇足ながらシンフォギアの薄い本も同日に販売する猛者が現る(その1 その2 R-18注意)。空気読みやがって……





「夏休みの登校日って、もっとこう適当だったはずだよね……」
「なのにこの疲労感……お説教の満漢全席だとは思わなかったよ……」


恒例の金子彰史のクレジットが画面に映りシンフォギアが始まったことを感じさせる。
響はプロローグで述べられていた強敵、夏休みの宿題に結局は敗北したのだった。
提出日を守れず怒られることになってしまった。
ルームメイトの未来さん、何やっていたん……?
いや、未来も響と遊ぶことを優先していそうだけど。
でも、ちゃんと宿題をこなすのが(比較的)普通の美少女らしさ。





「お願い未来ッ! 手伝ってッ!」

「たしかにこのままだと始業式も通り越して響の誕生日までもつれ込みそうだもんね」
「仕方ない。いいよ、手伝うよ」

「ほんとぉッ!? やっぱ未来ってば心のアミーゴだよぉッ!」


最初から 手伝ってやれよ 未来さんや。
なお、響の誕生日は9月13日。
響の学業面での評価がわかるというものである。
ともあれ相変わらずの仲の良さであった。




「続きは家でやれッ!」

「本部から緊急招集ッ!」


だが、突然のヘリコプター!
当然、S.O.N.G.のヘリコプターであり、クリス・切歌・調が先に乗り込んでいる。
機密性よりも迅速性を優先していることから、火急の用事であることが伺える。
ヘリの音で声がまったく聞こえない演出のために字幕付きだ。
まぁ、聞こえるんですけどね。




「えッ!? 何て言ってるのッ!?」

「デスデスデースッ!!」

「言ってること全然わからないッ!」


うん、言ってること、全然わからないネ。
ヘリの音でかき消されているという意味でも、常識人という意味でも。
こうした二重の意味を持たせる言葉遣いが金子彰史は大好きだ。
相変わらずのテクニシャンである。こういうところは何か上手い。



そんなことを言っていると靴を投げつけられて、女の子にあるまじき表情を見せるのであった。
まぁ、主人公だしヒロインらしいことはしなくても大丈夫デスよね……
なお、靴はクリスの物であることから、ブン投げたのはクリス本人だろう。



で、ヘリは学校に堂々と横付け。
リディアンは元々二課に関係した学校だったわけだし、関係者には装者が在学していることは伝わっているだろう。
なので、こうしたことが起こりうるのも把握していそうだ。
その上であくまで響を特別視せずにただの一人の生徒として扱っている担任は立派な大人と言えよう。
ともあれ、他の生徒は帰っていて良かったデスね。




「未来ッ! ちょっと行ってくるけど心配しないでッ!」
「課題も任務も、どっちも頑張るッ!」

「うん、わかってる」


戦場へと向かう未来は笑って響を見送る。
GX同様に2人の関係は極めて安定している状態であることがわかる。
陽だまりに翳りはないのであった。
きっと、コンビニのおにぎりを買って待っているぞ。
未来さん、料理できないからな!



さて、舞台は変わってワニがいるような密林――バルベルデへと移る。
バルベルデとは映画などに登場する架空の国家であり、大抵はちょい役みたいな扱いをされる。 例えばコマンドーだと作中では既に失脚済み、プレデターでは単なる舞台である。

架空の国家のため、バルベルデの具体的な位置は定かになっていない。
が、描写的には中南米に位置すると見られており、シンフォギアでも南米と解釈されている。
つまり、日本の裏側に存在する。 随分と遠くへ来たなー。夏休みの宿題、間に合うかなー。





「高速で接近する車両を確認ッ!」

「対空砲を避けるために陸路を強行してきた?」
「だが、浅薄だッ! 通常兵装で我々に太刀打ちできるものかッ!!」


バルベルデは政情が不安定な紛争が起きている地域と描写されている。
というわけで、そこは戦場いくさばであった。
白と青を基調とした大変目立つバイクに乗った侵入者に対し、如何にも(やられ役)な敵の隊長は迎え撃つ準備が万端である。




隊長の自信はどこにあるのか。
それはアルカ・ノイズにあった。
アルカ・ノイズの軍事利用! その手があったか!
アルカ・ノイズは対人兵器としてはもちろん、対物兵器としての攻撃力も高い。 さらにはその制御も十分にできることから作戦行動も可能である。
軍事活動に使えるのならばこれ以上適した物はない。

アルカ・ノイズにやらせるべきことは元祖ノイズさんのような無秩序な破壊活動ではなく統率のある作戦行動。
極めて説得力がある。こういう設定が上手いのが金子彰史。
そして、こんな危険な代物を隠し持っているということは、各国への宣戦布告を十分に行えるということでもある。
バルベルデの脅威がわかるというものである。




「接近車両をモニターで捕捉ッ!」

「こいつはッ!?」

「敵は……シンフォギアですッ!!」


しかし、相手がノイズとなればシンフォギアの出番だ。
防人が恒例のバイクを駆り戦場に立つ。
アルカ・ノイズを用意していることから、バルベルデはシンフォギアの存在を認知しているようだ。

それにしてもこんな足場の悪い場所を二駆で走るのは相当大変そうだが見事に扱っている。
騎乗スキルEXかな?
セイバーのくせにライダーなのが防人であった。
いや、セイバーも騎乗スキル高いけど。



まずは騎刃ノ一閃でアルカ・ノイズを掃討する。
GXではOPでしか見られなかった防人のバイクアクション(しかも乗り捨てて爆発)だが、AXZでは第1話から炸裂!
数ある装者の中でも乗り物を絡めたアクションは防人の特権である。
ザババルンバ? UFOの類はオカルトネタが好きなアニメにお帰りください。
あ、Uターンしてきた。




「対空砲には近付けるなッ!!」

敵がシンフォギアとなればアルカ・ノイズだけでは対処しきれない。
そんなわけで人間とアルカ・ノイズの作戦行動が行われる。 奇妙な絵面だがこれもまた説得力のある描写だ。
感覚的には戦車に随伴している歩兵のようなものだろう。
大雑把な攻撃はアルカ・ノイズで、細かい攻撃は人間で行うということだろう。
今回は通常必殺であるアルカ・ノイズがシンフォギアには必殺になりえないため、補助戦力として人間を随伴させたのだろう。





しかし、相手は防人ですよ。
漫画版ではシンフォギアのデモンストレーションとして自衛隊の戦車を破壊しているため、対兵器の経験もある。 というわけで、ドリフト――むしろ、スピンしながら切り裂く『騎刃ノ一閃・旋』でアルカ・ノイズ諸共対空砲を切り裂く。
対空砲は強力な攻撃手段である空中からの攻撃を防ぐ拠点防衛の要である。
この拠点の空への防御力は大きく下がることとなる。




「――緒川さんッ!!」

そして、それは空に控える仲間のためアイエエエ!? ナンデ? ナンデタコ!?
この怒濤の展開から突然のニンジャである。
普通ならニンジャ出さない。女の子だけで戦わせる。
最高にシンフォギアという展開だ。


「忍」とか書いているけど全然忍んでいねえ。まったく忍んでいねえ。
チクショウ、ニンジャを何か面白い人だと思いやがって。
実際面白いから許す。




「いざ飛ばん(Let’s Fight!)空へ――」
「いざ往かん(Let’s Fight!)明日へ――」
「最上のシンフォニック――声をひとつに束ね――」

対空砲が潰されたために機銃で迎撃を試みるが、簡単に回避されてしまう。
(装者はまだしも生身の人間なのに容易くかわす緒川さんはどうかしてる
こうして作戦開始!
唄うのは3人の新たなシンフォニー『激唱インフィニティ』!!

人助けのための歌だった『RADIANT FORCE』とは異なり戦うための歌がこの『激唱インフィニティ』!
初手より奥義で仕るシンフォギアイズムは健在だ。




「見る夢は(Let’s Fight!)あるか――」
「愛唄(Let’s Fight!)あるのか――」
「迸るほど君の強き熱爆ぜる)」

降下と同時に緒川さんは彼の本部以蔵の如く煙玉で目眩ましを行い、続いて響とクリスが攻撃を開始する。
恐ろしいことだが緒川さんはシンフォギア装者と並んで作戦行動を行っている。
それだけの力量を秘めているのだ。
さすがGで容易くヤクザを壊滅させ、GXでもエージェントたちの動きを影縫いで止めただけのことはある。 その強さは決して侮れないというレベルではなく兵器に等しい。
しないフォギアでマリアさんが防人と並んで恐れるわけである。




「無限大のソウルが手と手を繋ぐよ――」
「激唱インフィニティ――」

さらに緒川さんはムササビの術で翻弄し接近、素早く当て身で敵兵を無力化していく。
アイエエエ!? ニンジャ? ニンジャナンデ!
『激唱インフィニティ』で高まるテンションと脅威のニンジャアクションが組み合わさり視聴者たちの頭はおかしいことになる。
この燃えればいいのか笑えばいいのかわからなくなる展開こそシンフォギアであり金子彰史だ!



人間が相手ということで翼は戦車と歩兵で形成された小隊と向かい合う。
雨のような弾丸をその斬撃で弾いていく。
弾丸程度なら装者なら楽に対処できる。マリアも米兵の銃撃を簡単に弾いていたわけだし。




だが、戦車砲ならばどうか。
関係ねえ! 弾丸を斬って砲塔も斬る!
これには撤退を余儀なくされるのであった。




戦車対装者、次は響の番である。
この戦車、どうやらV号戦車パンターのようだ。
1940年代に実戦投入された戦車であり、言ってしまえば旧型も旧型だ。
当然、現在の戦車と性能は比べものにならないだろう。
バルベルデが保有している戦力はその程度の物ということである。
そんなバルベルデにとって実質的に最新最強の兵器であるアルカ・ノイズを手にしたことがどれほどの意味を持つことか。 その軍事力は飛躍的に高まり、周辺諸国に対し強気の軍事行動を行えるようになったことは想像に難くない。






「レッドゾーンガン振りしてねじ込む拳ィッ!」

響は対戦車砲を受け流しつつ接近する。
兵器に理合を用いるか! タツジン!
これは師匠譲りだろう。
師匠も同じことができるだろう。
というか、絶対できる。できるに違いない。



「一片の曇りなく咲き萌える剣――」
「零距離でも恐れなく踏み込めるのは――」
「背中を託して」「伝える――」
「君を感じるから――」

防人も負けじと両脚のブレードと握った刀の3つの剣で身体を縦回転させて切り裂く!
新必殺技『無双三刃』だ!
ポイズンギアン道場で閃いたのかな?
同じ回転技である逆羅刹と比べると刃の数が増えた上に身体全体を回転させることでさらに威力が高まっていそうだ。

というか、この防人、新技が回転してばかりだな。
お前はウォーズマンかよ。
まぁ、シンフォギアって回転するのが大好きだ。
第1期第1話の時点で奏が回転防御してたし。
回転すれば強くなるとか子供かよ。



「二度と」「来ない」「今日に後悔なんてしないために」
回転大好きの先輩に習ってクリスも回転撃ちだ!
遠心力で射撃の威力が上がるぞ!
多分。






「闇さえも」「ハートの」「力へと――ッ!!」
「一斉射撃ッ!!」

そんなクリスに対してアサルトライフルによる掃射が行われる。
ダメージこそ受けないものの防御に徹さざるをえず身動きが取れない。
そこにRPGによる狙い撃ちが行われる。
対シンフォギア用の連携と思われる。
先の翼に対するアサルトライフルに掃射からの戦車砲も同じような連携なのだろう。
……あっちは銃弾を叩き切ったことであっさりと無力化されてしまったけど。



「よぉし……ッ!!」

連携が成功して喜びの声を上げる。
やったか!




「食いしばる痛みも握って――」
「全霊の(Let’s Fight)歌を――」
「全霊の(Let’s Fight)想いをぉッ!!」

やってない!
弾丸を口で受け止める余裕さえ見せる。
射撃のエキスパートだけあり、かわすまでもないと見切ったのか。
銃弾はともかくRPGでもノーダメージなのは地味に防御力自慢のイチイバルだからこそか。




「こんなにも離れても君が勇気が誓う」
そして、反撃の乱れ打ちでアサルトライフルだけを狙い撃ち!
フリーダムガンダム並みの射撃精度だ。
S.O.N.G.の活動はGX第1話からわかるように、あくまでも人命救助を基点としている。
今回は軍事勢力に武力介入をしているが、人命を損なうようなことは行わないのであった。





「再び今(Let’s Fight)風を」
「再び今(Let’s Fight)覚悟を」

先ほどと同じように響は砲弾を弾きながら悠々と接近していく。
その圧倒的なパワーを盾にじっくりと近付く姿、まさにゲッター3だ。
響の元ネタはゲッターロボの巴武蔵です(実話)





「何度涙を」「流しィッ!!」
「何度血を」「流しィッ!!」
「愛と呼べる日々まで築いた友唄――」

防御の次は攻撃だ。
戦いにおいて大事なのは機動力を削ぐこと。
というわけで、履帯を力任せに破壊していく。
スマートに戦車砲を切り裂き無力化した翼とは対極と言えよう。
あっという間に2台の戦車の足周りを破壊したのであった。




「激唱ぉおッ!! インフィニティイイイッ!!」

「あああ、あんまりだァッ!?」

そして、シンフォギア伝統の悠木碧の叫び同然の熱唱で砲塔を無理矢理引っぱがす。
ゴリラかな?
敵兵もこんな攻略法をされるとは思わなかったのか、混乱するばかりだ。





「そぉおおぉぉおおおおりゃああぁあぁあああッ!!」

その隙を突こうと砲塔を回転させた戦車には砲塔をぶつけて攻略!
見事なまでにパワーしかない脳筋殺法であった。
ここで砲身だけを叩いているのがポイントか。
砲塔をぶっ飛ばせば乗員が死にかねないわけだし。
響のやりたいことはあくまでも人助けであり、その障害となる人間の命も守ろうとしているのだ。



「敵戦力の損耗率、34%ッ!!」

この装者たちの全力疾走によってここまでの僅かな間に34%もの戦力を奪うのだった。
3割も戦力を失えば軍隊は機能しなくなると言われている。
失った3割を補填するために別の戦力を割く必要があり、その結果、戦闘に割ける戦力が半減するからである。
つまり、もうバルベルデの戦力は死にかけである。


「昨晩、対戦車用に視聴した映画の効果が覿面ですッ!!」

この快進撃には秘訣があった。
それがシンフォギア伝統の映画トレーニング!
飯食って映画観て寝る人が最強ですからね。
映画トレーニングに懐疑的だったクリスも映画の影響で翼と接近戦で五分れるくらいになってたし。

でも、銃弾を斬撃で弾きつつ接近して砲身を斬るとか、砲弾を素手で受け流しながら履帯を破壊するとか、どんな映画から学んだんだ?
あれか? ヒーロー物か?
絶対まともに戦車を攻略する映画じゃねえ……



「国連軍の上陸は15分後ッ! それまでに迎撃施設を無力化するんだッ!!」

タイムリミットは15分と猶予がない。
しかし、既に3割をも消耗させている。
15分で終わらせるだけの力が今の装者たちにはあるのだった。
それもこれも映画トレーニングのおかげ。




装者たちに対して通常弾頭ではなくロケット噴射する特殊弾頭を使ってくる。
通常兵器に対する武装ではなく対要塞レベルの攻撃力がありそうだ。
虚を突かれたこともあるがこれにはクリスも驚く。
ああ……いつも油断癖があるんだから……
だから、雑魚狩り女王なんだよ……




「とおぉおおおおぉおおおおッ!!」

「無茶してくれるッ!!」


しかし、友の危難に鞘走らずにいられないのが仲間というもの。
相変わらずクリスの隙を守るのが響の役割なのであった。
真っ正面から受け止めたのもあるが処理に手間取っていることから、この怪しい弾頭には相当の推進力があるようだ。





「――クリスちゃんッ!!」

「応ッ!!」


それと受け止め投げクリスが銃撃で爆砕させる。
爆風だけで戦車が吹き飛んでいることから、その破壊力がどれほどのものかが伺える。
これは装者でも直撃すれば危なかった。
多分、HPが2割くらいは減った。
銃撃で爆砕させたのは一つは戦車に直接ぶつけて被害を大きくするのを下げるためと、もう一つは不発弾となるのを防ぐためか。
こういうところ、けっこう細かいのがシンフォギア。
いや、まぁ盛り上がるから爆発させただけかもしれないけど。



「防衛ラインが瓦解しますッ!? このままでは――」
「隊長ッ! どちらへッ!?」


装者たちの快進撃を前に隊長は作戦指揮を投げ出してしまう。
隊長が逃亡か?
まぁ、何か危なくなったら恥も外聞もなく逃げ出しそうな顔と髭をしてたし……
要するにコモノ・インシデント。






「何だッ!?」

「空にあんなのがッ!?」

「本丸のお出ましかッ!!」


だが、隊長は逃げ出したのではなく空中要塞を召喚した!
先ほどまでのチープな戦車と違って近未来的な兵器である。
テレポートオーブに似た色合いと形状の波紋が出ていることから、どこかから転送したようだ。
通常兵器ではなく異端技術を用いて製造した最新型の兵器なのだろう。
多分、名前はヘイムダルガッツォーとかバルキサスとかそういうのだと思います。




「あなたたちッ! グズグズしないでッ! 追うわよッ!!」

今度は空中の敵。
そうなると名ヘリコプター操縦士マリアの出番である。 ……こういう時に輸送役を買って出る辺り、見事なまでのサポート役だな。
この人、メインも張れる器があるけど、サポート役に徹することも躊躇わない。
そういう意味でもオールラウンダーだな……





「――ヘリかッ!」
「ならば直上からの攻撃は凌げまいッ!!」


この空中要塞、大分オート化が進んでいるようで隊長一人で動かせるようだ。
そんなわけで極太の爆雷を投下する。
大雑把かつ出し惜しみのない攻撃である。
先のことをまるで考えていない。
頭の悪い展開が続いた結果、隊長の頭も悪くなってしまったようだ。
だが、それがいい。それがシンフォギア。







「やったぜェッ!! 狂い咲きィッッ!!!」

直下の大爆発を見て隊長は鬨の声を上げる。
嬉しいのはわかるけど、狂い咲きとか普通は言わない。 様子のおかしい台詞回しがまさに金子彰史!
この一言のおかげでただのやられ役であるはずの隊長が一生忘れられないキャラになってしまった。
あんたいい奴だったよ、隊長……(故人に向ける言葉)

ついでに狂い咲きは季節外れに咲く花、または勢いを盛りかえすことを意味する。
後者の意味――つまりは逆転したという意味で用いたのだろう。
……いやぁ、普通、嬉しくてもこういうことを即言えないデスよ。




「100万回倒れてもへいきへっちゃら――」
「――あンッ!?」

だが、あれだけの爆風の中で装者たちもヘリも健在!
せっかく狂ったように狂い咲いたのにこれには隊長もガッカリ。




「起き上がるワケがある――」
「シンフォギアで迎え撃っただとッ!」
「――なら非常識には『非常識』だッ!!」


だが、隊長の心は折れない。
非常識には非常識!
普通なら考えない選択肢である。
というか、やっぱり、非常識なんだ……
それに真っ向から立ち向かうとは、隊長、あんたいい奴だったよ……(2回目)






というわけでシンフォギアという非常識に対して隊長が取った手は、非常識な量のミサイルを放つというものだった。 飛び道具担当のクリスでも迎撃しきれない量のミサイルである。
量としても非常識だし、ヘリ3台に使う戦力としても非常識である。
これだけ弾薬を使えば補給に相当な資源を使わざるをえない。
とはいえ、やられれば元も子もない。
後先考えない隊長の非常識な選択はまさに非常識に向けたものである。




「真の敵はいつだって自分の心の中にある――」
だが、この非常識ミサイルをマリアは顔色一つ変えず冷や汗一つ見せずにいとも簡単に避ける。
通常、ヘリという兵器は対地攻撃力では特筆すべきものがあるが回避を初めとした防御力に劣る。
攻撃をかわすのではなく撃たれないように立ち回るものである。
そんなヘリで見事に回避したマリアの操縦技術はまさに神業と言える。 さすがは神獣鏡のビームをヘリを操縦しながら収束させただけのことはある。
騎乗スキルEXかな?(2回目の2回目)





「武器を持つ意味を噛みしめて――」
「特大の情熱でぶっ飛べ――」

「立花ッ! 殿は雪音に任せるんだッ!!」

「うぇえッ!?」


ミサイルの雨あられを足場に空中要塞へと接近していく。
ミサイルはもう足場という認識のようだ。
まぁ、GXではそんな扱いしていましたしね……




「抱き締めたい(Let’s Fight)希望は――」
「抱き締めたい(Let’s Fight)光は――」

そして、またも神回避をマリアは行う。
どうなってんだ、この人。
これで国連のエージェントだから多方面に渡るスキルが必要なのはわかるが……
この人、どんな人生を歩んできたんだ?
F.I.S.でどんな訓練をしてきたんだ?
映画、1日30時間くらい見ているのか?





「ダメだッ! 間に合わないッ!!?」

しかし、マリアはかわせても他のパイロットはミサイルをかわせない。
フレアを発射しても間に合わない。
本職のパイロットがフレアを使ってもかわせないのにアイドル兼エージェント兼たやマが純粋な回避運動だけでかわせるというのも凄いというか何というか。
ともあれ、モブに厳しいのがシンフォギア。
二課のエージェントも何度か死んでいるし。







「行くよ、切ちゃんッ!!」

「合点デェスッ!!」


この窮地に輝くのがきりしら!
ドアを同時に開け放ちミサイルの直撃を避ける!
アホか! バカか!
こんなかわし方、ありえるか!

このエンターテイメント性に溢れる回避……実にイイネ……




「やればできるッ!」

「アタシたちデェスッ!!」


やればできる子だったんだぁ!(CV:青山穣)
ともあれ、以心伝心のナイスコンビプレイであった。
戦うことだけが装者の役割ではない。
助けられる側も一生懸命の心は2人の中にも生きているのであった。
……ミサイルの回避として適切だったのかは怪しいけど。




「瞳閉じて願い祈りをシンフォニーに込めながら――」
「闇さえも」「ハートの」「力へと――ッ!!」

「初手より奥義にて仕るッ!!」

ついにシンフォギアでも出た! 初手より奥義にて仕る!
これはWA5で出た台詞である。
ファンの間でも賛否の分かれるWA5においても、この台詞だけは満場一致で評価されていることだろう。 この台詞は金子彰史としてもお気に入りらしく、GX第1話を初手より奥義にて仕ると形容したことがあった。
前述のやればできる子といい、今までのシンフォギアには少なめだったWA5ネタ多めですね。
軍事勢力が出てくる辺りはWA4っぽいのですが。

というわけで初手より奥義にて仕る!
風鳴翼得意の巨大ブレードを形成した。
巨大ブレードと言えばこれと一緒にライダーキックを放つ天ノ逆鱗である。





「はぁあぁあああッ!!」
「食いしばる痛みを握ってェエエェエエッ!!」


だが、此度は剣をそのまま振るう!
空中要塞を両断するほどの壮絶な破壊力である。
さすがの初手からの奥義。それだけに必殺なのである。




「いざ飛ばん(Let’s Fight!)空へ――」
「いざ往かん(Let’s Fight!)明日へ――」

非常識以上の非常識にさすがの隊長も唖然とする。
サングラスだけ斬るという器用さである。
完璧な距離調節だ。
そして、裂け目から響が隊長の前に立つ。
あっ……さよなら、隊長……君のことは忘れたくても忘れられない……





「最上のシンフォニック――声をひとつに束ね――」
新技、ドリル回転!
ガングニール装者は回転好きだ。
奏は回転防御していたし、マリアも回転マントに回転アームドギアを見せていた。
というわけでドリルパンチ!
これをぶちかまされるのかと隊長は狼狽するが――





「いざ飛ばん(Let’s Fight!)空へ――」
「いざ往かん(Let’s Fight!)明日へ――」
「最上のシンフォニック――声をひとつに束ね――」
「見る夢は(Let’s Fight!)あるか――」
「愛唄(Let’s Fight!)あるのか――」

「うぉおぉおおおぉおおおおおおッ!!」

当然、隊長に放たれることはなく半壊した要塞を貫き、隊長を連れて脱出!
そして、アームドギアの線引きが毎年曖昧になっていく響であった。
繋ぐ手が立花響のアームドギアだから、隊長を繋いでいるんだからこれもアームドギアなんだよ(暴論)





「迸るほど君の強き熱爆ぜる」
「無限大のソウルが手と手を繋ぐよ――」

そして、大火力はお手の物のクリスが新技『MEGADETH INFINITY』で空中要塞を爆砕!
巨大ミサイルが複数出ていることから、クリスの大火力技の中でも特に強力な必殺技なのだろう。
☆5のクリスの必殺技ですな。
名前的にも『激唱インフィニティ』の締めに相応しい決め技である。



そして、響は人助けを達成!
倒すべき敵であっても命があるのなら守るのが立花響である。
ひたすらに爽快感溢れるまさに最高にシンフォギアな出だしであった。
あの伝説の『RADIANT FORCE』と真っ向から殴り合ったシンフォギアスタッフに最上級の敬意を……
そして、ここまででアバンタイトルなのだから内容が濃すぎる。 加減しろ莫迦! 加減するな!




さて、国連軍も到着し現地の人々に食料の支給と治療を行う。
人々を守るのが軍人の責務である。
人質を取るような行為をしてマリアをエージェントに仕立て上げた国連ではあるが、誠実な活動をしている人間も多くいるのであった。
その点、隊長は悪い人ですね。狂い咲くくらいにすげえ面白かったけど。




一方で重傷を負った人間もおり、父親の危機に少女は泣き叫ぶ。
この女の子を支えている人、いいですね。
少女には大きな怪我はない。
本来ならば放っておいて他の仕事をするべきかもしれないが、彼の良心が少女の元にいさせたのだろう。
効率的ではないかもしれないが、実に人間的な一面の描写である。



「良かった……国連軍の対応が早くて」

「そうだな」


その様子を見て響たちは一息つく。
如何に強大な戦闘力を持っていても、医療的な知識や技術はない。
だから、見守るしかないのであった。
まぁ、マリアさんなら軽く銃弾の摘出くらいはやってしまいそうだけどさ……




「クリスちゃん? どうしたの?」

「……何でもねえよ」


だが、クリスの心中は穏やかではなかった。
バルベルデはクリスの両親が落命した地であり、過酷な青春を送った地でもある。
クリスの持つもっとも大きな傷跡と言える。
今までのシリーズでは軽く匂わせる程度の描写であったが、そのバルベルデを舞台として戦った以上はさらに掘り下げる必要がある。
というわけで第10話くらいにクリスはバルベルデ関係でまた面倒なことになるぞ!




「市街の巡回、完了デースッ!」

「乗って。本部へ戻るわよ」


すっかり運転手となったマリアがやってくる。
いやぁ、無駄に似合うなぁ……
装者唯一の運転免許持ちですからね。
正確には翼は二輪の免許はあるけど四輪はなさそう。
ヘリコプターともなればマリアだけだろう。
……何でヘリコプターの操縦があんなに上手いのかなぁ。




「わたしたちを苦しめたアルカ・ノイズ……錬金術の断片が武器として軍事政権に渡っているなんて……」

1ヶ月前に火花を散らした錬金術士との戦いであったが、その技術は未だに世界にはびこっている。
それが軍事兵器として使われているというのは闇が深い。
キャロルが倒れても錬金術の全てが終わったわけではない。
黒幕を倒しても問題の一部が解決されるだけなのが金子彰史が代々描いてきたことだ。
シンフォギアでもフィーネさんを倒してもルナアタックは止まらず、ルナアタックを止めてもウェル博士の野望は止まらず、キャロルを倒しても錬金術は世界に残り続ける。
問題というものは常に連鎖するのだ。
多分、最終章が終わっても何らかの課題が世界に残る。おっさん、そういうところはリアリティを出す人。
でも、ミサイル回避はエンターテイメントに徹する人。




「マリア、そっちで何かあったの?」

「翼のパパさんからの特命でね、S.O.N.G.のエージェントとして魔法少女事変のバックグラウンドを探っていたの」


ここで冒頭の招集を受けた直後のことが回想される。
マリアが翼の父、風鳴八紘の特命を受けていたことが発覚する。
GX最終話で翼と共にイギリスへと向かったのは友情かと思いきや、実は任務だったのだ。 いや、まぁ、友情もありそうだけど。特命がなくても同道しそうだけど。

しかし、マリアさん、アンタ、アイドルですよね?
エージェントとして活動して成果を出すとかアンタは一体何なんだ。
そういえば、八紘はマリアのことを評価していた。
特命を与えるほどには有能な人材だと判断しており、事実、規格外に有能な人材であった。




「私も知らされていなかったのでてっきり寂しくなったマリアが勝手に英国まで付いてきたとばかり」

「だからッ! そんなわけないでしょッ!!」


天然な翼はこういった解釈をするのだった。
臆面もなくこう言えるのが防人である。
一歩間違えればラノベ主人公になれるぞ。
あと照れるマリアさん可愛いですね。




「マリアさんの捜査でひとつの組織の名が浮上してきました」
「それが『パヴァリア光明結社』です」

「チフォージュ・シャトーの建造に当たり、キャロルに支援していた組織だったようです」
「裏歴史に暗躍し一部に今の欧州を暗黒大陸とまで言わしめる要因とも囁かれています」


で、マリアはエージェントとしての任務を果たしパヴァリア光明結社の存在を掴む。
そして、やはりと言うべきか、キャロルに関わっていたのだった。
何せキャロルの計画は規模がデカすぎる。 その規模はもちろん、数百年に渡る長期間で活動している。
当然、キャロル個人では限界があるし何らかの組織がバックアップしていると見るのが自然である。
それがパヴァリア光明結社であった。

暗黒大陸と化した欧州もパヴァリア光明結社の仕業らしい。
テロ行為が大分横行しているようだ。
なお、暗黒大陸と化した理由は「数年前の連鎖的超規模経済破綻」である。
そして、今回の敵となる錬金術士は「金を作り出す」と金子彰史はインタビューで語っている。
……繋がったな!




「あのマークッ!? 見たことあるデスよッ!」

「たしかあれってッ!?」

「そうね……マムやドクターと通じF.I.S.を武装蜂起させた謎の組織……」
「私たちにとっても向き合い続けなければならない闇の奥底だわ」


そのパヴァリア光明結社はF.I.S.にも関わっていたのだった。
キャロルに関わっていたのは当たり前だと思っていたが、F.I.S.も関与していたとはまさか予想外のところから投げつけられた。
マリアはパヴァリア光明結社の名前を挙げていたから存在は知っていたようだが、関わっていたことは知らなかったようだ。
たしかにF.I.S.の活動も怪しいところがあったし、特にその資金源は謎が多かった。
つまりその金もパヴァリア光明結社が金の製造で……
……繋がったな。
キャロルの計画に本来イレギュラーであるはずのF.I.S.の装者も含まれていたのは、パヴァリア光明結社を通して情報供与を受けていたためだろうか。

なお、その資金はウェル博士が勝手やらかしてわりとダメになった模様。
F.I.S.の懐事情が怪しくなったのも拠点である病院が潰されてからだし、あそこに活動資金が収められていたのだろう。
パヴァリア光明結社でさえウェル博士の手綱は握れないのであった……

一方でG第12話でマリアがパヴァリア光明結社のことについて触れていたが(その時はパヴァリア『の』光明結社と言っていた)、米国政府と並んで月の落下を隠蔽する立場だった。
そんなパヴァリア光明結社が月の落下を防ぐF.I.S.に荷担するというのは違和感がある。 隠蔽したいのかしたくないのか……
何らかの思惑があるのか、パヴァリア光明結社も一枚岩ではないのか。




「フロンティア事変と魔法少女事変の双方に関わっていた組織、パヴァリア光明結社……」

「これを機会に知られざる結社の実態へと至ることができるかもしれません」


というわけでGとGXの黒幕とも言える存在がパヴァリア光明結社であった。
F.I.S.に関しては前述の隠蔽もあってちょっと後付けな感じもするけれど、ともあれ遠大な仕掛けが施されていたのだった。
その黒幕の黒幕が多分フィーネさんだな!
真の発端がフィーネさんなわけだし。




「撮影されたのは政情不安な南米の軍事政権国家――」

「バルベルデかよッ!?」


マリアからの情報を元に調査を行った結果、バルベルデでアルカ・ノイズが暴れていることが発覚する。
大変な事件である。
大変な事件だけど、その、……すごいほのぼのとしているな。
特にバナナ、お前だよ。お前がほのぼの度を上げているんだよ。
マムもとんでもない置き土産を遺していったな……

クリスは写真を見ただけで一発でバルベルデだと気付く。
普通のJKはバルベルデだと気付かない。
クリスとしては傷ごと抉り出されたようなものなので当然気付かざるをえないのだが。
しかし、大統領の肖像を飾っているとか独裁国家臭がぷんぷんとしますな……
国内をアルカ・ノイズに暴れさせている以上、独裁国家以外の何でもないのだが。



さて、そんなわけで二課から始まった潜水艦本部、3代目である。
地味に毎シリーズ壊れているんですよね。
今回も壊れるよ。
あと相変わらず色使いが派手である。





「S.O.N.G.の国連直轄の組織だとしても本来であれば武力での干渉は許されない」

「だが、異端技術を行使する相手であれば見過ごすわけにはいかないからな」

「アルカ・ノイズの軍事利用……ッ!!」


やったぜ狂い咲きィ! 第1話からお色気シーン! これが萌えアニメというものだ!
ブヒいいぃいいぃいいい! ブヒぃいいぃいいいい!
最高にブヒれますね(棒読み)
ホント夏コミが楽しみ(一応薄い本は出て欲しい)

というわけでS.O.N.G.がソレスタルビーイングよろしく武力介入したのは異端技術を行使する相手だからだった。
アルカ・ノイズは通常の軍隊では相手にできない。
S.O.N.G.を頼らざるをえないということだろう。
本来、抑止力のような活動はごめんなのだろうが、アルカ・ノイズが絡んでいるとなれば話は別か。
この活動を機にシンフォギアの軍事利用がされないように大人たちは尽力することになるのだろう。
まぁ、K2の標高が下がったのを何とかしたっぽいから何とかなるべ……




「LiNKERの数さえ十分あればわたしたちだってもっと――」

「ラスト一発の虎の子デス」
「そう簡単に使うわけには――」


さて、気になるLiNKER事情だがついに弾切れの危機を迎えていた。 (中身がLiNKER関係である保証はないが)ウェル博士のチップの解明はまだ為されていないようだ。
ところで切ちゃん。お尻でゲートを閉めるな。
はしたない子……あとエロい子……



そんな切ちゃんは置いておいて調の下着のアップがこちら。
ごわごわしている切歌の衣服とは違い、ちゃんと畳まれている。
あと着けるほどもなさそうだけどブラを着けている。





「デデデッ!?」

「大丈夫だよッ! 何かをするのにLiNKERやギアが不可欠なわけじゃないよッ!」
「さっきだってヘリを守ってくれた。ありがとうッ!!」


LiNKER問題に悩む切歌を響は励ます。
G終盤でギアを失った時にそれがなくても何かはできる。
そのための力添えをしたのは調だった。
というわけで、時を経てザババ組をそのことで励ますのであった。
今まで接点があまりなかった響と切歌という組み合わせがいいデスね。




「じー……」

「目のやり場に困るくらいデスッ!」


こうして可愛い先輩に目を奪われると正妻に睨まれる。
仕方ないね。
この百合描写にブヒぃいいぃいいいい! ブヒぃいぃいいいぃいいい!
まぁ、微笑ましいとは思います(冷静)



「くそったれな想い出ばかりが領空侵犯しやがる……ッ!!」

そんな中でクリスの心中は穏やかではなかった。
バルベルデは辛い想い出が眠る地……
どうしてもシリアスな方向に思考が向いてしまいブヒれないのであった。
だが、この想い出が領空侵犯はWA2でギャグキャラのトカが使ったネタである。 トカゲが使ったネタなんですよ。リザード星人ですよ。
なので、本来はシリアスな葛藤のはずなのにくそったれなトカゲの想い出が領空侵犯してしまいシリアスに見ることができない。
2つの意味を持たせた想い出の領空侵犯は上手いと思うけどよ……!



さて、次の作戦は夜間に行われる。
目標は化学兵器のプラント。川を遡上して上流の軍事施設を制圧するというものだった。
現在、化学兵器は条約で禁止されている。
一方で容易にテロ活動を行えることから、テロリストにとってはこれ以上ない武器である。
アルカ・ノイズを運用するようなテロリスト同然のバルベルデならば製造しているのはむしろ自然なくらいである。
国連としては見逃せなく、アルカ・ノイズが関わっている以上はS.O.N.G.が出動する理由がある。
S.O.N.G.と国連の思惑の双方が噛み合っていると言えよう。



で、作戦開始!
あっ……ごく自然に緒川さんがいる……
恐ろしいのはいつものスーツで作戦行動をしているということだな。
せめて忍者服は着よう。メンポを被ろう。




ここでクリスはくそったれな想い出を思い出す。
当然、両親である雪音雅律とソネット・M・ユキネが倒れた瞬間であった。
最愛の両親を同時に失うという人生の中で一番苦い想い出だろう。




「離してッ! ソーニャッ!!」

「ダメよ、危ないわッ!!」

「――ソーニャのせいだッ!!」


当時の雪音家族の傍らにいたであろうソーニャに対し、在りし日のクリスは心のない言葉をかけてしまう。
ソーニャのせいだと言ってしまった経緯はいくつもあるだろうが、恐らくはソーニャに責任はないだろう。
悲しみと怒りに任せて漏れた本心ではない言葉なのは明らかであり、時を経て傷は残っていれど落ち着いているクリスはこの言葉を言ってしまったことも含めての「くそったれな想い出」なのだろう。
雪音クリスはナイーブな人間であり、自分が傷付けてしまった誰かのことをずっと引きずってしまうのだ。



「………………ッ!!?」

ソーニャは何も言い返せず落涙する。
この言葉によって修復できない溝が生まれてしまったのは間違いない。
というわけで、今年のクリスちゃんの悩みはこちらであった。
どいつもこいつも過酷な過去を持っている装者の中でも特に重い過去を背負っているため、それで思い悩むことになるのは必然であった。
その点、切ちゃんスゲーな。辛い過去をまるで感じさせないくらいバカ。



「昔のことか?」

「……ああ、昔のことだッ!」
「だから、気にすんな」


翼は(時系列的に)「昔のこと」かと問い、クリスは(心情的に)「昔のこと」と返す。
このやり取りには2つの意味が同時に込められている。
こうした表現がAXZでは既に数度使われている。
金子のおっさんの今年のブームはどうやらこれらしい。
ダブルミーニングが好きなおっさんらしい。



「詮索はしない。だが、今は前だけを見ろ」
「でないと――」


過去に囚われて痛い目を見たのが風鳴翼である。
あの日流した血の涙を小生たちは忘れない。
そして、そうした過去は自分で払拭するしかなく、他人はきっかけを作ることしかできない。
なので、同じ経験をした先輩としては前を見るようにしか言えないのであった。






「一番槍ッ! 突貫しますッ!!」

そうしていると発見されてしまう。
状況開始だ。
先陣を切るのは一番槍の立花響である。
GX初期に見せた戦うことへの迷いは払拭されたようだ。
キャロルとの戦いは痛みを伴ったが、それを乗り越えたからこそ迷わず戦える強さを手にしたことが窺える。



「Balwisyall Nescell gungnir tron――」

夜の戦場に今年で5年目の聖詠が鳴り響く。
そういえば、歴代シリーズの全てで響の初聖詠は夜中に行っている。
奇妙な一致なのか、狙った偶然なのか。







というわけで毎度気合いの入った変身バンク!
……あれ? 何か妙にさっぱりしている?
GXからギアの変更がないからか、さっぱりと変身自体は終わるのだった。



ッ!」



ッ!!」



ォォオオォオオオ――」
ァッ!!」




ェッ!!」



ッ!!」




ぉおぉおお――」
ァッッ!!」


だからこそ、ここからがAXZの変身の本番である演舞!
ギアの変更がないため、変身シーンそのものよりもその後のポージングに力を注ぐのがAXZの方針!
というわけで、気合いの入った演舞であった。
これがインタビューで述べていた「お約束やパターンをズラしているところ」なのだろうか。



「一番槍の拳ィッ!!」

AXZの戦歌いくさうた『負けない愛がここにある』が激唱される。
迷いなく戦う響の心情が映し出されたような歌である。
というわけでまずは車両にパンチ。
まぁ、死なんだろ……モブ、けっこう頑丈だし……
ノイズさんがヤバいだけだし……




第1戦で出てきた仕掛けと同一の物でアルカ・ノイズさんこんにちは。
せり出す仕掛けはあまり必要ないんじゃとか言っちゃダメだ。
いかなる理由があろうとも無駄な仕掛けが施されるんだ。
悔しいだろうが仕方ないんだ。



作戦が開始されると軍人ではない民間人が逃げ出す。
プラントにほぼ収監という形で携わっているのだろう。
バルベルデ、好き勝手やってるなぁ。
金子のおっさんはバルベルデを何だと思っているんだ。
概ねこんな扱いだよチクショウ。





昼間と同様に人とアルカ・ノイズの二段構えである。
それを翼は二刀流であっさりと銃器を破壊し無力化していく。
緒川さんの指導の元に劇場版ガンダムSEEDを見たな! そうに違いない!

やはり、常人はシンフォギアの相手にならん。
ニンジャか司令を連れてこないと。
逆に言えば超常がなくとも突出した個人ならシンフォギアとも渡り合える。
異端技術を用いない人を敵として出した以上、そんなことをする人が出てきそうな気がしてワクワクします……




クリスはイチイバルを弓に変えてマムの形見を撃砕していく。
弓の聖遺物なのに弓で使うことがあまりないのがイチイバル。
ガングニールは槍として使われないし、シュルシャガナはノコギリでイガリマは鎌だし、本来の運用がされないのはよくあることだけど。
その点、天羽々斬は相性がいいなー。剣だし。





戦いの中で柱が溶解、少年の元に倒れかける。
それを救うのが人助けのプロ、立花響!
AXZが始まってからというもの常人が相手でも勢いを付けて戦っているのだが、戦うだけではない響イズムは健在なのであった。
だから、狂い咲きの人だって助ける。




「我が軍が押されるのかッ!?」
「こうなったら諸共に吹き飛ばしてくれるぅッ!!」


うわぁ、小物っぽい……
敗北を悟った指揮官は早々にプラントの破壊を目論む。
化学兵器となればシンフォギアにも通じる可能性は高い。
少なくとも通常兵器やアルカ・ノイズよりは効果が期待できる。
無論、この作戦には穴がある。
敵だけでなく味方にも多大な被害をもたらしてしまうのだ。
真っ当な軍人なら味方殺し同然の判断はしない。
やっぱりバルベルデはダメじゃないか……!



「デカブツまで出すなんてッ!?」

「『みんながんばれ』は作戦じゃないッ!!」


バルタン聖人を呼び出して大暴れだ。
こうなると敵も味方もない。
『みんながんばれ』は作戦じゃないッ!!
いや、ホントそうですよ。
こんな各自勝手に判断しろを命令として出す勇者もとい司令官の無責任さよ。
こういうところに妙な面白さを出してくるからたまりませんね。




アルカ・ノイズを使って化学兵器がある区画の壁を溶解し、味方も殺していく。
作戦行動をできるのがアルカ・ノイズの強みなのにそれを投げ捨てている。
お、俺は……バルベルデ指揮官が……無能だなんて…思いたく…う、ううっ……
どうしても……認めたくなくて……ううっ……




「手当たり次第にッ!?」

「誰でもいいのかよォッ!!」


もはや兵器ではなく災害となったアルカ・ノイズにS.O.N.G.の装者は怒りを露わにする。
そして、超常災害に立ち向かうのが二課時代からの装者の在り方である。



そんなわけでまずはクリスの怒りの『ARTHEMIS CAPTURE』が炸裂する。
これはかつてレイアの妹を瞬殺した『ARTEMIS SPIRAL』の変形系だろうか。
イグナイトの出力がないからか、攻撃を主体としたものではなく「CAPTURE」の名前通りに動きを止める技のようだ。
でも、内部から破裂している分、これはこれで痛そうだけど。




「はぁあぁあああッ!!」

さらに翼が二振りの剣を両翼に見立てて飛翔する!
知っている! 我々はこの技を知っている!



第1期以来の『炎鳥極翔斬』が炸裂!
かつてカディンギルを粉砕した絶大な威力を誇る大技である。
『ARTHEMIS CAPTURE』との合わせ技なこともあり、バルタン星人と言えど耐えられず両断されるのだった。
あ……これって斬る技だったんだ……
てっきり身体ごと突っ込む特攻技だとばかり……
これが本来の運用法ということか。
今にして思えば第1期は翼の血涙絶唱やクリスの収束絶唱といい、本来の運用法とは異なる使い方がされていることが多いのであった。




「おい、あれッ!?」

「プラントに突っ込まれたら辺り一帯汚染されちまうぞッ!!」


ここでプラントの直上にドリル型のノイズが登場だ。
グルグル回るよ!
敵も味方も回ってばかり。
いつものことですね。



化学兵器には『DreiOxin245』と記されている。
この意味は謎である。
ググっても出てこない。
深淵の竜宮に秘蔵されていた聖遺物にはいろいろとネタが込められていただけにこれもそうだと思ったが違うようだ。
それとも何かB級映画マスターにしかわからないネタがあるのか……?

※追記
バタリアンに出てきたトライオキシン245のドイツ語読みだそうです。
トライオキシン245は深淵の竜宮に封印されている危険物にも出てきてたネ。
245って数字をどこかで見たと思っていたらそこデスか(言い訳)
いろいろな方面からドイツネタが多めなので、パヴァリア光明結社にはドイツが絡んでいる?



「何とかしないとッ!!」

自由落下を味方に付けて襲いかかるとなればパワー自慢の響の出番だ。
ハンマーパーツを引っ張ってまずは準備。
だが、この状態では雑魚アルカ・ノイズを殴れなくなる。
殴ると解除されてしまう。





そのため、マフラーを武器に使う!
これでアルカ・ノイズたちを引き裂くのであった。
ドリルパンチといいガングニールの使い方が多彩になっている。
このマフラースラッシュはかつてマントを武器としたマリアに習ったものだろうか。
あのマント、非常に便利だったし一直線気味な響が学べばいい搦め手となろう。








「ぶっ飛べェェエエェエエェエエエエッッ!!!」

そして、真っ向から襲いかかるドリルノイズを真っ向から迎え撃つ!
まるでG第1話のような正面衝突だ。
ガングニールのパワーを全力でぶつけてプラントを守り抜き、人助けを完遂したのであった。
負けない愛がここにある。
立花響の生き様を見せつけたのだった。



「閣下。念のため、エスカロン空港にダミーの特別機を手配しておきました」

「無用だ」
「亡命将校の遺産、『ディーシュピネの結界』が機能している以上、この地こそが一番安全なのだ」


さて、一方でバルベルデ大統領はとあるオペラハウスに身を潜めていた。
エスカロン空港はバルベルデに存在すると言われている国際空港(ダイハード2にて登場)である。
『ディーシュピネの結界』に関してはナチスの残党が逃亡の際に力を借りた組織『ディーシュピネ』が元ネタになっていると思われる。
なお、ナチス逃亡に当たって援助した組織にはディーシュピネの他にオデッサがある。
WA2に登場したテロリストの名前である。
……うむ、何かワクワクしてきたゾ。

ともあれ、ディーシュピネの結界があるので大統領はあまり動かず、ここに身を潜めておこうという算段であった。
絶対の防御があるのならそこにいればいい。
そうやって安心していった奴が死んでいくのがお約束である。
大統領……お前はいい奴だったよ……



「――つまり、本当に守るべきモノはここに隠されている」

「何者だッ!?」


絶対の安全があるのならそこにこそ重要なモノが隠している。
そう推理した謎の3人がバルベルデの将校たちの前に現れる。



「主だった軍事施設を探っても見つけられなかったけど」

まずはサンジェルマン!
あ、目標物はここに至るまで見つけられなかったんだ。
相変わらず敵は敵で苦労しているのが金子彰史作品。
毎度ご苦労様です。



「S.O.N.G.を誘導して秘密の花園を暴く作戦は上手く行ったわけだ」

続いて元男が確定しているプレラーティ!
一部では金子彰史の女体化とも囁かれている曲者である。
曰く一連の騒動はここに秘められた物を手にするための仕掛けだったようだ。
そのためにアルカ・ノイズを渡し一騒動を起こさせる段取りを作ったのだろうか。



「慌てふためいて自分たちで案内してくれるなんて可愛い大統領♪」

最後に元男にして中の人が男のカリオストロ!
一番危険な匂いがする。巨乳だし。
頑張れ、薄い本。
出るかなぁ……薄い本……




「サンジェルマンッ!? プレラーティッ!? カリオストロッ!?」

「せっかくだから最後にもう一仕事してもらうわけだね」


ちゃんと喋った順番に名前を言ってくれる大統領は優しい。
目標の物の案内をしてもらったので大統領は用済み枠である。
しかし、もう一仕事……
うわぁ、死にそう(直球)





そして、唄う! 錬金術士が新曲『死灯-エイヴィヒカイト-』を唄った!
キャロルが最後の最後にやっと唄った錬金術士の歌を初っぱなから唄った。
初手より奥義にて仕るのは装者だけでなく錬金術士も同じであった。
エイヴィヒカイトは永遠を意味するドイツ語であり、その歌詞もドイツ語のようだ。
世界で一番オサレな言語、ドイツ語がついにシンフォギアでも炸裂したのであった。
クーゲルシュライバー(ボールペン)

金子彰史はインタビューで「1話で装者6人の歌声が聞けます」と言っていたけどそれ、錬金術士も含んでのことだったのか!
嘘は言っていないな!
そのうち、聖遺物を纏って錬金術士装者扱いということか!
金子彰史は嘘は言わないけど人を騙すのが流儀。
GXの水着を第1話で出したからノルマ達成(達成したから次に出さないわけではない)と言っていたように!




「同盟の証がある者には手を貸す約定となっているッ!」
「国連軍がすぐそこにまで迫っているのだッ! 奴らを撃退してくれッ!!」


大統領、みっともなく命乞い。
というか、不穏なこと言っているんだから、その、危機感をもうちょっと……
どこぞのアークティカの弟王でもあるまいし……





カリオストロ、決死のウィンク。
あらかわいい。
だが、元男だ。
中の人は普通に男だ。
でも、かわいい。




このウィンクと同時に将校たちは光の粒子へと分解されていく。
あ、知っている!
これ、20年前に見たことがある!
これはWA1の裏OPのセルフオマージュか!




「かか、かゆいッ!? かゆいッ!!」
「でも、ちょっと、気持ちいぃ……ッ!!」


大統領も分解されて粒子となって消えゆくのであった。
かゆいらしい。でも、ちょっと気持ちいいらしい。
アヘ顔を晒せて良かったですね。
カリオストロのアヘ顔見せろよ(直球)

これが20年の時を経て描かれた「苦痛を伴わない死」なのだろうか。
かゆいけどちょっと気持ちいい。
メルカバーもこうして消えていったのだろうか……
しかし、粒子になったのに「するッ! 何でもするッ!」を言わなかった。
ちょっと気持ちいいが面白かったので許す。



「73788……」

サンジェルマンは粒子を集めて手に取り呟く。
73788……天使の数を突然言い出すのがシンフォギアだから、何か意味があるかと思ったが特に意味はないようだ。
これはこうした粒子になった人間の数だろう。
随分と多くの人間を粒子にしたことが伺える。
もう2万くらい頑張ってトレーズ閣下を目指そう。




(調査部からの報告通り、このオペラハウスを中心に衛星からの捕捉が不可能だ……)
(この結界のようなモノは指向性の信号波形を妨害しているのか?)
(プラント制圧を陽動に乗り込んでみたら飛んだ拠点のようだ)


その場にいたのは錬金術士と大統領たちだけでなく、S.O.N.G.の隊員もいた。
何とあの藤尭が現場にいる!
裏方役だと思っていたがやる時はやる男。
現場にいるのであった。

オペラハウスの一帯は捕捉不可能。
このステルスがディーシュピネの結界の効力なのだろう。
逆に捉えれば捕捉できないからこそ、そこに何かがあると捕捉することができる。 情報処理の天才故に現地で分析を行うために現場へと赴いたのだろう。
ボヤいただろうが何だかんだで仕事をしている辺りはさすが藤尭。
君は仕事をする人間なんだ……いろいろと童貞臭いのが玉に瑕なだけでな……

そんなわけでこの胡散臭い設備に何かがあると踏み乗り込んでみたら、うっかり核心に迫ってしまったようだ。
大手柄のチャンスなのか、それとも藪蛇を付いてしまったのか。
何にせよ藤尭がいる時点で嫌な予感がする。 それが藤尭朔也である。そういう人間なのである。





「ちょ、ちょっとぉ……ッ!?」

隠し通路を錬金術士たちは下っていく。
意外と剛胆な友里は躊躇せず追跡を指示する。
そして、ビビる藤尭である。 うん、君はそういう奴だよな……
藤尭様は逃げ出したい。



「指揮官は逐電されてしまったようだな……」

さて、プラントの自爆を目論んだ指揮官は姿を消しているのだった。
現場に無茶振りするだけして自分だけ逃げ出す……
実に小物。狂い咲きおじさんを見習っていただきたい。
こんなに隊長と指揮官で意識の差があるとは思わなかった……!



「オレ、見たんだッ! 工場長が車で逃げていくのをッ!!」
「もしかしたらこの先の村に身を潜めたのかもッ!」


ここで村からプラントへ無理矢理連れてこられた少年、ステファンが指揮官の行方を告げる。
民間人は強制労働されていたようだ。
軍事力を盾に国内を無理矢理統一しているのがバルベルデのようだ。
テロ同然の行為がまかり通るわけである。

ソーニャもステファンもAXZ開始前は存在が明らかになっていなかった。
フィーネ、洸に続くサプライズキャラ枠か。
なお、第1期の頃は響が主人公だったというのが最大のサプライズ要素。
公式サイトのキャラ紹介の一番左上にいたのが奏で、放映後に響と入れ替わったという凝ったことをしていたり……



「七面倒なことになる前にとっ捕まえなきゃなッ!!」

味方諸共に自爆を目論むような指揮官だから村に着けば間違いなくロクなことをしない。
人質を取るなどの人を人とも思わぬ奸悪をしそうだし、そうなれば防人の剣は一片の仮借さえもないと知らせそうだ。
一方でこうした非道は人命を重んじるS.O.N.G.の弱点でもある。
指揮官の非道は次回へ続く!
カルティケヤのようなクソ外道を楽しそうに書くのも金子彰史だし、ちょっと期待したい。






さて、一方件のオペラハウス。
S.O.N.G.の隊員は錬金術士のスキャニングを行っていた。
気になるのは錬金術士が探していたモノ、結晶の中にいる謎の人間である。
これが噂のディバインウェポン……?
あれには神剣の二つ名があるし、神の力の創造を企む錬金術士にとってピッタリなわけで……



なお、藤尭だけは一歩引いた位置で様子を見ている。
はは、こやつめ。




そして、スキャニング完了の音で追跡がバレてしまう。
いつもは後方支援だから現場に慣れていないとはいえ、見事な大ボケをかます。
これが藤尭朔也の生き様である。
堂々と現場をこなす友里さんを見習えい。




情報処理が主任務のくせに前線慣れしている友里は威嚇射撃の後に素早く撤退を命令する。
それに対してサンジェルマンはかつてレイアやキャロルが展開した錬金術バリアで銃弾を防ぐ。
同じ錬金術士だけあり基本的な戦術も同じようだ。



「逢ってすぐからせっかちね♪」

そして、キャロルが見せた紋様をカリオストロは見せる。
いきなり唄うという変化球を見せた錬金術士たちだが、今度はキャロルと同じ部分で錬金術士だと主張していくのであった。
あとは性根が腐っている部分を見せればさらに錬金術士。
キャロルの性根が腐っているって言い方止めろよ!





「実験にはちょうどいい。ついでに大統領閣下の願いも叶えましょう」
「生け贄より抽出されたエネルギーに荒魂あらみたまの概念を付与させる」


が、サンジェルマンは水属性エフェクトを中断させて実験を行おうとする。
荒魂とは神の持つ2つの側面のひとつ、その字面の通り、荒々しい気質のことを指す。対義語は和魂。
なお、神道の概念である。
錬金術、神道にも精通するのか……
わりとありとあらゆるオカルトを詰め込んでいるのがシンフォギアである。
だから、錬金術士が神道に精通するのも当たり前かも。
GXでは神社の要石を破壊していたわけだし。





「何なのあれ……ッ!?」

というわけで荒魂の概念が付与されたエネルギーによって生み出されたであろう怪獣が現れる。
グラボイドかな?
超常の存在に二課のエージェントは為す術もなく散っていく。
悲しいね、藤尭……




「装者は作戦行動中だッ! 死んでも振り切れッ!!」

「死んだら振り切れませぇんッ!!」


この絶対危機でも忘れずに藤尭はボヤく。
格好いいか悪いかは別として藤尭がとにかく目立っている。
月の欠片の軌道計算を即座に行ったくらいしか見せ場がなかった第1期の頃と比べると大躍進を遂げたと言えよう。
……格好いいか悪いかは別とするけど。



「――聞こえるかッ!!」

この危機に弦十郎は何者かに通信を行う。
無理を言いつつも現場に全てを委ねることなく、可能な限りの策を模索するのが弦十郎である。
というわけで藤尭を助けるために一手打つのであった。
なお、一番有効な一手は自分が出張る。





「軌道計算ッ!! 暗算でぇええッ!!」

襲いかかるグラボイド(仮)を前に藤尭は軌道計算を暗算で行いサイドブレーキを引いて回避!
格好悪いところだけでなく格好いいところも見せてくれた。
というか、軌道計算って暗算でできるものなのか……? 藤尭朔也も数々のOTONAに揉まれた人間である。
できらぁ! 軌道計算くらい暗算でできるって言ってんだよ!
え!? 軌道計算を暗算で!?

なお、運転しているのは友里。サイドブレーキを引いたのはナビシートにいる藤尭。
大変危険な行為なので真似しないようにしましょう。
ついでに番組の後のCMによると見せ場を作りたいからサイドブレーキを引いたようだ。


「やり過ごせた……ッ!!」

おい止めろバカ、早くもこの童貞は終了ですね。




というわけで直下からドーン!
死亡フラグをウカツに立ててはいけない。
古事記にもそう書かれている。




「あなたたちで73794」
「その命、世界革命の礎と使わせていただきます」

「革命……?」


敵にも敬語を使う礼儀正しい人がサンジェルマン。
数字が6増えていることから、どうやら6人は死んだらしい。
この窮地を一度は軌道計算の暗算で切り抜けた藤尭は見事ではあるが、超常と睨み合えば命はなかろう。
そして、革命と目的を晒してしまうサンジェルマンの緩さ。
尾行に気付いていなかったしけっこう隙があるのであった。



「Seilien coffin airget-lamh tron――」
「歌……?」

「どこから?」


この窮地に聞き慣れた歌が響く。
知っている! 我々はこの歌を知っている!





突然の特攻!
乗り物をグラボイドにぶつけるとまるでどこぞの防人のような荒技だ。
これでけっこうダメージを与えたのか、グラボイドは悲鳴を上げる。
あ、効くんだ、それ……



そして、戦場に立つのはアガートラーム!



イガリマ!



シュルシャガナ!



F.I.S.の装者が仲間を守護しゅごるために最後のLiNKERであることを構わずに鞘走る!
弦十郎が先ほど通信していた相手がマリアたちなのだろう。
最後の一滴を迷わずに絞り切ったのであった。

フィーネの魂を継いでしまったと手紙を書く→フィーネの器ではなかった
LiNKERがないから無茶できない→LiNKERがなくても無茶をする
LiNKERが最後の一本だから無茶できない→最後の一本をいきなり使う
こうしてF.I.S.が築き上げた鞘走り伝説に新たな1ページが刻まれた。
チームワークなら絶対に敗けん!
フィーネの器の激唱見せたる!!
F.I.S.だ!!!




そして、恒例の第1話最後のサブタイトル挿入!
さらにエンディングを飾るのはF.I.S.のシンフォニー、旋律ソロリティ!!
金子のおっさんの予告通り、ちゃんと6人が唄いやがった……!
まさに初手より奥義の連発。
放送時間の全てを熱狂に包みながら次回へ続く!
シ・ン・フォ・ギィィッ――ヴウゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!







「戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE1 バルベルデ地獄変」への4件のフィードバック

  1. DreiOxin245の元ネタは「バタリアン」のトライオキシン245じゃないっすかね~?
  2. 怪しいロケット弾を撃ってるのはシュトゥルムティーガーですね
  3. いきなりリンカー使い切りましたよ。これは中盤あたりでリンカーなしで無理やり歌ってものすごく苦しそうな変身バンク流してほとんど棒立ちのまま嬲られながら血涙する展開が、そんなのGXでもうありましたね。
  4. 初めまして、はっさくと申します。
    予想は裏切るが期待は裏切らない!僕たちのシンフォギアがついに帰ってきた!
    先日XDをプレイしようとしたら小生のスマホが非対応だったが、何するものぞシンフォギアァァァァーーーッ!!(血涙)

    GXから適合者になり、無印、Gを一気見してからここまで長かったような短かったような。
    シンフォギアも4期ともなるとどうなるか。よりバカになりました!馬鹿バーカッ(褒め言葉)!
    GXではややおとなしめだったOTONA勢も今作では再び大暴れしそうな予感。
    唯一不安なのがクリスちゃんの掘り下げですね。彼女毎シーズントラウマえぐられてやらかしてるから…
    GX中盤ではそこらへんクリスちゃんだけちょっと取って付けた感があったので、彼女にはバルベルデでもう一皮むけてほしいです。

    あ、ちなみに小生が装者で一番好きなのはビッキー、2番目に切ちゃん。
    一番格好いい必殺技は「禁殺邪輪・Zぁ破刃エクLィプssSS」デス。

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