刃牙道感想 第182話「極点」



ついに刃牙と武蔵の試合が始まる! ……かもしれない。
ここを逃したらいつ戦うんだよという話だ。
小生も何のために感想を再開したんだよって話でもある。


「手にしてる 全てを出していい」

武蔵と向かい合いながら刃牙は述懐する。
刃牙は勇次郎との戦いで自分が使った技は殺人の可能性がある技だと梢江に語っていた。
今の刃牙が全力で戦える相手はほとんどいないのだ。
その全力をぶつけられる相手が武蔵なのである。
全力で戦おうとせずに不覚を取ることは何度もあるけど。
諸悪の根源、徳川光成の号令によって試合は本当に始まる。
同時に武蔵はエア刀を出す!
って、その設定、生きていたのかよ!?
最近は本物を振るってばかりですっかり忘れていたけど、エア刀もありましたな。

エア刀を出すだけで観客は圧倒される。
かつては勇次郎に並ぶ実力者と目されていたオリバも加藤のように冷や汗を流す。 刃牙道開始直後はトレーニングをしたりして復活が期待されたが、すっかりとそんな立ち位置になってしまったようだ。
今なら本部にもいい勝負をしてしまいそうである。

そんな武蔵の眼前に刃牙は無防備に歩く。
だが、刀を背中に置いている。
簡単に抜かせる気はないようだ。
ここで刀を折るなり投げるなりすればいいのに……
グラップラー一同は刀対策がちょっと不足している。
あの本部だって抜本的な対策をすることはなかった。
花山に至ってはあれでどうにかなると思ったのかよと言わんばかりの無策だった。

「気に食わん」
「剣さえ持たせなければなんとかなる」
「そう思い上がる貴様らが」「気に食わん」


素手の武蔵が相手なら何とかなる。
そう考えていた時期が俺にも……あったのか?
何かわりとみんな積極的に武蔵に剣を持たせていたような……
明確に素手ならどうにかなると思っていたのは烈くらいだった。
烈も烈で素手でも自分より強いかもと思っていたので、どっちなんだよという感じだけど。
ともあれ、武蔵は何気なく近付いたようで剣を持たせないようにした刃牙の動きには気付いているようだ。

それに対して刃牙は反論する。
剣を持たない武蔵も舐めていない。
だが、やりようはあると不意打ちの上段蹴りを打ち込む。 かつて青竹を斬ったような鋭い蹴りであった。

「斬られた!!?」

武蔵には紙一重でかわされるものの額を僅かにだが切れ、血が流れる。
しかし、同時に刃牙が倒れる。
エア刀で脚を斬られたのだった!
でも、武蔵さん、まったく腕を動かしていなかった。
それじゃいくら何でも斬れないんじゃ……
いや、斬ったというイメージを押し付けて無駄に感受性が豊かな刃牙に精神的ダメージを与えたのか?

刃牙が身に付けた新技、自動回避だったが今回は発動しなかった。
攻撃中は発動しないのか、それとも妄想には発動しないのか、というかやっぱり油断していたのか。 せっかくトレーニングしなかったのにこれでは台無しである。
トレーニングしないのがいけなかったのかも! 当たり前かも!

「一本っっ」

倒れた刃牙の顔面を武蔵は蹴る!
何かこの人、メッチャ楽しそう。
刃牙を足蹴にできたのがそんなに嬉しいのか。
嬉しいと思う人は多そう。

妄想で力を手にした刃牙は妄想によって一本取られてしまった。 妄想という片翼を失った刃牙に明日はあるのか?
それともさらなる妄想で対抗するのか?
初手からよくわからん駆け引きが行われた。
今号の次回へ続く!