ガンダムバーサス発売から1年が経った



小生、ガンダムVSシリーズがメチャクチャ好きです。
一番プレイした対戦ゲーと言っても過言ではないどころか、余裕でそうだ!
そんなガンダムVSシリーズの最新作「ガンダムバーサス」が発表!
メチャクチャ楽しみ!
予約した! それも限定版を!
そんなわけで発売から1年が経ちました。
鬼子を見つめるような目で小生はガンダムバーサスを向かい合っているのであった……


さて、ガンダムバーサス。
率直に言えば非常に不満の多い仕上がりだった。
ちょっと遊ぼうと思った時には最新作のガンダムバーサスじゃなく前作のエクストリームバーサスフルブーストを遊ぶくらいには。
(なお、フルブはアーケード版を含めるとおおよそ前々作になる。ゲーセンで稼働したのが2012年だからおおよそ6年前のゲーム)

いや、普通に面白いし普通に遊べるんですよ、ガンダムバーサス。
ただ前作と比べると面白さが足りない。
悲しくなるほどに足りない。
なので、プレイする頻度が少なくなって、今では一度は封印したPS3を引っ張り出してフルブをやっている。
どうしてこうなった。
いや、ホント、どうしてこうなった……
というわけで、そんなバーサス君についていろいろと語っていきます。
一応、未プレイ者にも多少はわかるように若干説明を含みながら書きます。




・ブーストダイブ
バーサス君の最大の新システム、ブーストダイブ!
これはブーストを使って急降下するシステムである。
正確には一瞬で落下速度が最高速に達する。
そのため、普通に自由落下している状態からダイブを使っても速度に変化は生じない。

このシステムを搭載した経緯は各所のスタッフインタビューを見るに大体こんな感じ。
今までのシリーズには一部機体は落下する所謂降りテクを使えることができた。
その降りテクの有無が機体格差を生んでいた側面があったので、共通のシステムにすることで駆け引きをわかりやすくしよう!
というものである。多分、こんな感じ。間違っていたらごめんなさい。

結果、どうなったのか。
ダイブのあまりの鋭さにガンダムVSシリーズの基本である着地狙いの射撃が刺さらなくなった。
本当に刺さらない。ビームライフル撃つだけじゃ何の脅威にもならなくなった。
駆け引きの一つが丸々潰されてしまった。

いや、まぁ、誇張表現はいくつかあるし、実際のところは着地を狙って当てることも当てられることもあるわけで。
ただ回避方法を本当に考えなくて良くなった。
今までのシリーズで射撃を回避するのなら、ステップで誘導を切る、高度差を付けてかわす、旋回して軸をズラしてかわす、盾をするなど、いろいろと回避方法があって状況に合わせて選択していく必要があったけど、バーサス君は何も考えずにダイブでOK。
それがもっともお手軽かつ強力な回避方法なので、他の回避を選択する必要がほとんどない。

また、機体の機動力を語る上で意外と重要な要素であった落下速度。
落下速度が速いと高度を上げても着地のフォローをしやすいので上を取る攻め方ができるし、逆に遅いようならあまり高度を上げないように気を付ける必要があった。
つまり、落下速度を考慮して機体ごとに動かす必要があって、そこで回避方法や武装との兼ね合いなどを考える必要が出てきた。
が、そこもダイブの登場で落下速度の意味合いが薄くなり、どの機体でも基本的に同じ動かし方ができるようになった。

このシリーズは機体数が非常に多いゲームではあったし、そうなるとわりと下位互換に近い機体がいくつかあった。
それでもまったく同じ動かし方ができるわけでもないし、機動力だけ見ても上昇速度や落下速度の違いから回避方法はそれぞれ違っていた。
が、そうした違いも強力すぎるダイブが塗り潰してしまって、どの機体も同じ動かし方ができるようになった。
同じ動かし方で良くなってしまった。
なので、プレイしていてどうにものっぺりとした印象が拭えない。

ダイブが非常に強力なシステムというだけなら実際のところ大きな問題はない。
システムとして搭載されている以上は全機体が使えるわけだし、そこに不公平は生まれないわけで。
過去作でブーストダッシュで行動をキャンセルできるようにした時はいろいろと異議は巻き起こったけど、これによってそれまでは使いにくかった足を止める武装を使いやすくなって機体の個性が際立ったり、
わざと大きな動きを見せて相手を誘うようなフェイントを仕掛けられるようになったりと新たな駆け引きが生まれたので自然と受け入れられた。
それに対してダイブによって生まれたものはほとんどない。
ダイブの問題は各種個性と駆け引きを潰してしまったことで、ゲームに面白さを奪ってしまったことになる。

潰された個性は前述の機動力のみならず、「弾速は遅いけど誘導は強い」類の武装は見てから余裕でダイブで回避できるため、使い物にならなくなった。
結果、ダイブを食える弾速か範囲を持つ武装だけが求められてしまっている。
こうした武装を持たない機体は人権がないと、是正したかったはずの機体格差が深まることにも繋がってしまっている。
ダイブはわりと真面目に全方位に悪い影響を与えていると思う。

さて、ダイブの前身の降りテクはどうだったのか、個性を潰していたのではないかとなると……
個性と駆け引きにはまったくというレベルで痛手を与えていなかったと思っています。
シリーズを追うごとに降りテクが氾濫していったのは事実だし、強機体なんかは何もかも揃った上でさらに降りテク持ちみたいなゴージャスっぷりだけど……
それでも降りテクは弾数や機体の向きなどの制約がいくつもあって、そこを考えて使わないといけないのでワンパターンとはまったく感じなかった。
使われるにしてもそうした部分を意識すれば着地を狙うことは十分可能だった。
何より降りテクはダイブと違って落下速度が即座に最高速に達するわけではないので、絶対的なものでもなかった。

また、強さという点でも降りテクを持たない機体が何度も最上位に入っているし、逆に優秀な降りテクを持っていても泣かず飛ばずの機体も多かった。
結局、強いかどうかを分けていたのは降りテクの有無ではなく、中核となる強みを持っているか否かだったわけで。
なので、降りテク周りに問題があるとすれば、降りテクを持たない機体はそれ相応の強みを持たせるべきなのであって、降りテクそのものには概ね問題はないと思っている。
まぁ、何もかもを持たせた上で降りテクがあるような機体はちょっと手加減してやれよと思わなくもないけど……




・ストライカー
今までは機体ごとの武装として設定されていた僚機を呼び出して攻撃するアシストを概ね廃止。
代わりに好きな機体を選べるストライカーシステムとして新生!
ストライカーはプレイアブル機のみならず、スカイグラスパーのような機体もいる。
おおよそ200機!
制限もないからどの機体でも好きなストライカーを選べるぞ!

結果、どうなったのか。
200機全部が均等に使われることは当然なく、ごく一部の強ストライカーのみが使われることになった。
どのようなシステムでも過剰な自由度はむしろ選択肢を狭めるものである。
つまりは必然。
これはさすがに企画段階で気付け。
同じ名前のシステムを搭載して同じようにごく一部しか使われなかったKOFを見習えよぉ!

前述したダイブは結果としては失敗に終わったと思うけど、やろうとした意図はわかるわけですよ。
あまりに強すぎて他の要素を潰してしまったのがいけないわけで、回避の選択肢の一つに収まるレベルに調整していればバーサス君独自の駆け引きや楽しみに繋がっていた可能性があるわけで。
さっき長々と否定したけどダイブにはそういった可能性は一応あるわけですよ。
何だかんだで現状のダイブもバーサス君独自の楽しみがないとは言い切れないし。
(ただ個人的にはやっぱりあまり面白くない要素なので降りテク復活の方がいいと思いマース)

ただこのストライカー、組み込んだ理由が本気でわからない。
いや、マジでわからない。
ごく一部のストライカーしか使われないことは目に見えているし、多様性に繋がらないことは明らかである。
機体格差の是正という点でもアシストの有無は降りテクの有無とは比較にならないレベルで強さに関係なかった。
アシストを持っていない強機体なんて降りテクを持たない強機体の数よりずっと多い。
ホント何で組み込んだんだろね……

このストライカー、強さそのものはアプデで大分修正された。
初期のストライカーはプレイアブル機の強武装をノーリスクでぶっ放すという完全な出し得武装だった。
特に自衛に有効なストライカーは格闘機を見事に殺していた。
近付かれたらストライカーボタンを押すだけで凌ぐことができた。

強ストライカーは軒並み弱体化されたことで、本質的には変わっていないもののストライカーが試合を壊すということはなくなった。
しかし、少しでも強いストライカーばかり選ぶ本質も変わっていないので、結局選ばれるストライカーはほんの数機だけ。
うーん。

これは弱体化しかしていないというのもあるけど、強化していても結果は変わらなかったと思われる。
結局、少しでも強いストライカーが選ばれるわけだし。
個人的な好みを言うのなら壊れストライカーを撃ち合っていた初期の頃の方が癖が強くて楽しかったです。

さて、問題はストライカー以上にその副産物。
ストライカーの登場によって今まで存在していたアシスト系武装のほぼ全てが廃止された。
これによって武装の個性が乏しくなり機体の個性も乏しくなった。
アシストが突っ込んで斬る、持続時間の長いゲロビを撃つみたいな本体とは違った味のある武装がなくなってしまったのだ。
そして、アシストの代わりに宛がわれた武装はとても失われた個性の代替となるものではなかった。
どの機体もビームサーベルを投げるだけなのはちょっと……

正直、存在する理由がわからないストライカーだけど、改善そのものはわりと簡単なわけで。
例えば初代ガンダムはガンキャノン・ガンタンク・ジムの3択みたいに選択肢を大きく制限すること。
そうすればプレイヤーごとの好みが出やすくなるかと。
ストライカーの強さの格差は出て不公平感が出るかもだけど、その上で調整なりで埋めていけばいいわけで。
というか、そういうものだと思っていたら自由選択であちゃーって感じががが……


・個性の希薄化
前述のダイブとストライカーと合わせてのことだけど、機体の個性が薄くなった。
ダイブでどの機体も同じ動かし方ができる。
ストライカーで武装の個性が薄まってしまった。
それに加えて個性を薄める創意工夫が為されているわけで。

その内容は多岐に渉るけれど個人的にどうかと思うのはキャンセル補正の統一。
今まではキャンセルした際に補正がかかる武装や補正のかかり具合はそれぞれ異なっていた。
同じようなバズーカ系武装でも初代ガンダムはキャンセル補正がかかるけど、ブルーフレームとデルタプラスはキャンセル補正がかからない。
(バズーカ系武装ではないけれど)リボーンズガンダムのサブはキャンセル補正が非常に強く働き、普通に撃った時と比べるとダメージが半分になる。
(いずれもフルブのデータ。マキオンだとリボガンのサブの補正は緩くなっている)

また、そう設定した理由もわかる。
初代ガンダムは万能機で基本的な機体ということでキャンセル補正がかかる。
ブルーフレームのバズーカはあまり打ち上げず追撃の猶予が少ないので補正なし。
デルタプラスは射撃機なので手数を増やしやすくするために補正なし。
リボガンのサブは非常に当てやすく強力な性能なので、キャンセルした時の補正を強くしてキャンセルでさらに当てやすくすると安くなるようにする。
キャンセル補正周りの調整は機体の個性と照らし合わせて細かく作り込まれていて、それが機体の個性に繋がっていたし機体ごとの動かし方の変化にも繋がっていた。
ブルーフレームやデルタプラスならキャンセル補正がかからないからキャンセルしまくればいいし、逆に初代なら確定で当てられると思ったらキャンセルせずに撃ってダメージを稼いだりするわけで。

こうした細かくも面白かったキャンセル補正の作り込み。
それがバーサス君では機体や武装の性質を一切考慮に入れずほぼ例外なくキャンセル補正は一律70%!
この仕様を知った時にはため息が出てしまった。
いやいやいや、違うからこそそれぞれの立ち回りを数字から考えていくのが面白かったと思うのですが……
これは平等ではあるけれど、公平ではないわけで。
バーサス君、ダイブもそうだけど「何でも仕様を平等にすればいいだろう」とその辺のデザインがちょっとズレている感がある。

また、それに伴って一定時間ボタンを押し続けた後に離すことで専用の攻撃を行うチャージショット(CS)も調整された。
CSはボタンを拘束し続けるという大きなデメリットと引き換えに、(一部例外を除いて)弾数を消費しない・全ての行動をキャンセルできる・その際にキャンセル補正がかからないと強力な性能を誇っていた。
それもあってバーサス君の前身となるEXVSシリーズでは大体2~3秒と長めのチャージ時間が割り当てられており、強力なだけにどこで溜めるかが駆け引きの一つになっていた。
また、溜めながら適度にリリースすることで他の行動と並列して動いたり、タイミングを合わせることでコンボをしたりとテクニックの見せどころでもあった。

それにもキャンセル補正追加! 一律70%! おまけでどこからでもキャンセルできるからCSからのキャンセルは廃止!
どこからでもキャンセルできるという魅力を補正で潰していくスタイル。
さらにCSを絡めた多彩な動きというテクニックの見せどころを潰す。
こうしたやり込みの否定のような要素が多々あって、何だかなぁと。
結果、個性が薄くなっている気がしてならない。


・手抜き
まぁ、長々といろいろと書いてけど、つまるところ、大きな不満点は手抜きに帰結するかもしれない。
実際のところ、前述の諸々の不満があっても完全な新作なら許容できたと思う。
だが、バーサス君が機体のモーションや武装、ゲーム全体の挙動をEXVSシリーズからコピーしていて新鮮味がない。
モーションや挙動はもちろん、体力とかダメージとか、新シリーズに移行する時には微妙に変わっていた部分が丸々同じ。
DLC機体も現在アーケードで稼働しているマキオンの方からそのまま持ってきた機体がいくつかある。

一応、武装などに細かい違いはある。
あるけれど、とても新鮮味を感じさせるには至っておらず、どうも手抜きという印象ばかりが先行してしまう。
というか、アーケードの続編になるEXVS2のαテストだったのでは……?
そう思うと何ともテンションが上がらない。
それを裏付けるようにアプデも止まっているし……


・機体調整
機体調整はアプデにおいて非常に楽しみなものでして。
アーケードの方を見るとたまに行われる調整が楽しそうで楽しそうで……
そうおもって期待していたら機体調整は2ヶ月に1度だけ。
……まぁ、いいよ。うん。1ヶ月に1度はゲーセンだから、定期的にお客さんを呼ぶ必要があるからできることだよね。

さて、小生の好きな機体であるジオング。
一時期は最強の一角でした。
拡散する上に誘導することでダイブであろうと範囲制圧する恐ろしいメイン射撃!
扇状にビームを撃って中距離から相手の真横を塞ぐ下サブ!
この2つが強い強い。
強すぎたのは事実だけど、ダイブ環境でも戦えており非常に爽快感のある楽しい機体だった。

今までのジオングはメイン射撃に誘導がないので範囲を活かしたインファイトが得意という面白いし強いけど原作のイメージと違わない?という機体だった。
それをインファイトをやや弱くする代わりに中距離の制圧力を強めることで、まさに原作らしい射撃で圧倒する機体に仕上げた。
ここまで手抜きとか書いてきたけれど、バーサス君の初期ジオングは今までのジオングにない個性を確立していた非常に良く出来た機体だった。
(実際、こうした今までとは違う個性付けを行ってプレイ感覚が大きく変わっていればモーションや武装を流用しても特に不満がなかった)
代わりに原作要素であった頭だけになるのはなくなったけど、それはそれで。

それが調整されることになるけれど、まぁ、強かったし仕方ないよね。
どんな内容なのかな?



強かったメインと下サブの弱体化は許す。
実際のところ、この調整でわりと適切な強さになっている。
問題はそれ以外の部分。
元からコスト帯最低だった体力をさらに下げる。
使いやすいし隙間を埋めてくれる性能ではあったけど核となる性能ではなかったCSを弱体化。
別に押し付けていける性能ではなくあくまで添え物だった特射も弱体化。


いくら何でも酷い。特に体力はジオングに何の恨みがあるんだと。
強い機体の強いところだけじゃなく全部を弱くするという調整はわりと昔から行われてきたけど、ここまで全力でやられるとさすがに不信感が募る。
ましてジオングは似たり寄ったりな機体が多いバーサス君でもかなり独特な機体だっただけに代わりがいない。

これがジオングだけならまだしも、(さすがにジオングほどではないけれど)他の機体の調整もこうした傾向が強い。
一応、上方修正もわりと思い切ったものが多いのだけど、結局はダイブに刺せる武装を持つか否かで評価が決まってしまうのがバーサス君なので上方で環境入りした機体がいないというのが実際のところ。
結果、下方修正で使える機体が減ることはあれど、上方修正で使えるようになった機体は存在しない。
上方修正で上位入りできたのはジオくらい?



あとアプデページのレイアウトはマキオンさんを見習ってください……
バーサス君、それじゃ個人サイトレベルです……


・良かったところ
悪いところばかり書いてきたので良かったところについて。
シリーズもののサガか、プレイヤーに求められる技量や知識がどんどんと多くなっていき新規が参入しにくくなっていた。
そこでバーサス君は回避はダイブすればOK! 自衛もストライカーぶっぱ! 細かいテクニックを美味しくなくしたから無理に使わないでいいぞ!と(わりと強引に)敷居を下げてきた。
なので、シリーズ初心者がプレイしても差が付きにくく勝てるゲームにはなっていると思います。
前述の不満点はやっぱりシリーズ経験者としての意見が大きいわけですしね。


そんなわけで長々と不満を書き綴ってきた。
その上で言うと、普通に面白いし普通に遊べるゲームではあります。
バーサス君独自の装飾はいまいちというのが本音だけど、VSシリーズの土台は相変わらず本当に良く出来ていて面白いゲームですし。
私自身、ガンダムVSシリーズは世界一面白い対戦ゲームだと思っていますし、その血脈がつまらないわけがないんですよ。
実際、バーサス君はつまらなくはありません。全然遊べます。
……諸々の部分への不満がかなり募っているだけで。

それだけにアプデとか本当頑張って欲しいんですけど、3月を最後に途絶えているんですよねー……
頑張れ……アプデしろ……新生しろ……
あ、でも、アプデで私の大好きなメッサーラが殺されたらさすがに完全に止めるかもしれない。
メッサーラは今までになかった個性が付与されている上に強いととにかく楽しい機体だけに殺されるとモチベがヤバい……