刃牙道感想 第42話「烈士」

本部がもたもたしているうちに烈が動き出した。
本部が守護者なら烈は日本に攻め入った侵略者だな。
アメリカを焦土と化したので戻ってきたところである。
もしかして、本部が守護るために戦う相手は烈じゃないだろうな?
貴様は本部流柔術を嘗めたッッッと猛っているかもしれぬ。
……烈って本部のこと知らなそうだよね。

さて、烈と言えば神心会である。
日本における活動拠点は神心会に他ならぬだろう。
けっこう高そうな中華料理店で食事していたから、神心会がなければすぐに餓えていただろう。

で、烈にとって神心会と言えば克巳である。
克巳から独歩のボロ負けしたと聞かされ驚愕する烈であった。
武術家としても空手家としても最高峰のあの独歩が!
おお、烈が独歩を高く評価している。
烈は最大トーナメントの印象が未だに残っているだけに、他の格闘家を評価するとけっこう驚きがある。
この調子であの本部氏が守護ってくれるとは安心だなと言ってもらいたい。

でも、独歩は負ける時はけっこう負けるものだ。
不味い時はJr.にさえ負ける。
それを知るのも烈だと思うのだが。

「何一つ不正はない」「文句のつけようがない決着だ」
「仮に………」
「仮に俺があの………」「武蔵とやらと試合うとしても」
「仇討ちじゃない」「愚地克巳個人の試合だ」


克巳の成長もあるのだろうが、ドリアンやピクルの時とは違って仇が第一目標とはならないようだ。
神心会に大きな動きがないのもそういうことか。
敵の恨みを過度に買わない辺りも武蔵の立ち回りの上手さだろうか。
独歩を一刀両断しなかったのも後のことを考えてかもしれない。

そんな克巳に対し武蔵は武器を使うと言う。
それでも克巳の答えは変わらない。
武器だろうが多人数だろうが文句を言わない全方位型総合武術が拳法もとい空手!
全局面型対応ボクシングドヤァ!をしていたJr.がちと可哀想になる言葉ですな。
だから、ボルトだって誰も見ない場所でひっそりと孤独死を遂げたのだ。

「ユーチューブで彼を見た」

~~~~ッッ。烈がyoutubeを知っている!?
この言葉に克巳も驚くよ。
アンタ、パソコンなりスマホなりを使えたのかよって驚きだ。
いや、アメリカのファイトマネーで買いまくってネットサーフィンを楽しんでいたかもしれないぞ。
今の時代のネットは動画もこれだけ早くダウンロードできるのかと驚きながらyoutubeやニコニコ動画を見まくる。
甘味を食べたことのない坊主にケーキを差し出すような危険な行為だ。

烈はドイルが死にかけた時に走って神心会に駆けつけた原始人、もとい猛者だ。
救急車は不味いにしても神心会の者に迎えに来させるなどの選択肢はあった。
徳川光成に頼ってもいい。
それさえもできぬ蛮族かと思ったらyoutubeを……
かなりのサプライズですよ。わりとどうでもいい方向に。

烈が語るのは5名の警官を瞬殺した動画だった。
皆が武蔵を本物と認めた瞬間である。
今まで平然としていた克巳の表情も曇る。

「認めたくはないが――――」
「我々の行う対 武器術は」「あのような水準
(レベル)を想定していない」

あっさりと描写された瞬殺劇であったが、見る人が見れば相当なものらしい。
武蔵のレベルはバキ世界における技術の宝庫、中国武術さえ凌駕するのか。
対武器を想定しているとはいえ、何だかんだで素手の戦闘が主体となっているし鍛錬もそれが主体となる。
だが、武蔵が生きていた時代は武器の戦闘が主体となっていたし、鍛錬もそれが前提となっていただろう。
生まれた時代の環境が現代の格闘家との違いとなっている。

それを考えると素手対素手ならそれを前提に鍛錬してきた現代の格闘家に一日の長があると思うのだがどうか。
事実、ジャブが1回は通じていたし。
武蔵の知らない現代の技術はそれこそたくさんある。
さほど悲観する必要もなさそうなのだが……
あ、剣術が母体となった柔術を使うどっかの本部さんはその辺のアドバンテージがなさそうですね。

「武器を躊躇わぬことだ! あの武蔵(おとこ)にだけは躊躇わぬことだ!!」

武蔵には武器を使えと宣言する烈であった。
対武器が優れている相手に武器を使うのは不味いと思うのだが……
むしろ、素手の駆け引きに持ち込んだ方が勝機がある気がする。
刃牙や独歩だって武蔵の駆け引きに翻弄されなければもっと戦えただろう。
もちろん、武蔵には武器を自重してもらうことが前提となりますが。

武蔵や本部が武器を使って強いのならまだしも、克巳が武器を使って強いとなると悲しくなる。
連載20年の内容の否定になりかねない。
今、格闘家たちは自身が磨いてきた武術の真価を問われているのかもしれない。

「なんと(はぁと)
「なんとなんと」


一方その頃、渦中の人物である武蔵ははぁとマークを使っていた!
いや、そこじゃない。
100円ライターを使って焚き火をしていたのだ。
みっちゃんならジッポーみたいな高級品を持っているだろうし、わざわざ100円ライターを渡さんでも……
100円ライター程度の安物でも武蔵にとっては驚愕に値する技術ということか。

武蔵の時代は火は貴重品だった。
何しろ火を点けるのが大変だ。火打ち石を使っていた時代である。
大変だから火を1度点けたら消えないように維持する必要があった。
今では火を点けるのは楽勝だし、火が消えないようにするなんて火の用心に反する心がけである。
時代の変化がわかる1コマであった。

さて、武蔵が火を点けたのには理由があった。
先ほど焼いた藁の炭に馬油(ばーゆ)をこねて軟膏完成!
これを独歩が切った頬に塗れば治るのだ!
……みっちゃんや。現代の軟膏渡したれよ。
あるいはよくわからぬ薬品など信用できぬと自分で作ることにしたのか。
うーむ、昔の人ですな。

そんなわけで独歩が与えた傷は武蔵に残っていたのだった。
一矢報いた形……なのだろうか。
武蔵は身体中に刀疵がある。
けっこう怪我をしやすい人なのだろうか。
それを踏まえると痛み慣れしていそうだ。鞭打は効かないかもよ。

軟膏を塗り終えた武蔵をみっちゃんは地下闘技場へ招く。
ついに本番だ。
なお、本部は出てきません。守護れ!

「場所はここ………」
「時は3日後夜………」
「対戦者
(あいて)はここに立つ―――――」
「明の国代表ッ烈海王ッ」


そんなわけで早速烈が武蔵との戦いに望んだ!
ピクルの時といい格闘家たちの特攻隊長的な立ち位置になっていませんか?
出番の量なら全格闘家屈指である。まさに愛され枠だ。

武蔵にわかりやすいように明の国と言っている。
でも、代表ですか。
まぁ、実質烈が中国武術No2だから異論はないのだが、郭海皇の許可は取りましたか?
あの人を怒らせると余裕で手首をちょん切るから危険だぞ。

「掟(ルール)ッッ」
「東京ドーム地下闘技場」「初!!!」
「武器使用可!!!」


地下闘技場初の武器ありルールで烈と武蔵が死合う!
シコルスキーの試合はどうした!
あれは試合というよりも処刑だったけどさ……
何かいいオモチャ扱いだったけどさ……
でも、忘れるのはシコルスキーに失礼だと思うんだ……
今現役で戦える死刑囚はシコルスキーくらいだし、生け贄として捧げてみてはどうかな……

ともあれ、武器あり!
烈は武器を使える。そして、武器を使わないとヤバいと踏んでいた。
でも、先述した通り、素手同士の駆け引きの方が勝機があると思うのですが。
アメリカナイズに大味になっちゃったか?

「君が希望(のぞ)んだ掟か大陸のお人よ」「ん?」

武蔵との戦いは試合開始前から開始まっている。
というわけで、早速得意の心理戦に持ち込もうとする武蔵だった。
武器の使用は烈の本意か否か……
果たして烈の堪忍袋の緒は武蔵の煽りに耐えられるのか。
うわ、無理臭い。
波乱を感じさせながら次回へ続く。


武器使用ありの試合!
格闘漫画としては一種のタブーですな。
バキシリーズ的にも扱いが難しい。
これで格闘家たちに武器ブームが訪れないといいのだが。
ブームに乗っかっていいのは本部だけなんだからね!

武蔵は自分が武器あり前提で鍛錬しているし、相手が武器あり前提で鍛錬している。
である以上、武器を使うのは不味いと思うのですが……
烈だって素手中心だろうし。

バキ世界の武器の使い手と言えばあの人ですよ。
かつては実力者と評価され死刑囚を圧倒したあの男である。
並みの格闘家にはないダーティな戦い方を得意とする彼が思い当たる。
そう! ガイア!
戦場を生きてきたガイアなら武器使用前提の立ち回りができる。
環境を味方に付ける戦いも武蔵の意表を突けるだろう。
意外と武蔵に一番勝機のある格闘家ではなかろうか。
本部? いいからさっさと守護れ。

ともあれ、国際試合開幕だ。
是非に傲慢な烈を見たいところだがどうなるのか。
こうなると片足がちょっともったいない。
みっちゃんは今からでも片足のクローニングをしてみたらどうか。
武蔵と蘇らせるのと比べたらイージーモードだろう?

しかし、武器使用ありとなると血なまぐさいこととなりそうだ。
1発でも入れば致命傷だから盛り上げるのも難しい。
いっそのこと逆刃刀で斬り合いますか。
逆刃刀大活躍の漫画では普通の刀で斬ってもダメージは少なかったけど。

さて、気がかりなのは3日後に試合開始だ。
そこまでに一波乱あるかもしれぬ。
烈を本部が襲ったりとか。
そう、本部が貴様では力不足だと烈をはねのけるのだ!
……頑張れ、本部。頑張れよ……


刃牙道 4 (少年チャンピオン・コミックス)