バキ道感想 第21話「宿禰VS大関 決着」



大関が投げられた!
なかなかに侠気のある大関だったが地面がアスファルトなら死ぬだろう。
お前はよくやった、大関……金竜山のいる来世へ帰ろう……


というわけで、恒例となったリプレイからスタート。
肩甲骨を捕まれた大関の視点でリプレイだ。
大関は捕まれた時点ではどこを捕まれたのかを把握できていない。
痛みと痺れを感じるばかりだった。
痺れを感じるのがポイントですな。
皮膚越しに骨を掴むと人は痺れるのだろうか。
あるいは石炭から金剛石を作る異能を応用して痺れを起こしているのかも。

そして、持ち上げられたことでやっと肩甲骨を捕まれていることに気付く。
肩じゃなくて肩甲骨と気付くのが何ともマニアックだ。 けっこう適応力ありますな。やっぱりガチ大関なのかも。

ギャラリーたちはこの状況でもロケだと言い大関が担がれるわけがないと言う。
大関の信頼度、高いな!
相撲協会は腐敗しているようだけど、こうした信頼を集めているのなら悪くないのではなかろうか。
いや、建前だけで実態としては八百長やりまくりでいまいちなのかもしれないけど……

ここから宿禰は大関を投げる。
アスファルトに叩き付けられることに恐怖する。
その中に死への恐怖だけじゃなく解雇への恐怖が混ざっている。
この大関、仕事として相撲をやっているのかも。 ちょっとガチ大関度が下がりましたな。

アスファルトに激突するかと思われたところで宿禰は大関の頭を押さえて衝突を避ける。
そのまま、地面に叩き付けたオリバの時とは違ってアフターフォロー付きだ。
肩甲骨を破壊していないみたいだし。
オリバは手加減できる余裕がなかったのか、オリバは相撲を嘗めたから制裁したのか……
何か全然フォローがないのは寂しいから誰かオリバのことを思い出してあげてください。

そして、宿禰は大関を一回転させて立たせる。
大関を子供扱いだ。
これを見てガチじゃないと観客たちは評価する。
宿禰の勝利と大関の敗北と捉えられなかったのはちょっと失敗していますな。
いや、成功失敗以前に宿禰と金竜山は何をしたいのか、よくわからないのですが。

大関は八つ当たり気味に宿禰の頬に張り手をする。
だが、宿禰は一切たじろがない。鼻血もない。
鼻血を流させただけオリバはスゴいのかも。そんなにスゴくないかも。

「打たれるとワカってしまえば――――」
「力士は倒れない」


宿禰はまるでプロレスラーのようなことを言う。 でも、相撲はその力士をどう倒すかの競技だ。
何とも矛盾した台詞にも思える。

一方で宿禰が体得しているであろう古代相撲には押し出しの概念がなく倒した上での攻撃が認められていた。
力士が倒れないのは当たり前。
だが、倒さないと決着が着かない。
なので、無理を押し通すだけの力や技に古代相撲の真髄があるのかも。
宿禰の一風変わった相撲観が見て取れる。
ここで若い女性が宿禰に声を掛ける。
お台場でクライミングをした姿を見ていたようだ。
あの時も今も格好いいと頬を染める。
いや、大関を手玉に取った今回はまだしも頭をぶつけただけのお台場の時はそんんなに格好いいわけでは……
むしろ、軽々とチャンピオンに勝利した刃牙の方が世間受けするルックスだしそっちに目が行くような……

ともあれ、自分に惚れた女性に気をよくしたのか、共に夜の闇に消えていくのだった。
おそらく浮き世離れした秘境暮らしをしていただろうにけっこうナンパな性格ですな。
爽やかな印象に相手を残酷さを兼ね備えた天才肌……
あ、これ、克巳だ! 宿禰、克巳だよ! あるいはアライJr.!
過去にいた克巳のクローン、範海王は惨死したので宿禰もいつの間にかそんなことになったりして……

この女性、克巳繋がりで神心会女子部の井上くんに何となく似ている。
もしかして神心会からのハニートラップなのかも。 この女性について行ったら暴力の総本山、神心会!
手始めに加藤と末堂が襲いかかる!みたいな。

一部始終を見守っていた金竜山はナンパしたことに呆れる。
まぁ、そうなるな。
とりあえず、宿禰は大関を負かした。観客の反応はいまいちだけど負かした。
ここからは金竜山が今回の件で相撲協会を煽るターンなのかも。 暴力は宿禰が担当する! ならば、策略は金竜山が担当する!

ただ問題は道案内がいないのでどこに向かっているのかわからないことなんですけどね。 優れた兵士も優れた軍師も、道がわからなければ路頭に迷うだけですよ。
そして、バキ世界は道に迷ったらとりあえず適当に真っ直ぐ進む人が多いのが困ったところですな。
次回へ続く。

さて、13号(3週間後のチャンピオン)からバキ新装版に掲載された死刑囚の後日談、REVENGE TOKYOが掲載されるようだ。
REVENGE TOKYOは死刑囚それぞれの再起を描いた濃密なエピソードだ。 掲載されたらそちらの感想も書いておきたいところだ。
サイト移転完了したバキ感想の大御所、とらさんは新装版の時点で先駆けて書いていますので後追いの形になりますが。

これがチャンピオンに掲載されるということは死刑囚の本格復活は近いのかも。
柳なんて脱走まで描かれましたしね。
シコルスキーだけちょっとショボいけど、それぞれがパワーアップしているので復活が楽しみだ。
個人的に死刑囚のルール無用ファイトVS武蔵の戦国流儀なんかを見てみたかったんですけどね。
武蔵が封印された以上は見る機会はなさそうだ。

ただ、それならそれで問題があるんですけどね。
宿禰編どうなるのぉ!?
宿禰編は死刑囚復活編と合流するのか?
それとも宿禰が噛ませ犬になっちゃうのか?
どうなる、宿禰。どうなる、金竜山。
あと刃牙はどこ行ったんですかね。
刃牙道でもバキ道でも刃牙は道に迷うのであった……