刃牙道感想 第43話「武器」

とりあえず、言葉で相手の出方を見るのが武蔵だ。
武士ながら計略に長けるのが武蔵である。
そして、烈はとにかく発火しやすいガソリンを全身に纏っているような男である。
キレるか。キレさせるか。キレさせられるか。
現代人特有の怒髪天に武蔵は如何とする。

「貴方は比類なき剣術家」
「拳法家であるわたしが」「素手の貴方に勝利してもそれは無価値ッッ」

「“宮本武蔵に勝利する”とは」
「剣を手にしたあなたを相手取ってこそッッ」


武蔵の問いに対しこう返す烈であった。
まるで素手なら勝てると言わんばかりの論調だ。
蛮勇烈海王は健在である。
もっとも、そこは強調せず勝てるかどうかわからないと補足していたので400年前の偉人への敬意が見える気がする。

剣を持った勝てるかどうかわからない。
わからないが剣を持った武蔵が最強ならば、その武蔵に勝たなければ無価値。
たしかにその通りだけど独歩といい自らハードルを上げていきますな。
本部のように落ち目の柳を完全武装で狙うようなことはしないのだ。

そこが武蔵の難しいところで武装してもらわないと全力にならない。
当然、全力の相手に勝たないと盛り上がらないが、全力で武装されて一撃で真っ二つとなっても盛り上がらない。
格闘漫画としては真剣持ちは扱いが難しい。今まで散々武器持ちを倒してきたからなおさらだ。
実は素手の方が強いという設定でも持ち出さないと収拾が付かない。

もっとも、板垣版武蔵なので素手の方が強くても不思議はないけど。
むしろ、自然! 道理!
なので、スペックみたいに素手の方が危険になりませんかね?
スペックは結局のところは武装しましたが。

全力の自分と戦いたいというある種命知らずな烈の答えを聞いた武蔵は禍々しいオーラを出す。
今までにあった空間が歪むでは説明できないほどの禍々しいオーラだ。
これには烈も驚く。
それほどの独特のオーラであった。

烈は武蔵に並々ならぬ危険を感じたのか、咄嗟に背面蹴りを敢行する。
それも義足で蹴っている。
烈ほどの脚力なら義足で肉を突き破ることもできるだろう。
危険な一撃である。
早速、烈は義足という武器を用いたのだ。

だが、相手は0.5秒先を行く男、宮本武蔵である。
烈の蹴りも空しく義足を掴まれてしまう。
実質、烈の蹴りを受け止めたも同然だ。
武蔵にとって蹴りは未知の技術のはずだが、それを見事に対処している。
刃牙のジャブも初弾を受けたのはわざとというのも負け惜しみからではなく、本当にかわせたのだろう。

しかし、明の国代表はこれだけでは狼狽えない。
自由な左足でさらに蹴りを放つ。
刃牙といい独歩といい、蹴りに襲われることの多い武蔵だ。
反面、得意中の得意の剣に襲われることはない。
本部に期待が集まるところだ。

武蔵は剣を折ったように、刃牙を地面に叩き付けたように、青竹をささらにしたように、義足を振り下ろし烈を叩き付けようとする。
武蔵ほどのパワーの持ち主なら烈も地面に激突しかねない。
だが、武蔵の力に耐えきれず義足が折れる。
これは烈はついていたと言えよう。

ツキを味方に叩き付けの刑を免れた烈は、そのまま武蔵の顔面を蹴りダウンを奪う。
体勢を崩しながらの蹴りでもダウンを奪えた。
刃牙や独歩の時もそうだけどタフネスという点では飛び抜けているわけではない武蔵であった。
刃牙の理不尽なタフネスを目の当たりにすればマジ切れするかもしれん。

「長く武術を歩んできたが」
「あれほど悪魔的な闘気は稀も稀!」


烈ほどのキャリアを持ってしても武蔵のオーラは異質であった。
たしかに連載史上初のものだ。
勇次郎やピクルでさえ見せなかったオーラである。
ここまで飄々としている武蔵だが、その本性を象徴するものなのだろうか。
本部もオーラだけでも出せるようになれば守護れるかもしれぬ。己の沽券を。

みっちゃんに怒られるけど仕掛けられたから悪くないと言う烈である。
オーラ出されたから蹴りかかるのもアレだけど、それほどのオーラということか。
戦いは0.5秒の領域を越え、策略や闘気のレベルにまで達している。
もう打撃対策やバランスの良さだけではどうにもなりませんな。

当日は折れない義足にしてくると言い地下闘技場から立ち去る烈であった。
今の攻防だけで考えると折れたからこそ窮地を脱したが、この後に戦いが続いていたら折れたことは間違いなくマイナスとなっていた。
ともあれ、義足を言い訳にしない烈海王であった。
脚を食われても烈イズムは変わらないのだ。
これで義足に武器を仕込んできたら変わったと思ってしまうが。

「何と健気な 愛おしいぞ大陸の人」

烈の蹴りが直撃した武蔵であったが、当然気を失ったわけではなかった。
ダメージを受けたのに笑っている。
愛おしいまで言っちゃっているし変な方向に気に入られちゃったようだ。
寂海王以来の受難の予感がする。
今回は武器を使えるとはいえ、もっとも得意であろう素手同士の戦いには持ち込めない。
うーむ、大丈夫か、烈。

さて、場所は徳川邸に戻る。
そこには帰ってきたみっちゃんと本部がいた。
本部がいた。
本部がいた。
本部がいた。
新年早々本部が出てくるなんて何かもう逃がさないというか逃げられないって感じだ。
2015年は本部年になることは間違いないな。
ここまで出番が続いたのに戦わないとなると詐欺だ。

本部は武蔵が本物であるから説明はいらんとみっちゃんに言う。
おお、さすが解説王。
知識なら、知識だけなら勇次郎にも負けんと猛るぞ。
(刃牙が毒った時はこれっぽっちも役に立たなかったが。柳繋がりで心肺だけでもしてあげろよ)
あるいは蘇った理由はさっぱりわからんから、無知を晒すくらいなら聞かぬと言う態度か。
試合開始前から本部の戦いは始まっている!
己の沽券を保つための戦いが始まっている!


なお、解説を遮られたみっちゃんは心底がっかりしている。
がっかりというか、何でこいつがここにいるんだろうって感じだ。
そりゃ誰だってそう思いますわな。
本部が徳川邸に入ってくるんじゃねえよって感じだ。
そういえば、この人、ここにやってくるのは初めてだ。
迷子にならんかったか?
というか、ここには武蔵がいる可能性があるから心臓ショックで死なんだろうな?

本部は無駄に徳川邸にやってきたわけではない。
烈と武蔵が武器を使って戦うという噂を聞いてのことだった。
そんな噂があるんだ。
シベリアトラ捕食事件と言いガバガバな情報規制であった。

ともあれ、これは本部にとっては他人事ではない。
本部が守護るためには武器は必須だ。
武器を持たぬ本部なんて金竜山以下である。
陸でアッガイを戦わせるような無謀である。
ガンダムどころかジムにだって勝てん。
これは貴重な情報収集のチャンスなので土下座してでも情報を得たいだろう。
徳川邸に入るのに土下座したかもしれんな。一見不審人物同然だし。

「悪い事は言わない」
「烈氏には機関銃
(マシンガン)の用意を!」

だが、本部と言えば刃牙を鍛えた器を持つ男である。
(なお、それによって器にヒビが入った気がする)
本部が烈に助言をするのだった。
本部が。あの本部が。烈に。本部が烈に助言。
此はいかなることぞ……悪夢ぞ……

しかし、助言の内容がこれかよ。
不穏なことを言いやがって。
というか、烈本人に直接言えばいいのに。
言った瞬間、貴様は中国拳法を嘗めたの刑に処されるけど。
みっちゃんを仲介したのは正解だな。
いや、みっちゃんが間接的に被害に遭うかもしれないけど。

これは烈からしてみれば侮辱そのものだ。
烈じゃなくてもキレる。
加藤だってキレるよ。キレるよね?
最近の本部は問題発言ばかりですな。
この人は五十路になってついに人生投げ始めたか?
次回へ続く。


武蔵が悪魔的なオーラを見せた。
これは今までになかった独自の個性だ。
幻影刀もこの悪魔オーラに関係する技術なのかもしれない。
妖術対策は完璧と見ていいか。

烈は今のところペースを崩していない。
悪魔オーラに反応してしまったくらいだ。
だが、武蔵は本格的に煽っていないし試合が始まればどうなるかわからない。
武器ありでの戦いとなると一瞬で決着が着く。
そうなると相手の動揺を誘う武蔵の駆け引きは大きな意味を持つ。
何か言われる前にマシンガンで掃射するのが正解かもしれんな。
さすが本部!

さて、本部ですよ、本部。
本部オチはそろそろいいかなと思った矢先に本部ですよ。
どうして板垣先生は本部にこだわるのか。
本部好きこそが疑問に感じざるを得ない。

本部は機関銃を持ってこいと助言というか侮辱をした。
ここだけ見ると全てを見通した実力者っぽいですな。
だが、騙されてはならぬ。こやつは本部。本部である。
修行といい守護らねばならぬといい、刃牙道の本部は暴投ばかりだ。
本部って暴投キャラだったかなと思ったけど、よくわからん言動が多いからむしろ本部に忠実と言える。

マシンガンを持ち出せと言った本部の真意はわからない。
もしかして、銃器を使った前例があれば自分も銃器を使えるという狙いか?
銃器があれば守護れる!
ガンカタヒーロー並みに本部は燃えているかもしれない。

でも、マシンガンを越える銃器はないような……
いや、FPSのゲーム的にマシンガンはいずれも反動が強くて使いにくい立ち位置だ。
対してアサルトライフルがダメージ・連射・精度のバランスが取れており、マシンガン以上の評価を得ることが多い。
ならば本部が選ぶ武器はアサルトライフルか?
本部のゲーム知識が今唸る!
なお、FPSが大躍進したPS3やXBOX360といったハードを買う金はないので知識はyoutubeで仕入れました。
……解説で人気ユーチューバ―になっていたりして、本部。



刃牙道 4 (少年チャンピオン・コミックス)