バキ道感想 第47話「ホンバン開始」



ついに地下闘技場戦士+宿禰VS大相撲が始まろうとしている!
宿禰曰く、地下闘技場戦士全員が力士だから力士VS力士?
この世紀の一戦に本部はどう割り込む。
正直、今本部が解説してくれたらメチャクチャ喜ぶ。

試合当日、地下闘技場戦士チーム全員が控え室に集まっていた。
試合前なのに全員が普段着だ。
精々、刃牙と克巳がジャージなくらいである。胴着はどうした。
力士相手ならこれで十分ということか?
それとも服の下にはマワシがあるのか?
「「強い」って何かね」
「「強さ」って何だ?」
「その回答こたえを今宵」「君達が見せてくれ」


みっちゃんは強さとは何かを地下闘技場戦士に問いかける。
バキ世界における強さの定義はワガママを通せるかどうかだ。 この思想は強さオブ強さの勇次郎もバキ世界一番の人格者の烈も共通している。
その価値観にブレはないと言えるだろう。
なので、地下闘技場戦士たちの答えもそれになるのは間違いない。

だが、力士に負けでもしたら地下闘技場戦士の強さは地の底に着く。
いや、それどころか掘り進んで地球を貫通する。
相撲に対する評価はそんなものだ。
定期的に持ち上げられては叩き付けられるプロボクサーを圧倒的に下回っている。 宿禰だって相撲の強さというよりも宿禰の強さで、相撲の評価には一切繋がっていないわけで。
だからこそ、相撲そのものの代表として大相撲のモブ力士を登場させたのだろう。

地下闘技場戦士たちはある意味で崖っぷちだ。 何せ勝っても当然。
負ければ今後本部と同じ扱いを受ける。
いくら何でもリスクリターンが噛み合っていない。
この戦いを仕組んだのは本部じゃなかろうな……

もっとも、あくまでこれはメタ的な見地。
作中世界において相撲はメチャクチャ強いらしい。
本当かぁ?
餓狼伝の話になるけど不意打ちとはいえ修行前の丹波に横綱が負けてるぞぉ?
ともあれ、地下闘技場戦士たちの強さが試されるのは間違いない。 とりあえず、フィジカルの達人が力士だから、フィジカル以外の強さが、格闘技の強さが求められているのは間違いない。

次に金竜山が激励する。
金竜山曰く全員の目が笑っているらしい。
闘志十分だ。
そして、金竜山の目が一番笑っている。
大相撲の転覆のチャンス、それも勝算しかない戦いだ。 そりゃ笑う。
問題は転覆させた後のビジョンがあるかどうかだけど。
……まぁ、強いんだ星人だろうし戦わせたいだけなのかもしれないけど。

「大相撲は強いのか!?」「力士ってホントに強いのか!!?」「しばしば語られる最強説!!!」「一方で耳にする大したことない説!!!」
「今宵ッ」
「その回答こたえが出されようとしているのです!!!」


というわけで、地下登場戦士と大相撲力士が地下闘技場に並ぶ。
今回は実況付きだ!
実に大擂台賽以来の久し振りの実況だ。
意外にも烈ボクシング編には実況がなかった。 試合中に実況してくれるかはわからないが、最大トーナメント編を大きく盛り上げたのは実況あってこそのものだ。
是非、実況の人には久し振りに叫んで欲しいものである。
そして、実況がいるのならやることは一つ。
全選手入場!!

「日下開山天下無双ッッ」「今や歴代最強の声すらもッッ」「言わずと知れた 横綱零鵬だッッ」

まずは大相撲のボスキャラ、横綱零鵬である。
現状、ハイレベルにまとまったバランスキャラと言った印象でまさに横綱である。
岩波混沌カオスという面白い名前にも動じない精神力も備えている。
それ故にか、歴代最強との評価があるようだ。
つまり、金竜山よりも強い。本部では勝てない。
しかし、宿禰は横綱の四股が足りないと辛辣な評価を下していた。
その実力は本物か、あるいは宿禰の言葉通りにいまいちなのか。
横綱の真価が試される時が来た。

「デカいにも程があるッッ」「なのに鍛えてしまったアンフェアッッ」「超巨人大関ッッ巨鯨 見参ッッ」

もはや試合開始前から敗北けているのがこの巨鯨だ。
巨人の呪いは根深い。
リーガンも、除海王も、ワーレフ(烈ボクシング編の巨人)も、何のいいところのない悲惨な敗北を迎えている。
近年では範馬一族でさえ巨人になれば噛ませ犬になることをジャックが証明してしまった。 いや、これは無理だろう。
巨人で強いのは200cm、ギリギリ骨延長手術1回目のジャックの220cmまでだ。
巨鯨はどれだけ面白いやられ方をするかが求められている。
しかし、この巨鯨、ただの巨人ではない。
どうやら鍛えているらしい。
恵まれた体躯に甘えているわけではないのだ!
って、巨人は恵まれた体躯に甘えて鍛えていない印象でもあるのか?
実績のみならず性根まで冷遇されている巨人であった。

「引き出しの多さは角界随一」「何が見られるんだ 地下闘技場ッッ」「技師ッ関脇 猛剣ッッ」

力士随一のテクニシャンが猛剣だ。
雑魚格闘家でさえ一目でわかる底知れなさを持っている。
同時に腕を躊躇わずへし折る残虐性も持っている。 その危険度は決して侮れるものではないだろう。
多分、巨鯨の腕の一つや二つは折っている。
「底なしの怪力は底知れないッッ」「金星 史上最多ッッ」「史上最強の関脇ッ獅子丸が来たッッ」

一見するとあまり特徴がないのだが、大物食いを得意とするのが獅子丸だ。
番付とは裏腹に獅子丸を讃える声は多く、それが実況にも表れている。
だが、ケガが多かったり、宮入にダウンを奪われたりと隙も多い。
そんな隙もノールールの試合ならむしろ関係なしか?
現代相撲において一番古代相撲に近いのが獅子丸かもしれない。
それだけに巨鯨と違って侮れない相手だろう。
「この男の突き押し張り手は反則スレスレッッ」「角界の打撃系」「前頭筆頭鯱鉾が腕を撫すッッ」

突っ張り特化型力士が鯱鉾だ。
言うまでもないことだが、バキ世界は打撃が優遇される傾向にある。
序列としては打撃>投げ>絞め技=極め技だろうか。
そんなわけでその打撃を得意とする鯱鉾はキャラ付けの時点でリードを取っていると言えるだろう。
張り手、つまりは掌底の有用性は幾度も証明されているしね。
せっかくなので喧嘩稼業の煉獄みたいな猛攻に期待したいところだ。
おそらく巨鯨を封殺した経験がある。
「小さいッッ」「「水すまし」の敏捷はやさに巨漢の足腰ッッ」「小兵――――小結 炎が闘技場ここに立つッッ」

巨漢が弱さの象徴なら小兵は強さの象徴だ。
炎は小兵の速さに巨漢の力強さを兼ね備えている点でも異例だ。
渋川先生に郭海皇と小兵は飛び抜けた技術で戦うことが多かったから、速さとパワーで戦う今までにないタイプの小兵である。
え? 範馬刃牙?
あいつのジャンルは小兵じゃなく範馬だから。
もはやキャラ付けの時点で炎は強さが証明されているようなものだ。
キャラ付けの時点で弱さというか敗北が約束された巨鯨とはエラい違いである。
「デカいッッ」「噂の男が姿を現したッッ」「実力は路上で証明済みだッッ古代相撲の雄野見宿禰ッッ」

次は地下闘技場サイドである。
まずはいつの間にか仲間入りした宿禰である。 いや、ホントいつの間にか仲間入りだよ。
圧倒的な体躯と圧倒的な握力と力士の理想形だ。
でも、刃牙には翻弄されていたからそこが力士の限界か?
今のところ、ダイヤモンドを作ったくらいしか業績がないので、ここで読者の印象に残る結果を残して欲しいものだ。

なお、実況では全力でオリバのことが無視されている。
烈の死と並ぶくらいの無駄死にでしたな、オリバの死は……

「このサイズッッ」「それにしてもこのサイズッッ」「神技 合気に化けの皮はあるのか!!?」「達人of達人渋川剛気」

小兵の強さに革命を起こしたのが渋川先生である。
それだけにその実力は高く評価されている。
されているのだが……最大トーナメント以降は落ち目と言わざるをえない。
「バキ」では実力は示せど本格的なバトルでの勝利がなく、「範馬刃牙」では活躍らしい活躍がなく、「刃牙道」では武蔵に惨敗している。
合気の性質上、どうしてもワンサイドゲームになりやすく、なかなかちょうどいい活躍させにくいキャラなのかもしれない。
ともあれ、それだけに久し振りに活躍して欲しいものだ。

「このテの現場にこの人は外せないッッ」「派手なプリントシャツは もはや定番」「武神が堂々のエントリー愚地独歩ッッ」

アピールするポイントはそこかよ!?
まるでシャツの趣味が悪い人だな……
いや、思い返すとそんなに趣味がよくなかったな、この人……
そんな独歩は第1話より連綿と続く最古の実力者である。
そうした人物は大抵置いて行かれる傾向にあるのだが、未だに一線級の強さの持ち主であるのが心強い。

……が、ハッキリ言って最近の評価は低い。
特に武蔵に無策で跳び蹴りして一刀両断されかけたのが痛恨のミスだ。
あれのおかげでもはやコラ画像の印象が強い。
ネット上に出回ったなんだぁテメェは炭酸抜きコーラに並ぶ人気コラ素材だ。
敗北を機に鍛え直してパワーアップしたはずなんですけどね……
なので、久し振りに真っ当な活躍に期待したい。
外伝が出たりと扱いそのものはいいはずなんですけどね……

「蘇った右腕は盟友 烈からの無断借用ッ」「右腕ブラックジャックッッ」「頼れる二代目愚地克巳 兄ィ!!」

ツッコミどころしかねえ!?
無断借用に兄ィ呼ばわりですよ。
何だ? 最近のシスプリのリバイバルに合わせてのことか?
残念だったな! 次のVtuber化は兄ぃの衛じゃなくお兄様の咲耶だ!

ともあれ、ピクル戦で評価を劇的に上げたのが克巳だ。
バキ時代もやらかしが多かった一方でたしかな活躍があった。
ドイルとのエピソードで克巳のことが好きになった人は多そう。
けっこう定期的に見せ場を与えられている点で板垣先生の意外なお気に入りキャラなのだろう。

その一方で「刃牙道」においては見せ場がなく、物足りなさを感じさせるキャラでもあった。
隻腕というオリジナルはなかったことにされたが、代わりに烈の右腕という新たなオリジナルを手にした。
今一番活躍が期待されているキャラと言えよう。
烈の右腕は是非何かをやらかして欲しいところだ。
「大人が憧れる未成年」「今や非武装の神ッッ」「花山 薫降臨ッッ」

人気はあるが大人の事情で見せ場を与えられていないのが花山だ。
具体的に言えばスカーフェイスがあったから、本編での活躍の場がカットされがちな傾向にある。
そんな中で武蔵との戦いでは大健闘をしたが……あまりいい印象がない。
サラシ巻き直しとテレフォンパンチの隙に斬られたのはさすがに格好悪かった。
花山の矜持である鍛えない主義も実力における最前線に立っているとは言い難くなったために、何で鍛えないの?とツッコミを受けている感もある。
悲しいことに花山は何か知らない間にいまいちな人の印象が強くなってしまっている。 それはスカーフェイスがいまいちだったから……というのは私情なので控えておこう。
今回は人気と強さに見合う活躍をして欲しいところだ。

「地上最強の少年から地上最強の男へッッ」「反論覚悟で今はそう言い切るッッ」「唯一無二ッッ」「王者ッ範馬刃牙ッッ」

勇次郎との確執に決着が着いたからか、ドラマが描かれなくなり、話から忘れられてしまった感のある刃牙だ。
今回の相撲編においてはこのように試合に参加すれど、名実共にドラマの蚊帳の外である。
それでも決める場面は決める……と思いきや、寒子不意打ちキスでイメージが最悪だ。
勇次郎を絡ませられなくなったし、作者としてもかなり扱いが難しいキャラなんでしょうな。

そんな刃牙だが力士と戦ったことは意外にもない。
強いて言えば幼年編の同じ学校の相撲部の人くらいだ。
しかし、昂昇との試合では横綱龍金剛が前座となるくらいだから、既に相撲は経験済みか?
まぁ、今回は無難に勝つでしょう。
刃牙が相撲に負けたら本部が武蔵に勝つ以上の奇跡だ。

「時間です!!!」
「待ったナシ!!!」
「相思相愛の眼差しだァー!!!」


そして、向かい合う。
宿禰と零鵬が!
渋川先生と巨鯨が!
独歩と猛剣が!
克巳と獅子丸が!
花山と鯱鉾が!
刃牙と炎が!

この組み合わせと順番で試合が行われるのだろうか。
さすがにいきなり横綱は豪華が過ぎるので、順番は変わりそうか。
とりあえず、巨鯨の敗北は確定した。

まずは宿禰VS零鵬だ。
古代相撲の後継者VS現代相撲の頂点とお約束のカードですね。
お互いに力士として求められる要素の多くを満たしている。
宿禰もただのパワー馬鹿ではなく、オリバの突進を音もなく受け止めたように技も一流だ。
小細工が入る余地のない総力戦と言えよう。
それだけに一番手になるとは思いにくいが……どうなることやら。

次は渋川先生VS巨鯨だ。
何かもう言うまでもないですね。
現代のゴルゴダの丘ですよ。
どちらかが勝つかではなく巨鯨がどれだけ面白く負けるかが焦点となる。
巨鯨にはパンツを脱がされてタマピンされたサムワンを超える惨敗をしていただきたい。
一方でここで巨鯨が勝ちでもしたら、巨人必滅の法則が崩れることになる。
それはもう大事件ですよ。
ハッキリ言って本部が勝つ以上の大事件だ。
そのためには今まで出てきた巨人の全てを巨鯨は持っていなければなるまい。
……ジャックのフィジカルくらいしか役に立ちそうにないな。

独歩VS猛剣はベテラン同士の組み合わせだろうか。
人間凶器としての破壊力のイメージが先行する独歩だが、克巳や本部を感心させるほどの技術や駆け引きを持っている。
力のみならず技術と駆け引きを駆使する戦いになりそうだ。

克巳VS獅子丸は日の目を見ない実力者同士の対決か。
克巳は烈の右腕を移植したという未知を秘めており、獅子丸も番付以上の実力が高く評価されている。
間違いなく一番の注目カードであろう。
異世界で戦っているであろう烈の援護に期待したい。

花山VS鯱鉾は打撃対決か。
鯱鉾の連打を花山がどれだけ受け止められるのだろうか。
花山はスペックの無呼吸連打に耐えきったことがあるから、まぁ、普通に殴り返しそうですね。
とりあえず、花山はその握力でマワシを引き千切ってモロ出しで勝って欲しい。
最後の刃牙VS炎は小兵対決にして美形?対決だ。
刃牙が168cm76kg、炎が165cm97kgと身長で勝る刃牙と体重で勝る炎だ。
スペックだけ見れば炎がやや有利だが、範馬の筋力には体重差は無意味である。
炎は特徴的な力士なのだがこれはいくら何でも相手が悪すぎる。
ただ順番通りに戦うとしたら大将戦なので何かある、かも……
何か板垣先生が途中で飽きてすぐに終わらせる気もするけど。
春成の再来にならないことを祈ろう。

選手入場+組み合わせ発表であった。
次回から試合開始か?
果たして相撲はどこまで地下闘技場戦士に通用するのか。
そして、巨鯨はどれだけ悲惨な負け方をするのか。
次回へ続く。