バキ道感想 第68話「花山薫VS鯱鉾」

花山は人気はあるがバトルに恵まれないタイプのキャラだ。
スペックとの戦いはバキ史上屈指の名勝負だけど、それ以降はロクに戦っていない。
武蔵との戦いも大分消化不良な感じでしたしね。
本編のみならず外伝の主人公を飾っておきながらちっとも戦わなかった。
そんな花山が戦う! 注目だ! 相手は力士だけど!


「跳んでいるッ」「力士が跳ねているッッ」

花山の対戦相手、鯱鉾は試合場で小刻みに跳んでアップしていた。
力士らしからぬ動のウォームアップである。
この試合が相撲ではないことを示しているのか、鯱鉾の気分がアゲアゲなのか。
ともあれ、力士軍団は2敗しても萎えていない!
でも、褒めるところはそこかよって感はありますけどね。
そろそろムエタイ上がりのムエタイ力士を出してみませんか?

対する花山は不動の棒立ちである。
一切のウォームアップなし。
さすが鍛えないことを個性レベルまで押し上げただけのことはある。
もう引っ込みが付かなくなったから意地でも鍛えない感もある。

でも、最近のなろう系や異世界転生系によく見られるこれといった努力をせずとも大成する主人公が流行っているのを見ると、意外と花山は相性がいいかも。
鍛えずとも強い!
こうした努力否定主義が人気の秘訣かもしれない。
花山は異世界転生の走りだった……?
なお、一番異世界転生して欲しいのは言うまでもなく烈である。

「オマケに眼鏡も外してないぞ…!!?」

突っ込むところそこかよ!?
まるでエッチシーンに入ったのに眼鏡を外していないヒロインを弄るが如くツッコミだ。
それは外していないんじゃない。外さないんだ。こだわりなんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

静の花山と動の鯱鉾の対比が行われた。
今までは力士側がどっしりと構えていた形だから真逆となる。
花山はとりあえず受けるのが主義なところもあるから、その点では慣れた種類の相手とも言えよう。
鯱鉾のラッシュを花山がどう切り返すかの戦いになるか?
これで普通に押し切られそうになったらスペックとは何だったのかとなる。
力で合気を破れなかったジャックとは何だったのか。

「巨体の有利を謳われる大相撲だが」
「巨漢 花山 ガタイ的には遜色ありませんッッ」


巨漢二人が並ぶ。
花山が191cm166kg、鯱鉾が190cm151kgである。
二人共、デカくて重い。
特に花山は相変わらず不思議なくらいに重い。
格闘家たちの中では群を抜いて重い。
なのに鯱鉾よりも身体は細い。
一体、この体重はどこに詰まっているのか……

二人が並んでやっと花山は眼鏡を外す。
まるでエッチシーンになったら眼鏡を外すヒロイン……いや、それはもういい。
この花山の形相に鯱鉾は圧倒される。
花山は無表情のままだが刻まれた傷が迫力を生み出していた。
武蔵に刻まれた十字傷もしっかりと残っている。
暴力世界に生きてきた人間だけが作り上げることのできる疵面である。

ここで気になるのは武蔵に斬られた左目だ。
相変わらずトーンが貼られていない。
失明表現だろうか。
現状は具体的には語られておらず、渋川先生の義眼のように試合の分岐点にもなりにくそうなので流れそうではある。
失明していたら地下闘技場チームの隻眼率は実に半分に達する。
激闘に生きてきた証左か。

「「ぶっ殺し合い」を強いられるンだナ―――って」

花山と対峙した鯱鉾は殺し合いになることを読んだ。
敵役時代の花山は刃牙をビルから投げ捨てたりと殺すこと前提で戦っていた感がある。
というか、ゲーム機の筐体を叩き付けたように身の回りにある物とはいえ武器も使っていた。
……あの頃の花山ってけっこうヤバい奴だったんですよね。

もっとも、刃牙に負けてからは心変わりしたのか、真っ当な戦士になった感はある。
だからか、殺人を前提として戦っていないし、対戦相手に過剰なダメージを与えることもなくなった。
鯱鉾さんは相手がヤクザだからか、ビビりすぎではないでしょうか。
スペックの喉を潰したのはまぁ正当防衛でお願いします。

「だって相手は「素人」じゃないっスか」
「「喧嘩の達人」――……って」「まァ……強ぇえっちゃ強ぇえのかも知れんけど―――」
「素人の中でのハナシですからネ」


鯱鉾、危機感ゼロ!
力士……既に2敗しているんスけど、いいんスかこれで……
また油断……こいつらアホっスね。
忌憚のない意見ってやつっス。それでも文句があるんならいつでも金的上等っスよ。

口調からして大分のんびりとした性格なのか、花山に気圧されつつも警戒はしていないのだった。
相手は手強そうだけど何となく何とかなるだろうという最低の心構えですな。
これならまだ何も危機を感じずに特攻する方がいいくらいだ。
チームとしては既に2連敗で崖っぷちなのだから、もうちょっと危機感を持っていただきたいのですが……

鯱鉾は相撲お得意の立ち合いから始めるのではなく普通に歩み寄ろうとする。
そこで花山が後ろを向いて構える。
恒例の超テレフォンパンチにして防禦が通じない全力の一撃である。
なお、テレフォンなので後ろを向いたところを斬られれば不味い。



「あとは真っ暗ですわ……(鯱鉾談)」

この一撃で鯱鉾がブラックアウトした!
どうやらまともに喰らってしまったらしい。
モロに受ければ武蔵だってダメージを受ける。
表の力士では結果は無惨になって当たり前か。

これにてワンパンKOなのか、あるいは鯱鉾は意地を見せるのか。
さすがに6試合は多いのでサクッと終わる試合が一つ二つくらいあってもいいかもしれませんね。
何やかんやこうした一定数の試合が保証されている展開では瞬殺試合はいくつかあるわけですし。
とはいえ、できれば激闘を繰り広げて欲しかった思いもあるし、そうした瞬殺試合としては烈VS克巳や刃牙VS春成がある。
烈VS克巳は死刑囚編冒頭である程度回収されたので満足感はあるけれど、春成に関してはもうちょっと、こう、何とか……
でも、花山VS鯱鉾は……相手がスモウレスラーだから別にいっか!

鯱鉾の視界も未来もいきなり真っ暗になった。
鯱鉾に、相撲に明るい未来はあるのか。
いや、闇に堕ちたことで鯱鉾の暗黒相撲の血が目覚め、身体を突き破り花山にガーゴイルが襲いかかる展開でも……
次回へ続く。