バキ道感想 第87話「原点」



大統領選を挟みつつ相撲との戦いに戻るのであった。
挟む必要性があるのかはわからんが描きたくなったら描く!
それが板垣流である。
……そのわりに相撲は何か冷遇されてるなぁ。


炎に刃牙のゴキブリジャブがヒットしダウンを奪う。
ここ、リプレイ!
毎度恒例のリプレイである。
何か1週間のクールタイムを挟むとあんまり違和感ないですね、リプレイ。
いや、それはそれでどうなんだ。

刃牙のジャブは炎のアゴに命中していた。
バキ世界においてアゴ狙いの打撃の効力は極めて高い。
代わりに精密な打撃が要求されるが、刃牙にとっては朝飯前だろう。
だが、ゴキブリジャブを行った上で正確に当てたのは恐れ入る。
ゴキブリジャブは凄まじいスピードと精密な一撃を兼ね備えたまさに必殺技だった。
炎は地面がなくなる感覚を味わっていた。
ピクルの時の地面が傾く感覚を思い出させる。
あの時と同じように皮一枚を当てる打撃だったのかも。

この一撃で炎の大銀杏が解ける。
普通、アゴを打たれただけでは大銀杏は解けない。 よくわからんところまでダメージを及ぼすのが範馬刃牙が範馬刃牙たる所以であろうか。
烈の時も三つ編みを解けさせたし、ヘアスタイルにダメージを与えて威圧するのが刃牙の戦法かも。
戦法なのか?

茫然自失としていた炎だったが、やがて脳震盪が治まったのか、地面をたしかに感じられるようになり立ち上がる。
アゴ狙いの打撃は相撲では偶然以外ではほぼないだろう。
まして炎は体格に劣る分、真っ向勝負を避ける傾向にあることはここまでの背後を取っての投げから感じ取れる。

だが、未知の打撃を受けつつも炎も素人ではない。
アゴ狙いの打撃の危険性を認めて、両腕でアゴを守る構えを取る。
そして、アッパーでガードを抜けられてアゴを殴られる。
その間、実に1ページ。全然ダメじゃねーか、お前の対策!

打撃戦は刃牙の十八番だ。
ガードを潜り抜ける打撃も朝飯前。
このアッパーを起点に刃牙のラッシュが始まる。
自分の得意分野に引きずり出した刃牙に対して、炎は下手に防御を考えて自分のスタイルを捨ててしまっている。 炎は自分の得意分野なら油断した刃牙から一本を取れるくらいの腕はあるが、刃牙の土俵ならまったく敵わないようだ。
そりゃそうなりますよねって感じの差である。

でも、刃牙はまだ金的をしていない。 それだけでも有情ではある。
本気で叩き潰す気になった刃牙なら金玉蹴るし気絶させた上に追い打ちをする。
幸いなのは炎は刃牙の怒りを買っていないことか。
怒らせていたらJr.みたいに徹底的にやられていたかも。

「まるで「相撲的」ではない」
「未知なる不慣れな「効き」かたに―――」
「「原点」へと回帰した」


ボコボコにやられた炎だったが、すぐに起き上がり立ち合いの構えに戻る。
相撲本来のスタイルである。
炎は相撲以外の戦い方をやろうとして、初手で意表を突けたものの以後はいまいちだったからだろうか。
妥当な判断である。
でも、他の力士は本来のスタイルを崩した結果、負け続けているのでもうちょっと早く心がけて欲しかったところではある。 その辺の指揮態勢がグダグダな大相撲サイドであった。

他の力士たちは地下闘技場戦士の底力を味わって、力士たちは相撲スタイルを崩して負けてきた。
だが、炎の場合は相撲スタイルを捨てて立ち回ったが、いまいちだったから相撲スタイルに戻すと今までと逆の展開となっている。
これが功を奏すか否か。
相手が範馬刃牙だから何をやっても無駄な気はするけど。 原人とか侍とか、常識外れと戦って来た刃牙に対して作戦で勝てるのなら容易い相手である。

炎に対して刃牙もまた立ち合いの構えを取る。
文字通りの力士の土俵で戦う気である。
刃牙のフィジカルなら普通にぶちかまし勝負をするだけで勝てそうだ。
だって範馬刃牙だしな。

「後に「炎」が述べる」
「「刃牙に変なものが見えた…」と」


だが、範馬刃牙、ストレイツォ並みに容赦せん。
ゴキブリダッシュでぶちかます気だ。
相撲以外で勝ち、相撲でも勝つ完全勝利が刃牙の狙いか。

刃牙は勝つだけなら簡単だ。
ゴキブリジャブの時点で追い打ちしていれば勝っている。
だからこそ、勝ち方を選んでいそうだ。
名実共にチャンピオンの、格上の戦い方である。
今の刃牙はアクビしていないからそれなりに戦おうとしていますね。
アクビしていた頃はわりと悲惨な勝ち方ばかりしていたようだった。
ゴキブリダッシュは対勇次郎のために編み出された技である。
それを炎に使うなんてグフに対してアムロが乗ったνガンダムをぶつけるようなものだ。
戦う前から泣ける。
ザクとは違うから何だって言うんだよ。

ここで炎の逆転の鍵となるのは宿禰だろうか。
ここまで姿を見せていないこと、力士たちが設定から考えれば異常なレベルの健闘をしていること。
これは宿禰が四股を踏むことで力士たちの能力を強化していたのではないだろうか。
宿禰が四股を踏むと邪気を払い鯉がよく育つ。
同じことを大相撲力士たちにもやっていたのだ。
実は宿禰はモンハンで言う狩猟笛だったんですよ。

そもそも宿禰が地下闘技場サイドに付いているのが不自然なのだ。
奴は裏切り者に違いない!
全然出てこないことに理由を付けてもらわないと影の薄さを補えませんよ。
……大相撲会長の方がキャラ立っている気がするんですよね。わりと真面目に。
次回へ続く。