バキ道感想 第99話「Ogre」



大相撲力士との戦いが終わった。
今回はそのエピローグ……も何もなしに次の展開だ。
妙にあっさりしているけど、まぁ、あまり引っ張るものでもないのでこれがいいのかもしれない。
なお、大相撲力士とは1年以上に渡って戦い続けてきた。
なのに、事後処理も定かじゃないまま、投げ捨てるんですね……


「地上最強の―――」「生物…?」

宿禰は徳川邸でみっちゃんに勇次郎のことを聞いていた。
オーガという異名は知っていても、地上最強の生物というもう一つの異名は知らないようだった。
つまり、宿禰の勇次郎知識はかなり浅いことがわかる。
田舎暮らし田舎育ちだからか、知識が半端な感じがある。

宿禰は相変わらずのガングロモードだ。
何かすっかりガングロキャラで行くことを決めたらしい。
バトルモードとかそういうのじゃないんですね。
これ以上は突っ込んでも無意味なので、これを最後にしておきましょう。

みっちゃんは勇次郎がトラ、ヒグマ、アフリカ象、サメ……あらゆる生物よりも強いと語る。
それを聞いて宿禰は夢のある話と断じる。
つまり、地上最強の生物という異名を信じていないのであった。
ダイヤモンドを作り出す握力の持ち主のくせに妙に現実主義だ。 あらゆる生物よりも強い男と石炭を握ってダイヤモンドにする男……
どちらがファンタジーなのか、なかなか判別しがたい。

それにしてもサメもありなんですね。
昨今のサメ映画ブームに便乗しているのだろうか。
烈海王異世界転生のノリで勇次郎サメ映画転生みたいな外伝をやればそれなりにウケるかも?

ここでみっちゃんは勇次郎の持つ武力を示す小話である国家の要人がムカついたら殴りに行けるという話を持ち出す。
幼年編で実際に行い、その逸話は諸国にも轟いたのか、米軍の上層部も勇次郎にはその武力があると認識している。
勇次郎基礎知識の一つだけど改めて紹介されるとむしろ新鮮な感じもする。

「小突けないでしょ」

「いやいやいや警備がハンパない」

「近付くこともできませんて」


宿禰、全然信じていねえ!
何かいまいちノリが悪い。
それでいて勇次郎という存在をまるで把握していない。
オーガというとんでもなく強い奴がいる、くらいの知識しかないようだ。
ここまで知らないと逆に不思議だ。 いや、宿禰の杜ほどの秘境なら情報源はテレビくらいになっていてもおかしくはないか?

みっちゃんは宿禰なら国家の要人を襲えるのかを問いかける。
宿禰は悩む。真面目にシミュレートしている。
これで相当な暴力の人間だ。 おそらく脳内でボディガードの骨を何度も掴んで破壊しているのだろう。

「ま」「やれっちゃやれるでしょうネ(はぁと)」
「「造作もなく」は ムリかな」


宿禰の解答は可能、けれど多少手間取ることを示唆するのだった。
勇次郎のように容易くとはいかないらしい。
勇次郎は戦場での経験から対多数とゲリラ戦に長けている。 この経験があるからこそ、要人の襲撃も容易。
そのため、これは両者の力の差というよりも、両者の経験と得意分野の違いと捉えるべきだろう。

みっちゃんは勇次郎と逢ってみるかと打診すると、宿禰は立ち会えるのかと歓喜する。
こいつ、戦うことしか考えていねえ!
宿禰は対戦相手を悉く破壊している。
オリバも零鵬も骨を破壊されたばかりか、キャラとしても破壊された。
宿禰は秘め続けてきた暴力を振るう機会を求めている。 そのための試し割りとして勇次郎を求めるのはあまりにも豪気であり無謀でもあるが。

それにしても力士と認めた地下闘技場戦士はもうアウトオブ眼中なのですな。
まぁ、自分があっさりと倒した横綱以下の力士に手こずってしまった。
あまり興味が湧かなくとも無理はない。
緒戦の渋川先生以外には顔出しさえしていなかった。
……まさか大相撲力士戦の時にちっとも姿を見せなかった理由はそういうことなのか?

「正式に試合などせずとも」「闘いたいならばよい」
「その不意打ちに応じられないのなら―――」
「もはやそれは「武」ではない―――と」


宿禰が勇次郎に興味を持っていることは刃牙の耳にも届いていたらしく、襲いかかればいいと言伝を残したようだ。
勇次郎はいつどこで戦おうが強い。
強いがルールのある試合よりも戦場を戦い抜いた経験から突発的な闘争の方が得意だろう。
というか、勇次郎にとってルールなんて重石にしかならない。
刃牙はこっそりと勇次郎に有利な状況に宿禰を誘っている。
それにしても刃牙さんには親父と戦う前に俺がいるだろくらいは言って欲しかった。
何で普通に戦わせようとしているんですか。
やる気あるのかないのか、相変わらずよくわからない男である。
それとも炎に思わぬ苦戦をしてしまったから鍛え直しているのか?
あれは大失態と言えば大失態だしな……

「襲い掛からせていただきます」

宿禰が持っていたコーヒーカップが突如砕ける。
ダイヤモンドを作り上げる握力で力んだ結果だろうか。
刃牙の発言は対等な条件で戦う試合どころか、宿禰の有利な条件で襲い掛かっても勇次郎が負けるわけがないと言われたようなものだ。
ムカついても仕方ない。
そして、勇次郎に襲い掛かることを決意したのだった。

勇次郎が路上で襲うことはあっても、勇次郎に路上で襲い掛かった人間は意外にも少ない。
かの本部以蔵がその代表選手である。
路上での戦いを得意とする本部は鬼の貌を出させるという大健闘をしつつも、結果的には惨敗している。
ルールという枷がない分、勇次郎は路上の方が危険なのだ。

宿禰は最大級の危険に飛び込むことになる。
いや、飛び込むように仕向けられたのか?
宿禰の真価が試される時が来ようとしている。
あとこのジジイは少しくらい止めてやれ。 結局、戦いを見たいだけなんですね、こいつ。

ここで場面が変わってとある大学病院。
紅葉は内科医学博士の泰 公芳はた きみよしと共に勇次郎のデータを見ていた。
って、どこから持ってきたよ、それ。
まさか、健康診断しに来たのか? みっちゃんに健康診断を受けているかどうか聞いたことがあるし、勇次郎の辞書にも健康診断くらいはあるのだ。
だから、健康診断をしてもおかしくはない……?

「テストステロンいわゆる「男性ホルモン」」「これが通常の実に10倍をオーバーして測定不可」

泰は勇次郎の異常な男性ホルモンの量に驚く。
ヒトのレベルを越え哺乳類のものではない。
雄としてのホルモン指数が異次元と評する。
強烈な雄度であった。
ダイアン・ニールを一発で孕ませたのは伊達じゃない。血は薄いけど。
でも、そのくせ全然毛深くないんですよね、勇次郎。
もしかしてムダ毛ケアをしっかりやっていらっしゃる?

「「我以外 皆異性也」―――か……」

つまりは全員が異性!つまりは雌!ということらしい。
男もイケるしなということだ。
ということなのか?
そりゃ老女のヒナリーにも陰茎が苛立つよ。
……苛立つのか?

勇次郎が凄まじい男性ホルモンを持っているからそれが何を意味するのかはわからない。
わからないが勇次郎の凄まじさがデータの観点から語られるのは珍しい。 格闘家において肝要な身長と体重でさえ推測の域でしか語られていない。
勇次郎の異常性を物語る一端と言えよう。

それにしても勇次郎が10倍の男性ホルモンなら、ヒロインの松本梢江は何倍の女性ホルモンがあるんでしょうね。
いや、何か全然可愛くないから男性ホルモンの方が多いかもしれないけど。
梢江って雌よりも雄な感じだし。
とりあえず、宿禰の取った選択肢が梢江を襲うでなくて良かったと思います。
次回へ続く。