バキ道感想 第149話「武術界の実戦性」



相撲編が終了おわわった気がするので次の展開だ。
終了わったんか? 本当に終了ったんか?
多分、宿禰も蹴速も二度と出てこないと思う。


「はじめッッ」

本部流の道場で本部が審判としてはじめの声を上げていた。
本部だ! 本部が出てきたぞ!!
もうちょっと早く出てきて相撲と戦って黒歴史を払拭して欲しかったが、まぁいい。
何だかんだ刃牙道で無茶に存在感を増したから、これからも頑張って紙面を賑わせて欲しいところだ。
ついでに当blogのバキ感想で一番アクセス数が多かったのは本部が刃牙に勝った回でした。

さて、本部が審判をするということは試合が行われているのだった。
対峙するのは本部の弟子ガイアデンジャラスライオン加藤だ。
何だこの組み合わせは。
思わず吹き出してしまったよ。

ガイアはわかる。本部の弟子だし。
そもそもガイアが本部の弟子というのが理解らないが全力で理解ろう。
本部流、全然使ってないじゃん、君。
花田の方が使ってるよ。

だが、加藤! 何でお前、ここにいる!!
たしかに解説の本部と驚愕の加藤(と末堂)は翼君と翼君のゴールデンコンビに匹敵するコンビだ。
でも、それは読者視点で作中では……いや、やたらと絡んでいたな。
何であそこまで絡んでいたのか、今思うと不思議なくらいだ。

しかし、この二人、実は彼の範馬勇次郎との関連性がある。
まず、ガイアはかつては勇次郎に匹敵する傭兵と言われていた。
実態としてはガッ……ガイアッッッなんだけど。

そして、加藤は花田に勝っている。
花田は「花田は格闘技の大天才と言っていい」「範馬勇次郎がそう呼ばれているように」あの本部をして勇次郎と並び立つ存在のように言わしめた。
本部は作中屈指の実力者かつ勇次郎の実力を知り尽くしている。この推測に間違いはないだろう。
だからか、花田にはガイアでさえ手にしていない免許皆伝を授けている。
つまり、加藤は勇次郎に勝ったと言っても過言ではない!
まぁ、その当時の本部さん、数多の格闘家を捌けたからと勇次郎もどうにかなると勘違いしていましたけどね。

そんな勇次郎の親戚の親戚の親戚の親戚の親戚くらい関係者の二人が見合うの必然!
いや、花田はどうした。
ゆうえんちではビッグマウス叩いていたのになぁ……

ともあれ、本部の弟子の二人が見合う。
実力差は言うまでもなく絶望的だ。
刃牙を一度は殺したガイアと初期も初期の時点で刃牙の神輿を担いでいた加藤。
加藤が健闘する姿さえ想像できないが、刃牙道でガイアの株は大いに下がった。
ワンチャンある!……のか?

初手を取ったのは加藤で跳び後ろ廻し蹴りを放つ。
いきなりの大技による奇襲だ。奇襲が持ち味の加藤らしい。
まぁ、加藤の奇襲って成功する確率が低いんですけどね。
戦力を隠していた時のドリアンくらいだよ。

その回し蹴りをガイアは被っていたバンダナが取れてしまうほどのギリギリでかわす。
得意の先読みだろうか。
さらに隙だらけ加藤のアキレス腱に肘打ちを放つ。
これは痛い。加藤は何もできずに着地する。

その着地の隙にガイアは手の背で目を叩く。
眼球には直撃していないが目潰しとしての効果は十分。
生まれた隙に頭突きをするのだった。
ここで本部が待てをかける。勝負ありであった。

「ノムラくん」
「大丈夫か」


だが、本部が心配するのは踵を打たれ目潰しされ頭突きを喰らった加藤ではなくガイア……ではなくノムラだった。
いや、ノムラなのかよ!!?
たしかに顔つきが全然精悍じゃないし、ガイアっぽさがなかったし、そもそもガイアなら加藤と勝負にさえならない。
そりゃノムラですよ。はい、ノムラです。

これは刃牙道で本部の弟子として出てきたガイアのノムラ説が高まってきた。
刃牙道のガイア、いろいろと不甲斐なさ過ぎてノムラの方が納得できる。
いや、刃牙道の時点ではガイアって本部が言ってたけど。
ノムラは自分の中にガイアがいる自覚はある。
そこを指してガイアと本部が呼ぶのはさほど不思議ではない……かも。

さて、ガイア改めノムラは加藤を一蹴したはずが大量の汗を流していた。
どうやら頭突きと同時に金的を喰らっていたようだ。
金的は加藤の得意技だけあり鋭い一撃であった。
そして、それをしっかり見切っている本部の高い観察眼が窺える。
この人、観客としてなら聡明なんだよな。

加藤は本部に刃牙VS宿禰の経緯を語っていた。
やや伝聞調なので加藤はその場にいなかったようだ。いろよ。本部もだよ。
ともあれ、刃牙が普段着かつウォームアップなしで宿禰に挑んだ事実を伝えるのだった。

この刃牙のナメてさえいる姿勢を実戦という観点からは正しいと本部は評価する。
さすがバキ世界屈指の実戦派である。
そして、刃牙の実戦性は自分をも越えていると暗に言うのだった。

その実戦で刃牙に勝っている本部だが、あの時は刃牙が来ることを知った時点で煙幕を初めとして入念な準備をしていた。
柳・ジャック・武蔵と戦った時も重武装したフルアーマー本部で挑んでいる。
本部の実戦での強さは武装を含めたしっかりとした下準備を前提としている。
何も準備せずとも真価を発揮できる刃牙の方がより実戦的……なのか?

だが、然るべき戦いへ向けて相応の準備をするのも実戦と言えば実戦の気もする。
合戦において鎧を着込まず普段着で望む侍はいまい。
実戦とは難しい。

ここで本部は急に武術による人格形成を語り始める。
戦力向上と人格形成は無関係!って以前に独歩が話した内容ですね。
空手道を始めた結果、ヤクザの用心棒に身を堕としたことのある加藤がいるし、この論説には一定の説得力がある。
でも、何で人格形成の話を急に言い出したの、本部さぁん……

ここでさらに強さへの渇望という点で見上げてしまう存在がいることを語る。
日に数度しか武のことを忘れない本部が敵わないほどの強さの渇望……
ガイアは勇次郎を、加藤は刃牙を挙げるが否定される。
本部が見上げるほど強さに渇望している男、それは……

「ジャック範馬」
「この世でイチバン 「強さ」に飢餓うえた男だ」


放置されていたジャックが再始動だ!!
本部でさえ見上げてしまうほどの存在がジャック……なんだけど、そのジャックに本部は勝っている。
勝った上で執念を認めているということか。
自分だけでなく周りをも守護ろうとする本部と明日を捨ててでも勝利に固執するジャックは強さに向けるモチベーションがまるで違う。
その点で感服できるのだろうか。
最近のジャック、ドーピングがただの健康サプリメントになっている感はありますが。

ともあれ、相撲編の次はジャックが主役のエピソードになるようだ。
そのジャックが向かう先はどこなのか。
ジャックは格闘家たちに喧嘩を売っていたから、覚えのある格闘家に挑むのだろうか。
とりあえず、本部流道場へ行ってリベンジしておくか?

何にせよ一番に狙われる立場にいるのは本部だ。
刃牙の次に、いや、ある意味では刃牙よりもリベンジしたい相手だろう。
対する本部はそろそろ機関銃を取り出してみるか?
武蔵は無理でもジャックなら機関銃で行ける!

あるいは強さを求めるということで本部に弟子入りする、あるいはもうしているのかも。
嚙道を体得した台湾行きは本部の提言だったのだ!
それならたしかに強さを誰よりも求めるのは納得だ。
強くなるためとはいえあの本部に頭を下げることはなかなかできないからな!
でも、本部の弟子、花田にノムラに加藤に末堂、全員イマイチなんですよね。
師匠の才能はないな、本部……

それにしてもまさか本部にまたスポットライトが浴びせられそうでちょっとワクワクする。
刃牙道は何か無茶に担がれたけど、それが過ぎたバキ道では一体どうなるのか。
期待と共に待ちたい。
いや、一番やって欲しいことはやっぱ解説なんですけどね。
次回へ続く。