刃牙道感想 第56話「玩具(おもちゃ)」



武蔵に九節鞭を奪われた。
戦場では武器を奪うことも必要な技術なのか。
本部さん、解説お願いします。
おい、解説しねーのかよ!?(ネタバレ)


九節鞭を奪った武蔵は軽く手で振る。
振れることは振れるが重さが今ひとつという評価だった。
相変わらずダメ出しが大好きな武蔵であった。
なお、重さが今ひとつでという理由は生命を断つには不十分だからだ。
殺し合い前提の価値観を持つ武蔵らしい評価である。

一撃必殺前提なだけに削るという概念はなさそうだ。
なので、その勝負に持ち込めば多少はマシになると思うのですが……
烈はピクルの時のような戦い方をすれば如何か。
要するに素手で戦え!

生命を断つのに十分な重さがあればもう勝負ありのような。
あるいは十分な攻撃力がなかったからこそ殺意が込められておらず、武蔵は反応できずに食らってしまったのか。
存外武蔵は殺意のない攻撃には弱いのかもしれない。
実際、ジャブは様子見を含んでいたとはいえ食らっている。

さらには棍を繋ぐ鎖が悪いと評価する。
どこまでもダメ出しをする。
武蔵は厳しいレビュアーですな。
存外、Amazonが向いているかもしれない。
商品をどんどんとダメ出ししていこう。

「この玩具(おもちゃ)で」「この武蔵を討ち取れると………?」

烈がどこぞより取り出した自慢の九節鞭を玩具呼ばわりである。
これには烈もキレる。キレてもおかしくない。
だが、烈は冷や汗だらだらだ。 武器を奪われてなお構えたというのにまったく余裕がない。

誘われたように烈は下段回し蹴りをする。
かつて、先輩のドリアンが得意としたような蹴りだ。
義足で蹴っている辺り、武器使用ありの試合らしい。
義足に重りなどを仕込んで重量を増しているのかも。

「ほんの一瞬だって」
「隙などない! 欠片ほども!」

九節鞭を弄っている武蔵に隙があったはずだと烈は自問するが、隙などないと自答する。
武蔵はけっこう被弾しているから隙だらけのようで存外そうではないらしい。
同じく過去の人のピクルと比べると、隙だらけだが一切攻撃が通じないピクルに対し攻撃は通じるが隙が一切ない武蔵と強さの方向性が異なるのか。

「烈海王」
「これはな…」
「こう振る」

武蔵は腕を掲げ九節鞭を構えた。 向いている方向は烈ではない。
完全に素振り目的である。

武蔵が素振りを行う。
これを前には観客は驚きざわめく。
妖怪郭海皇も達人渋川剛気の高齢者組もだ。
克巳も本部も冷や汗を流し注目する。
やっぱりこういう場面で驚くのが本部だ!
実に本部らしい。知ったかぶりをしないし、それをした直後に大恥をかく。

刃牙は青竹の素振りを見ている。
逸話通りにバラバラにするほどの握力あるいは腕力だった。
あの時と同じように人差し指だけで独特の握りだ。
そして、一気に振る。
佐部の刀を破壊したように九節鞭を破壊した。
烈どころか郭海皇でさえ反応が遅れるほどの破壊であった。

観客たちは驚く。
それ以上に烈が驚く。 ここまで押していた烈であったが素振り一発で武蔵が完全にペースを握った。
いや、ダメージは武蔵の方がデカいし、目玉もやられているんだけど。
それでも烈を圧倒している(ように思わせる)ことから武蔵の試合巧者ぶりが伺える。
「人間(ひと)じゃねェよもう…ッッ」

「否……… 武器じゃない」

観客たちは伝統の人間じゃない反応をする。
それに対して武器じゃないと返す武蔵であった。
本部が人間じゃないと言えば完璧でしたね。
いや、冷や汗だらだらなのでそう思っているかもしれないけど。

烈は素振りだけで冷や汗を流し緊張してしまっている。
これで真剣を相手に消力できるのか。
今からでも遅くないから素手の勝負にしてみてはいかがでしょうか。
ちょうど武蔵も國虎を手放していることだし!
次回へ続く。


ダメージを受けていないのに圧倒される烈であった。
戦わずして圧倒するのが武蔵の強さか。
その点、とりあえず行動な烈は相性が悪いかも。
作戦の類を一切用いず強さで押し切るタイプのため、一筋縄ではいかない相手には不覚を取ることも多い。
ドイルの奇襲を受けてしまったり、寂に手こずっていたことからも明らかだ。

武蔵は素の強さが烈以上な上に駆け引きが上手い。
烈としてはそもそも攻撃力が上の相手に弱点属性を突かれている状況だ。
ピクルみたいに技術で翻弄できる部分があればいいのだがそうもいかなさそうである。
なお、同じことは本部にも言える模様。

ここで烈も武蔵を煽ってみては如何か。
武器を使えず破壊してしまうのは未熟とか。
この煽りで武蔵を逆上させるのだ。
そう、カイザーのように!

ここでボクシング編の経験が生きれば消力特訓が生きる以上に感動ですよ。
よし、ボクシング編最強の敵、ボルトとの激闘を思い起こ……
1ページで済んでいた! 無理ィ!
ここであの激闘を思い起こせとボルトとの戦いが回想で始まったら凄いことになりそうだ。

あるいはボルトが応援に来たりして。
俺たちもいるぜと深町コーチにカイザーにワーレフにクレーザーもやってくる!
ボクシング編のオールスター結成!
なお、怒濤の勢いで省略されたため、大変気不味い模様。



刃牙道(5): 少年チャンピオン・コミックス