刃牙道感想 第75話「アイキ」

渋川先生の怒りの拳が突き刺さった。
打撃力だけで言えば渋川先生は劣ると言わざるを得ないだろう。
それ故に情のこもった一撃だ。
まぁ、本部には勝てそうだけど。
そう言えたのも少し前までなのだが……


さて、渋川先生のメガトンパンチの威力や如何に。
鼻血を流すほどの一撃だ!
鼻血を流せばそこそこの打撃になるのがバキ世界だ。
なので、けっこう有効のようだ。
かつて花山がやった瓦割りの原理を活かしただろうし、単純な打撃に見えて技術を用いていたかもしれない。

この渋川先生の合気を見て三輪の部下の眼鏡(以下、部下眼鏡)は僥倖と称する。
部下眼鏡は武術の心得があるようだし、ならば警視庁で渋川先生の指導は受けているだろう。
だが、実線において渋川先生の絶技を炸裂するのを見たことはないようだ。
合気が机上の空論でないことが証明された瞬間であった。
なお、三輪は寝たままだ。悪いこと言わないから医療室へ運んでやれ。

鼻血を流して武蔵は軽々と立ち上がる。
ノーダメージなのだろうか、それとも痛みを殺しているのか。
武蔵は烈の胴廻し回転蹴りカウンターを受けた直後に縛法をやってのけるくらいだし、ダメージを隠すのが上手い。
合戦で刃物を受けても戦闘を続けていたし、痛みに耐える精神力も持っていることは間違いない。
だが、肉体的にダメージに耐えられるかとなると別の話だ。
意外と渋川先生のパンチは有効打だったりして?

ダチの仇討ちと言や聞こえはいいが」「こんな出鱈目な仇討ち」
「烈海王本人だって」「希望のぞんじゃいねェさ」
「俺が個人的な感情でやったことだ」


まぁ、アンタら、話してさえいませんからな。
ともあれ、仇討ちというのは建前で本音としては武蔵と戦いたいからのようだ。
強いんだ星人は76歳を迎えても健在だ。
それでも烈の仇討ちという感情は多少にはあるだろうとは思いたい。
だって、渋川先生はバキ世界でも屈指の人格者……
あ、辻斬りしてた。今のなしで。

さて、そんな渋川先生の事情を武蔵はあっさりと流す。
口上なんてどうでもいいようだ。
戦国時代では武蔵に対して恨みで向かってきた人間はさぞかし多いだろう。
それ故にいちいち構ってはいられない考えに至っていそうだ。

「凄い妖術わざだな」「掴んだ手が離せない」

「俺の知らぬ技術わざだ」

と、武蔵の興味は渋川先生の技術にあるようだ。
合気は武蔵でさえ知らない技なのだ。
本部曰く、烈の攻撃を受けたのは現代の技術を学ぶためだし、武蔵は現代の技術に興味津々であった。
合気はピクルでさえ刺激するものだし武蔵にとってはなおさらか。

ここで渋川先生は合気の歴史を語る。
合戦において素手のまま、相手を制する技術、捕り手が廃刀令後、柔術へと変わった。
それを武田惣角が合気へと進化させたのだ!
なお、武蔵に話が長いと言われた。
……まぁ、アンタは現代人が興味津々な関ヶ原を短くまとめましたからな。

渋川先生としては合戦の技術の素手の進化形が合気のようだ。
本部は武器を含めて進化したものが柔術と思っている。
2人は源流を同じとしながら違う道を歩んでいた。
これで渋川先生が悲惨な目に遭えば、本部は合気は所詮は合戦の技術の一部を切り取っただけとかドヤ顔で説教するのだろうか。
もうお前は守護れ! 何でラスボスポジションになっているんだよ!

そんな合気道の始祖、武田惣角を越える大天才がいる。
それが俺、渋川剛気!
見事に自分で大天才だと言ってのけた。
これで渋川先生は天才キャラなのだ。
才能に経験が加わっているからこそ、この年齢で未だに第一線で戦っていられるのだった。

「渋川さん」「何が見える………?」

「今朝ほどから…」
「お花畑が……」


お花畑が見えているという渋川先生だが目の前には溶岩が広がっていた。
渋川剛気の護身術が完全に発動している。
ジャックが発していた大きな扉は比べものにならない。
津波や崖を出していた勇次郎と互角クラスか。
それほどの危険度を持つのが宮本武蔵であった。

「俺もだ(はぁと)」

対する武蔵は本当にお花畑が見えていた。
命のやりとりをしてきたのが武蔵だし、護身術である合気は脅威と言えるものではないということか。
合気は合戦の技術から進化したものとはいえ、その過程で殺人を前提としなくなっただろう。
対して武蔵は素手でも遠慮なく殺すことは関ヶ原の回想で明らかになっている。
互いの持つ技術の危険度が違いが表れたのがこの光景だろうか。

古いなれど危険な武蔵の技術と新しいなれど危険さが薄れた渋川先生の技術の対決となるか。
今のところ、武蔵は素手でやりそうなのが救いか。
ピクル編では描かれなかった技術VS技術の展開だ!
次回へ続く。


今回は武器なし?のバトルが勃発だ!
武蔵は素手でもいいと言っていたし、戦えるのなら素手も望むところだろう。
烈も素手の方がダメージを与えているし、背伸びはいかんのだ。
武装するのは本部だけで十分なのである。
今後も花と散るのは本部だけで十分だろうて……

武蔵は素手でも強い。
格闘漫画としてはむしろ素手の強さがもっとピックアップされるべきだ。
この試合で素手に目覚めてくれると助かるのだが。
これで素手に目覚めて本部と戦ったら惨敗しそうになったとかになると悲しいが。
いや、300点本部を素手で制圧してこその大ボスか……?

さて、渋川先生にとって重要なパーツである眼鏡だが、懐にしまったままだ。
いざという時は眼鏡で攻撃してみるか?
武蔵に眼鏡をかけさせることで遠近感を奪うのだ!
けっこう現代の文明に興味があるようだし、なんとなんとと驚いてもらえるかも……



刃牙道 7 (少年チャンピオンコミックス)