喧嘩稼業第55話感想



喧嘩稼業が掲載されていた!
1ヶ月振りである。
掲載してくれることだけが嬉しいと思うようになったのは相当毒されていますな……


試合開始前煉獄、成功!
ここで回想開始、高野とのミーティングである。
高野は試合開始前煉獄は成功すると見ていた。
大分複雑な上に睦夫の動きやそれを徳夫が見るかが絡んでくるプランだが、要点はブザーを鳴らすというものだ。
他の要素はあくまでも成功率を高める味付けに過ぎず、要の部分はシンプル故に高野は成功すると踏んだのだろう。

しかし、試合開始前の不意打ちについて何食わぬ顔で話す辺り、高野の肝も座っている。
十兵衛の影響で喧嘩に目覚めただけのことはあるし、試合開始前の煉獄もそりゃGOサインか。
十兵衛は理想的なセコンドを手にしたと言えよう。
本人の性格の悪さとは裏腹に意外と友人関係は良好なのが十兵衛。

その上で高野の懸念要素は徳夫のセコンドである川上だった。
だが、動けないように試合前に川上にセコンドの判断次第で反則負けになるとプレッシャーをかけていた十兵衛だった。
その上で徳夫の強さを知っているからこそ、川上は状況を注視することに努めて動かないのであった。
ちゃんとこの辺も用意しているとは……
緒戦だからと油断する気がまったくない。全力で勝ちに行っている。

徳夫は煉獄対策を用意していたが、それは大きなダメージを負うものであった。
そのため、反則だから誰かが止めることに期待して防御に徹する。
それに対して十兵衛は血液ドーピングか、プラシーボ効果か、いつもより万全の態勢での煉獄を40秒続ける。
徳夫自身がこれ以上のダメージは立ち上がれないと感じるほどにダメージは積み重なるのだった。
徳夫は天才的なセンスと超人的な洞察力は持つがタフネスはそこまでではないようだ。

さらに審判が止める前に高野自身がリングに割り込んで止める。
これで審判のジャッジが下ることを押さえる。
高野はさらに川上を責めて責任の所在を曖昧にし、さりげなく肋が折れていないかを探るとファインプレイを見せつける。
十兵衛サイドは見事にプランを遂行してのけるのであった。
そして、高野の大活躍っぷりが凄い。
アンタ、自分で戦うよりセコンドとして裏方に回った方が強いんじゃないか?

田島は十兵衛を反則負けにできないと考える。
客が盛り上がり、(十兵衛の演技によるものだが)徳夫も裏拳による反則を行い、ブザーを聞き間違えたと理由も用意されている。
アリはこれらが計画されたものだと言うが、十兵衛のサクラが逃げ出す可能性とよしんば捕まえても作業が終わるまで客を待たせることを天秤にかけて、暴くことはできないと田島は読む。
スケジュールの詰まっているワンデートーナメントだからこそできた計算付くの不意打ちは田島でさえ裁けないものであった。

そこで妥協案としてこの試合を保留にし、最終試合に回して徳夫の回復を待つことにする。
が、それも十兵衛は挑発することで徳夫のモチベーションをあえて上げさせ、さらに中国語と英語で徳夫が試合開始しろとデマを言う。
そういえば、徳夫の英語、非常に拙い英語だったな……
となれば十兵衛の流暢な英語の意味を悟ることはできず制止もできない。
あのカジノの描写には意味があったのだ。
もっとも、あそこで徳夫がディーラーに何かを仕組んでいたので、それも今後に絡んできそうではあるが。

この十兵衛の素早い行動によって会場はヒートアップ、田島の妥協案を実行できる空気ではなくなるのだった。
田島も十兵衛の手腕を認めざるをえなかった。
十兵衛の策は徳夫のみならず田島も凌駕したのだ。
もっとも、今の田島は対岸にいるから実際に仕掛ければどうなるのかはわからないが。

この十兵衛の仕込みに誰よりも感心していたのはまさかのゆう君だった。
最初は十兵衛を雑魚扱いしていたが、あまりの汚さに惚れ込む。
絶対に味方に引き入れたい。
そのためにも、負けろ!
あ、惚れ込んだけど応援は負けろなんだ……
まぁ、勝てば組む意味がなくなるからな……
斬新な応援であった。

こうして十兵衛大幅有利の状況で第2試合が始まった。
主人公のくせに最低に汚いことをしているけれど、策が入念なので格好良く勘違いできてしまう。
だが、徳夫も肋は折れていないようなのでまだ足掻けるのだろうか。
それにしてもちゃんと審判がいる試合なのに、毒を使ったり不意打ちしたりとやりたい放題だな。
これから先もみんな反則をして高度な反則合戦になったりするのだろうか。
第3試合なんて文学VS櫻井で思い切り陰側の2人だし当然反則するだろう。
田島の胃痛はまだまだ続きそうだ……