刃牙道感想 第108話「死合い」



ピクルに素手は無理!
現代の戦士たちは音を上げたものだが、伝説の侍もまた音を上げてしまった。
そのくせ、武蔵は偉そうですよね。
実質、負けなのに負けじゃないように見せるのも武なのか?


いつの間にか武蔵とピクルの試合、いや死合いが決まったようだ。
武器使用可!
ピクルはあれだけやられてよくぞ堪えたものだ。
それでなくとも倒せるうちに倒すのも野性だと思うが……
安全な狩猟生活で勘が鈍ったか?

そんなことを話す現代の戦士、2人がいた。
神心会総帥、愚地独歩!
地下闘技場チャンピオン、範馬刃牙!
刃牙が出てるぅ!?

本部に負けた人間は二度と紙面に出てこられないという逸話がある。今考えた。
本部の弟子然り、柳然り、本部に遅れを取ることは即ちキャラクターとしての死である。
本部に負けるということはそれほど不味い。 再登場する価値のない相手にしか本部は勝てないとも言える。
いや、ジャックには再登場して本部をボコボコにして欲しいけど。

だが、刃牙、無事に復活!
実に第70話以来の復活だ。
気付けば1年近く紙面に出ていなかったんですね。
連載史上でもっとも間隔が開いた形となろう。
でも、不足は感じなかった。
それもこれも本部のおかげだ。感謝しろ。
別に刃牙がいなくてもいいと言うわけではないので一応注釈しておきましょう。

「皮膚の張り 筋肉の盛り 拳のデカさ」「以前より増してるくらいだ」

すっかりコラ画像の材料になってしまった独歩であったが、刃牙の見立てではむしろ成長していたのだった。
肉体と技術のピークを保てるのが55歳までと言っていた独歩だが、推定56歳を迎えても未だに成長していたのだ。
たしかに今の独歩は以前より太さが増している。
引きこもり続けた結果、デブっただけという可能性も無きにしも非ずだが。
……だとしたら、刃牙はお世辞を覚えたな。
範馬刃牙、ピクルに続いて社会を学ぶ。

それは刃牙も同じようで、鍛えていることを独歩は感じていた。
紙面に出ていない間に何をやっていたのか不安だったが、ただサボっていたわけではないようだ。
勇次郎という目標を失ってアクビするだけだったが、今は武蔵という新たな目標に向かって邁進している。
刃牙は根っからの強いんだ星人なのだ。
勇次郎より強ければいい、地上最弱から2番目でもいいと言っていたが、本音としてはやっぱり地上最強が欲しいのだ。
……多分。

「癒やされるなァ……」
「敗けた同士で褒め合ってる」


「いいじゃないか」
「褒め合ってよくなるなら」「ベタベタに褒め合えばいい」


互いに慰め合うような刃牙と独歩であった。
とはいえ、一概に否定できるものではない。
何事にもモチベーションというものは必須だし、モチベーションがなければ何事も捗らない。
ここで愚地デッブさんとか本部に負け男君とか煽るよりは、とりあえず褒めた方がモチベーションというものは得られる可能性は高いのだ。

2人は武蔵とピクルが死合うことを話す。
刃牙は守護って差し上げていただきたい。友人だろう。
でも、いい顔とか言って送り届けるだけか?

ともあれ、死合いである。
烈の時はお互いに武器を持っていたからまだしも、今回はピクルは素手だ。
なので、刃牙はその是非を問いかける。
とはいえ、それは刃牙も人のことを言えない。ピクルに襲いかかったわけだし。
文化のための闘争とかのたまいやがって。

それを独歩が問うと刃牙は武蔵が真面目じゃないと返す。
だが、真面目でなければいけないのか。
独歩はそう問いかけ刃牙はそれは武蔵の言葉だと返す。
ん? アンタ、その台詞、聞いていないはずじゃ……

「親父が俺に告げ口した」

意外! 勇次郎が刃牙に武蔵のことを教えていた!
何かすっかり親子の付き合いって感じですな。
確執がなくなければ相思相愛だからこんなものだろうか。
その愛の1/100でもジャックに与えていただきたい。
さて、勇次郎が刃牙に教えたのは純度が必要かという一連のやり取りだ。
あれは本音かどうか疑ったものだが、後の描写は本音以外の何でもないことがわかった。
この言葉に独歩は驚く。
武に自分の全てを捧げてきたと言い切ったことがあるだけに、武の神様、武蔵の言葉が不純に満ちたものであることには驚愕するのも無理はない。
同時に独歩の答えは武蔵に酷似していたため、意外と武蔵の領域に近付いているのかも。
武神復活なるか?

混沌カオスと云えど徹すりゃおめぇ」「透明感を帯びるってもんだ!」

功名心も極限まで行けば裏返る! 混沌も透明感も帯びる!
まるで原人が蘇り侍が蘇り本部が強い今のバキ界を象徴するような言葉だ。
もはや(主に本部が)クトゥルフ神話の如くSAN値が削ってくる刃牙道だが、それ故に達せられる純度がある!
武器あり本部ありだからこそ描ける純粋な強さもあるのだ。
本部の強さは未だに信じられないけど。

「ガタイはあれだけど精神こころは赤子同然のピクル!」
「片やッッ純度を帯びるまでに出世欲に徹した宮本武蔵!」
「こりゃ純度勝負だぜ刃牙!」


武蔵とピクルの死合いは純度勝負!
互いに純度を極めた存在、なのだろうか。
でも、素手じゃ無理だから武器使うは不純のような……
いや、不純すぎるからむしろ純粋?
うーむ、純粋さとは難しすぎる。
難しいからか、刃牙はノリノリな独歩にちょっと引いている。

この純粋理論からすれば本部も純粋ですな。
300点及ぶほどの重装備! 故に純粋! むしろ、素手と言っても過言ではない!
そんなことを言い出して第2回最大トーナメントにフル武装して出場してみてはいかがか。
今なら優勝できるかもしれんぞ。

一方、武蔵の手にはみっちゃんから無名金重が渡される。
どうやら取り寄せたらしい。
熊本観光はしなかった。震災直後だし仕方ないですな。
これに対して武蔵は珍しくみっちゃんに礼を言う。
今なら飛行機で1日でもあれば到着するが、武蔵の常識としては肥後から江戸までは相当な時間がかかる。
みっちゃんがかなり頑張ったと勘違いしていそうだ。

しかし、結局、遠慮なく金重を取り寄せたんだな。
ピクルの命を何だと思っていやがる。
これが純粋さが極まった悪、純粋悪というものである。

金重を武蔵に手渡そうとする。
その時、金重を包む紐が勝手に解けていく!
金重は妖刀の類か!?
國虎とは背負った重みが違う。
原始人は妖刀に敵うのか?
あと本部はいつ守護るのか。
烈の時は守護失敗したから今度こそ死んで……いや、守護っていただきたいところである。
次回へ続く。


いつの間にか武装武蔵とピクルの死合いが確定していた。
ピクルとしてはとばっちりにもほどがある。
刀が霞むような超重量級と戦って来たとはいえ……
この辺で一切の躊躇をしないのが武蔵の強さか?

そして、武器を使うことに躊躇しないのは本部も同じである。
この死合いを止められるのはもはや本部だけだ。
守護るとかじゃなくてお前が死合うんだよ!

武蔵は妖刀を携えて完全武装だ。
本部も300点では足りまい。
なので、さらなる武装を着込んだフルアーマー普段着本部が必要だろう。



そんなわけで最近のニチアサで頑張っているガンダムUCの主人公の最終機体、フルアーマーユニコーンみたいなのを本部に期待したい。
何か足し算で強くなるみたいなので武装を詰め込めば詰め込むほど強くなる!
なお、フルアーマーユニコーンは最初は武装をたくさん装備しているが、どんどん脱ぎ捨てていき最終的には素手で戦っていた。
つまり、フルアーマー普段着本部もそうなる?
迷える武蔵の魂をソフトチェスト本部流で解放だ!
あれ、素手になるって著しい弱体化じゃ……