刃牙道感想 第117話「筋」



ピクル、いきなり一刀両断の危機だ!
武蔵の剣は殺人ブレード、メインキャラだからとて容赦はしないぞ。
容赦してくれ(命令)、ください(懇願)、お願いします(平伏)。


武蔵が刀を抜くカットから始まる。
片手で斬ったかと思ったらちゃんと両手を添えている。
そして、やっぱりというか、誰かを斬る時はあの特徴的な持ち方をしていない。
あれは破壊するための持ち方であり、刀を振るための持ち方ではないのだろうか。
振るだけで刀を破壊するというのは逸話になるだろうから必死に身に付けた技術だったりして。

この全力の一閃がピクルの顔面に突き刺さる。
しっかりとめり込んでいらっしゃる……
そして、引き斬る気満々でいらっしゃる……

直後に待ち受けるのは間違いなく地獄だ。
刃牙と郭海皇には衝撃が走る。
共に深い繋がりを持つ烈海王を武蔵の凶刃によって失った過去を持つ。
独歩は目を閉じる。
ちと情けないが殺されかけた経験を持つ。
というわけで、グラップラー一同としても生存は絶望的なようだ。

「とッ!!?」「止まってる!!?」「力すっげ…」

「ぬぅ!!?」

だが、ピクル、まさかの空中で停止!
たしかに全力で放たれた武蔵の剣が止まっている。
全力で突っ込んだピクルの勢いを止める武蔵が凄いのか?
いや、真っ二つになっていないピクルの方が凄い。
これには武蔵も唸る。
引き斬らなかったとかではなく、完全に想定外の事態が起きているようだ。

「武蔵の―――」
「剣が――――」
「止められている!!?」
憤怒いかりの表情かお筋とッッ」
「原始の上半身からだ筋でッッ」
「武蔵の刃を止めたッッ」


ピクルは筋肉で金重の一閃を止めていた!
正中線に筋肉はないとか、そもそもそれは無理だとか、そんな理屈を全部吹き飛ばす脅威の肉体力である。
刃牙道になってからグラップラー一同はやや弱体化した気がする。
そのもっともたるが最強クラスのジャックが本部に不覚を取ったように、肉体が武器に負けることが増えた。

だが、今ピクルはその全身で武器を凌駕した!
これにはちょっと感動してしまった。
毎度のことながらとんでもないツッコミどころなのだが、思わず胸を熱くしてしまう。
最高の筋肉は最高の武器に勝るのだ!

しかし、憤怒の表情筋ってそんなにブチギレていたのかよ、ピクルさんや。
そんなに武蔵のことが嫌い……と言うわけでもなさそうだ。
前哨戦で抱いた感情は好意だったし。
やっぱり、刃牙か? 刃牙なのか?
何を偉そうに顔を出しやがってこの妖術野郎と憤怒っていたのかも。

「天晴れなり肉の宮……」

このピクルの偉業には武蔵もただただ冷や汗を流す。
現代の戦士を砕いてきた常識を越えたピクルの筋肉の凄まじさは戦国最強にも通じるものなのだ。
高層ビルを破壊できる金重(自称)だが、200kgの肉の宮の両断は不可能だった。
人間の、生物の持つ可能性をピクルは見せつけたのだった。

ギャドッ

そして、武蔵に生まれた動揺をピクルは右フックで打ち抜いた。
武蔵が殺人ブレードならピクルは殺人パンチである。
武器に負けはすれど砕かれなかったジャックの肉体さえ砕いている。
これが顔面に直撃するとなれば、不思議とタフネスに優れる武蔵とてただでは……
あ、血とかは出ていない。けっこう平気そうだ。
何だかんだでピクルの突進を止める威力が金重による一閃にはあった。
なので、パンチの威力も半減したのかもしれない。
だが、大ダメージには変わりなく金重を手放し倒れる。
肉体による一矢を報いたのだった。
これには現代の格闘家たちも頑張らんと。
あとせっかくだから声出して驚け、加藤と末堂。
ピクルの顔面に張り付いた金重はピクルの表情が緩むと同時に離れる。
同時に顔面から上半身にかけて出血する。
さすがに皮は斬れたようだ。
だが、肉で止めることには成功した。
とはいえ、何回も斬られると厳しそうだ。
予告通りに出血死の可能性が高い。

ピクルの超タフネスに刃牙は冷や汗を流す。
餓えたピクルの全力を見るのは刃牙も初めてだ。 このピクルと戦っていたら刃牙は危うかったであろう。
肉をたらふく食わせて助かったな。

ピクルは金重を拾う。
拾って原始の感性は金重をどうするのか。
とりあえず、折っておくか?
次回へ続く。


ピクル、日本刀を受け止める!
時には憎たらしくもあったピクルのタフネスだけれども、こういう時には大変頼れる。
何か久し振りに旧来のバキシリーズらしいことになった。
そうなのだ。グラップラーは武器など叩き砕くのだ。
何というか……ふふ、大変スカッとしましたよ……
もっとも、ピクルはグラップラーというか人間なのかさえ怪しいけど。

ピクルの全力の筋肉なら日本刀さえ止められる!
如何に日本刀と言えど筋肉には敵わないのだ。
最高の筋肉と最高の侍が激突すれば筋肉が勝る。
これを証明できただけでも十分な偉業だ。
……なので、そろそろ本部が守護りにきて手打ちになりません?

勇次郎は日本刀を避けた。
なので、勇次郎でも日本刀に勝てないかと思った。
でも、勇次郎もその気になれば同じように止められたのかも。
武蔵の見立てだと勇次郎の肉体も日本刀では断ち切れないみたいだし。
それでもかわしちゃったのはやっぱり日本刀という武器と武蔵という侍を知っていたからかも。
ピクルの起こした奇跡は無知故の奇跡でもありそうだ。

さて、ピクルが金重を持った。
これからどうするのだろうか。
とりあえず、恐竜の牙や爪を思い出すのは確定としてそれからだ。

1.金重を折る
これは恐竜の武器と同様!
さっさと壊そう!
ピクルは無知ではあるけれど愚鈍ではない。
けっこうな知恵を持っているので頭が回る。
なので、防いだとはいえ金重の危険性に気付くことだろう。

これで愛刀を折られて怒った武蔵と素手の戦いが開始!
死者が出る可能性ががくんと下がるので何卒……
武蔵が食われそうになったら本部を差し出そう。

2.金重を振る
とりあえず、振ってみる!
その際に原始の筋肉でへし折ることを期待する。
武蔵は奥義無刀で戦ってもらおう。

3.金重で戦う
原始が道具に目覚めた!
ここで野性が道具を使った時点で負け、つまり技を使わせた俺は勝ちと刃牙が調子に乗る。
これで武蔵が一刀両断されたら強い人が武器を持てばそれだけで強くなることが証明されてしまうので悲しい。

4.本部が出てくる
本部が解説をした瞬間、災いが起こる!
いいから、アンタはこの隙にペンチで金重を折ってこい。
多分、ピクルに殴られるだろうけど我慢しよう。


ついでに今回の巻末コメントで板垣先生は「ピクルのコントロールに手こずらされる」と書いている。
勇次郎に勝りかねない最強というか無限大のフィジカルですからな。
ここまででも最強の打撃のマッハ突きと戦わせてみよう!
……ピクルには通じないよね。
マックシングを発動させた最強のジャックと戦わせてみよう!
……ピクルには通じないよね。
と、最大級の試し割りをしてもピクルの持つ可能性にねじ伏せられてきた。

刃牙道でも出してみて武蔵と戦わせて、ちょっと調整してピクルタックルが武蔵に通じなくした。
が、それはピクルらしくないということで今回の金重に耐える展開になったのだろうか。
この暴走列車を止めることは武蔵と言えど至難を極めるに違いあるまい。
そして、本部は守護れん。
無駄死に確定だからしゃしゃり出ないのは正解だったか。

それにしてもこれだけの面子が集まって解説とかしないのは寂しいな。
次回はとりあえずピクルの心境から始まるだろうけど、それを加藤と末堂が代弁してみてはいかがか。
君たちの最後の出番かもしれないのだ。
燃え尽きる覚悟で驚愕せい……