刃牙道感想 第120話「斬り込む」

金重がピクルの肉体に斬り込んだ!
あの、そろそろ勘弁してください……
本部さん、守護ってください……
本部の身体に刺さっているのならいいんですけどね。


「筋肉は最柔さいやわになる」
「最強の直前最柔さいやわになる」


投げる、飛ぶ、打つ刹那、筋肉は最柔になるとモノローグで語られる。
さいやわとはなかなかない読み方ですな。
攻めの消力はこの理論を極限まで強調しているのかも。
こうした理屈はバキシリーズにおいて、消力を初めとして度々描写されている。
最強の前の最柔という点ではゴキブリダッシュや真マッハ突きにも共通することだろうか。

「ここ…ッッ」

その僅かな瞬間を武蔵は狙う。
ピクルの左胸を袈裟斬りした!
あ、あの……刀、メッチャめり込んでいるのですが……
心臓まで届きそうなのですが……

この斬撃によってピクルの胸が裂けて大量の出血がされる。
ついに直撃してしまった。
初手で刀を防いだから何とかなるかと思いきや、弱点を突けば原始の肉体と言えどどうにもならなかった。
全然役に立っていねえじゃねえか、主人公! お前の楽観的な見方は何だったんだ!

ピクルの血が客席まで飛び散る。
大量にもほどがある大出血だ。
ここまで斬り込まれれば動脈も切れているだろう。
並みならぬフィジカルを持つだけに水道管が破裂したかのような勢いで出血してもおかしくはない。

「決着だ…ッッ」

「十分…ッッ」

「お見事なり両雄…ッッ」


この惨劇を前に刃牙、独歩、佐部は決着だと見る。
刃牙でさえ諦めるほどの深手であった。
もう原始の肉体とか言っていた男の言葉とは思えませんね。
やはり、こいつの言うことは信用してはならない。
あと佐部。
アンタは最近、存在感をやたらと主張しているけど、そういうのは本部一門にやってもらいなさい。

「勝負有りだ徳川さんッッ」「もう十分でしょうッッ」

ここで紅葉がみっちゃんに物申す。
これで紅葉は医者である。
最初期のマッドドクター時代ならいざ知らず、改心してからは人命第一主義となった。
ジャックに警告を発したり、決勝戦を止めに行ったり、ピクル戦後の刃牙の容態を見たり……
紅葉は知らぬ間に非常識人揃いのバキ世界において、最大の良識人となっている。

というわけで、今回のドクターストップをかけた。
そりゃそうなりますわな。
人類の宝、ピクルが殺されかけている。
例えピクルでなくとも人が殺されかけているのだから止めるのが人間というものである。
命は大事なのだ。生きるのを諦めるな!

「決着を決定きめるのは当事者2人のみ」「ワシらはその決着した後宣言するにすぎん」

このクソジジイ、したり顔で何言ってやがる。
もうみっちゃんから良識というものは完全に消えてしまったようだ。
ピクルが烈を喰おうとした時、止めようとした過去はどこへ。
ピクルが克巳を喰おうとした時、止めようとした過去はどこへ。
烈の死を悲しんでいた過去はどこへ。
というよりも、烈の死がきっかけで生死を賭けた戦いに目覚めてしまったようだ。
巨悪、徳川光成。ここに極まれり。
グラップラー一同は全員でこいつを殴っていい。

もはや本部しか頼れぬ。
お願いします、本部。
アンタのことを散々ネタにしてきたし、金竜山以下と馬鹿にしてきたけど、もうバカにしません。
アンタが守護らずに誰が守護る。
今度こそ守護らねばアンタのことをさらにネタにしまくる。

「食ったな」

だが、武蔵もノーダメージではなかった。
左肩の肉が僅か一瞬で食いちぎられていた。
ピクルの咬筋力はグラップラーの鍛え上げられた筋肉でさえ簡単に噛みちぎる。
それは武蔵の筋肉も例外ではなかった。
ここまで一瞬だとアラミド繊維だとしても関係なく噛みちぎっていそうである。

「……………さすが…」

刃牙はピクルの一撃に驚愕していた。
信頼した甲斐がありましたな。……あったのか?
さすがと言いながらも、刃牙がピクルの噛み付きを見たのはこれが初めてだ。
克巳の時にも噛んでいたけど、あの時は既に壊れかけていたし軽い噛み付きで食いちぎれそうだ。

「当たり前だ……」「克巳館長食ったピクルだぜ」

そして、末堂も同じく驚愕する。
いいぞ。お前の居場所はやはり驚き役なのだ。
あと克巳が食い殺されたかのような言い方は止めて差し上げろ。
克巳、まだ存命していますから。
食われたと言いながらも食ってませんから。
空腹のまま、帰路に着きましたから。
この辺の誇張する驚愕が何か末堂って感じだ。

ピクルは重傷を負っていたが構わず武蔵の肉を食べている。
相変わらずというか、戦いの中でも食欲を優先している。
けっこう命危ないと思うのですが……

「旨いのか」「俺は」
「血だらけの深手……」「それでも尚旨し……と」
「悪い気はしない」


肉を咀嚼するピクルを前に武蔵は笑う。
アンタも大概にイカれていますな。
楽しそうにどう斬り殺すかを夢想するだけのことはある。

心臓に達しかねない切り傷と肩の肉を丸ごと食われること。
どちらのダメージが大きいのかは判断しがたいが、とりあえず相打ちに終わったのだった。
なお、肩の肉が食われれば普通なら腕が動かせなくなるが、烈の件を見るに余裕でしょう。
あの人、食われた腕で崩拳を出したし、その後、片足を食われた身体でマッハ突きしたし。

「やはりここは…」
「首か…」


いや、首は勘弁してください。
本部にガチで守護ってもらわんとヤバいですよ。
この期に及んでも武蔵はピクルを斬り殺す気である。
ここまで来るともうお互いに殺し合うしかない感じですな。
君たちは文化としての闘争を学んでください。
あとみっちゃんはくたばれ。

「なぁぴくる」
「血肉にならんだろ」「それっばかりの肉では」
「頭だ」「ここからゆけ」


武蔵は頭を柄で叩いて挑発する。
肉を食われたというのに全然取り乱していない。
何せ槍とか刀で斬られるような人生を歩んできましたからな。
この程度の傷は驚くに値しないということか。
混乱してグルグルパンチをした烈とはメンタルの桁が異なる。

「言葉は解さない……」「しかし――」
「気は通ずる」
「侮られてる」


武蔵のこの態度にピクル、完全にキレる。
どれくらいキレたかと言うと、主人公面した男にムカつく顔で妖術を使われて金的された時くらいにキレる。
なので、ピクルの背中に疵痕が浮かび上がる。
(そのクソ主人公面した男に封殺されてあまり凄い印象のない)最終形態だ!

「最終形態だ…」「間に合えッ」

唯一、最終形態と向かい合った男、刃牙が反応する。
この「間に合え」とは何ぞ。
やはり、本部か。
最終形態を出して本気で殺し合いを始めれば本部が間に合ってもどうにもならんと思うのですが……
これがもし本部のことだとしたらこの土壇場で他力本願という実に範馬刃牙ムーブである。

「おお~~…」「人間ひとか…!?」

激怒するピクルに対し武蔵は驚きはすれど恐れてはいない。
恐怖のブレーキが壊れていますな。
生き死にの戦いを幾度も潜り抜けてきた人間が辿りつく境地か。
あと最終形態に驚いているけど、今回は身体の変化が描かれていない。

そろそろ最終形態の具体的な意味について解説を願いたいところだ。
頑張れ、ペイン博士。
アンタしか解説できるのはいない。
本部はもう解説は置いておいて真面目に守護ってください。
次回へ続く。


ピクルは大ピンチを幾度も迎えつつもそのフィジカルで何とか生きている。
ただ、このまま斬撃を受け続ければ確実にヤバいし、首を狙われると困る。
水牛並みの頸椎で防いでも頸動脈真っ二つは確定ですよ。
いや、本当に本部の対戦車ライフルで金重を撃ち抜いてもらわねば……

武蔵は金重を使ってピクルを追い詰めている。
追い詰めてはいるが倒し切れていない。
ピクルの肉体は武蔵の想像以上であった。
現状はピクルVS武蔵というよりピクルVS金重と言った感じである。
いや、金重を佐部が持っても瞬殺されるので武蔵の力量によるものは大きいとはいえ、あまり2人の戦いとは感じられない。

ここまで来るとピクルに刀が通じるのはよくわかった。
勇次郎だって刀で切れたし全力でかわしていた。
そりゃ、ピクルだって切れますよ。そうなりますよ。
なので、ピクルに武蔵自身が通じるかの方に興味が湧いてくる。
……刀を捨てられませんかね?
素手斬撃だって勇次郎に放った段階では完成間近みたいだし、ここで完成させるために素手になっても……

さて、最近のバキでは今まで登場したキャラクターの紹介をしている記事がある。
前回はサムワン海王。
……良かったな、扱ってもらえて。
思わず笑ってしまったよ。

そして、今回は楊海王である。
楊海王はTHE・イマイチな男だ。
いや、オリバ相手に油断せずガチでやっていたら……
まぁ、負けていたけど、タフネスをちゃんと活かせたかもしれない。

楊海王と言えば曲芸……じゃなくて、金剛拳の使い手だ。
肉体をダイヤモンドとすることを旨とする!
そして、ダイヤモンドは硬い……というよりも、引っかき傷に強い。
刀で斬られても多分平気だ。
なので、そこに対武蔵の鍵があるのではないでしょうか。

本部が乱入しても殺意満々なピクルと武蔵のサンドイッチにされれば真っ二つにされた挙げ句、さらには食われてしまうだろう。
グロ画像にもほどがある。
だが! 本部が金剛拳を身に付けていれば! 金重の一閃を防げるかも!
今、金剛拳が熱い。
なお、ダイヤモンドは衝撃には弱いのでピクルパンチで本部の身体は粉々に砕ける。