刃牙道感想 第124話「祝福(いわ)い」

本部がついに戦場いくさばに立つ!
まぁ、何というか、……本部なんですよね。
だが、今の本部は刃牙とジャックとピクルを生け贄カードに捧げている!
今の本部は神のカード!
でも、本部なんですよね……


「なんとめでたい「日」もあったものだ」
「「夢」を追いかけ…」
「愉しみ継続つづけん幾十年……」
「そいつが今宵報われる」


本部は生粋の武人である。
生粋の武人……なんだよね?
金竜山につまづいたけどそうなんだよね?
よし、わかった。金竜山のことは忘れよう。
このムジュンを背負ったままでは話が進まん。感想も進まん。

本部は武の頂点を目指した。
そのために武芸百般という現代社会では、転じてグラップラー社会で評価されない努力を続けてきた。
それでも諦めずに夢を追いかけ続けた。

この報われない可能性のある努力を楽しみながら数十年続けたのが本部の凄まじいところである。
普通なら成果の出ない努力にくじける。
グラップラーたちには負けているし努力が否定された現実は幾度も続いている。
だが、本部はくじけずに努力し続けた。
小説家になろうに数十年投稿し続けるようなものである。

そして、今武蔵という武の頂点と対峙しようとしている。
これはたしかにめでたい。念願が叶うとはまさにこのことである。
小説家になろうに数十年投稿し続けて書籍化が決まったようなものである。
めでたすぎて死んでも悔いはなかろう。死んでもいいぞ。

「「清酒」の霧で――――」
祝福いわってやろう………」


本部は手に持った酒瓶、武運を口に含む上空に吹きかける。
それを霧として纏い地下闘技場に入場する。
まさかの演出付きで入場だ。
今の本部は演出力も一流!
……なのか?
というか、自分で自分で祝福するなよ。
祝福は誰かにしてもらうものではなかろうか。
これが世に伝わる頑張った自分へのご褒美か?

この本部の入場に皆が驚く。
だって、本部ですよ、本部。
そりゃ驚きますよ。
刃牙道になって冒頭で修行していたシーンみたいに驚くよ。

武蔵は本部のことをちゃんと覚えていた。
覚えていた!
読者ももちろん覚えていますよ。
覚えているが故にそのギャップに苦しむのですがね。
記憶喪失になって別れたかつての恋人の想い出を語るような辛さを感じている。

本部は今朝を振り返る。
早朝からフンドシ一丁で水浴びをしていた。
その肉体は鍛え上げられて……いるのか?
腹筋はあまり割れていないしお世辞にも肉体美とは言えない。
だらしねえな、本部。
乳首を見せて色気をアピールしているけど、その皮下脂肪は誤魔化せんぞ。

でも、昨今はぽっちゃりっ娘が萌え属性としてのポジションを得ている。
つまり、本部はそういうことなのだ。
本部流は古流なだけでなく現代にも対応しているのだ。

「この五体……」
「よく……付いてきてくれた…」
「俺の我が儘に」
「おまえらは今宵報われる」


水浴びをしながら本部は自分の肉体に感謝する。
あ、知ってる! これ、パクり! 独歩のパクりだ!
本部と言えば独歩大好きである。
なので、ここでパクリスペクトしたのだろう。

そんな本部に来訪者が現れる。
独歩の時は夏恵さんが激励にやってきた。
死地に向かうのだから最愛の人に送り出してもらいたいだろう。
つまり、本部なら!
……花田か?

「渋川先生!」

花田じゃなく渋川先生でした。
残念。
渋川先輩呼ばわりじゃないんですね。
本人を前には慇懃な態度を見せないわきまえている本部であった。

この2人の関係はよくわからない。
師弟関係は特にないだろう。
わかることは第1試合の時、本部は渋川先生を侮っていた。
第2試合(昂昇)と第3試合(独歩)の時もわりと侮っていた。
第4試合(ジャック)でやっと畏敬の念を見せ始めた。
渋川先生の評価の移ろいは本部の弱点である先見の明のなさを象徴していると言えよう。

渋川先生は本部が武蔵と決戦する覚悟を持っていることを知っていた。
渋川先生は武蔵に完敗した。
前例からすれば本部も即一刀両断されて終わりである。
だが、今の本部なら……本物の武をいつの間にか身に付けた本部なら……
わかっているからか、渋川先生は止めないのであった。

ここで渋川先生は本部にどれくらい稽古をしているかを聞く。
渋川先生は本部が何十年も報われないかもしれない努力を続けていることを知っているのだろう。
この努力がどれほど辛いものか……どれほどの熱意で向き合っているのか……
それを稽古という物差しで測ろうとしたのだろう。
数日に1度くらいならまずは横綱を血祭りに上げるところからやり直せと言う気かもしれない。

「日に数度」

「ほう」「日に数度もケイコするか!」

「いえ…日に数度」「心が「武」から離れます」
「道場を離れての日常…」
「歯磨き 食事 他人との関わりに伴う喜怒哀楽」
「そんなときフ……と」「「武」を忘れてしまうことに気付きます」


本部は日に数度だけ武を忘れるほどに武に首ったけであった。
常住坐臥、武に身を置いている。
平和な日本でこうした心構えで生き続けるのは極めて難しいだろう。
そんな生活を数十年間続けている。
本部以蔵、(多分)本物であった。
こんな生活を続けていれば心身を消耗して大舞台で実力を発揮しきれない可能性もあろう。

で、稽古はどれくらいしているんですか、本部さん。
話題を逸らそうたってそうはいかんぞ。
ちゃんと稽古をしないとダメだぞ。
武を思っているだけだと強くなれんぞ。
それとも武蔵復活までの1年間、山で死ぬほど稽古したのか?
それで数十年間蓄えてきた妄想が爆発したか?

「まるで男と女」「恋愛関係だ」

「まさに仰るとおり」
「手に入らないから継続つづけられます」


手に入らないからこそ、続けられる。
これは納得の行く言葉だ。
努力というものは何もないからこそできるものなのだ。
だが、まったく先の見えない目標を想い続ける……
これは凄まじいことである。
同時に本部のこの精神性はどこから来ているのだろうか。
本部は克巳並みに成長している……と思うけど、どうも腑に落ちないのは成長した理由や自分を支えるモノがわからないからか。

さて、回想を終えみっちゃんは本部を止めようとする。
まぁ、そうなるな。
本部だし。
でも、いいよなと思っていたんじゃなかったのか?
やっぱり、本部ダメと思い直したのか?

その時、渋川先生が立ち上がり拍手をする。
この拍手に呼応して独歩が! 刃牙が! ガイアが! 末堂が拍手する!
何で末堂?
わきまえろよ、末堂。
……誰よりも何よりも忘れられたのは花田だな。

しかし、この時のガイアの顔が、こう、……コイツ、終わったな。
今のガイアは超軍人ではなく本部の弟子のようだ。
本部の弟子と言えば花田、加藤、末堂である。
ここに本部の弟子四天王が完成した。
ガイアがこの3人と並ぶ時が来ようとは……

「ほら……」「ああ言ってるぜ(はぁと)」

本部は皆からの拍手を受ける。
この拍手の意味はわからない。
長年の夢が叶ったことを祝福しているのか。
それとも守護者ぶった特攻隊がやっと特攻してくれて溜飲を下げたのか。
だが、今の本部は歴戦の猛者、あと本部の弟子に拍手されるほどの人間!

この期待を真っ正面から受け止めるのだった。
これは次週には試合開始か?
てっきり1ヶ月はもったいぶるかと思ったが今の本部は猛っている。
今の本部は本気で守護る!

でも、本部さん。
みんなが急かすからみたいに言っているけど、武蔵は肩を食いちぎられているからこのまま始めればアンタの有利だ。
ぱっと見圧勝とはいえあのピクルと対峙した以上は疲労もしているだろうし、どうみてもフェアではない。
でも、有利な条件を得られるのなら遠慮なくそれを掴み取るのも武か?
ダメだ、セコくてあまり応援できねえ……
次回へ続く。


本部、試合場に立つ!
どうやら本気でこのまま始める気らしい。
このまま始めたら前述通り汚い。
汚いが、ここまでやって始めないのもないだろう。
幸い武蔵がやる気を出していて良かったですね。

本部は今回そのそこそこに鍛えられた肉体が披露された。
間違いなくフィジカルには期待できない。
やっぱり、武器か。
でも、今回の本部は武器を持っていない。
唯一の手に持った酒瓶は置いてきた。
濃硫酸とかニトログリセリンとかに期待したけど普通に酒のようだ。

となれば、隠し持った武器となる。
でも、どれもこれも小型だし刀に対抗できるのか?
まぁ、背中に木刀を隠していたほどだし、日本刀を隠し持っているかもしれないけど。

本部はここに至るまでやたらと期待を集めさせた。
かなり無理のあるパワーアップであった。
その真価がついに明らかになろうとしている!
今、全国の視線が本部に集まる。
本部は死線を潜り抜けることができるのか……
でも、パワーアップが無理ありすぎるから死んでもいいやと思わせているのが本部の不幸だな。
とりあえず、解説しよう!
本部らしい本部を見せれば好感度を得られるさ!