ストーリー

――封王森国フェルアルナ。
そこは水と緑に包まれた潤沢な自然資源に恵まれた国であった。
国民もその自然を象徴しているかのように穏やかで、災厄こそあれど戦争はない平和とも言える国であった。
だが、フェルアルナは峻険なる山脈に東西南北四方八方を包まれており、他国からの訪問を自然と拒絶していた。
故にフェルアルナを訪れる人々は少なく、外界から隔絶した国として存在していた。

しかし、少ないとはいえフェルアルナに訪れる人々はいた。
あるいはフェルアルナを飛び出し外の世界へと踏み出した人々もいた。
それはフェルアルナと外界を繋ぐ僅かな接点であった。
――だが、ある時を境にそんな僅かな例外さえも消え失せた。
フェルアルナより訪れる人々は絶え、フェルアルナに向かった人々は二度と戻ってくることはなかった。
やがて、外の人間にとってはフェルアルナという国は、忌避と畏怖の象徴となった。
その頃にはフェルアルナを目指す人間は誰一人としていなくなっていた。

その中で一所に留まることなく世界中を駆け巡る放浪者、マリスティア・エリクシルはフェルアルナへと足を向ける。
彼はもはや伝説とさえなった国、フェルアルナの中に足を踏み入れることに成功する。
彼を待っていたのは噂に聞く通りに豊かな自然環境。穏やかな国民。
ある種、不自然なまでに平和なフェルアルナそのものであった。

そこでマリスはユーカ・フジワラとミゾカ・フォルティアと出逢い――
時を同じくして超越者『10人の王と姫』と対峙する。
出逢いと出遭い。
その偶然が持つ意味さえ知ることもなく、3人は『10人の王と姫』の戦いにその身を投じていくのだった――……