漫画版シンフォギア #.01



シンフォギアを語る上で漫画版も外せない。
何せ脚本金子彰史だ。
金子彰史の色が大分反映されている。
また、作画は吉井ダンとキャラデザが直々に担当している。
シンフォギアの血を色濃く継いでいるのだ。
そんな漫画版シンフォギアについて軽くだが語っていきたい。


・あらすじ
時系列はツヴァイウィングのライブよりも前。
二課は自衛隊との演習でシンフォギアの圧倒的なアピール、シンフォギアの対ノイズ戦での戦力としての正式に採用されようとしていた。
だが、広木防衛大臣はシンフォギアの大きすぎる戦力と人道的な見地からそれを却下する。
それと時を同じくして会議が行われた基地をノイズが襲撃。
基地に駐屯していた自衛隊はノイズに対抗する術もなく次々に炭素分解されていく。

この絶対的な危機に奏と翼はシンフォギアを鎧い出撃。
ノイズの危険性の高さ及びそれを打破できるシンフォギアの有用性と特異性を披露。
奏と翼の活躍によりノイズは撃破。
その結果にはお上も首を縦に振らざるを得ず、シンフォギアは承認されることとなる。

一難去った一方でツヴァイウィングとしての奏と翼にはリハーサルが待ち構えていた。
戦姫であると同時にアーティストである2人には戦場はひとつだけではなかった。
だが、アーティストとしての戦場を前にした2人の表情は晴れ晴れとしており、2人は歌が好きであることが伺えた。
そして、響もまた未来からツヴァイウィングのライブへと誘われていた。
奏と翼、響と未来はこの時、お互いに待ち受ける運命を知る由もなく、ただ笑顔でライブに待ち望んでいた……


・キーポイント
-本編開始前のエピソード
漫画版第1話はアニメ版よりも前のエピソードとなっておりオリジナルエピソードである。
この段階ではまだシンフォギアが正式に承認されていない。
こうした「強ければ別にいいわけじゃない」舞台裏にシンフォギアらしさと金子彰史らしさが感じ取られる。

時系列的な辻褄を考えると若干怪しさが漂う。
というのも第1期第4話で ツヴァイウィングデビュー前?に2人共出撃している。
あれは二課の独断専行によるものなのだろうか。

-オリジナルキャラ
武中陸将補(おっさん)、矢薙内閣情報官(おっさん)、津山一等陸士(青年)!
全員男!
津山一等陸士はこの後に生身でフィーネさん相手に時間稼ぎをすると男を見せる。
脇役までも一生懸命なのがシンフォギア。
そのシンフォギアらしい脇役である。
おかげで緒川さんの出番がなくなったとか……?

-奏と翼
本編ではあまり見られなかった仲のいい2人が見られる。
漫画版では全体的に奏の存在が強く描かれている。
また、翼が津山一等陸士の心配をするなど、第1期では後半まであまり見られなかった翼の根の部分も描写されている。
奏を失う前の翼は普通なのだ。
奏を失った後の翼は様子がおかしかったデス。

-奏の心境
この時点で奏のメンタリティは完成している。
津山一等陸士に生きることを諦めるなと叫び、例え命尽きても自分の歌が遺ることを信じている。
こうした心境に至ったのはやはり第1期第4話で描かれた過去によるものか。
そうなるとやはりあれは漫画版第1話以前になるんだよなー。

-奏のLiNKER
ウェル博士verのLiNKERとは違って錠剤として描かれている。
ウェル博士verは液状かつ注射にすることでより低い密度で十分な効果を得られるようにしたのだろうか。
また、奏は基地内ではLiNKERの入ったケースを首にぶら下げていた。
神出鬼没なノイズの奇襲に対応するためか。
同じようにライブの時も傍らに仕込んでおくということはできなかったのか。
それともLiNKERが手元にあると発作が起きた時に衝動的に使うことを避けたのか。

-ノイズ
シンフォギアの案が却下された直後の登場である。
どうみても了子もといフィーネさんの仕業です。
本当にありがとうございました。
シンフォギアの必要性をアピールするために場をかき回してもらったと見るべきか。

また、地味にノイズがシャッターをすり抜けずに破壊している。
ノイズは炭素分解や透過能力に目が行くが、その身体能力も高めなのだ。

-広木防衛大臣
本編では見られなかった仕事をする姿が見られる。
シンフォギアの案を一番に却下したのも広木防衛大臣なら、
ノイズ襲撃後にシンフォギアの採用を急ぐ他の官僚に難色を示したのも広木防衛大臣である。
これは二課の活動に十分な理由と正当性を用意することで、二課を間接的に支援しようとしていることが伺える。

-双星の鉄槌-DIASTER BLAST-
ガングニールと天羽々斬を同時に振り下ろす奏と翼の協力技であり、漫画版オリジナル技である。
漢字と英語が混ざるのが協力技らしい。
そして、後にこれを用いた名場面が生まれるのだった。

-防人
この時点で翼は防人を自称している。
また、奏も自身の生業を防人稼業と語っている。
つまり、防人はこの段階から健在だった。
決して奏を失って様子がおかしくなった翼が自身を防人防人言うようになったわけではないのだ。

-弦十郎
アニメ本編では絶大な強さにより絶大な信頼を得ている弦十郎だが、漫画版では(作画によるものもあるが)やや線が細い。
率直に言うと弱そう。
事実、ノイズの襲撃にわりと狼狽えている。

ライブで奏を失ってから弦十郎は自身を鍛え直し、シンフォギアはもとい完全聖遺物を上回るまでになったのだろうか。
第1期第1話での崩落によって身動きが取れなくなっていますからね。
衝撃を発勁でかき消せてもいない。

ともあれ、漫画版では弦十郎にはあまりスポットライトが浴びせられない。
クリスの心を溶かしたのも弦十郎ではなく響と未来によるものだ。
思えばツンデレ系女性キャラの心を溶かしたのがおっさんキャラって美少女変身バトルアニメ的に何かがおかしくないか……?
すごくいい話をされたからうっかり見逃してしまっていないか……?


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