バキ道感想 第26話「八角形の土俵」

やっと ついに地下闘技場での戦いが始まる! かも!
でも、相撲協会にとってはやる意味のない勝負なのをどうするんだ、金竜山。
宿禰は相撲の救世主となるのか、あるいは破壊者となるのか。


金竜山は八角形の土俵、地下闘技場の話を持ち出す。
理事長に対して知っているのではないかと聞いている。
強さを志す者にとって地下闘技場の知名度は絶大である。
誰だって知っている。死刑囚だって知っている。
加藤が知らなかったのがおかしかったくらいだ。


「知ってるさ」
「時の兄弟子がプロレスと闘ってる」


当然、理事長も知っていてもおかしくはない。
なので、知っていると答える。
目の前の人が最大トーナメントに出たくらいだし他人事ではないのだ。

というわけで、理事長と金竜山の関係が同門だと判明した。
プロレスとやった力士なんてそりゃ金竜山くらいですよ。
なるほど、慇懃な金竜山と会談に応じているのも同門という繋がりがあったからか。

「横綱龍金剛関」「プロレスラー久隅公平と立ち合った」

そっちかよ!?
いや、そっちかよ!
地下闘技場初公開の時にさりげなく行われた試合の方かよ!
まさかの龍金剛が思い出されましたよ。金竜山再登場よりもこっちの方がビックリだよ。
板垣先生って雑に見えて唐突に妙に細かい部分に触れますな……

「秒殺だった」

そう語る理事長はどこか誇らしげだった。
金竜山や宿禰からは辛辣な評価を下されている相撲協会だが、理事長としてはそうした状況を最善最高と認めるわけではなく、相撲とは普通に強くあるべきだと思っているのだろう。
普通に強く相手を相撲で倒した龍金剛は誇らしいに違いない。

あの頃から相撲の評価は高かったんですね。
龍金剛の相手となったプロレスは斗羽と猪狩で評価を持ち上げたとはいえ、プロレスというよりも個人としての強さだった。
そして、猪狩は路上での何でもありにはまったくついていけず過去の人になっている。斗羽も引退している。
こうして巡り巡って相撲の評価が最高峰に達するとは誰が予想できたのか。

「はい―――わたしも闘ってます」
「あの猪狩完至さんに完敗してます」


金竜山も猪狩との戦いを思い起こすのだった。
あ、なかったことにしないんだな。
ここで「あの本部以蔵に完勝しています」と言っておけば強さ自慢できたのに。
理事長が「本部以蔵? 誰それ?」って返したら完敗してしまうか。

「相撲を取ればよかったのだ」「などせずに」
「もっと―――」
「もっと――もっと――」「相撲に徹し切っていたなら」
敗北まけることなどあり得なかった」


あ、ちょっと見苦しい。
猪狩との試合は完敗を認めつつも相撲を全てを出し切れたとは言い難かったようだ。
相撲に徹すれば本部に勝てるほど金竜山は強いのだ!
本部によるパワーバランス崩壊もこれで収束!!
収束しろ!

だが、猪狩との試合は格闘技をやったから負けたというよりも相撲をやったから負けた気がする。
作られた土俵を気にせず、ダウンを気にせず、ダブルアームを気にせず、そんな相撲のルールを気にせず戦っていたら勝っていた気がする。
あるいは10秒以上の試合にした時点で金竜山としては相撲ではなく格闘技なのかもしれない。
立ち合いから10秒の密度に迫る速攻で決める相撲を展開していれば圧勝していたのかも。

強者ならどんな条件でも勝ってこそ強者、逆に言えばそうした条件に左右されるようでは弱者というのがバキ世界の風潮かと思っていたけど、存外ルールや立ち回りの機微で変わってくるようだ。
本部の大躍進も条件による違いが大きいわけだし、バキ世界全体のパワーバランスの在り方も変わってきている。
こうした条件を踏まえた戦い方をするクレバーなファイターが求められる時代が来ているのかもしれない。

そんな金竜山の話を理事長はあっさりと流した。
付き合ってやれよ!?
せっかく自慢げに話しているのに!
何でもありで強いところを見せた兄弟子は心強くあれど、力士は相撲協会の管理下で陽の当たる場所でちゃんとした試合をすべきというのが理事長の考えなのだろうか。
愚連隊な金竜山と商売人な理事長の差が表れている、……のかも。

理事長は宿禰が何でもありの選手かと聞いてくる。
対して金竜山は力士、ただし古代相撲の力士と答える。
やはり来たか、古代相撲!
やっと宿禰の本性(?)に触れましたな。
オリバがわりと無駄死にしたりとここに至るまで長かった……

というわけで、八角形の土俵、地下闘技場へ場面は戻る。
みっちゃんは宿禰に古代相撲の荒々しさについて訪ねる。
宿禰曰く、拳で打ち合い蹴飛ばし合う。
加えて馬乗りからの打突に眼球への攻撃も認める。
つまりは古代相撲とは地下闘技場のルールそのもの!
宿禰が地下闘技場で戦うのは宿命だったのだ。
それに付き合わされそうな相撲協会の力士はちょっと可哀想だな……

「ワシはまだ君を信用しとらん」

オリバを殺し大関を恥さらしにした宿禰だがみっちゃんは満足していないようだ。
いや、本当に何でオリバは死んだんでしょうね。
オリバを殺したのならそれはもう地下闘技場で戦う資格十分ですよ。
オリバに殺されたシコルスキーを反則ありで戦わせたくらいだからいいじゃないですか、もう。

あるいはさらなる犠牲者もとい戦いを見たいのか?
巨悪徳川の血は今日も贄を欲している!
その贄は実戦派柔術で知る人ぞ知るあの人なんかは如何でしょうか……?

というわけでまた立ち合ってもらうことになった。
宿禰はそれを受けて立つ。
力士だから立ち合いは受ける! 古代相撲の後継者は血気盛んである。
その時、宿禰は背後に漂う闘気に戦慄する。
そこにいたのは開始早々忘れ去られた男、現地下闘技場チャンピオンの範馬刃牙だった。

みっちゃんは現行の相撲ルールならとにかく、古代相撲のルールなら刃牙は大横綱だと言う。
宿禰もそれを認めて力士だと形容する。
古代相撲の力士の基準、わりとアバウトですな。

「だがしかし――」
「せいぜいのところ――」
「わたしの“露払い”だ」


だが、宿禰は刃牙を力士と認めながらも露払いだと言ってのける。
オリバを造作もなく殺したことからブラフとも言い難い。
そして、刃牙はボスキャラとの緒戦では露払い以下のやられ方をするのが伝統だ。
久し振りの出番だけど負けて悲しいのはわかるが涙拭けよ。

こうして刃牙VS宿禰のカードが決まった。
一応、ビッグカードだ。即負けるのが刃牙のお約束だからビッグカードとも言い難いけど。
しかし、これだと相撲協会は誰をぶつけるんだ?
正直、横綱だと金竜山レベルだろうし難しいぞ?
いや、烈ボクシング編のように急に強さの基準がおかしくなって、挙げ句の果てにいつの間にか横綱を倒している扱いになるかも。

ともあれ、やっと物語が進みそうだ。
髪を結ったりトレーニングをしたりと寄り道が多かったけど話が進むのならそれが一番ですな。
あとは刃牙さんがどんなやられ方をするかだ。
とりあえず、笑える死に様を見せてもらいたい。
これで刃牙が勝ったら宿禰編終了して死刑囚リベンジ編開始しちゃいますよ。
……死刑囚の方は楽しみなだけにどうするんですかね?
次回へ続く。