EPISODE1 ガングニールの少女



戦姫絶唱シンフォギアGだ!
(適合者一同に)絶大な支持を得た第1期から歪むことなく、そのままのテンションを叩き付けた続編。
それがシンフォギアGである。
10年来の金子信者の私も、シンフォギアGからは金子彰史の本気と全力と天然を感じ取れずにはいられない。
ならば、見せる側だけじゃなく見る側も一生懸命。
こちらも最短で、最速で、真っ直ぐに、一直線に、戦場(いくさば)に赴くより他ない。
故にあえて最初に言っておこう。
(本編にも感想にも)ついてこれる奴だけがついてこいッ!




いきなりのトータルゲームデザイナー金子彰史!
シンフォギアGが始まろうとしていることを確信するに至る。
やはり、この四字熟語がなければならぬ。

 

第1期は未来(みらい)の未来(みく)から始まった。
今回はマリアとセレナが歌う「Apple」をバックに過去の回想から始まった。
崩れた建物の中でシンフォギアを纏った者は手に見慣れぬ何かを握っている。
起きたのは事故か、事件か、あるいは。



モニターに映し出される影は手に握った何かと同じものである。
これも聖遺物のひとつなのだろうか。
先史文明に人々の運命は翻弄されているのか。
実にワイルドアームズですね。

 

幼き日のマリアは必死な顔でシンフォギアを纏った何者かに声をかける。
髪飾りから察するにセレナだろうか。
妹の身を案じる姉。
これだけで二人の関係がわかる。



開始数分で血涙ィ!
血涙! いきなりの血涙です! 翼さんの十八番、血涙です!
妹。可愛い。健気。
セレナに抱いた先入観をぶち壊すかのような血涙である。
この世界の妹属性キャラは血涙する運命でもあるんですかね?

やはり、金子彰史もといシンフォギアスタッフは歪んでいない。
可愛いキャラが相手でも過酷な運命を迷わずに課す。
媚びないこのスタンスはまさに第1期から何一つ歪んでいない。
血涙一つで決意を語った。
果てしなく重い決意である。
スタッフは別の意味では歪んでいる気がしないでもないがそれは忘れておきましょう。

血涙する中でセレナは何かを呟いている。
当然、開始数分でイロモノになったことを嘆いているのではないのだろう。
嘆かれても困る。防人だと誇ってください。



ナスターシャ教授はマリアを崩落からかばう。
キャラ紹介を見るとナスターシャ教授は眼帯で車いすだ。
だが、この頃は眼帯がない。かばうほどの動きをできたのだから車いすでもない。
この時の怪我で身体に大きな傷を負ったことは容易に想像できる。



セレナはがれきの中に消えていく。
マリアは号泣するばかりであった。
妹ががれきに埋もれれば泣きたくなるし、血涙したのだからなおさらだ。
マリアはただ妹のために戦うのではなく、退っ引きならぬ事情がありそうだ。

シンフォギアGでは敵側に成長のドラマを用意したと金子彰史は語っている。
第1期でも戦争を止めることと両親への想いを背負っていたクリス、純粋すぎるほどの恋を抱いていたフィーネと、
敵側にも多くのドラマが用意されていた。
敵がただ立ち塞がるだけではないのが金子彰史作品の魅力だ。
ヴィンスフィルトなんて世界征服したいだけのバカもいたけどな!




さて、欠けた月が睥睨する現代。
2ヶ月でトップに立った歌姫、マリアが歌う中でサクリストS、ソロモンの杖を輸送する列車にノイズたちが襲いかかっていた。
マリアがどこで歌っているのかはわからない。
翌日に控えたライブのリハーサルなのだろうか。
用語集で明らかになるといいですね。



マリアが歌うのは新曲「Dark Oblivion」だ。
一本調子ではない曲調は謎のノイズ襲撃に合致している。
歌とアニメの融合を目指すシンフォギアのコンセプトは健在である。



ノイズの襲撃によって命を落とす大人は多い。
子供たちに命を賭けさせているのだから、大人たちも命を賭けているのだ。
ワンシーンではあるが、ノイズを巡る戦いの壮絶さとそれに立ち向かう人間の覚悟がわかる。



「大変ですッ! すごい数のノイズが追ってきますッ!」

「連中、明らかにこっちを獲物と定めていやがる」
「まるで何者かに操られているみたいだ」


ここで響とクリスが登場だ!
響は珍しく私服だ。
第1期第5話では任務中、それも学校が関係ない時刻だったのに制服だった。
私服でいたのは第1話のライブとデートの時だけである。
Gでは私服のバリエーションに期待できるのであろうか。

クリスはノイズの動きに違和感を感じていた。
さすがは元祖ノイズを操る人だっただけのことはある(上手く使えていたのかは別として)。
また、二課に協力していることがわかる。



「こちらとの距離を伸びきった瞬間を狙い撃たれたか」

新しい二課本部?で弦十郎は戦況を見据える。
二課からの援護を期待できない状況らしい。
これはつまり敵が弦十郎の脅威がどれほどのものかを知っていることだ。
弦十郎は適合者3人がかりでもアドバンテージを取れなかったフィーネを生身で、単騎で圧倒している。
ノイズを使っても分が悪い相手だ。
その弦十郎を封じてきた。細心の注意が伺える。
……こんなことを真顔で書けるからこのアニメは怖いよ。



「何者かがソロモンの杖強奪を目論んでいると見て間違いないッ!」

第1期の最終決戦で力を振るった3つの完全聖遺物、デュランダル・ネフシュタンの鎧・ソロモンの杖の中で、
一つだけ現存しているのがソロモンの杖である。
(デュランダルとネフシュタンの鎧は対消滅を起こし消滅した)
統制されたノイズの行動、二課の戦力を見越した戦術、敵は一筋縄ではないかないことがわかる。



「3ヶ月前、世界中に衝撃を与えたルナアタックを契機に日本政府より開示された櫻井理論」
「そのほとんどが未だ謎に包まれたままとなっていますが回収されたこのアークセプター、
 ソロモンの杖を解析し世界を脅かす
 認定特異災害ノイズに対抗する新たな可能性を模索することができればッ!」


新キャラのウィル博士は第1期からGまでの空白の3ヶ月間の情報と現状を丁寧に説明してくれる。
実質的にフィーネが構築したであろう櫻井理論は現代文明の手には余るもののようだ。
だからこそ、響たちが未だに戦っているのだろう。
シンフォギアシステムが汎用化されれば、弦十郎が着込むだけでシンフォギアが終わる。

さて、アークセプターという単語はWAシリーズに出てきたものだ。
WA3では物語のキーアイテムとして登場し、WA:Fでは固定武器というちょい役になった。
セルフパロディのスタイルは健在だ!



「そいつは――ソロモンの杖は簡単に扱っていいもんじゃねえよ」

「クリスちゃん……」


だが、クリスの心中は穏やかなものではないようだ。
ソロモンの杖は人を殺すだけの存在、ノイズを操る力だ。
それ単体では平和利用に繋がるものではない。
このことを一番知っているのはソロモンの杖を起動させたクリスか。



「もっとも、あたしにとやかく言える資格はねえんだけどな……」

クリスは表情を曇らせる。
クリスはソロモンの杖を使って一時とはいえ状況を混乱させた。
そして、クリスがソロモンの杖を起動させなければフィーネの計画ももっと変わったものになっていただろうし、
その被害も少なくなっていたのかもしれない。
クリスの心中には罪の意識が未だに漂っていることが伺える。
クリスは未だに自分自身の罪に答えを見いだせていない。



「ばぁばかッ!? お前こんな時にッ!?」

「だいじょぶだよ」


そんなクリスの痛みと迷い、奥に秘めた優しさを知るからか、響はクリスを見つめ手を握る。
二人の距離は大分縮まっているようだ。
響のアームドギアは手と心を繋ぐためのモノであり、フィーネとも繋いでみせた本物である。
クリスが二課から離れないのは罪の意識以上に信じてくれる響たちの存在が大きいのだろう。



「お前」

クリスちゃんは!



「ホントの」

本当に!



「ばかッ!」

可愛いな!

ついでにこの場を借りてあえてお伝えさせていただきますが、私がシンフォギアで一番好きなキャラは響です。
あ、翼さんは一番面白いキャラだと思います。





そして、変身だ!
理由も説明もなしにG仕様のシンフォギア!
301,655,722種類のロックはいつ、どういった理由で外れたのかの説明もなし!
全ては用語集でやってくれる!
今は何も考えず勢いと熱さだけを感じろ!


変身シーンは第1期以上のスピード感である。
輝く胸の傷が格好いいぞ。
ちゃんと響のチャームポイントのお尻もアピールだ!
でも、今考えても抱き枕は正気とは思えません。



「群雀どもがウジャウジャとッ!」

「どんな敵がどれだけこようと今日まで訓練してきたあの連携(コンビネーション)があればッ!!」


群雀という言い回しが金子彰史ですね。
そして、二人ともちゃんと訓練をしているし、コンビネーションの練習もしているようだ。
これはコンビネーションアーツが来るか?
第1期では「Synchrogazer」しか協力技がなかった。
GはシンフォギアVSシンフォギアとなる。より強く心を繋いだ方が勝つのならば、連携技にも期待できようというものだ。



「あれはまだ未完成だろ」
「実戦でいきなりぶっこもうなんておかしなこと考えてんじゃねえぞ」

「うんッ! とっておきたいとっておきだもんねッ!!」


だが、今回はお披露目ならずのようだ。
緒戦に使うのはもったいないということか。
なお、未完成でもやり方がわかならなければ胸に聞け理論でやってのけるので無問題だ。
そして、わりと高確率でトンデモコンビネーションであると思います。
だって、WAシリーズのコンビネーションアーツは大半がトンデモだったし。

また、とっておきたいとっておきはWAシリーズで頻用されている言い回しである。
さすがワイルドアームズ7thシンフォギアGである。



「背中は預けたからなッ!」

「任せてッ!!」


あのクリスが響に背中を任せた!
何気ない一言で何気なく任せたが、一大事件だ。
第1期は背中を任せるまでに時間がかかったし、硬さが見受けられた。
だが、今は自然に任せた。
響への信頼が伺える。



そして、新曲「正義を信じて、握り締めて」と共にシンフォギアGの戦いの始まりだ!
クリスが射撃による迎撃、響が格闘戦による遊撃を担当している。
お互いに単騎による戦いをしているように見えて、しっかりと役割分担をしている。
相応の信頼がなければできないことだろう。
勝手に戦いながらところどころで協力した第1期第10話とは違うたしかな連携である。

なお、「正義を信じて、握り締めて」には「へいきへっちゃら」のフレーズがある。
歌詞にまで金子節が侵食!
まさにシンフォギアだ!




「届けェーッ!!」

クリスの背後からノイズが襲いかかり、それを響が迎撃する。
その間、クリスは一切後ろを振り向かない。
ノイズの接近は当然察知していたであろう。
その上で響に迎撃を任せ、クリスは射撃にのみ集中している。
繰り返すが響に絶大なる信頼を寄せていることがわかる。




ここで新必殺技「GIGA ZEPPELIN」だ!
貫いた矢が多重分裂、分裂した無数の矢が相手を貫く技である。
分裂のハッタリの効いた演出はまさにシンフォギア!
弾頭ひとつひとつの威力を無視してとりあえず増やした感が実によろしい。
かつては苦戦した大型飛行ノイズも一撃で破壊している。
第1期よりも確実にパワーアップしているぞ!



「あいつが取り巻きを率いてやがるのかッ!」

クリスは機動力が特に高いステルス型ノイズに注目する。
あんまり可愛くないですね(重要)。
ともあれ、狙いがわかれば攻略法はあるというものだ。



「うおおおぉおッ!!」

ステルスノイズを迎撃するべく、第1期で用いられた「MEGA DETH PARTY」で迎撃を試みる。
だが、機動力に翻弄され当たらない。
クリスのバトルセンスは設定により保証されている。
そのクリスの射撃が当たらないことから機動力の高さが伺える。



「だったらァアッ!!」

ならばと今度は十八番の「BILLION MAIDEN」である。
回避されるのならば弾幕によって回避という択を潰していく。
さすがのバトルセンスである。



「クリスちゃんッ!!」

すると今度はドリル状に変形してステルスノイズは突っ込んでくる。
弾幕では止まらないパワー型である。
響の援護で事なきを得るが状況に応じて形態を変えてくる強敵である。
たかがノイズ。されどノイズ。侮れない。



(ノイズとはただ人を殺すことに終始する単調な行動パターンが原則のはず)
(だが、あの動きは目的を遂行すべく制御されたモノ)
(ソロモンの杖以外にそんなことが)


的確な、的確すぎるノイズの動きに弦十郎は疑念を抱く。
ソロモンの杖を奪取すべくノイズを行使するまでは良しとしても、ノイズに的確な指示を出すことに疑問がある。
新たな完全聖遺物の力か。
あるいは開示した櫻井理論によるものなのか。



「あん時みたく空を飛べるXD(エクスドライブ)モードなら
 こんなヤツにいちいちおたつくことなんてねえのにッ!」


クリスちゃん、説明してくれました。
シンフォギアXDはリディアン生徒の合唱があってこその「その場限り」のシンフォギアのため、単独では同じ形態を取れないもののようだ。
姿や戦闘力の進化こそは感じれど、シンフォギアXD以上の戦闘力ではないようだ。
あれを相手にすることとなれば相手が可哀想だし、致し方あるまい。



「ギリギリセーフッ!」

「悪ィ助かったッ!」


トンネルにぶつかりそうになるが響の機転(天井を踏み抜く)により何を逃れる。
クリスは自然と礼を言っている。
第1期なら悪ぶって感謝できなかっただろう。
何度も繰り返すが響とクリスとの距離がわかる。



「師匠の戦術マニュアルで見たことがあるッ!」
「こういう時は列車の連結部を壊してぶつければいいってッ!!」

「おっさんのマニュアルとかオモシロ映画だろ」
「こんなものが役に立つものか」


小休止しつつも戦況は変わらない。
ここで秘策! 弦十郎の戦術マニュアル!
やっぱり、それって映画なんですね。
飯食って映画見て寝るは未だに健在のようだ。

当然、クリスは突っ込む。飯食って映画を見て寝るとはいかないようだ。
また、ノイズの位相差障壁、物質をすり抜ける能力に触れる。
映画のようにいかないと思うクリスは♀。
映画のようにいけると思う響は♂。



「ぶつけるのはそれだけじゃないよッ!」

自信満々な響に釣られてか、クリスは響の作戦に乗ることにする。
つまり、クリスも♂。
全身で押し出す力作業が実に響らしい。



当然、ノイズさんは抜けてくる。
ノイズにとっても想定外のタイミングで物質をぶつけないと効果がない。
第1期第8話のようにはいかないのだ。
いや、弦十郎が列車を押し出せば……あるいは……
なお、押し出せることを前提で話していますが疑問は?



だが、列車を抜けてきたノイズを待ち受けるのはハンマーパーツを全開にした響だ!
ハンマーパーツはジェットタイプに進化している。
さらなる破壊力を求め、原始的な機構を捨てより高出力なモノになった。
いや、ジェットも伸ばすことになるかもしれないが。




ジェットハンマーパーツによる加速!
ナックルガード展開による攻撃力アップ!
加えてフルブースト!
これが雷を握り潰すように最短で最速で真っ直ぐに一直線に叩き込む
ワイルドバンチ(仮称)の進化形、ワイルドバンチG(仮称)だ!

相変わらず必殺技カットインはない。
アームドギアを持たぬ者にカットインは使えないのか。
だが、これはアームドギアを持たぬが故に持つことができた立花響のアームドギアだからこそできる技だ。
バグには気を付けい。



ワイルドバンチの破壊力とそれを直撃させるための策を思いついた響にクリスは驚愕する。
立花響の成長は止まらない。
シンフォギアの成長も止まらない。
クリスも飯食って映画見て寝ればどうだろうか。



「確かめさせていただきましたよ」
「ルナアタックの『英雄』と呼ばれることが伊達ではないとね」


無事、任務を完了した響たちはウェル博士に英雄と賞賛される。
世界を破滅から救っただけあり、英雄扱いされているのか。



英雄と言われてこの表情である。
強くなったが根は変わらない響であった。
未来さんも安心ですね。



そんな響にクリスはツッコミを入れる。
こんなふざけ合いができるくらいには仲良くなっているのだ。
そういえば、クリスは年上であるのに響は「クリスちゃん」と呼んでいる。
二人の距離は近付けど変わらない。



「世界がこんな状況だからこそ僕たちは『英雄』を求めている」
「そうッ! 誰からも信奉される『英雄』の姿をッ!」


ウェル博士、目ェやべェです。
敵か味方がわからないが、これじゃレッドゾーンを振り切る気満々だ。
これだからこの世界の科学者は、いや金子彰史の科学者は……
一人称が『小生』になった時、ウェル博士の危険度はMAXになるだろう。
ヤバくなったのが理由で小生って言い出す奴はいないと思うよ。



そんなウェル博士を見る友里さんの表情は暗い。
大人たちが子供にこうした期待をかけ、命を賭けさせることを不甲斐なく思っているのか。
あるいは単にウェル博士の表情がヤバかっただけか。
いずれにせよこんな目で見たくなるよね。この人。

さて、『英雄』というキーワードは見逃せない。
何せWA2のテーマが『英雄』である。
『英雄』という単語を出した以上、シンフォギアGでもそれに触れなければなるまい。
いや、金子彰史はそれをわかってあえて『英雄』に触れたのだろう。
新たな解釈がなされるのか、注目が集まるところである。



「この時間なら翼さんのステージにも間に合いそうだッ!」

任務も終わり翼のライブへ赴くこととなる。
響はもちろん、その笑みからクリスも楽しみにしているようだ。
クリスは歌を夢としている。
同じく歌を夢としている翼はリスペクトすべき相手なのだろう。
クリスは背負った罪に迷ってはいれど、二課とのわだかまりが解けていることが伺える。
ならば、翼の歌を聴きたがるのも道理か。



「マジッスかぁッ!!」

弦十郎の計らいでヘリでライブへ連れて行ってもらえることになる。
そりゃあ喜ぶ。



「マジッスかぁッ!?」

「マジだなッ!!」


だが、突如米軍基地が爆発。ノイズが現れた。
そりゃあ驚く。
ヒトはマジだけで意思疎通が図れるのだ。



第1話から再生怪獣軍団!
大盛りで特盛りである。
演出の変化として実体化していないノイズさんにはノイズが走っている。
より変化がわかりやすくなっている。

兵士も抵抗するが炭になって倒れていく。
そして、爆発する。
爆発するのは当然ですよ。
何言ってんですか。



さて、ライブ会場の準備をマリアは見ていた。
口ずさむ鼻歌はアバンタイトルで流れていた『Apple』だ。
そうしていると準備の完了の報告を聞く。
鼻歌は聴かせるものではないので聴かせていない(真理)。

マリアはひとりぼっちだ。
世界的な成功を果たした歌姫だが、公の部分でのパートナーはいないのか。



「世界最後のステージの幕を上げましょう」

報告を聞き物騒なことをマリアは言い出す。
スタイルいいですね。
幼少期からけっこう良かった。
奏といいマリアといい翼といいこの世界のスタイルは幼き頃より決まる。



一方、米軍基地はノイズの鎮圧には成功するのだが、ウェル博士とソロモンの杖は消息不明となる。
怪しい組み合わせがまとめていなくなった。
金子彰史作品の科学者をのさ晴らしにすると危険だ。
一人称が小生になるぞ!



一連の襲撃は何者かの手引きによるものなのかと二課本部では疑問視される。
そうなると問題となるのは誰がやったかである。
第1期ではアメリカの陰謀があり、それを第一に疑っていたが現在ではアメリカと協力関係になった。
であることから、容疑者がいない状況なのだろう。
一方で今度はロシアと中国がいい顔をしていないことから、逆に容疑者が多すぎる状況なのかもしれない。
ノイズは脅威は尽きることなく、人の闘争も終わることなく続いているのだ。



翼とマリアの合同ライブは世界同時中継されることとなっていた。
マリアの物凄いネームバリューであると同時に、それと肩を並べる翼も相当なものだ。
翼は夢へ向かって前進していることがわかる。
些細な情報を散りばめながら、世界の状況を伝えている。
シンフォギアGは勢いやパワーも健在ならば丁寧さも健在だ。



緒川さんは弦十郎から一連の事件の報告を受ける。
だが、防人の翼には伝えないように言われる。
子供の夢を守るのも大人ことOTONAの仕事なのだ。
だからなのか、置いてけぼりにされることも多い防人さんでした。
しかし、表情が武士だな、剣さん。
ある種の余裕が見えたマリアとは正反対だ。



「不承不承ながら了承しましょう」

眼鏡を外しマネージャーから二課の緒川さんになったことを翼は突っ込みながらも、その意図を知ったのか翼は歌うことを選ぶ。
そして、「不承不承ながらも了承」という言い回しに裡に秘めた防人性を感じさせずにはいられない。
防人のまま防人として完成したのが風鳴翼である。
歌って戦えるのが現代の防人だ!
でも、人前でそんなこと言ってるのは翼さんだけなんだ。




一方、会場が見える位置に設置された移動型施設の中でナスターシャ教授は指示を受け取る。
「Si Vis Pacem,Para Bellum(汝 平和を欲せば 戦への備えをせよ)」である。
どないせえと。



「ようやくのご到着……随分と待ちくたびれましたよ」

ナスターシャ教授はどっせいと意図を掴む。
到着はソロモンの杖のことだろう。
平和を望むのだからこそあえて戦う。
この一文にマリアたちの抱えた並みならぬ事情と宿命が見え隠れする。



そんな思惑は置いておき、マリアが壇上に立つと大盛り上がりだ。
全世界での同時中継も開始される。
凄いな、この人。
これだけでも凄いのに2ヶ月の間にここまで上り詰めた余計凄い。
日本に留まっている翼の遙か先を行っている。
どうした流れで翼とマリアの合同ライブが開かれることとなったのか。
用語集に期待せい。



響のクラスメートも翼の招待でライブに来ていた。
クラスメートたちは機密に多分に触れている。
未来同様に協力者として二課に登録されたのかもしれないし、その縁で翼と知り合ったのかもしれない。

学園祭の参考にしたかったとアニメさんは呟く。
つまり、リディアンは健在、生徒たちは日常に戻っていることが伺える。
あとアニメさんがぴょこぴょこ動いていてけっこう可愛い。
アニメだけじゃなかったのかよぉ!

そして、初公開の私服である。
制服への無駄なこだわりを見せた第1期とは大違いだ。
ここで注目したいのは服装と時系列だ。
第1期は響のリディアン入学からの(推測)数ヶ月間の物語であり、Gはそれから3ヶ月後の物語である。
どう転んでも夏は越えられない。
なのに、マフラーやセーターなどで厚着している。
ルナアタックによる影響は気候にまで及んでいると見るべきか。



楽しんでいるクラスメートとは対照的に響が来ないことに未来は表情を曇らせる。
翼の大舞台だというのだから万難を排してでも来るだろうし、そのための約束もしたのだろう。
だからこそ、何かが起きているのだと不安に感じているのか。
女房は大変です。当の響は愛人作る勢いだが。

そんな中でついにライブが始まる。
レイピアの形に装飾されたマイクだ。
剣さんらしいですね。でも、マリアさん、アンタ槍でしょ? あわんでしょ?
そう考えていた時期が俺にもありました。



「見せてもらうわよ」
「戦場(いくさば)に冴える抜き身のあなたをッ!」


言っちゃったァー! 戦場(いくさば)言っちゃったァー!
今では適合者にとっては常用単語の戦場だが、それが出るまで3話要した。
だからとて、シンフォギアGではそれほどの時間をかける必要はない。
堂々の第1話からの戦場! これがシンフォギアGだ!!

この戦場の効果はスタッフの想いを示しただけではない。
マリアもまた戦場世界の住民ということだ。
普通、ライブ開始と同時に「戦場」とか「抜き身」とか言いません。
言ったらおかしいです。あるいは防人です。
それを受ける翼もジョジョ立ちで対抗する果てしなくレベルの高いライブだ。
これは全世界ライブする価値がある!

しかし、マリアもここまで武士成分が高いのなら、翼と仲良くなれそうだ。
だって、周りに戦場とか言ってくれる人がいなかった。
奏だってそこは相容れなかった。口調はオヤジくらいらしいけど。
だが、マリアは志もとい口調を共にする。
シンフォギアGはシンフォギアVSシンフォギアのみならず防人VS防人でもあるのか?




歌うのは風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴのデュエット「不死鳥のフランメ」だ!
並んで歌うだけではない。競い合うようにマイクを突き合い歌う。
これぞまさしく共演にして競演にして饗宴にして狂宴だ!
意味のわからない次回予告が、本編を見ることでその意図を掴み取れるようになる。
これぞシンフォギアの楽しみである。
だからこそ、第1話の予告を行う価値があるのだ!
予告の感想を行う価値もある(白目)。

翼と奏のライブのように走りながら歌う演出も懐かしい。
対比がシンフォギアの重要な演出となっている。
ならば、これもまたそうだと見るべきだろうか。



そして、締めは不死鳥!
まるでツヴァイウィングの復活のような演出である。
1日限定とは思えない仕上がりであった。
防人語で話せるみたいだし、和解したらツヴァイウィングGになればどうでしょうか。



ライブも大盛り上がりである。
アニメさんもぴょこぴょこ動いて新たな芸を獲得している。
なお、ある大物二人も大盛り上がりだが、それは後述。



「私もいつもみんなからたくさんの勇気を分けてもらっているッ!」
「だから、今日は私の歌を聴いてくれる人たちに
 少しでも勇気を分けてあげられたらと思っているッ!!」


出た! アーティストモードの翼だ!
様子のおかしい口調もナリを潜めるのだ。
今回のパートナーは口調が若干おかしかったが。
戦場で抜き身だったのはマリアだったようで。



「私の歌を全部世界中にくれてあげるッ!」
「振り返らない。全力疾走だ」
「ついてこれる奴だけついてこいッ!!」


言い切ったァ!
言い切った。コイツ、言い切った!
これがスタッフ一同の心の叫びであることは疑いようもない。
そして、シンフォギアGのスタンスであることは確定的に明らかである。



マリア、魂の叫びに世界の皆が号泣する。
安心しろ、小生も同じ気持ちだ。




「私たちが世界に伝えていかなきゃね」
「歌には力があるってことを」

「それは世界を変えていける力だ」


翼とマリアは互いを称え合う。
本当に仲がいい。
翼にとっては奏以上に波長の合う人間なのかもしれない。
これから先、立場は敵と味方ですれ違うのだが、歌を愛する人間としての想いはまったくズレていないように感じる。



「そして――もうひとつ」

だが、突如としてマリアは呟く。
そして、スカートをひらめかせる。



 驚愕
-PANIC-


ノイズさんが一斉に出現した!

大成功に思えたライブが突如に惨劇に変わって翼は驚く。誰だって驚く。
マリアはノイズを出現させる能力があるのか。
なお、ノイズを出現させる能力と操る能力は別物であり、フィーネは出現させる(だけの)能力、ソロモンの杖は出現及び操る能力である。
シンフォギア豆知識。



「狼狽えるな……」
「狼狽えるなッ!!!」


パニックになる観客たちをマリアは一喝する。
2ヶ月でトップアーティストになっただけあり声の力が半端ないのか、観客は押し黙る。
さすがのカリスマである。
一方で呟くような「狼狽えるな」の意図が気に掛かる。
アバンタイトルからマリアの並々ならぬ事情がわかる。翼と交わした言葉から歌を愛する人間であることもわかる。
これは自分に言い聞かせている言葉なのかもだろうか。



「遅かりし」
「ですが、ようやく計画を始められます」


ナスターシャ教授曰く、計画が始まったようだ。
そして、謎のシルエット……彼女たちは何者なのだろうか。
首には聖遺物の輝きがある。
つまりは彼女たちも適合者なのだろうか。
一体、どこの月読調と暁切歌なのか、今は誰にもわかりはしない。



ノイズたちは出現こそしたものの動かない。
これだけならマスコットである。事実、マスコットである。どうしようもなくマスコットである。
つまり、マリアはノイズを出現させるだけでなく操れるということだ。
ソロモンの杖の力なのか。あるいは列車を襲った時と同じ方法で操っているのか。
操れるのなら何故ソロモンの杖を求めるのか。
謎ばかりが揺蕩う。



敵意を向ける翼に対してマリアは観客+全世界同時中継という二重の人質をちらつかせる。
シンフォギアの情報は公開されたものの装者は秘匿されている。
ここでシンフォギアを用いようものなら、翼は世界中に狙われることにもなりかねないのだ。
それは翼の夢が終わってしまうことを意味する。



「甘く見ないでもらいたい」
「そうとでも言えば私が鞘走るのを躊躇うと思ったかッ!!」


だが、防人は躊躇しない!
鞘走ると来ましたよ。
普通、そんなことは言わない。
防人はGにおいても躊躇せず健在である。
この折れず曲がらずの在り方が風鳴剣である。
あ、第1期で折れまくったのは無視してくださいね!



「あなたのそういうところ、嫌いじゃないわ」
「あなたのように誰もが誰かを守るために戦えたら
 世界はもう少しまともだったかもしれないわ」

「何……だと……」


ここでマリアは意外な言葉を口にする。
翼もマリアの背負っているものの一端を感じたのか、言葉を詰まらせる。
かつての翼ならそんな事情を知ったことかと戦場に持ち込んだところである。
だが、クリスやフィーネがただ相争うだけの存在ではないと知った。
成長した翼はマリアの言葉の裡に秘めた想いを汲み取ろうとしているのだろうか。
だからこそ、躊躇が生まれているのかもしれない。



「私たちはノイズを操る力を以てしてこの星の全ての国家に要求するッ!!」



「世界を敵に回しての口上ッ!?」
「これはまるで――」

「宣戦、布告ッ!?」


宣戦布告!
全世界同時中継宣戦布告はWA2のオデッサのデモの如くだ。
なお、オデッサの宣戦布告はあまりにも面白すぎて作中屈指の笑いどころとなっていました。
……期待していいですかねぇ?



「そして――」

マリアはガングニールの名を高らかに歌い上げる。
我々はこの聖詠を知っている!
いや、聖遺物を知っている!






「まさか……ッ!?」

「ガングニールだとォッ!?」

「黒い……ガングニール――……」


変身! それもガングニールのシンフォギア!
二課にとって因縁深いシンフォギアにして、響に遺された一欠片以外は失われたはずのシンフォギアである。
だが、今こうして黒いガングニールのシンフォギアが現れた。
混乱の極地だろう。

そして、わかってはいたが盛り上がる。
これぞまさにシンフォギアである。
明らかに盛り上がることを明らかに盛り上がらせてくる。
加えて明らかに斜め上でも盛り上がらせてくるのでズルい。
要するにシンフォギアはズルい。シンフォギアGでも変わらずにズルい。



「私は――私たちはフィーネ」
「終わりの名を持つ存在(モノ)だッ!!」


まさかの終わりの名を持つ者の後継者だ!
第1期は個人としてのフィーネなら、今度は集団としてのフィーネ!
シンフォギアはガングニールに始まりフィーネと戦う物語なのか。
だが、これはまだ前口上に過ぎない。
フィーネ、終わりの名を持つ者の戦いはこれからだ!
ついてこれる奴だけがついてこい! 俺はついていく!



EDテーマはマリアの「烈槍・ガングニール」!
直球! ガングニールにガングニールをぶつける直球!
小細工なしだ。
シンフォギアが爆発しすぎている!
クライマックスのまま、次回へ続く!


そんなわけでシンフォギアG第1話であった。
皆さん、楽しめましたでしょうか。
ついて行けましたでしょうか。
私はずっと鳥肌が立っていました。
驚くべきほどの勢い、それを成り立たせる歌と演出、きめ細かな描写、自重する気のない防人!
求めていたシンフォギアがここにある。

それを作り上げたスタッフの意志の強さも凄まじい。
「ついてこれる奴だけついてこい」とはなかなか言えない。
だが、あえて言った。
最高にカッコイイです。

私も野暮なことは言わず全力で楽しみたいし、感想を書いていきたいです。
ついてこれる奴だけついてこい。
よし、私もその気概で感想を鞘走る! 抜き身だ!



なお、EDテーマの後にぴょこっと出た謎のブツも見逃せない。
随所に出てきているため、よほどのキーアイテムのようだ。
注目し刮目DA!



ファッ!?


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