戦姫絶唱シンフォギアXV EPISODE10 卑しき錆色に非ず

訃堂失墜! シェム・ハ君臨!
ついにラスボスが動き出すのであった。
お爺ちゃん、凹んでないで責任取って。
護国って防人って。






「ふはははは……首輪を付けて紙を飼い慣らそうとした報いがここに……」

「あんたが仕掛けたことではないのかッ!!」

「どうやら風鳴の祈り、護国の願いはここに潰えて果てたと見える……」

この異常事態にお爺ちゃんはどうするのか。
ちょっとは期待したが訃堂は完全に心が折れていた。
前回見せた鬼のような強さ、心意気、覚悟の全てが見る影もない。
力弱い笑みを浮かべ諦めるのみであった。

訃堂が怪物である所以は怪物だからではなく怪物で在ろうとしたからか。
一度折れれば脆いのだった。
その辺、娘とそっくりだ。こいつら、本当に親子だ。
翼が防人である所以は防人だからではなく防人で在ろうとしたからのように……



そんなお爺ちゃん、大人しく息子に抱えられる。
折れたら素直になった。折れるほど可愛くなるところまで娘と同じかよ。
防人というヤツは本当に……






「――不敬である」
「道具風情が我を使役しようとは」


「道具……? 僕たちのことを……?」

「焦れったい」
「道具の用いる不完全な言語では全てを伝えるのもままならぬ」


「どういうことだッ!?」

「最早わかり合えぬということだ」

さて、光柱の中には柱があってそこにはラスボス、シェム・ハが立っていた。
いろいろ意味深なことを言っているが、人類と和解の余地はないようだ。
道具というのもアダムの人間は端末発言と照らし合わせると、現人類、ルルアメルはカストディアンの道具として作られたことが窺える。
不完全な言語は統一言語を使えないことについての発言か。
シェム・ハはわりと大事なことを言っている。サービス精神旺盛だ。

シェム・ハは復活を阻止するために武装された棺の中に封印されていた。
用語集では「先史文明期に置いてシェム・ハの復活は何を以ってしてでも阻止されるべき事態」とまで言われている。
そのため、人類どころかカストディアン一族からも警戒されるタカ派、危険人物と推測される。
なので、早速好戦的であった。




「嗚呼、それこそが忌々しきバラルの咒詛であったな」

祝福疑惑さえ漂う謎多きバラルの咒詛。
とりあえず、シェム・ハにとって忌々しき存在であることはたしかのようだ。
統一言語が使えないのはバラルの咒詛の影響があることも改めて確認できたと言えよう。
弦十郎は訃堂の飯綱落としやら翼のアマルガム・イマージュやらでけっこうなダメージを負っているだろうにシェム・ハの言葉をしっかりと探っている。
もう全面的に諦めている訃堂とはエラい違いだ。

現状、バラルの咒詛が人類にもたらすメリットはカストディアンの憑依を防ぐこと。
これはデカい。このメリットを享受できない未来さんが大変なことになった。
メリットともデメリットとも言えないのが統一言語の封印。
こちらは統一言語の仕様が不明なのでにんともかんとも。
フィーネ曰く統一言語を失ったことで人類は争うようになったが……






「Seilien coffin airget-lamh tron――」

オッス、オラ、シェム・ハ! 食らえ、こいつが超シェム・ハのビッグバンアタックだ!
弦十郎なら発勁でかき消せる気もするが何にせよいきなりの危険球。
人類とわかり合う気がないのは本気で本心であることがわかる。
それをマリアさん、得意のGNシールドビットで防ぐ。
訃堂の拳を生身で受けたのに全然ピンシャンしてるね、この人。
心身共に打たれ強さなら間違いなく装者トップクラスだ。




「ここは私に任せてッ!」
「司令たちは容疑者とパパさんをッ!!」


「マリアッ!?」

「翼ッ! ここは引くぞッ!!」

未知数の脅威、シェム・ハ相手に単独で殿を買って出るマリアさん……かっけー……
貧乏くじどころかスーパーハードモードだけど見事に請け負うのがさすが頼れるやり手のマリアさん。
ここで翼はそれに同道せず撤退することになった。
何せメンタルがメチャクチャだ。
そんな翼を戦わせるわけにはいかないと弦十郎も判断したのか、撤退を選んでいる。



ここでお爺ちゃんが素直に背を向けているのが笑える。
全然逆らわねえ……護国がどうとか面倒なことを一切言わず大人しく従っている……
助かるには助かるが前回の鬼の猛りっぷりからは想像できない見事な羊っぷりである。
こういう好感度の稼ぎ方をしてくるとは思わなんだ……






白銀しろがねの炎 -keep the faith-」と共にマリアとシェム・ハが勃発!
まずはシェム・ハのエネルギー弾を捌きつつ、アガートラームの衝撃波を放つ。
蛇腹剣状態にして衝撃を放つとか何か手間多いっスね。
それをシェム・ハはバリアで容易く防ぐ。
錬金術師たちが得意とするバリアとは異なる形状のバリアなので、別系統の技術の用いていることがわかる。
そして、シェム・ハは生身でも強いことがわかる。
もっとも、本気は神獣鏡のファウストローブを使った時だろうし、さらに本気は縛めの神獣鏡を解き放った時だろうが……

なお、おまけでシェム・ハは生身でも空を飛べる。
空を飛ぶ……何でもありに見えるシンフォギア世界において使える使えないがハッキリとしている能力である。
とりあえず、装者たちはエクスドライブと神獣鏡を除けば恒常的かつ自由な飛行は不可能。
ミサイルを初めとした推力の付与による一時的な飛行止まりである。
ネフシュタンは飛べる。クリスもさりげなく飛んでいた。フィーネは飛んでいないけど。
キャロルは飛べる。普通に飛んでる。生身でも飛んでる。
パヴァリア幹部はファウストローブを纏えば飛べる。生身だと飛べないのか、あるいは飛んでいないだけなのかは不明。
AXZ第4話のミサイル飛行中のクリスに対して、カリオストロは飛べば楽に立ち回れるだろうに地上で迎撃しているからもしかしたら飛べない……?
アダムは余裕で飛んでいる。
ノーブルレッドはミラアルクはカイロプテラ、ヴァネッサはブースターと推力の確保は不可欠。
わりと細かく作られている飛行事情であった。
ともあれ、シェム・ハは戦闘民族だからね。空だって飛べるさ。



戦場を背に翼の顔は慚愧に染まる。
八紘……お前、死んだのか……
翼としては風鳴翼死亡確認状態らしい。
へーきへーき。風鳴だから生きてるって!




「笑止な」
「この身を傷付けまいと矛盾思考に刃が鈍っているぞ」


堂々とシェム・ハに挑むマリアだったが、その裡には未来に剣を向けることへの迷いがあるようだ。
頼れるやり手のマリアさんだが、躊躇わず殺るマリアさんではないのであった。
マリアさんらしいと言えばマリアさんらしいが……それを一瞬で悟る
シェム・ハは人間を全力で見下している一方で、後々の描写もそうだがその心情の分析には鋭い。
読心術の能力を持っているのか……?
あるいは神の洞察力を以てすれば道具の思考など簡単に見切れるとでも……?






「測るに能わず」
「全力で来い」


「銀の……輝きッ!?」

死ね! シェム・ハビーム!
ついに放たれた先ほどのエネルギー弾とは異なる本格的な攻撃である。
かつて棺が展開したような方陣より放たれたビームはGNシールドビットを貫通……というよりも変質させ破壊、さらには木々や地面を銀へと変えていく。
直撃すればマリアさんも銀になっていたことは想像に難くない。
バリアで防ぐマリアさんではなければ危なかった。
様々な性癖の中でもことさらマニアックなジャンル、石化かな?



「物質転換ッ!?」

「組成構造を書き換えてッ!?」

「埒外物理学……錬金術とはまるで異なる強引なやり方でッ!?」

第1話以来の再登場! 埒外物理学!
今度は物質を銀に変える超常を引き起こした。
尋常ではない。
-5100℃といい世界の構造そのものを変える能力である。

錬金術は世界の構造を分解、再構成しているから、同じく銀を生み出すにしても木々の形は変わらざるをえないだろうし、銀の構成成分が不足している以上は黄金錬成のように僅かな銀しか作れないだろう。
対して埒外物理は軽々と、さらには外見を変質させることなく構造だけを変貌させている。
そりゃエルフナインは驚く。お休み中のキャロルちゃんも何これ、怖……みたいに思ってるかも。




傷痕しょうこんである」
「今の馴染みではこの程度……」
「それともユグドラシルの起動に力を使いすぎたか」


そんな超常をやってのけたただでさえヤバいシェム・ハだが万全ではないのだった。
アワワワワ……
そして、出た! ユグドラシル!
WAシリーズでも何度か出ている重要単語だ。

設定だけならWA1の時点で登場、正式に登場したのはWA3である。
どちらも惑星環境の再生を目的とした設備、システム……
なのだが、WA1ではマザーに取り込まれて魔族を生み出し人類を窮地へと追い詰めると最悪な結果を迎えている。
一度は致命傷を負ったマザーが復活する要因となったのもこの機能のおかげである。
WA3ではダンジョンとして登場。
惑星環境の再生のために使われるはずであったが、ファルガイアを完全な荒野化させた挙げ句、人々からユグドラシル起動以前の想い出を奪うと最悪な結果を迎えている。
つまりは毎回、本来の目的とはまったく異なる使い方がされて、最悪の結果を迎えている困ったちゃんである。
そのユグドラシルがこの土壇場で蘇るとは厄いも厄い……

ついでにWA3ではユグドラシルで魔族、ジークフリードが蘇った。あとボスキャラのジェイナスが噛ませ犬気味に倒された。
シンフォギアのユグドラシルでもシェム・ハが完全に覚醒。
あとボスキャラの訃堂がちょっと噛ませ犬気味に倒された。
久し振りに濃厚で露骨なWAネタが炸裂して小生、大満足ですよ。
ところで突っ込み忘れたけど、前回の翼さんの「わからないわからないわ」はWA2の主人公、アシュレーの「わからないわからないな」のオマージュでしたね。






「その左腕……」
「フ、驚愕だ」
「貴様、面白いモノを身に纏っているな」
「エンキの末に当たる存在か」


「ユグドラシルとかエンキとか、わけのわからないことをッ!!」

シェム・ハはアガートラームの正体を一瞬で見切った。
やっぱり、プロローグに出てきたエンキの関係物……
慧眼なる神の目線を以てすればわかるもののようだ。
そういえば、アガートラームの原型となった聖遺物?は銀の左腕だった。
つまりはシェム・ハの埒外物理学で銀にされたエンキの左腕がアガートラームの正体……?
プロローグでエンキの左腕がなかったのは全身を銀にされる前に自分から切り離したのだろうか。

これでカストディアン一族の間でもすったもんだがあったことがほぼ確定した。
フィーネはあの御方やらカストディアンやら言っていたけど、その意志は決して統一されたものではなかったのだ。
そして、エンキの左腕をギアに加工したフィーネの心情や如何に……
ただここまではわかるけどエンキの末とは何事ぞ。
聖遺物との適合は血筋の影響が大きかった?
セレナの謎の適合係数の高さと合わせて何か謎があるのだろうか。



「こうなったら……ッ!!」

ともあれ、せっかく組み付いたのにあっさりとシェム・ハオーラで弾かれてしまう。
シェム・ハは生身でもシンフォギアより強い。
埒外物理学なんて言うバニシェデスクラスの反則技も使える。
この強敵をマリアも手加減する余裕はないと悟ったのか、覚悟の準備をする。
大丈夫、このギアはエンキが遺したモノ。
カストディアン特効があるさ!



その瞬間、マリアに忍び寄る者がいた。
見覚えのある異形の足……
ば、馬鹿な! お前は死んだはず!
具体的にはガンダムSEEDに出てくるオレンジ色のMSみたいな感じで死んだはず!



さらに見覚えのあるアタッチメントも飛んでくる。
あれ?
一度に使えるアタッチメントって1つまでのような……
ミス! 作画ミス!



で、何でアンタはモロにダイナミックプロ系で笑わせてくるんですかね!
ロケットパンチというかアイアンカッター、アトミックパンチ、ターボスマッシャーパンチ……
まぁ、そんな強化武装感でアリマス。




蘇ったノーブルレッドによるアヴェンジャートリニティがマリアに炸裂!
四方向からの奇襲であり同時攻撃であり必殺である。
これにはタフネスが自慢のマリアさんも首の骨が折れて死ぬ。




「ノーブルレッドッ!?」
「だけどこの力、以前とは比べものにならないッ!!」


お前、何でピンシャンしているんだよ!?
あれ、絶対に首の骨が折れましたよね?
何でわりと平気そうなんですかね?
HP100%時、物理攻撃ダメージ50%カットみたいなバフでもしていたんですか?
この人、XVでは過去最高に格好いいんだけど、前回の訃堂パンチといい笑えるカットを用意してくるから困る。
……致命打を受けて無事ってだけで笑いを取るのは高度なギャグセンスだな。

ともあれ、生きていたノーブルレッドだった。
だが、ただ生きていただけではない。
エルザは複数のアタッチメントを同時行使、ミラアルクは同時に2箇所までしか強化できないはずのカイロプテラを羽、腕、脚の全てに使っていると今までとは異なる。
ヴァネッサだけは……量じゃなく質の変化だからわかりにくいな。





お、バビディに操られた人たちかな?
額には謎の紋様が浮かんでいる。
死んだはずなのに生きている、シェム・ハの側についているといい見えないところで何かがあったのだった。
……てっきり合体するかと思ってた。それはそれで格好良さそう。





「とろくさい」
「あれで逃げているつもりなんだゼ」


「追わないでアリマスか」

「理解に苦しむ」
「世界樹ユグドラシルシステムが屹立した今、どこに向かおうと人類に逃げ場などありはしないというのに」


マリアさんの仕事は時間稼ぎであってシェム・ハを倒すことではない。
弦十郎たちの撤退を確認したので逃げていく。
熱さと冷静さを兼ね備えるマリアらしく潔いガン逃げであった。
それをシェム・ハさん、無視。
あとノーブルレッドとシェム・ハさん、もう仲が良さそう。
人間を道具と見下しつつも友好的な人間にはけっこう大らかであった。




というわけで、ユグドラシル。さらに伸びる。
風鳴宗家がメチャクチャになってしまった……
お爺ちゃん、しっかり神罰が下っちゃった。
このユグドラシルは風鳴宗家が保管していた聖遺物の類なのか、あるいはシェム・ハが埒外物理学で作り上げたものなのか。
どちらなのかは不明だが、ともあれとんでもないものが出来上がったのだった。
で、ここまでアバンタイトル。超長かった。



「親不孝者め……」
「弱きを束ねるは神の力……歌で世界を救うなどと世迷い言を……」


シェム・ハの完全覚醒とノーブルレッドの新生によって変わるかと思ったら特に変わっていなかったOPの後、訃堂はタイーホされていた。
覇気と狂気はどこへやら、すっかりと落ち込んでやさぐれた笑みを浮かべていた。
この落ち込みようは護国のための計画が頓挫した無念だけでなく、自分自身の行いで神州日本に仇為す存在を生み出したことへの後悔もありそうだ。
防人は凹むと弱い。復活までしばらく時間がかかりそうだ。
……復活するよねー。
何やかんや真の防人にして護国の鬼であることには変わりないわけだし。

なお、訃堂、最低でも3つの鉄格子によって幽閉されている。
手錠に加えて拘束衣で封じられている。
これくらいしなければ拘束できない危険人物と思われているようだ。
多分、というか絶対に拘束が足りないというか拘束は不可能だろうけど。




「全ての調査、聞き取りは完了した」
「現時刻を以て行動制限は解除となる」


「調査と聞き取りだけ……?」
「あの、アマルガムの不許可使用についての処断は……」


「翼さんが発動させる前、使用許可が下りています」
「八紘氏がかねてより進めてこられていたのです」


「お父様がッ!?」

一方、不可抗力とはいえ裏切りを働いてしまった翼の拘束は解除されるのであった。
本来、厳罰は避けられないはずだが、情状酌量の余地が大きいと見たのか、実に寛大な処置であった。
アマルガムの不許可使用に当たっても、使用の直前に許可が下りたために問題なし。
そして、アマルガムの使用許可はやはり八紘の行動によるものだった。
翼は八紘の捨身だけでなく、形見によっても命を救われたのであった……

同時に不正使用上等でアマルガムを使ったことが判明する。
まぁ、許可が下りたのは直前も直前。
指示が来てからじゃ間に合わないからそれはそうか……
なお、翼は今防人として規則に厳しそうでけっこう感情を優先するし勝手に使ってもおかしくはない。
特にメンタルが弱っている時は感情最優先。
そこは本人も自覚があるのか、無印第5話でエア奏に自分は真面目じゃないと言っている。
無印第3話の響にブッ放した天ノ逆鱗なんて問題にならないのが不思議なくらいだった。





「兄貴の葬儀に間に合わせられなかったこと、本当にすまなかった」

「敵に付け入られた不徳です」
「何より手錠をかけられたままでは合わせる顔がないと申し出たのは私です」


「そうか……」

【悲報】風鳴八紘死亡確認
その葬儀は既に行われたのであった……
そして、翼は最愛の父を見送ることができなかった。
ただでさえ悲しい別れであったというのに、これではさらに悲しい……
翼は訃堂の束縛からやっと逃れたのだが、未だに自身の感情に決着を付けられないのであった。



せっかく画像を用意していたのに……
うう……悲しい……
「風のあなたに」がガチ泣きソングになってしまった……
ガチ泣きしたからいいけど……

でも、葬儀を映さないのは怪しいなぁ! 八紘の死体を見せないのも怪しいなぁ! 撃たれたのが右胸だしなぁ!
パパさん、死んだフリをして逆転策のために暗躍しているんじゃないでしょうね……
ほら、チフォージュ・シャトーが起動しなかった理由が謎に包まれているし、そこを解決して世界殺しの力でシェム・ハの裏をかくことだって……
翼に事実を伝えないのは安堵させて緊張の糸を切らないようにするためとか……
八紘は親馬鹿だが、いや、親馬鹿だからこそ翼を突き放す時は突き放す。
今がその時かもしれない。
俺は信じている! 「風のあなたに」のてがみ化を! そして、風鳴翼の切化を!
……エピローグで翼さんが墓を訪れたら泣きそうだ。





「翼さんッ!」

「立花……私は……」

「全部聞きました」
「未来のこと、翼さんのお父さんのことも……」
「正直、今はまだ頭の中がグチャグチャで混乱しています」


翼はずっと拘束されていたのだろう。
仲間たちと逢うのも久し振り、チフォージュ・シャトーから離れて以来に違いない。
翼としては……申し訳ないばかりだろう。
訃堂の手の内にあったとは裏切った。その記憶はハッキリと持っている。
まして既に手遅れ気味とはいえ未来が完全にシェムった。
なので、響とロクに目を合わせられない。
鷹揚な響もさすがに気持ちの整理ができていない。





「だけど、一つだけハッキリしているのは、翼さんが帰ってきてくれて本当によかった」
「嬉しかった」


「立花……」

「わからないことはこれから考えていきたいです」
「だから、明日や明後日、その先のこれからを、また一緒に」


「あなたと私……また一緒に……?」

それでも……響は翼が戻ってきたことが嬉しかった。
洸のように飾らない言葉であるが、それは間違いなく本物の気持ちであった。
そして、響は手を差し出す。
それは無印第2話の時のようであり、翼が返す言葉もその時のようだ。

かつての響は差し出した手を取ってもらえなかった。
響と翼の関係は衝突から始まったと言える。
巡り巡って……響はまた手を差し出した。
それは今度こそ手を繋ぐために……
くそう、金子のおっさん、ズルいよぅ……





「翼先輩」

「翼さん」

「翼」

「あたしら全員この馬鹿と手を繋いで来たんだ」
「先輩だけなしだなんて許さねえからな」


皆の心も一緒だった。
暖かくも優しい声をかける。
なお、ここで切ちゃんがいつもの「翼さん」ではなく「翼先輩」と言っているのがエモい。
これ、きっとクリスの影響を受けているんデスよね。クリスは翼を先輩呼びだし。
そして、切ちゃんはクリスがメチャクチャ好き。尊敬してる。
なので、先輩の真似をして先輩呼びしたのではなかろうか。
すこ。切ちゃんとクリスちゃんのこういう関係すこ。
……いや、まぁ、切ちゃんは普段からクリス先輩呼びだし、その流れで翼先輩って言ったのかもしれないけどね。



「私は……」

だが……翼は差し出された手を取れなかった。
泣き虫で臆病なのが翼の本質である。
マリアの手を払った時とは別の意味で、怒りではなく恐れから手を取れないのであった。






しかし、響は自分から手を伸ばして握り締める。
それが響の答えだった。
言葉はなくともあまりにも雄弁な答えだった。
砕いて壊すも束ねて繋ぐも力……立花らしいアームドギアだ……

にしても、最近は真面目に可愛いね、翼さん。
こういう可愛さを持つ人だったね、この人。
GとかGXとかAXZの頃はあまりにも強すぎて可愛い翼さんとか想像できなかった。特にAXZ。



「お帰りなさいっ、翼さんっ」

そして、エルフナインが締める。
訃堂の命令がなくとも、八紘が死亡確認されようとも、翼の帰る場所はたしかにここにあるのだった。
翼は落ちるところまで落ちきったから後は上げていくだけだ。
頑張れ、翼。頑張れ、防人。
お前こそ護国の鬼だ(最悪)



「半径2km圏内にてノーブルレッドの発見ならずとの報告ッ!」

「捜査範囲を広げろッ! 連中の逃走速度より早くッ!!」

「了解ッ!!」

さて、黒服たち。
ノーブルレッドの捜索を行っているのだった。
ユグドラシルが現れた以上、そこを拠点にしそうだし逃げ出してはいない気はするけど……
しかし、ここは後に語られる作戦に関わってくるのだった。
こういう黒服の頑張りを地味に描くのがシンフォギアらしいところ。
頑張れ、ブルー・スリーの後継者。




さて、ユグドラシル。
その根らしき物は風鳴邸地下の電算室と融合していた。
ユグドラシルは先史文明期の何かのため、現代のテクノロジーとは親和性はまるでないはずだが……
これもシェム・ハの力だろうか。神らしく万能だ。






「それは……?」

「面白かろう? 我を拘束せしめた縛めより我の断片を逆流させている」
「我は言葉であり、故に全てを統治する」


「これもまたシェム・ハの力……」

メッチャ地下にいるじゃねーか、ノーブルレッド! 黒服ぅ!
灯台もと暗しと言うことか。
というわけで、シェム・ハはダイレクトフィードバックを利用して、自身の記憶を出力したのか、在りし日の素顔を見せる。
ダイレクトフィードバックシステムを活用するのはエルフナインはけっこう時間がかかったのに……
あっさりと掌握する辺り、神に相応しき全知っぷりが窺える。
それ以上にサービスいいな、この人!

シェム・ハは人間を道具と呼ぶほどだからノーブルレッドも道具扱いする血も涙もない存在かと思いきや、存外フレンドリーだ。
稀血の供給はすれど必要最低限の交流しかしなかった、完全に道具扱いしていた訃堂とはエラい違いである。
人間は道具だからきちんと働くのならそれなりに愛着を持って付き合うということか?




なお、素顔、けっこうキツめ。
まぁ、この口調で柔らかい顔形の方がおかしいか……
頭の角はミイラとちょっとだけ一致。
遺骸があっさり崩れたことから身体はそこまで大事ではないようだ。
あと角はアダムのイメージ像と似ている。
……ところで傍らにいるもう二人のアヌンナキはどこ? 劇場版?




「あの時、たしかに私たちは殺されたはず」
「現代に解き放たれた超抜の存在に……」


さて、何故ノーブルレッドが生きているのかを回想タイム。
まずはMapputatsu!&Buttagiri!事件から。
そう、3人共、たしかにビームサーベルで殺されている。
男塾でなければ生き残れないほどの即死っぷりだ。
男塾なら腕が切り落とされても生えるし骨だけになっても蘇る。




「遺憾よな」
「我が力、かつての万分の一にも満たぬとは」


しかし、シェム・ハの力で復活。
どうやらザオリクを使えるようだ。
まさに埒外そのもの……
ヴァネッサの再生箇所から察するに首チョンパされたことがわかる。
あ、首を刎ねればお姉ちゃん、死ぬんだ……ジオングではないのか……

しかし、それも万分の一以下の力。
万分の一以下の力でユグドラシルを屹立させ、それによって消耗した状態でもマリアを圧倒した。
シンフォギアはパワーバランスには丁寧なだけに、いきなりとんでもない強さのインフレを起こしたな……
まさに神。桁がいくつも違う。
でも、君、もしかして誇張していません?
けっこうフレンドリーだったし冗談だくらいは言っても……




「ふざけたことを、言わせないゼッ!?」
「――何ッ!?」


「ミラアルクちゃんッ!?」

「一体、どういうわけだゼ……?」
「身体に漲るこの力、まるで本物の――」


ともあれ、ザオリクされても殺されて激おこぷんぷん丸のミラアルク。
ウチの仇はウチが取ると力むと今までできなかったカイロプテラによる全身強化ができてしまう。
(バメンシャでは省いているけど)ミラアルクは四肢には小型カイロプテラが付いている。
これが機能したのだろう。
パワーアップ描写がわかりやすいからか、ヴァネッサもエルザも驚く。
これがただのパラメーターの強化なら気付かなかった。わかりやすい変化が大事。



「まるで本物の怪物とでも?」
「ああ、そうさな」
「歪なカタチであった完全な怪物へと完成させたのは我の力のひとつまみよ」


シェム・ハがやったのはザオリクではなかった。
身体の組成構造を書き換えて完全な怪物化……
命の形を変貌させるというまさに神の力そのものであった。
ほ、本物の神だ……未来さんを鹵獲とか言っていられない……
シェム・ハは散々引っ張ってきただけありとんでもなくヤバい力を持っている。




「完全と、完成……?」

「まさかそれって……もう人間には戻れないってことなのか……?」

「愚問である」
「完成させるとはそういうことだ」


ノーブルレッドの目的は神の力で人間に戻ること……
なのに、シェム・ハは怪物として完成させることで全力で後戻りできなくした。
ひ、ヒドい……とんでもない皮肉だ……
でも、あまり同情できないっスね。
君たち、ちょっとやらかしすぎ。
……如何に高貴な目標があれど穢れた行為ではそれを成し遂げられないということか。
ウェル博士が英雄になるという高貴な目標を持ちながらも、結局は最低の英雄にしかなれなかったように……



エルザは泣く。ミラアルクも泣く。
露悪的に振る舞うミラアルクも人間に戻れないという現実には素に戻って泣くしかないのだった……
だが、悲しいけど、ざまあ! 君たちのこと、正直好きだけど、ざまあ!
無情とは感じるけど同情できないのはスゴいバランス感覚でアリマス。
あ、崩れ落ちた時のミラアルクの胸が揺れるのがスゴく良かったです(唐突)



「人の群れから阻害される恐怖と孤独はもはや癒やされることはなく……」
「嗚呼、怪物はとうとうどこまでも異物に――」


アンタのパワーアップ描写は十徳ナイフかよ!?
真面目な顔をして真面目に落ち込んでいるけど絵面が面白すぎる。
不完全な義体から万能な義体になったのがヴァネッサのパワーアップだろうか。
コメントに困る類の悲しさだな……




「気鬱たる」
「ならば我に仕えよ」
「この星の孤独も疎外も――我が全て根絶やしにしてくれるわ」


「神よ……」

されど、シェム・ハはガチ凹みのノーブルレッドたちに道を示す。
やってることは無情なのだが、殺して終わりにせず生き返らせた、パワーアップはさせた、怪物として完成した以上、パナケイア流体は必要なくなるから稀血の供給に頭を悩ませなくていい。
人間に戻れないという点から目を背ければ半端な状態よりもメリットが大きい。
特に死活問題だった稀血に頭を悩ませる必要がないのはデカい。
シェム・ハはノーブルレッドの自我も奪っていない。
あとは心の持ちよう一つである。
……シェム・ハさん、けっこういい人?

使い倒す気満々過ぎた訃堂より大分有情……無情のくせに有情……






「ヴァネッサが神と仰ぐならわたしとミラアルクも従うでアリマス」

「で、神様はどうやってウチら怪物の孤独や疎外感を拭ってくれるんだゼ」

「知れたこと」
「この星の在り方を5000年前のカタチに戻すのだ」


「5000年前……?」
「そいつは先史文明期ぞっこん期だゼ」


どんどん言うな、この人! ホント、フレンドリー!
ミラアルクの不躾と言わざるをえない物言いにもきちんと答えてくれる。
いやぁ、優しい……
まぁ、それは隣人に対する愛情というよりも道具に対する愛着程度のものかもしれないけど……きっと壊れたら捨てるよ……
でも、それまではちゃんと扱う気なのは優しいね、アンタ……

というわけでシェム・ハの目的は地球の先史文明期化であった。
先史文明期は5000年前……
それはシュメール文明が生まれた年代である。
その時に人類が作られたとすればけっこう人類の歴史は大分若い。
で、その時代の在り方に戻せば怪物たちは疎外感に苛まれることはなくなる……
あの頃は全員が怪物だった……なんてことはさすがになかろう。
ならば、バラルの咒詛がなくなればルルアメルを如何様にも変質させられる……?
それこそ怪物の如く……?






「申し付けた物はどうなっている」

「これで、アリマスか?」

「傾聴せよ、怪物共」
「これより使命を授けてしんぜよう」


エルザからテレポートジェムを受け取るとシェム・ハは得意の埒外物理で変質させる。
色が黄色になるからわかりやすいでアリマス。
サービス精神旺盛だなぁ、この人。
テレポートジェムからテレポートオーブになったか?
使用回数無限!
そして、シェム・ハさん、早速任務を与えるのだった。
完全覚醒から時間が経っていないのにプランは決まっているようだ。
さすが神様……





「現在、本部は鹿児島県種子島へ向けて航行中」

「種子島だぁッ!?」

「そうだ、目的地は種子島宇宙センターとなる」

さて、S.O.N.G.は種子島、つまりは鹿児島へと向かっていた。
宇宙センター、つまりは例の月探査ロケットの射場であろう。
種子島へ行くことにクリスは高垣彩陽っぽく驚く。
こういう顔を何の気兼ねもなくできるようになったんだね、クリスちゃん……良かったネ……
身体を張っているとも言う。






「先だって風鳴邸付近に出現した巨大構造物、ユグドラシルと呼応するかのように月遺跡よりシグナルが発信されているのが確認されました」

「まさかわたしたちに……」

「月遺跡の調査に行けというのデスかッ!?」

「検討段階ではそういった話もありました」
「ですが、今回月に向かうのは特別に編成された米国特殊部隊となります」


当然、月遺跡へ向かうのだった。
……ただし、米国特殊部隊が。
米国の宇宙飛行士と言えば思い当たるのは当然GX第1話の人たちである。
パイロットとしての技量のみならず窮地に諦めない心を持つ。
おまけで詩的に励ますこともできる。
でも、相手は神だし常人に任せるのは不安があるのですが……
いや、月まで飛ぶのは神とて大変だろうから先手を打てば問題なしか?
というわけで、前回のラストの月遺跡はユグドラシルに呼応したものであった。
つまり、ユグドラシルは月遺跡に関係した構造物……?





「たしかにあのユグドラシルを放ってはおけないものね」

「だからってこうも簡単に都合付けられるものなのか、探査ロケットって」

「ミスター八紘の置き土産だ」

「お父様の……?」

しかし、話が早すぎる。
月遺跡調査はまだ予定の段階だったはず……
だが、ここで米国大統領トラ○プ登場!
曰く八紘の置き土産なのであった。
それにしてもこの世界の通信、みんなが会話に自然に割り込む形でかけてくるネ。





「プレジデントの判断と対応には感謝に絶えません」

「先の反応兵器発射による国際社会からの非難をかわせたのはミスター八紘が提案した日米の協調姿勢によるところが大きい」
「その象徴であった月ロケットを活用することにどうもこうもあるものか」


大統領、かっけー……AXZでやらかしたやらかしが嘘のようだ……
第1話を見る限り、嫌々ながら承諾したように見せて、米国としてはけっこうな助け船だったようだ。
それでも嫌々だったのは大きな借りになるとわかっていたからか……
ともあれ、八紘の仕掛けた政策がこの土壇場になって生きるのであった。
八紘は打った数々の布石は亡くなって生きてきた。これはもう生きているな!



「だが、これで借りは返した」
「後は精々派手に貸し付けてやるつもりだからそう思っていてくれたまえッ!!」


あ、ツンデレ。
おっさんがいい味を出すのが金子彰史。
ともあれ、最終作にしてついにトラブルの元だった米国との協力態勢が作られた。
シェム・ハの覚醒はそれだけの事態ということか……
AXZで反応兵器を撃ってしまった以上、2発目は今度こそ国際社会の立場が終わる。
なので、嫌でも協力をしなければならないということかもしれないが、何にせよ米国との協力できるのは大きい。
余計なことをされずに済みそうだし。




「諸君らの任務は3日後に発射が迫る月遺跡探査ロケットの警護である」
「敵の襲撃は十分に予想される」
「各員、準備を怠るなよッ!!」


「「「「「「はいッ!!」」」」」」「デスッ!」

そんなわけでS.O.N.G.の任務はロケットの防衛となった。
目に見えてヤバそうなユグドラシルに突っ込まず、月遺跡の調査を優先する……
やや間接的とも言える状況への当たり方である。





さて、種子島。
戦場になると推測されるからか、周辺住民の避難が描かれる。
こういう描写をするシンフォギア、すこ。
シンフォギアは避難すればまぁ大丈夫。
ただし、避難できなければ死ぬ。第2話みたいに。





「定時報告、こちら異常なし」

「こちらも異常ありません」

「発射予定時刻まであと24時間」
「引き続き警戒に当たります」


さて、今回は時間の経過が早いシンフォギア。
3日前だったのがあっという間に24時間前を迎えていた。
時間の経過が濃い話が進んだ反動でアリマス。
というわけで、響とクリス、翼とマリア、切歌と調の組み合わせで警護に当たっていた。
AXZと違って意図的な戦力の分断が行われていないからか、プレーンな組み合わせであった。




「それにしても近くで見るとデッカいデスねぇ」

「内緒だけどちょっとだけ月に行けるかもと期待しちゃった」

「あたしもなのデースッ!!」

調は月を冠するので月へ行きたい。あとウサギ。
切歌は月を冠するキャラが大好きなので月へ行きたい。
あとどっちもフィーネなので月へ行きたい。
切ちゃんはフィーネ! フィーネ! フィーネ! てがみ!
そんなわけで緊迫する状況ながら、ちょっとだけリラックスする二人であったとさ。



「デースッ!?」

はい、こういう時のノイズさん!
こっちはシェム・ハの手が及んでいないようで普通のアルカ・ノイズ。
何でもかんでも強化してくれるわけではない。




「Various shul shagana tron」

今回は調の完全変身バンク。
これにて完全変身バンクは全員分を消化。
後はマリアさんの2回目の変身バンクをやればノルマ達成。
XVは変身バンク消化のタイミングはGXやAXZと比べると変則的デース。
代わりに服装差分なしで全部S.O.N.G.の制服。
私服の時は最初を飛ばした。防人のことです。
11話まで引っ張り1回しか変身バンクをやらなかったG切ちゃんに悲しき過去……




「綺羅綺羅の刃で半分コの廃棄物ガーベッジ

「未熟少女Buttagiri!」と共に勃発!
まずはイケメンドアップ(超格好いい)しながら裾鋸の「Δ式・艶殺アクセル」。
回転技は伝統と実績の逆羅刹を初めとしてノイズさんを一掃できるので需要がある。
GXからザババコンビは互いに回転技を身に付けているのは、G時代には想定していなかった一対多を想定してか。






「予習したの殺戮方法」

さらに新技「β式・大三巨輪」! ベン・ハーだ、これ!
昔、ベン・ハー2000というアーケードゲーム(稼働中止)があってじゃな……
ともあれ、得意のゲドラフこと「非常Σ式・禁月輪」を発展させた派手な大技である。
これはわかりやすく強い。足し算の強さ。
こうした技を使えるようになったことに調の適合係数の上昇、つまりは成長が感じ取れる。



「敵がバラルの咒詛を語るのならばそこからの予測と対策は不可能ではない」
「あとは打ち上げ施設を守り切れば……」


月遺跡の調査という間接的な策を取ったのはバラルの咒詛という発言から、シェム・ハの企ての先を読んだからであった。
得体の知れないユグドラシルに突っ込んでシェム・ハとの全面激突するよりは、先んじて月遺跡を制圧した方が勝算があるということか。
シェム・ハのヤバさはマリアさんの威力偵察で十分にわかった。
マリアさんは時間稼ぎと合わせてけっこうナイスな働きをしたことになる。

また、武力の衝突による勝利がS.O.N.G.の最優先目標ではない。
敵の計画を頓挫させることが第一であり、実際、無印からAXZにかけてそれを遂行している。
二課時代からのお約束とも言える戦略である。
計画を頓挫させれば交渉もしやすいという狙いもありそう。
実際にGX第12話では降伏勧告をしている。
……どいつもこいつも交渉に応じなかったけどな!




「Ready go!」

「β式・大三巨輪」、パワステなどいらんとばかりに制御は人力。
パワーに注力した必殺技だけあり、その制御はなかなか大変のようだ。
ともあれ、ドリフトでアルカ・ノイズを粉砕していく。
曲がる! 曲がってくれ! 俺のシュルシャガナ!






「調ッ! 大丈夫デスかッ!!」

その時、エルザが襲いかかり「β式・大三巨輪」を打ち砕く。
調の中でもかなりのパワー系必殺技なのに正面衝突で勝った……
最弱のエルザでさえ完全な怪物となったことでシンフォギアに勝る存在になった。
前半においては基本楽勝なノーブルレッドだったのだが、今ではかつてのライバルたちと互角、あるいは上回るほどに強化されていた。
にしても、倒れる調の可愛くなさは珍しい。普段は基本可愛いヤツなのに……





「さすがのシンフォギア」
「こちらの行動を先読みしていたでアリマスか」
「ですが、超越人知の力の前には無駄なことでアリマスッ!!」


「その姿はッ!?」

「複数の武装を一度にッ!!」

アタッチメントを一度に扱えるのは一つまでとは説明されていないのに、ちゃんと驚く二人。
いやはや、驚き役としての仕事をわかっていらっしゃる。
今のエルザはネイルとパックン(仮称)とシェルター(仮称)を同時に使っている。
足し算強化。アマルガムがパラメーターの振り分けとけっこう捻った強化なのでノーブルレッドは単純強化である。

さらに複数同時に使えるだけでなく根本的な出力が強化されていることは、「β式・大三巨輪」からも明らかである。
ガンダムで例えるのならデスティニーガンダム的な武装ガン積みである。
これは強い。
……あいつは手も足も出せず死んだけど。





「シェム・ハから授かったこの力」
「もはや賢しい手段も、全血製剤も、ダイダロスエンドも――」
「お前たちを倒すのに必要なさそうだゼッ!!」


ミラアルクはカイロプテラの増設によって、今まで最大二箇所までだった強化部位を羽、腕、脚と全強化可能になっている。
当然、基本的な出力も上がっているのだろう。
なので、策略もなしに正面から来る。
また、やはりパナケイア流体は不要になったので稀血いらず。
さらに頑張って編み出したダイダロスエンドもいらん!
これが今まで手にしていたものを、人間としての知恵を捨てる怪物としての覚悟か……





「クソ……ッ! ちょこまかとッ!!」

そして、ヴァネッサは接近戦が得意の響を接近戦で圧倒している。
殴るばかりでなくシャゲダンよろしく左右往復で的を散らしている。
……君だけパワーアップがちょっとわかりにくいな。
いや、かつて響やマリアに接近戦を挑まれた時、何もできていなかったから大幅パワーアップなのはわかるのですが……
ともあれ、得意分野の単純強化のエルザやミラアルクと比べると、苦手分野の強化による対応力の強化とヴァネッサのパワーアップはやや毛並みが異なる。
でも、その証左となるのが十徳ナイフなのはどうかと思う。




「ヴァネッサさんッ!? みんなと仲良くなりたいってッ!!」
「だったらこんなことッ!!」


「ええ、仲良くなりたいわッ!」
「でも、怪物と人間が仲良くなることなんてできないのよッ!!」


あ、自棄になってる、この人……
シェム・ハを神の崇めたのは心が折れた証左か。
もう希望は果たせないから長いものに巻かれてしまえと。
決して諦めない装者たちとは真逆であった。






「だからッ!!」

ここに来てファラの後継者(変顔)が現れようとは……
というわけで、変顔しながらのメジャー攻撃。
まさか、謎ポエムで謎のメジャーがヴァネッサの攻撃だったとは……
そして、ビッキーよ、その反応は何だ。
いや、ウェストは女性なら気にするところだと思うけど……
これによると響のウェストは58cm。しっかりと設定通りなのでプロポーションは保てている。



一見するとオモシロ攻撃のメジャー攻撃。
しかし、響を釣り上げるだけのパワーを見せる。
見た目の面白さ、愉快さからは想像できないパワーであった。
まぁ、何か残念な攻撃だけど……
「少々、残念である」の設定がこっち方面で開花することになろうとはなぁ!




「――今だッ!!」

しかし、ヴァネッサは足を止めた。
すかさずクリスは「HORNET PISTOLS」を放つがバリアで受け止められてしまう。
攻撃と防御の同時行使!
EN回復大でも付いたのかな?





「私たちはみんなを怪物にすることにしたのッ!!」

「怪物ッ!?」

そして、響を拘束した状態で全弾発射である。
カット耐性ないけど大ダメージだ。
メジャー攻撃、普通に必殺性の高い恐るべきものだった。
一人だけ面白い方向に強化されているが実力は本物。
シェム・ハの力の恐ろしさがわかる。

ノーブルレッドの目的は人類を怪物にすること……
怪物故の孤独。孤独故に排斥されるのなら、みんなが怪物になればいいと。
自爆思考に染まってしまった。
やってることは最悪の部類なれど人間に戻るという理想だけは本物だったし、そのためなら恥も外聞もなく悪あがきした。
しかし、その理想さえも捨ててしまった。
怪物として完成したことでその精神も怪物となってしまったのだった。
まさに卑しき錆色……何もかもが裏目に回っていく……




「装者、ノーブルレッドに圧倒されていますッ!」

「このままでは交戦域にロケット発射台が巻き込まれてしまいますッ!!」

「くッ!? 近付けるわけにはッ!!」

精神は落ちぶれど強さは本物。
数々の激戦を潜り抜けた装者たちでさえ圧倒されてしまうのだった。
シリーズ最弱の敵、ノーブルレッドがシリーズ最強の敵になった。
まぁ、心意気は最弱になったけどネ……
あと緒川さんの台詞がキラ・ヤマトっぽくて笑う。




「ロケットには手は出させないッ!」

「好きにはさせないのデスッ!!」

「月の遺跡には調査隊など派遣させないでアリマスッ!!」

月遺跡の調査の妨害はシェム・ハからの勅命ということは、やられたらけっこう困る手のようだ。
急所を突く策だったが、そこを察知。
道具風情に月遺跡の解析など不可能!などと慢心することなく、ノーブルレッドを仕向けて調査を潰してくる……
シェム・ハは凄まじい力を持つ一方で相手の策に対して抜かりなく手を打ってくる。
うーん、有能。
しかし、ロケットの情報はどこで掴んだことやら。……未来さんの記憶か?





スーパーエルザが使えるアタッチメントは3つまでではない。
5つの同時行使!
ぶっといものを5つも挿入したからか、エルザは苦痛に顔が歪む。
……人間に戻れないことを除けばいいこと尽くめの怪物化だが、ノーリスクというわけではないようだ。
シェム・ハはノーブルレッドに対してかなりフレンドリーに接しているが所詮は道具ということか?
今回は副作用は露呈していないのだが、今後、以前以上の過酷に追い詰められる可能性ががが……






「気を付けて切ちゃん」

「合点デスッ!」
「きっと、これしきの攻撃では――」
「いないのデス……?」


ザババコンビは複数アタッチメントによる同時攻撃をかわして反撃……すると姿を消していた。
塵と消えたのかな?
さっきまでの強気はどこへやらである。
失望しました。エルザのファン辞めます。




「地中を掘り進んで――」

「やり過ごしたデスかッ!?」

「オールアタッチメントッ!」
「Vコンバインでアリマスッ!!」


だが、まさかの合体! コ○バトラーV!
ミラアルクは策いらねえwと言っていたがエルザはとんちガール。
しっかりと意表を突いてくるのだった。
持ち味を活かしている喃……
このアタッチメント合体、設定的には想定されていた機能だけどエルザへの負担から実用できなかったとかそういうヤツなのでしょうな。
次回の用語集に期待でアリマス。



で、背中を向けてロケットへ突っ込む。
合体して即やることが背中を向けることなのがすげえ……
わりとハイになってるヴァネッサやミラアルクと違って冷静に目標を達成しようとしていやがる……






「そのまま行けッ!」
「真っ直ぐだゼッ!!」


「月への足をへし砕いてッ!!」

「わたくしめら、ノーブルレッド――」
「決して卑しき錆色などではないでアリマスッ!!」


最速で! 最短で! 真っ直ぐに! 一直線に!
それをお前らがやるんかい!?
君たち、主人公ムーブしていますね、この野郎。
卑しき錆色の忌み名をよしとしないあすなろ精神と共にエルザは突っ込む。
こ、こういう主人公ムーブを悪役がやればしっぺ返しがきっと……






「やったゼッ!!」

「してやられたッ!?」

「さすがはエルザちゃん、優等生」

破壊
-KO-

ロケット、あっさりあっけなく死亡。
責任者の風鳴二何とかさんが泣いているぞ……
装者たちを以てしても目的の達成に徹したノーブルレッドは止められないのであった。
元より目的の達成に関しては稀血の奪取や未来さんの誘拐などノーブルレッドはそれなりに成功させていた。
そのノーブルレッドが戦力的に強化されれば止めることもままならずと……



されど戦いは終わらない。
燃える戦場でザババコンビとコンエルザーVは向かい合う。
謎ポエムのバメンシャである。
合体ノーブルレッドかと思いきやコンエルザーV。






「わたくしめらはずっとずっと、壁に囲まれて疎外感に苛まれてきたでアリマス」
「利用されて、裏切られて」
「それでもいつか孤独を埋める方法が見つかると信じて――……」
「不可逆の怪物と成り果てるなら優しさなんて知らなければ良かったでアリマスッ!!」


しかし、強さで圧倒すれど希望を失ったからか、精神的にエルザは追い詰められていた。
日頃より悪役を買って出ていたミラアルク、もうどうにでもなーれなヴァネッサと比べると怪物化のメンタルダメージは深刻のようだ。
全てを投げ出せないのは聡明なとんちガール故にか。
ノーブルレッドは力を合わせているようでいて、心は合わせられていないのだった。
それが示されているように今回は一切連携せず各個で好きに戦っている。
弱くともコンディションは最悪でも心を合わせることに関しては装者たちには負けていないはずだったのだが……






「天真+爛漫×重低音ブッぱデエェエエエスッ!!」

ともあれ、エルザは全霊をぶつけてきた。
ならば、ザババの双刃の全力のユニゾン! 「Cutting Edge×2 Ready go!」!
ユニゾンザババは装者最強。イグナイトなしでプレラーティを倒すという偉大な戦果を残している。
だが、その高まったフォニックゲインによる「災輪・TぃN渦ぁBェル」でもエルザに通用しない。
つ、強い……! これはあのミカより強い……!



「デエエェエスッ!?」

ところで切ちゃん、君、XVになってからピンチの時に妙に笑うようになったね。
マゾかな?
窮地にこそ余裕を持てということデスかね?





「高出力全開フィールドを駆けよう――」

「調ッ!!」

切歌のピンチを調が救う!
成長によってイケメン度が高まったのか、今回の調はイケメン多め。
尊敬する先輩、響の影響かな?
こりゃ切ちゃんも惚れるデース。





「勝負も夢も命がけのダァァアアイブッ!!」
「Let`s sing――」「決戦のFight song――」

お姫様抱っこしながらの禁月輪(超エモい。すこ)で凌ぎつつ、ヨーヨーを展開、絡み付かせエルザの動きを封じる。
エルザが力で押してくるのなら調は技で対抗している。
さすがは百戦錬磨の装者。
相手が力で勝るのなら技に活路を見出すのであった。
さすがは汎用性に富むシュルシャガナ、こうした器用な立ち回りは常日頃から鍛錬を重ねているのだろう。




「重なる」「重ね合う」
「「歌
がぁああああぁあッ!?」」

さらにフリーの切歌が追撃!
さすがの連携のザババである。淀みない。
が、エルザのパワーに上回られて反撃されてしまう。
ザ、ザババの技と連携が通じない、だとォ!?




で、年長者二人組。
後輩が技と連携で戦っているのにお前らはモロに力で対抗して負けているんじゃない。
いや、個ならば装者屈指の実力者である二人が力負けしているって状況がそもそもヤバいんデスけどね……
防人、不浄なる視線ステインドグランスが解けたとはいえ連携力がいまいち……万全じゃないのか……
ぴんしゃんしている時はマリアさんと乳合せしたんデスけどね。
結果は散々だったがな! いろいろな意味で!




「翼さんッ!」

「ありがとう、立花」
「一緒にと繋いでくれた手は温かく、嬉しかった」


ここで翼と響は背中合わせになる。
その時、翼の口から出たのは……手を繋いでくれたことへの感謝だった。
場違いな言葉であったが、伝えたい言葉だったのだろう。
……いや、何かけっこう遺言っぽくないデスか?
君、まさかして防人る気……?



しかし、この言葉に勇気付けられたのか、響は笑う。
手を繋ぐことが響の戦い……ではあるが、常に迷いと共にある。
ヤケクソッサに否定されたことにはけっこうなダメージがありそうだ。
だからこそ、翼に肯定されたことが嬉しいのだろう。
……遺言っぽいけどな!






「シェム・ハの企ても、わたくしめらの悲しみも――もはや止められないでアリマスッ!!」

さらに忍者大好き分身攻撃で追い詰めていく。
技と連携で負けれど、圧倒的なパワーとスピードで押している。
いつもの機転の利いた戦いはどこへやら、精神の均衡を失ったからかフィジカルで押している。
ヴァネッサに続きヤケクソンザム!
……しかし、如何に悲しかろうと自らが悲しみを振りまいたのがノーブルレッド。
ならば自らが悲しみに包まれようとインガオホーの摂理。
悲惨な過去を背負っているのは装者たちと同じだが、誰かを悲しませないために戦って来た装者たちとの違いはそこか……




ともあれ、絶望によって想いの強さは悪い方向に強くなってしまった。
絶望と共に決定的な一撃を叩き付ける。
きりしらオワタ……ぺっしゃんこ……





「そのギアはッ!?」

「制限が解除された――」

「アマルガムデスッ!!」

絶対窮地をアマルガム・コクーンで防ぐ!
ダイダロスエンドさえ神の力の一撃さえ訃堂の散華せよさえ防ぐのがアマルガム・コクーン。
その無敵の防御は怪物の牙を以てしても砕けないのであった。






そして、絶対の攻撃のアマルガム・イマージュ!
気になるアームドギアはイガリマはいくつもの刃が連なった鎌、シュルシャガナは盾。
盾……!?



「小癪なでアリマス……ッ!!」

ここでエルザは真っ向勝負を仕掛ける。
か、完全に我を失っている……
とんちガールじゃない……これじゃうんちガール……(全然上手く言えていない例)
今のエルザは人間らしい機転を失っている。怪物化が進んでいる。






「Let`s try!」「絶対のアンチェイィイインッ!!」
「連なる」「連ね合う」「「声が――」」


それを切歌は分身ごと切り裂く!
絶対の攻撃がアマルガム・イマージュの武器だが、防御はペラペラ。
ならば、やられる前にやればいい。
攻撃で攻撃を潰すことで機先を制するのであった。

汎用性の低さが用語集でも指摘されているアマルガムだが、積み重ねてきた経験と訓練で弱点を感じさせない立ち回りを実現している。
これはただのアマルガムと怪物の激突ではない。
怪物の力に身を任せるエルザに対して、ザババの双刃は人間として積み重ねた経験と訓練で迎え撃っているのだ。





「二人ィッ!!」
「じゃなきゃ出せない」


さらに調は巨大ヨーヨーを投げつける。
盾……?




「「力になり勇気に変わる――」」

ロボットだ!
ロボットかよ!?
意表を突く攻撃にエルザはまたも一本取られてしまう。
にしても、お前もやりたい放題だなー……
経験と訓練を褒めたらこの超変化球だよ……





「「Ready go!」」

そして、決めポーズと共にトドメへ移る。
まずはシュルシャガナのアームドギアを変化させる!
ところでこのカット、切ちゃんの地味なスタイルの良さがわかって興奮するでアリマス。





次にイガリマのアームドギアを投げる!
投げた後に連なる刃が分裂していく。





シュルシャガナにイガリマの刃が合体! 完成! ザババトラバサミ!
トラバサミ、だとォ……!?
イケメンが多くてメチャクチャ格好いいはずなのに何か唐突に面白いことを……
と、思ったが獣に対してトラバサミほど適した武器はあるまい。
無駄に説得力あることするなぁ!
ただひたすらに面白いだけだったザババルンバは一体何だったんでしょうね。





そのザババサミでエルザをゲット。
暴力に任せる怪物に対して人類の叡智、罠で対抗する……
見た目面白いくせにちゃんとテーマ性を確保しているのがちょっとムカつく。
あと切ちゃん、君、さりげなく今まで一度も使っていなかった糸を使うとは何ごとぞ。
調に譲ってもらったのかな?





「いくら何でもそいつはヤバいゼッ!!」

「エルザちゃんッ!!?」

捕えた後に高速回転。
怪物でさえ脅威を感じる一撃……
ヴァネッサお姉ちゃん、いつの間に上着を……
そして――





「ツインハァアアアアアッ!!」

二人の心を合わせ叩き付けて「ポリフィリム挟恋夢ハサミコム」完成!
ただ力でねじ伏せたに非ず。
怪物の怒りに人類の叡智、技術、鍛錬が勝った瞬間であった。
元ネタはポリフィルス狂恋夢デスな。
いろいろテクニカルなユニゾン必殺技であった……






「孤独を埋めるのに心を怪物にする必要はないデスよッ!」

「あなたの心にある壁は誰かを拒絶するためじゃない」
「それはきっと、誰かの想いを受け止めるために――」
「優しさを忘れないでッ!!」


エルザが怪物になったのは身体よりも心だった。
切歌も調はそのことを見切り、人間としての力で上回り、そして、剥き出しの心と向き合った。
ただ敵を倒すのではなくその心と向き合う……
かつては否定と拒絶ばかりだったザババの双刃が辿り着いた境地であり成長の証だった。
XVはザババコンビの成長が本当に力強く描かれているのであった。




「やってくれるッ!」
「だが、痛み分けだなんて思わないことだゼッ!!」


「月遺跡への探査ロケットの破壊という目的は既に果たされています」

「あいつらまたッ!?」

だが、ヤケクソ二人は対話の時間など与えない。
仲間想いであるが故に仲間以外には心を払わないミラアルクの偏狭さとヤケクソヴァネッサのおかげで繋ごうとした手は振り払われる。
かつて響の寸止めにヴァネッサは思うところがあったはずだが……
そして、取り出したるはシェム・ハパワーが宿った黄色のテレポートジェム。
目的達成した以上は撤退すればいい。
怪物になれど引き際をわきまえている。
それは仲間がいるから、かろうじて人間の心があるからか……






「そいつを使えば貴様たちの喉元に食らいつけるのだろうッ!!」

「翼ッ!?」

「この命に替えても小日向は必ずッ!!」

防人、防人ったァアアァアアアアアアア!?
テレポートジェムを潰しは過去にも行われたが、それを利用して敵陣に単身、乗り込む気であった。
落ち着いたと思ったら全然落ち着いていなかった! 心底防人だ!
そりゃ八紘の死(仮)に小日向の件と落ち着くわけがないわけで……
さっきの立花への言葉はまさに遺言であったのか。
XVの防人、安定感まるでなし。危うすぎて可愛い。
……こりゃ八紘が一喝しないとダメだな!




「翼さんを独りぼっちにさせるなッ!!」

「デースッ!!」

しかし、どんな時でもあなたはひとりじゃない。
無印第4話で響は緒川さんに風鳴翼を独りぼっちにしないで欲しいという願いを聞いた。
その時の言葉はまだ生きていた。危険を厭わず翼の元へと向かった。
そして、それは響だけではなく。
クリスが、マリアが、切歌が、調が皆が一緒だった。
熱いシーンなんだけど防人が防人ったのが原因と考えるとちょっと楽しい。






「………………ッ!!」

「皆さんッ!?」

「ギアからの信号、検知できませんッ!」

「スキャニングエリア拡大中ッ!! ですがッ!?」

「世界からの消失……ッ!?」
「まさか、そんなことが――」


そして、間一髪で間に合い、間に合ってしまい、その場にいる全員が姿を消す。
だが、テレポートジェムには転送事故のリスクがあるため、固定された座標、つまりは拠点にしか飛べないようにしている。
そのため、目的地へ赴くために使われたことは一度もなく、いずれも撤退のために用いられている。
こうした運用をしていると明言しているキャロルだけでなくノーブルレッドもそうした運用をしていた(パヴァリア幹部はそこは描かれていなかったので不明だが同様と思われる)。
第5話でノーブルレッドがテレポートジェムを使わずに撤退したのは拠点を失ったからでアリマス。

そんなわけでテレポートジェムを用いると拠点、つまりは既知のポイントへと飛ぶことになる。
だが、装者たちの反応は一切なかった。
て、定員オーバーによる転送事故でアリマスか……?
ABYSSへ行っちゃうでアリマスか……?





「ここは……」
「クリスちゃん……?」


「おい……こいつは何の冗談だ……?」

「え……?」

さて、Cパート。
響は目覚めすぐ側にはクリスがいる。
気遣いと優しさの塊のクリスが響を放っておく……
まぁ、響だからという理由で放っておきそうだけど、そこはわきまえるのがクリスちゃん。
何かが起きているのは間違いなかった。
何せクリスは響に気を遣う余裕がまるでなかった。
それだけの異常が起きていたからだった。



「えぇ……ッ!?」
「まさか、ここは――……」


見えるのは地球……
まさかの月遺跡へのダイレクトシュート!
月遺跡をどう扱うのかと思ったら直接乗り込みやがった……!!!
まさかの一足飛びである。こうなるとは思わなんだ……
謎のポエムの「遠く仰いだ遥かに在るは、踏みしめていたはずの寄る辺」はノーブルレッドの心情だけでなくこの状況も指しているのだった。

シェム・ハがテレポートジェムを改造したのは未踏の地、月遺跡へと転移するためだったワケダ。
錬金術を即座に解析、その機能を拡張するとは……
シェム・ハさん、スゲー。
一方で人員多数かつ駆け込み乗車なので、転移のポイントがややズレたのだろう。
響とクリス以外の装者がいないのはそういうことか。

で、2個のテレポートジェムを改造したのはノーブルレッドの分とシェム・ハ自身の分と。
ならば、既にシェム・ハは現地入りは間違いない。
その上で探査ロケットを潰すのは入念と言うより他ない。
そして、最初からテレポートジェムの転移範囲にいた翼さんはノーブルレッドとシェム・ハと即エンカウントできる位置に……
防人の危機はまだまだ続く!

しかし、地上に残されたユグドラシルやお休み中のキャロル、凹み中の訃堂はどうすることやら。
まさかの突然のラスダン突入であったがまだまだ先は見えないのであった。
次回へ続く。







One thought to “戦姫絶唱シンフォギアXV EPISODE10 卑しき錆色に非ず”

  1. 調は3話で私服の完全版変身バンク披露してるデスよ
    一人だけ私服、制服の両バージョン完備デス

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