戦姫絶唱シンフォギアGX EPISODE06 抜剣



シ・ン・フォ・ギィィッ――ヴウゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!
止まらぬシンフォギアGX。
その真髄を見られるのが第6話だ!


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「パパぁ、どこまで行くの?」

「この先で採れるアルニムという薬草には高い薬効があるらしい」
「その成分を調べて流行病を治す薬を作るんだ」


偶数回特有の書き下ろしアバンタイトル。
在りし日のキャロルとイザークはアルニムという薬草を求めて山道を歩いていた。
文明の手が入っていないからか、自然のままで美しい光景である。
この原風景さえもキャロルにとっては破壊の対象となっているのだろうか。
だとしたら、キャロルの闇は深い。
数百年も闇を放っておけば深くなろうというものだが。

イザークは薬草を調べ薬を作ると、人助けのために錬金術師の力を用いようとしている。
大分拗ねることになるキャロルと違って真っ当な善人であることがわかる。
だからこそ、キャロルは響に反発したわけだろう。

さて、ここでアルニムというシンフォギア以前の金子彰史作品を知る者にとっては馴染み深い単語が出てきた。
アルニムはWAシリーズ全作に登場するのみならず、金子彰史の実質的な処女作、天使の詩2の頃から登場している伝統的なアイテムである。 天使の詩やWAシリーズにおける正式名称は仙草せんそうアルニム。
ただの消費アイテムだったり、あるいはストーリー進行に関わるイベントアイテムだったりとその扱いには差はあるが、いずれにも共通するのはあらゆる病を治すという設定である。
消費アイテムの時はその設定が反映されて全ステータス異常を治すという効果となっている。
今回、イザークが触れたアルニムも同質の物と見るべきか。

もはやおなじみとなったWAネタだが本人曰くこんな意図のようだ。
まったく、ファンサービスが好きな人である。
なお、WA以前や以外と言っているのがミソだろうか。
WAシリーズ以外の作品と言えば天使の詩2が思い当たる。
やはり、未来さんの槍投げも偶然の一致ではなく意図したものなのか……
無論、こうしたネタを知らずともシンフォギアは十二分に楽しめるが、その原典を知ろうとすると20年も前の作品に触れる必要がある。
金子彰史は学門。ハッキリわかんだね。
当感想はその一助となれば幸いです。

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「パパはね、世界の全てを識りたいんだ」
「人と人がわかり合うためにはとても大切なことなんだ」
「さあ、もう少しだ」
「行こう――」


さて、そんなWAネタは置いておこう。
イザークは世界の全てを識りたいと語る。
その目的は人とわかり合うだけだった。
人とわかり合うことはシンフォギア全体の大きなテーマである。
そこに触れるイザークはGXのストーリーの要となっていることは間違いないだろう。
そして、それを娘に見せて伝えたのは人とわかり合うことを目指す人間に育って欲しかったからか。

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「――ああ、往くとも」
「想い出を力と変えて、万象黙示録の完成のためにッ!」


しかし、当の娘は人とわかり合わない道を選んでいるのであったとさ。
ミカ以外のオートスコアラーは帰還していることから、どうやらミカ以外は任務完了したらしい。
ミカは翼とクリスに睨まれて撤退しにくい状況だろうか。
多分、金子彰史の設定的にテレポートジェムの使用直前に戦闘を行うと移動座標をミスるとかそんな感じで。
ワープ中に戦闘すると移動先が狂うのは天使の詩2時代からの伝統ですから……

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「さて、どうしてくれる、先輩」

「反撃――程度では生温いな」
「逆襲するぞッ!」


さて、戦場に舞い戻った天羽々斬とイチイバルである。
反撃で済まさず逆襲する!
広義では意味が同じだが妙にカッコイイ。
これだからノリノリの時の防人語は冴え渡るばかりで困る……
メンタルがちょっとアレな時の防人語は笑えるのでどっちも好き。

対するミカはいつも通りの無邪気な笑顔で相変わらず強敵感丸出しである。
ここでレイアなら変なポーズを取って強敵感丸出しだし、ガリィなら性悪スマイルで強敵感丸出しだし、ファラなら変顔して強敵感丸出しになる。
つまりはどう転ぼうが強敵感丸出し。

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「男どもは見るなッ!!」

調が全裸のこの状況でマリアが吠えた。
何とあまりにも常識的なツッコミ!
やたらと全裸が投げ売りされているシンフォギア世界だが、やはり全裸は恥ずかしいもののようだ。 クリスもエルフナインの服を見て驚きましたからな。
ただでさえ高い露出度が高いギアを纏っているから、この世界における全裸の感覚が狂っているが恥ずかしいものなのだ。

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さて、マリアの言葉を前に弦十郎は静かに視線を逸らす。
実に大人な対応である。
藤尭はメッチャ恥ずかしそうに視線を逸らす。
この童貞が!
ツルペタ少女を相手に必死になられるとガチだと勘違いされちゃいそうなのですが……

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「んなッ!? ななな、何でわたしまでッ!?」

「つい勢いで……」

この事態に未来さんも動く。
え、どういうことだ、未来さん!?
突然一句詠んだりとたまによくわからんことをしでかすのが我らが未来さんであった。

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「調と切歌が撤退するまでの間よ」
「それに――今の翼とクリスならそれくらい問題ないはず」


藤尭が画面を見ないとなると情報管制に支障をきたしそうだが、他にもオペレーターがいる。
それも長期的になら困るのだがマリアの言う通り短時間だしまぁ問題はないでしょう。
何せ心強い先輩たちが現場に駆けつけたところなのだ。
多少目を逸らす余裕は十分にある。

しかし、まるで司令のように現場を仕切っていますな、マリアさん……
ギアを纏えないなら弦十郎の代わりに司令になっては如何か。
無論、手の余った司令は戦場に立つ。

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「慣らし運転がてらに片付けるぞッ!」

「綺麗に平らげてやるッ!」

駆けつけた2人に対してミカはアルカ・ノイズをばらまく。
かつてアルカ・ノイズに大敗を喫した2人である。
そんな仇敵を前に慣らし運転と言う余裕だ。
やはり、それっぽい歌と黒いエンドロールが流れたから不安要素なしか! これでまた分解されたら爆笑物だがな!

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「挨拶など無用――剣舞う懺悔の時間ッ!」
「地獄の奥底で、閻魔殿に平伏せッ!」


「一つ目は撃つッ! 二つ目も撃つッ!!」
「三つ四つ、めんどくせえッ!!」
「絆ぁ――」


「嘗めるんじゃないッ!!」「舐めんじゃねえッ!!」

新たな戦歌、「BAYONET CHARGE」と共に2人は戦場を駆け抜ける。
第2期の2人の戦歌である「月煌ノ剣」と「Bye-bye Lullaby」の歌詞を交換した歌である。
こんな歌を歌えば黒いエンドロールがなくとも負ける道理はない。
ガンガンとアルカ・ノイズを駆逐していくのであった。
武士ノイズもあっさりと真っ二つだ。
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「Project IGNITEは破損したシンフォギアシステムの修復に留まるものではありません」
「出力を引き上げると同時に解剖器官に分解効果を減衰するようバリアフィールドの調整を施してあります」


徹夜続きなのか、目の下に隈があるエルフナインこんちには。
Project IGNITEの効能はギアの出力向上に加えて、解剖器官のダメージの減衰であった。
より強力な矛に加え、アルカ・ノイズの矛を防ぐ盾を手に入れたことになる。
第一課題であった防御力に加えて、オートスコアラーに対抗するための攻撃力まで手にした。
これは嬉しい誤算と言うべきか。
エルフナインは見事な仕事をしたと言えよう。
お礼に生やしてあげないと……シンフォギアを改修したのならそっちもイケるべ!

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「ここは2人に任せるデスッ!」

「わたしたちが足手まといだから――」
「………………ッ!!」


全裸だった調と切歌だがどこからか拾った上着を羽織り離脱していた。
緒川さんは残念ながら助けに来なかったようだ。
NINJA的かつ紳士的に助けてくれると思ったのだが……残念。
ともあれ、意外と仕事人な2人だけあり逃走という仕事もしっかりとこなすのであった。

だが、調は助けられることしかできない自分に歯噛みしていた。
裡に激情を抱えるのが月読調である。
助けられて嬉しいとはなりがたいのか。
響、引いてはS.O.N.G.を助けたいという想いはF.I.S.組では一番強いのかもしれない。
誰よりも響を憎んだからこそ、今では誰よりも響の力になりたいのだ。

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得意かつ伝統の「BILLION MAIDEN」と「逆羅刹」で大暴れだ。
何かあればすぐに逆羅刹するのが風鳴翼である。
移動しながら360度に攻撃判定を出し攻撃する技、と解釈するとそりゃ愛用しようというものだ。
無双系のゲームにあったら間違いなくサルのようにみんなが使う。
さすが水樹奈々もお気に入りの一打であった。

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一瞬でアルカ・ノイズを殲滅。
さらにミカに向けて新技「蒼刃罰光斬」を放つ。
「蒼刃罰光斬」は二刀で放つ「蒼ノ一閃」である。
片方は通常サイズのアームドギアとはいえ単純計算で威力2倍だろうか。使い勝手のいい「蒼ノ一閃」をパワーではなく技術で進化させた技か。
XDの出力によって強化された「蒼ノ一閃滅破」とは別の形での正統進化であった。
なお、この時のギミックは超カッコイイ。
フィギュアに欲しい……シンフォギアのフィギュアはギアのバリエーションや装備が多くて発売しにくいのはわかるのだがそこをナントカ……!

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これをかわしたミカに第2期第9話で使われた「MEGA DETH FUGA」を放つ。
オートスコアラーのデータにないであろう新技で態勢を崩し、生まれた隙に強力な必殺技で狙い撃つ……
見事な先輩後輩コンビネーションである。
調と切歌の連携も見事だが、この2人の連携も同じくらいに見事であった。
これには状況判断もパワーも防御も最強クラスのミカと言えど手傷は避けられないか?

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「フンッ! ちょせえッ!!」

うわ、これ、絶対ちょせくねえ……
雪音クリス、フラグを立てることに関しては超一流であった。
何でここまでフラグ立てに余念がないのか。
これだから能力面ではまったく問題ないはずなのに敗北続きなんですよ!
可愛くておっぱいデカけりゃ許されると思ってるのか!
許す!

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「面目ないゾ」

「いや、手ずから凌いでよくわかった」
「――オレの出番だ」


というわけで、無事にちょせくありませんでしたとさ。
だが、まさかのキャロル出陣である。
ネオジオンの総帥くらいには現場主義である。
ともあれ、かなりの破壊力を誇るであろう「MEGA DETH FUGA」を容易く防いでいるし、ロリなれどその力は凄まじいものがあるようだ。

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「ラスボスのおでましとはなッ!」

「だが、決着を望むのはこちらも同じことッ!」

あ、ラスボス呼ばわりした!
まぁ、ラスボスですな。
そんなラスボスが物語中盤に現れたとなると先行きが不安だ。
イベント戦闘で理不尽に負ける可能性が出てきましたよ。
WAシリーズでは……マザーには勝った。ヴィンスフィルトにも勝った。WA3版ジークフリードにも勝った。
あれ? イケるんじゃないか?

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「全てに優先されるのは計画の遂行」
「ここはオレに任せてお前は戻れ」


「わかったゾッ!」

ここでミカは撤退だ。
どうやらキャロルは本気で戦う気らしい。
現場主義にもほどがある。
相手が強化型シンフォギアで戦力も未知数だというのに……
それほどの力をキャロルは持っているということか。
ここはオレに任せろとかフラグっぽいけど、クリスもフラグを立てたしむしろ相殺!

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「とんずらする気かよッ!」

「案ずるな」
「この身ひとつでお前ら2人を相手にするぐらい造作もないこと」


今の翼とクリスは強化型シンフォギアにそれっぽい歌を歌った。
ザババ組とは単体の戦力が段違いだ。
それでも同時に相手をすると言ってのけた。
その風格、まさにラスボスである。
昇竜系必殺技で9割くらいのダメージを与えかねない。

オートスコアラーの戦力は嫌というほど見せつけられたが、キャロル本人の戦力は未だに定かではない。
だが、S.O.N.G.を相手に万全の戦略を立てるほどだし相手の戦力を見切れないほどのお間抜けではないだろう。
自信に相応するほどの力を備えているということか……

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「その風体でぬけぬけと吠えるッ!」

でも、相手は作中一番のロリである。
背丈やバストサイズで戦力が変わるわけではないにせよ、ここまで小さいと強さに疑問を抱くのも仕方あるまい。
これくらい小さいと翼だって胸で負けませんよ。
風鳴翼が唯一バストサイズで勝てる敵がキャロル!
おう、勝って嬉しいか?

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「なるほど」
「なりを理由に本気が出せなかったなどと言い訳されるわけにはいかないな」
「――ならば刮目せよッ!!」


ならばとキャロルは禍々しい竪琴を引き出す。
あ、知ってる! これ、完全聖遺物ってヤツだ!
シンフォギアってアニメでやってた!
錬金術による改造はあるかもしれないが、完全聖遺物のひとつだろうか。
第2期の頃の完全聖遺物はネフィリムという聖遺物というか生物だったので、久し振りに聖遺物らしい聖遺物の登場である。

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「まさか、聖遺物の起動ッ!?」

「ダウルダヴラのファウストローブ……ッ!」

キャロルが手に取って完全聖遺物?を奏でるとアウフヴァッヘン波形に似たエネルギーが確認される。
マリアさんは当然、聖遺物だと推測する。
そして、エルフナインはまた面白い単語を出してくる。
ダウルダヴラはケルト神話の神、ダグザの持つ人の感情を操る竪琴である。
毎度のことながら曰く付きの聖遺物だ。
ファウストローブはそれに該当する単語はないのでシンフォギア用語。
オカルティックな逸話の戯曲ファウスト+ローブか。
キャロルー、浣腸しようぜー。

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ウワー!? キャロルがナイスバディになったぁ!?
全国のロリコンはしめやかに爆発四散!
そんなわけでそのダウルダヴラを身に纏うキャロルであった。
出力を上げたからか、相応しい大人の身体になっている。
なるほど、身に纏うから「ファウストローブ」か。
シンフォギアとは別系統の聖遺物を身に纏う技術体系がファウストローブだろうか。 錬金術は錬金術だけで完結するのではなく、聖遺物の力までも利用するのであった。

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「これくらいあれば不足はなかろう」

おっぱい揉み揉み。
ま、まぁ、これくらいのサイズもあればおっぱい星人も満足ですね。
だが、成長の基準はそこなのか。
背丈があまりなくてもバストサイズがなかなかのクリスや切歌と言った例もあるのであまり参考にならん気がするぞ。
いや、まぁ、背丈が167cmくらいにデカくなってもB81くらいだとガッカリかもしれない。

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ともあれ、装者たちと同様に己が身を聖遺物で鎧ったキャロルであった。
本邦初公開となるダウルダヴラのアームドギア?は弦であった。 おう、弦の使い方はこれでいいのか?
全国の吹奏楽部が真似をしないのか、小生は心配です。

ともあれ、キャロルの力の大きさを物語るようにアスファルトを豆腐のように切り裂いていく。
WA2のアンテノーラを彷彿とさせる武器だ。
作画が楽そうだしアニメスタッフにとってもありがたい武器であった。

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「大きくなったところでッ!!」

それっておっぱいのことを言っているんですか?
大小は戦力とは無関係だと思うが、アンタの薄い本があまりないのはそこが小さいのが影響していると思うぞ……

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「張り合うのは望むところだッ!!」

それっておっぱいのことを言っているんですか?
いくら錬金術でデカくなろうとナチュラルボーン巨乳ならば負けんと言わんばかりに猛る。
こう、ラスボスが現れて変身して盛り上がる場面なのにどこか脱力するやり取りをするのがシンフォギアである。
たまりませんね!

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だが、キャロルの強さは大きくなった胸のみにあらず。
様々な属性の錬金術を発動させて装者でも屈指の実力者を圧倒していく。
これはダウルダヴラ独自の能力というよりも、それによって強化された錬金術ということか。
ただでさえシンフォギアの一撃を防ぐ力を持つキャロルがさらに強化されたことになる。
まさにラスボスである。
翼は弱点属性(っぽい)の炎で、クリスは弱点属性(っぽい)の水で攻撃しているのも心憎い。
何だかJRPGが元気だった1990~2000年代を思い出させて興奮である。
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「歌うわけでもなくエネルギー――一体どこから……」

「『想い出』の焼却です」

「『想い出』のッ!?」

同じ聖遺物なれどキャロルは歌わずに凄まじい力を発揮している。
その原動力は想い出!
用語では錬金術の力の源は想い出であると既に触れられていたのだが、本編でも触れられることとなった。

金子彰史作品、というか想い出がテーマのWA3では世界の創造さえもできるほどの力となっていた。
同じようにシンフォギア世界の想い出も大きな力を持つのだろう。
何せ人の感情が生み出した歌が力を持つ世界観である。
ならば、人の感情の集合体である想い出にも力が宿るのは道理か……

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「キャロルやオートスコアラーの力は『想い出』という脳内の電気信号を変換錬成したもの」
「作られて日の浅い者には力に変えられるだけの『想い出』がないので、他者から奪う必要があるのですが――」
「数百年を生き長らえ、相応の『想い出』が蓄えられたキャロルは……」


「それだけ強大な力を秘めている――」

キャロルは数百年分の想い出を蓄えている。
だから、強い。
単純故にわかりやすい理屈であった。
切歌もその辺凄そうデスね。
だって、手紙の想い出デスよ?
消えてなくなりたいくらいのパワーがあるに決まってるデス!

そんなわけで歌を力へと変えるのがシンフォギアなら、想い出を力へと変えるのが錬金術もといファウストローブのようだ。
どちらも同じく人の感情を糧としている。
今まで装者たちはそれを武器に戦ってきたが、今回の敵は同じ武器を持っていることに等しい。 装者たちの奇跡を支えてきたのが人の想いだけに、それを武器として立ちはだかる敵は強者たりえて当然か……

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「力へと変えた『想い出』はどうなる」

「……燃え尽きて失われます」
「キャロルはこの戦いで結果を出すつもりです――」


力となった想い出は失われるのであった。
等価交換が錬金術の大原則だけあり、重い対価であった。
ファウストローブを使ったからには想い出の消費もより大きくなっていそうだ。
キャロルは不退転の決意で戦っていることがわかる。
ラスボスのくせに勝負を急いでいる。撤退なんてまるで考えていない。
でも、想い出は複製転写できることがわかっている。
それを考えると盛大に消費しているようで、複製できるからけっこう保険が利いているのかも。
それでもキャロルは豪快に想い出を消費している。
エルフナインにイザークとの暖かい想い出を転写したのはそれだけはなくしたくないという気持ちに表れだろうか……

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「――先輩ッ!?」

「その程度の歌でオレを満たせるなどとッ!」

圧倒的パワーで押してくるキャロルにまずやられたのは意外にも翼の方だった。
機動力を活かした白兵戦では右に出る者はいないが、大火力勝負となると勝手が違うのだろうか。
先輩と気遣う後輩だがそんな暇を与えない怒濤の攻めを繰り広げるキャロルであった。
せっかくパワーアップしたというのにすぐさま圧倒されている。
GXの敵のインフレっぷりは凄まじいにもほどがある。
そりゃ奥歯噛みしめすぎて歯医者に行きますよ……

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第2期第1話の緒戦を飾った技「GIGA ZEPPELIN」でキャロルに対抗する。
これはダメージ狙いではなく手数を出すことによって、翼を助けるための時間稼ぎの意味合いが大きいか。
だが、シンフォギア得意の回転防御によってキャロルはまるで物ともせず簡単に防ぐ。
Lv.80くらいまで上がったと思ったら相手はLv.255だったという絶望である。
かつてのフィーネさんを思わせる圧倒的なパワーである。

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さらに弦を重ねてドリル!
風によって拘束しドリルアタック!
あ、知ってる! これ、最近Blu-ray BOXが出ると決まったアニメの必殺技だ!
第2期の「Vi†aliza†ion」といいガオガイガーっぽい演出が好きなのであった。
ともあれ、これはヤバイ。
無防備なところにドリルアタックですよ。
アニメ的には明らかに致命の必殺だ。
雪音クリス、身体に穴空けちゃうか?

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あ……大の字で倒れるくらいでわりと平気そう……
受け身くらい取りなさい。

強化型シンフォギアが完成した。
それっぽい歌も流れた。
黒いエンドロールも流れた。
なのに、キャロルには敵わず圧倒されるばかりである。
絶望するなという方が無理がある。

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「――まだよッ!」
「まだ立ち上がれるはずッ!!」


だが、それでも装者たちを信じる者がいた。
かつて敵として対峙したマリアである。
ある意味、二課の装者の強さを一番知るのは実際に矛を交えたマリアかもしれない。
その強さがその戦力以上に諦めない心にあることも知っている。
敵わないと漏らしてしまうほどに二課の装者は諦めない。 だからこそ、まだ立ち上がれると信じられるのだ。
今のマリアは誰かを信じる強さを手にしているのであった。

これは敵として立ちはだかったからこそ叫べる言葉である。
マリア・カデンツァヴナ・イヴ。
熱いエールであった。
ところで動画勢とかエアプとか言うなよ! いいな! 絶対だぞ!

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「イグナイトモジュールの可能性はこれからです」

「イグ、ナイト――」

強化型シンフォギアはただの強化改修だけでなく新機能が盛り込まれていることは既に用語集で述べられている
Project IGNITEの本番なのだろう。
そして、秘められたリスクの意味が明らかになるのもここからか。
鼻血程度で留めろとは言わんので、せめて血涙くらいでナントカ……
もちろん、クリスは軽い血涙で済むが翼は派手な血涙に至る。

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「大丈夫か、雪音」

「アレを試すくらいにはギリギリ大丈夫ってとこかな」

強化型シンフォギアの切り札は2人も既に承知していた。
それでも取っておきたかった取っておきにしたのは、それほど未知のリスクということか。
ただのリスクなら2人は躊躇わない。
事実、第1期の頃は両者共に必要とあらば躊躇せずに絶唱を使用している。
打開策ながら不安が残るのだった。

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「弾を隠しているなら見せてみろ」
「オレはお前らの全ての希望をブチ砕いてやるッ!!」


その切り札をむしろ誘うキャロルだった。
やっぱり、Project IGNITEを誘っているような……
溜め込んだ想い出を一気に支払っているだけあって、キャロルにとってもここは正念場なのだろう。
S.O.N.G.以上に目の前の敵をただ倒せばいいわけじゃないので気苦労も多そうだ。
精神年齢数百歳でなければストレスで死んでいそうだ。

しかし、何というか、この肋アピール……
全体的に肉付きがいいシンフォギアキャラとしてはけっこうな細身で、キャロルのアンバランスな色気が露わとなっている。
えちい。
大人の身体になれど肉が足りないので華奢ということか。
ちょっと胸に栄養を回しすぎた模様。
前面の守りは強化されたが側面がちょっと弱い。

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「付き合ってくれるよな――」

「無論――独りで往かせるものかッ!」

「イグナイトモジュール――抜剣ッ!!」

先輩と後輩、2人でなら怖くない。
数々の戦いを共に潜り抜けた防人同士だからこそのザババ組とはまた違う絆である。
その絆に賭けて、リスクを覚悟でついに抜剣!
珍しくサブタイトルがそのまま使われたのだった。
しかし、剣で良かったですね、翼さん。
銃にちなんで早撃ちとかなら不機嫌になったかも。
あ、早撃ちも剣だから喜ぶか……

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「Dáinsleif――」

あ、コンバーターって取れるんだ!
ギアと一体かと思ったら意外にも融通が利く模様。
機械音声でダインスレイフと言うのは平成ライダーっぽいですな。
ついにそちらまで手を出したか……
平成要素の多いシンフォギア。そのくせ昭和の香りがする不思議。

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抜剣したコンバーターは変形、刃が飛び出す。
それで胸を貫く!
……え、代償は命そのものですか?
思った以上に物理的に痛そうだった。
これは血涙以上に痛い。 血涙に慣らされただけに変化球であった。

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「はらわたを、かき回すような……これが――この力が……ッ!!」

イグナイトモジュールに貫かれた2人は黒くなっていく。
この描写で思い出されるのは響が過去に幾度か発動させた暴走だ。 うーん、やはりダインスレイフは禍々しい。
これがアガートラームならもうちょっと安心できたのだが。
今からでもアガートラームをすり鉢で砕いて混ぜられませんかね?
マリアさんは爆涙するだろうけど。
ところではらわたとか言い出す翼さんは土壇場においても、いや土壇場だからこそ防人。

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「ご存じ通り、シンフォギアシステムにはいくつかの決戦機能が搭載されています」

「絶唱と――」

XDエクスドライブモードか」

さて、ここでProject IGNITEの説明に時は戻る。
シンフォギアの決戦機能である絶唱とXDモードに触れられる。
エルフナイン、よく知ってるのう。
毎週更新される用語集をちゃんとチェックしているのかな?
ともあれ、錬金術師サイドは強さはもちろん、その情報収集能力も特筆に値するのだった。

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「とはいえ、絶唱は相打ち前提の肉弾」
「使用局面が限られてきます」


まず、リスクと引き替えの力と言えば絶唱である。
であるのだが、その性質上あまりにも瞬間的な運用になってしまう。
一瞬の高火力で殲滅できる相手ならば有効かもしれないが、生憎今回の相手は火力があれば勝てるほど簡単な相手ではない。
オートスコアラーとしても絶唱を使われたのならそれ相応の対応――時間稼ぎなどで疲弊させることも十分にできるだろう。
命がけの必殺である絶唱も今では戦術の一部としてしか見られない状況なのだ。
悲しいかな、絶唱の価値は年々落ち込んでいると言わざるを得ない。
逆に言えば絶唱に頼らなくても戦えるよう地力が増してきているということでもある。
同時に株が落ち込んだ絶唱に見せ場を用意する可能性だってある。
S2CA・ツインブレイク type-AやS2CA・ツインブレイク type-Bも残っているわけだしね。
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「そん時ゃXDエクスドライブでッ!」

「いえ、それには相当量のフォニックゲインが必要となります」
「奇跡を戦略に組み込むわけには……」


シンフォギアが起こした最大の奇跡、XDモードもあまりにも状況限定すぎて戦力に数えるのは無理がある。
70億の絶唱のような無茶は何回もやれないし、状況に応じてやるのも無理がある。


戦姫絶唱シンフォギア 公式設定画集 シンフォギアライブ2012

その初出も第1期の公式設定画集とその出番から大分経っている。
限定的なモードだけあり解説も限定的だ。
そんなものに期待できるのは最終回くらいだ。

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「役立たずみたく言ってくれるなッ!」

でも、最強最大の武器を役立たず扱いされて大艦巨砲主義なクリスはご機嫌斜め。
仕方ないね。

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「シンフォギアにはもうひとつ決戦機能があるのをお忘れですか」

絶唱は瞬間的すぎるしXDモードも限定的すぎる。
そこで挙げられたのが暴走だった。
絶唱ほど瞬間的でもなければXDモードほど限定的でもない。
そのトリガーさえ用意できれば十分に意図して発動させることもでき、恒常的な戦力の増強を図れる。 ロジックとしては完璧である。

そして、暴走が決戦機能と扱われた。
シンフォギアの機能不全ではなく機能が正しく働いた結果が暴走なのだ。 暴走は装者の精神や肉体が不安定になった時に発動している。
なので、一種の自己防衛機能なのだろう。
響は(融合症例であることも影響しているだろうが)暴走したからこそ左腕の喪失という一大事を避けることができた。
一方で自己防衛が第一なので周りへの危険は顧みておらず、その対価も無視していると。
その辺のロジックも良くできているのであった。

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「立花の暴走は搭載機能ではないッ!」

「トンチキなこと考えてないだろうなッ!」

エルフナインのロジックには問題はない。
だが、2人からすると気が気ではない。
暴走を戦力として数えるなど狂気の沙汰にもほどがあるのだった。
何より暴走に苦しんだ響を知っているからこそ、首を縦に易々と振るわけにはいかないのだろう。
Project IGNITEの発案から実行まで間があったのはそういうことだったのだ。

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「暴走を制御することで純粋な戦闘力へと変換錬成し、キャロルへの対抗手段とする――」
「これがProject IGNITEの目指すところです」


そんな暴走の制御がProject IGNITEの目的であった。
Project IGNITEのリスクはまさに暴走そのものであった。 そして、今回の敵は戦力だけでなく戦術的にも戦略的にも手強い相手だ。
ただ暴走するだけでなく制御も求められる。
あんまりにもこれしか手がなさすぎて罠でも踏み込まざるを得ない状況だ。
キャロルはギャンブルの胴元になれば別の意味で錬金術師になれたのではなかろうか。

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「モジュールのコアとなるダインスレイフは伝承にある殺戮の魔剣」
「その呪いは誰もが心の奥に眠らせる闇を増幅し、人為的に暴走状態を引き起こします」


自分以外を殺戮するダインスレイフのエピソードに暴走ほど相応しいものはない。
シンフォギアの根幹に流れる人とわかり合うというテーマとは程遠いものである。
誰かと手を繋ぐのがシンフォギアであるはずが、それから遠ざけることになりかねない。
なんちゅうもんを持ち出してくれたんや……

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「それでも、ヒトの心と叡智が破壊衝動をねじ伏せることができれば――」

「シンフォギアはキャロルの錬金術に打ち勝てます」

「心と、叡智で――」

ダインスレイフの役割はあくまでも暴走のトリガーであり、制御の大部分は装者たちの心にかかっているようだ。
暴走を戦力とするロジックそのものは理に適っているが、装者たちのメンタルに賭けなければならないのが不安要素である。
ある意味ではもっとも戦術的な運用から遠ざかるかもしれない。
それでも弦十郎は装者たちを信じてProject IGNITEを認めたのだろう。
装者たちをずっと見守ってきて、その心の可能性を信じているからか。

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「あのバカは、ずっとこんな衝動に晒されてきたのか……ッ!?」

「気を抜けば、まるで深い底に――……」

でも、本人たちはシステムに翻弄されるばかりだった。
血涙はすれど暴走は知らん。
絶唱とは違い身体ではなく心を責め立てるのが辛いところか。
装者たちは皆が皆、心に弱さを抱えている。
その弱点をモロに突いてくるのが困りどころだ。
切ちゃんがやれば手紙を思い出して消えてなくなりたくなるデース……

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「ステージ……?」
「もう1度、私はここで大好きな歌を歌うんだ」
「夢を諦めて、なるものか――」


さて、金子彰史得意の心象風景である。 思えば第2期ではなかった描写でしたな。
翼の心象風景はステージだった。
ここで歌うのが第1期第9話で見つけた風鳴翼の夢である。

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「私の歌を聴いてくれるのは、敵しかいないのか――」
「新たな脅威の出現に戦いの歌を余儀なくされ、剣に戻ることを強いられた私は――」


しかし、そんな夢を砕く現実が突きつけられるのであった。
アーティストと防人の二足わらじは翼としても本意ではないのだろう。
平和のために戦うのは致し方ないとしても、戦うしかないだけでは疲弊するのが風鳴翼である。
疲弊した結果、防人語を言って後輩に絡んだ。
……うん、防人専心だと世界のためにならんな。

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「――お前が娘であるものか」
「どこまでも穢れた風鳴の道具に過ぎん」


静かに燃える炎に喩えられる男、八紘はかつて翼を冷酷に突き放していたのだった。
風鳴一族は日本を裏から支えれど決して英雄ではない。
旧陸軍が母体となっているだけに血生臭い過去に包まれているのだろう。
まして翼の祖父であり八紘の父であろう訃堂は外道である。
自らの一族を穢れたと揶揄するのも道理か。 そんな一族として生まれたからには普通の親子としての関係など期待できようもないか。
この因縁だけでひとつの作品が作れそうなくらいに風鳴一族の闇は深いのだった。OVAで頼む。

そんな中で翼と弦十郎の関係は良好そうに見えて、どこか風鳴一族として一線を引いている一面もある。
それが強く表れたのが第1期第12話の翼がその身を犠牲にカ・ディンギルを破壊した時だ。
弦十郎はクリスが倒れたことには強く動揺し無力を嘆きながらも、翼が倒れたことにはその喪失を認めある種讃えてもいる。
防人一族の宿命はどこまでも重いのだ。

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「それでも認められたい」
「だから、私は――私はこの身を剣と鍛えた」
「そうだ、この身は剣」
「夢を見ることなど許されない道具――」
「剣だッ!」


あー! この人、どこかで見たことある! 第1期の頃の防人さんだ!
第1期で自分の夢を見つけ、第2期で仲間たちとの絆を育み成長した。
そんな歩みを全部リセットして、剣としての生き方を強制する……
これが翼の抱えた闇なのか。
おそらくは生まれた時から根付いているなかなかに根深いものである。
こんな闇をモロに出していた第1期初期はああもなろうというものである。
でも、あの頃の翼さんは目隠しして階段を駆け下りているようでアレはアレで好きです。

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「剣では、誰も抱き締められない――……」

そんな翼の心の支えとなり太陽にもなったのが奏である。
だが、剣の自分には抱く資格がないと責めてしまうのだった。
どう転んでもダメだな!
この防人め!
こうなった時の翼は本当に面倒臭い。
何を言っても防人語で返すので日本語が通じん。
この翼の心を溶かした響は恐ろしいくらいのファインプレーと言えよう。
一緒にデートをした未来もホームランに繋げるためのタイムリーヒットをしたか。

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「システムから逆流する負荷に2人が耐えられませんッ!」

「暴走――」

「やはりぶっつけ本番では……」

己の闇にモロに落ちているので、当然経過は良好ではない。
暴走を力とするどころか、自爆に繋がりかねない状況に焦る。
ぶっつけ本番ではなかなか上手く行かないのがシンフォギアである。
響の武術もS2CAもトレーニングの賜物なのだ。
もうちょっとトラウマ系の映画を見た方が良かったかもしれんな……

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「だとしても信じて上げてください」
「翼さんと、クリスさんを」


それでも信じるエルフナインだった。
ここに至るまでエルフナイン自体の感情や背景はほとんど語られていない。
そんなエルフナインが装者たちを信じるのには何か理由があるのか……
薄い本的な何かがあったのかな?

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「教室――」
「あたしがいてもいいところ」
「ずっと欲しかったものなのに……まだ違和感を覚えてしまう……」


さて、今度はクリスの心象風景である。
バルベルデという非日常に生きてきたクリスにとって、学校生活という当たり前の日常は何よりも求めてきたモノだろう。
今では友達だってできた。
そう、メガネの子は学祭で歌に誘ってくれた子だ。可愛い。
だが、そんな手に入れたはずの日常に違和感を覚えてしまうクリスだった。
それは普段はごく小さなものかもしれないが、ダインスレイフによってその闇は深く暗くなっているのか。

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「それでも、この春からは新しい後輩ができた」
「なのに、あたしの不甲斐なさであいつらがボロっカスになって……ッ!」
「独りぼっちが仲間とか、友達とか、先輩とか後輩なんて求めちゃいけないんだ……」


調と切歌が入学してきて自分の場所を彩る友達が増えた。
2人を思いやっているのは同じように孤独に苦しんだ過去を持っているからか。
しかし、無力さと油断癖で2人を苦しめてしまった。
独りぼっちが長かっただけに独りぼっちになることを誰よりも恐れており、その結果、失うくらいなら最初から独りぼっちがいいと至る。
剣とか言い出すよりは少女的な悩みですな。
いきなり剣と言い出す人はやっぱりおかしい。 防人にしかありえない化学反応ですよ。

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「残酷な世界がみんなを殺しちまって、本当に独りぼっちとなっちまう――」

クリスに友達はできれどやはり世渡りはそこまで上手くないのだろう。
基本的には不器用な人だし。
だからこそ、フィーネさんが倒れた時に泣いていた。 仇敵でさえクリスにとっては大事な一部だったのだ。
故にせっかくできた後輩を喪失することは何よりも辛いか。
クリスとザババ組の関係ができた形。
この3人のカップリングにも期待ですな。
……クリスと呼び捨てで呼んでくれたマリアさんのことも思い出してくれると嬉しいナー。

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自分の痛みではなく誰かの痛みに泣くのが雪音クリスの優しさであった。
だから、傷付く調と切歌に心を痛めていた。
マリアとは別の意味で涙を流しているのだろう。
そうして逃げ出そうとするクリスの手を掴んだ人間がいた。
誰だ? 弦十郎か?
クリスの心の中において弦十郎のウェイトは相当に大きいと思うのだが……
クリス×弦十郎の薄い本もあったし。

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「すまないな……雪音の手でも握ってないと、底なしの淵に呑み込まれてしまいそうなのだ……」

「おかげでこっちもいい気付けになったみたいだ……」
「危うくあの夢に溶けてしまいそうになって――……」


お前はSENPAI!!
互いに独りで己を支えられるほど強くはない。
だが、手を繋ぐことはできる。
だから、心の闇に勝てずとも手を繋ぐことで闇堕ちするのは避けるのだった。
熱いつばクリであった。それっぽい歌を歌っただけのことはあるぞ。
闇堕ちはすけべ本の王道だからね。それを避けられて良かったと思いまーす。
……クリスが闇堕ちするすけべCG集あるけど。また18禁注意。責任は持ちません。

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「不発……?」

暴走は避けられたものの2人揃ってマリア・カデンツァヴナ・イヴるのであった。
心の闇を抉り出されただけにMPが枯渇した状況だろう。
この結果にはキャロルも不満の様子だ。
キャロルがProject IGNITEを誘発させたのは火を見るより明らかである。
それがこんな結果に終わると一番困るのはキャロルだ。
既に想い出も大量に消費しているし、このままだと圧勝したのに痛み分けで終わりかねない。

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「ボクの錬金術ではキャロルを止めることはできない……」

「大丈夫」
「可能性が全て尽きたわけじゃないから」


そんなキャロルの事情を知らないエルフナインは落ち込む。
ロジックは正しかったが装者の弱さを刺激するもののために付いてこれなかった。
そんなエルフナインを励ましたのは意外にも未来だった。 今の未来はメンタル面において絶大な援護を行っている。
S.O.N.G.のお母さんだよ。
くそう、RADIOで毎週面白いことをやっているくせに……

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「改修したガングニール……」

「ギアも可能性も、2度と壊させやしないから」

粉々に砕けたと思われたガングニールだが改修に成功していた。
アガートラーム、華麗に無視されました。
響が寝込んでいて戦力として不透明な状況でガングニールの改修を行ったのは、Project IGNITEのリスクにLiNKERなしのマリアが耐えうるかわからなく、加えてアガートラームがXDモードでの運用しか行えていないので実用に足るかわからなかったからか。
それなら響が目覚めれば即実戦投入できるガングニールの方がまだ戦力として有用か。
ま、まぁ、マリアさんはキャラソン発売時期を考慮すると9話までに出番がありますよ、多分……

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「尽きたのか、それとも折れたのか――」
「いずれにせよ立ち上がる力くらいはオレがくれてやる」
「いつまでも地べたに膝を着けていては市街の被害も抑えられまい」


さて、キャロルとしてもこのままでは困る。
困るからアルカ・ノイズで破壊活動で発破をかけた。
このキャロル、容赦せん。
一般人まで遠慮なく殺戮するなんて更生の余地なしだ。
まさに外道!
外道には容赦がないのが金子彰史作品である。
けっこうな比率で悲惨な最期を迎えている。
その分、スカッと倒せるということでもあるのだが……
キャロルの背景が重いだけに戦いにくい相手にもなりそうだ。

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「天を衝く力を……ッ!!」

「ヤツに突き立てる牙を……ッ!!」

防人っぽく己を奮い立たせる。
が、ダメ! ガッツがたりない!
MP切れがHP切れにも繋がっているようだ。
コブラチーム版ジョジョかな?

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「歌えないのなら分解される者どもの悲鳴をそこで聞けッ!!」

……まぁ、分解というか爆破ですがね。
フィーネさん並みに悪い笑みを浮かべて破壊活動である。
こりゃワルだ。戦うより他ない。

さて、旧ノイズは事あるごとに爆発していたが、あれはノイズ本体の能力ではなく炭素化による粉塵爆破である。 屋外じゃ粉塵爆破しねえよというツッコミは置いておく。
脚本の人が粉塵爆破と言い出したら粉塵爆破なのだ。
なので、炭素化しないアルカ・ノイズが爆発する可能性は低いのだが……
無論、爆発しても誰も文句は言わない。
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「――うおおおぉぉおおおおぉぉおおおおッ!!」

装者が立ち上がれず、アルカ・ノイズが蹂躙するばかりの世紀末。
そんな世紀末に響がミサイルに乗って現着だ。
第1話で慣れたからか、ミサイルサーフィンを完全にモノにしている。
そして、ダブルミサイルパンチ(片方は響のミサイルパンチ。もう片方はミサイルそのもの)だ。
今はミサイルにパンチをする時代にあらず。
ミサイルに乗ってパンチをする時代だ!
ミサイルにパンチをする時代が本当にあったから困りますね。

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さらに他のアルカ・ノイズもミサイルで撃破!
たくさん撃ったミサイルには意味があったのだ。
これならシンフォギアもスパロボに出せますな。
テッカマンブレードが出たからシンフォギアもイケるイケる!

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「ようやく揃うか」

響の急行もキャロルにとってはピンチにあらず。
むしろ、本番なのだろう。
待ち望んでいたとそびえ立つキャロルであった。
翼とクリスの2人がかりでも圧倒された。
響が増えても勝機は薄いかもしれない。
融合症例でなくなったことでS2CAも使えないだろう。
第2期第13話では使っていたがあれはアガートラームの力が作用したからこそ、使えたS2CAだろう。

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「イグナイトモジュール――もう1度やってみましょうッ!」

「だが、今の私たちでは……」

イグナイトモジュールの可能性に賭ける響だった。
しかし、翼とクリスの表情は暗い。
何せ心を抉られた。
耐えることはできても克服はできなかったのだ。
手紙を見せつけられるようなものである。止めるデス!

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「未来が教えてくれたんですッ!」
「自分がシンフォギアの力に救われたって」
「この力が本当に誰かを救う力なら、身に纏ったわたしたちだって救ってくれるはずッ!!」


そんな響を勇気付けるのは未来の言葉だった。
その言葉は今翼とクリスにも伝播する。
未来みくの言葉はその名に相応しく未来みらいを支えている。
そして、誰かを救うのなら自分たちも救える……
実に金子節だ。
戦う力に戦うこと以外を求めるのが金子流儀である。 力の持つ二面性を描くのが金子彰史であり、それはシンフォギアという根幹にも関わるのだった。
ただ戦うだけでなく自分をも救ってくれる力というのは響だけなく翼とクリスにとっても道を切り開く答えなのだろう。

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「だから、強く信じるんですッ!」
「ダインスレイフの呪いを破るのは――」


「いつも一緒だった天羽々斬――」

翼と天羽々斬の付き合いは長く深い。
長すぎて深すぎたせいで純粋な少女が防人になってしまったほどだ。
……悪影響の気もするが、まぁ、中二病みたいなもんでしょう。
後から見れば恥ずかしいがどうしようもなく大事な自分の一部になっているものだ。
防人であることも風鳴翼の一部であり誇りなのだ。
防人語もな!

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「あたしを変えてくれたイチイバル――」

クリスにとってイチイバルは自分を変えてくれた象徴らしい。
状況に流されるだけの無力な少女がイチイバルと、フィーネさんと出逢って力を手にした。
イチイバルはまさしく自分を変えてくれたのだ。
そこからの道は順風満帆なるものではなく迷いに満ちたものだが、響たちと出逢いそのイチイバルで夢への道を切り拓こうとした。
イチイバルはただしくも自分を変えてくれたのだ。

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「そして、ガングニールッ!!」

ガングニールを誰かを救う力と響は定めてきた。
だが、ここで自分を救う力とすると誓った。
ガングニールへの想いが今までとはまた違ったものになった瞬間であった。
誰かを傷付ける力になりかねないガングニールだが、自分の力として覚悟して自分を預けることを選んだ。
これはガングニールに依存するのではなく信頼した瞬間でもあろう。 あ、何か翼さんだけネタ混じりになってしまった。仕方ないね。

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「信じよう、胸の歌を」
「シンフォギアをッ!!」


「このバカに乗せられたみたいでカッコつかないが――」

「もう1度行くぞッ!!」

「イグナイトモジュール――」

「「「抜剣ッッ!!!」」」

再び抜剣!
かつて響は胸の歌を信じなさいとフィーネさんに言われた言葉だが、今はその想いを誰かに伝えている。
未来の言葉で響は受け取った想いの意味を改めて知ったのだろう。
想いとは受け取るだけでなく、自分の中で育み誰かに届けるものでもあるのだ。
この想いを伝えることは第1期第8話で響が見つけた答えのひとつなのだ。

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そんな熱く滾る想いとは裏腹にイグナイトモジュールは冷酷に平成ライダーって突き刺す。
呪いは無慈悲な刃となってまた装者を貫くのだった。
覚悟はすれど装者の身体にも心にも優しくない。
誰かあなたに優しいイグナイトモジュールを作って差し上げろ。

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「呪いなど斬り裂けッ!!」

「撃ち抜くんデスッ!!」

「恐れずに砕けば、きっとッ!!」

闇に飲まれそうになる装者たちを鼓舞するのはかつての敵であった。
マリアは翼を、切歌はクリスを、調は響に言葉をぶつける。
繰り返すが二課装者の強さを思い知らされたのはF.I.S.だ。
だからこそ、諦めずに信じられるのだった。
そこにはわだかまりも何もなくただただ信頼をぶつけていた。
そして、暴走状態の装者に言葉をぶつけるのは第1期第13話を思い起こさせる。
これはまさに謎ポエム通りに墜ちて燃えて尽きて、そして――

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「未来が教えてくれたんだ……ッ!」
「力の意味を、背負う覚悟を――」
「だから、この衝動に塗り潰されて――」


「「「なるものかッッ!!!」」」

これはまさに第1期第13話だ!!
あの時と同じ台詞だ。
いや、まだ第6話だぞ! 第6話なのに、第1期の最終話をオマージュ!
繰り返しネタはシンフォギアの王道ではあるがまさかこのタイミングで最終話をなぞろうとは…… 結果、第6話らしからぬ盛り上がりである。本当に出し惜しみしない。

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そして、己の闇に打ち克ちニグレドモード完成!
(ニグレドモードは後述)
同じ強化形態とはいえ純白のXDモードとは対称的に漆黒である。
各部のシルエットも禍々しく、暴走状態を基盤としていることが伺える。
また、響のポーズはタイトルロゴのそれだ。
あの禍々しいタイトルロゴはニグレドモードをモチーフとしていたのだった。
しかし、これでついに響も黒いガングニールを……
ん? つまり、黒いガングニールなマリアさんってもしかして常時ニグレドモード?
うわ、マジつえー!
だから、バックファイアで血涙したのか!
わかりました!

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翼とクリスも黒い天羽々斬と黒いイチイバルを纏う。
この2人は全然黒くならなかっただけあって実に印象的だ。
GXになってギアの色合いに白が増えたのは、ニグレドモードとの比較のためか。
翼は真っ黒なアームドギアになってまさに魔剣と言った風情。
よし、これからは剣ではなく魔剣を名乗ろう!

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「始まる歌――」

「始まる鼓動――」

「響き鳴り渡れ希望の音――ッ!!」

そして、すかさず3人で鳴り響く音、「RADIANT FORCE(IGNITED arrangement)」!
GXの始まりのバベルであり僅か6分で適合者を血涙させた「RADIANT FORCE」のアレンジがここで炸裂だ!
第1話でも「RADIANT FORCE」のパートだけを何度も繰り返した適合者は多いだろうし、その結果、メロディを聴くだけで瞬く間に熱血は飛沫きその身は容赦なく灼かれることになった適合者も多いだろう。
小生がそうです、はい。

そんな適合者にとってこのタイミングで「RADIANT FORCE」は最高すぎてヤバい。
PVと第1話の「RADIANT FORCE」の流れはこの瞬間に爆発させるためだと思うと胸が熱い。
そんな想い出が焼却されるくらいに高まったテンションを少しでも表現するためにここから歌詞をノンカットでお伝えいたします。
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「モジュール稼働ッ!」
「セーフティダウンまでのカウント、開始しますッ!!」


ニグレドモードだがリスクがある故に時間制限も用意されていた。
999秒! 6分、360秒あれば全てを燃やし尽くせるから余裕だな!
ここでNIGREDOと表記されているので暫定的にニグレドモードと呼称しています。
当たるとイイナー。
なお、ニグレドは錬金術における黒化を意味する。 黒くなっているしそのままピッタリだ。
他にもアルベド(白化)やルベド(赤化)がある。
アルベドはおそらくXDモードか。
ルベドだけは未だに例がなく、そして神人合一という大変深い意味がある。
カストディアン――

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(悪を貫く強さ――……)

己の弱さを克服し立ち上がった装者たちを見て、マリアはアガートラームを握る。
悪が意味するのは敵だけでなく、自分の心の弱さもか。
心の弱さ故にマリアは悪にならざるをえなかった。
装者たちのように自分を誇れればまた違った道を歩めたかもしれない。
だからこそ、マリアは現実を噛みしめるのだった。
GXのマリアの言葉はひとつひとつが重いのであった。
男共は見るな!もね。アレ、すっごい味がある台詞デス。

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「検知されたアルカ・ノイズの反応、3000ッ!?」

「3000ッ!?」

ニグレドモードを発動させた装者たちに対して小手調べか、キャロルはアルカ・ノイズをばらまく。
その数、実に3000!
数だけで考えれば1000倍の差である。
まるで第1期第13話のような大盛り特盛り編成だ。

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「たかだか3000ッ!!」

「その手は何を掴むためにある――」

「多分、待つだけじゃ叶わない――」

だが、たかだか3000ッ!!
何するものぞ、アルカ・ノイズ!
オープニングと同じ構図で吹き飛ばしていくのだった。
その中にはみんな大好き(になる予定)のバナナノイズもいるぞ。
なお、この時にアルカ・ノイズは棒立ちで歩いて吹っ飛ばされている。
あえて言おう。最高のリアクションであると。
やられ役というのをわかっていらっしゃる……

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「その手は何を守るためにあるッ!」

「伝う熱は明日を輝かす種火に――ッ!!」

さらに「蒼ノ一閃」!
ニグレドモードならその威力も数倍か、またも新種のアルカ・ノイズを瞬殺していく。
歌の出し惜しみが一切ないGXだがノイズの出し惜しみも一切ない。
今までのシリーズでは新ノイズには一定の見せ場が与えられていたというのに……!

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「例え闇に吸い込まれそうになってッ!」

「涙さえ血に濡れて苦しくてもッ!!」

「還る場所が待っているッ!!」

かつての大技「MEGA DETH QUARTET」もノーチャージで吐き出していく。
装者の援護が必須な大技だったのに息を吸うように出しやがった!
ニグレドモードの出力がどれほどのものかがわかる。
そして、それを高速回転しながら食らうバナナノイズは強烈に個性をアピールしている。
こりゃブドウノイズに変わって大人気間違いなしだ!

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「集えッ!」

「守れッ!」

「契れッ!」

「勇気の結晶が奇跡なんだッ!!」

さらに第6話なのに火薬大放出である。
まだ最終回じゃないから火薬が余っていないだろ!
これで第7話で怒られるくらいなのだから、火薬の貯蔵量がどれほどのものなのか……

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「ヘソ下辺りがむず痒いッ!!」

あ、何でこう性的なことを言い出すんですかね!
おっぱい揉みんぐといい、妙に性的な大人キャロルであった。
処女ビッチというものか。エロい。
ともあれ、キャロルを感じさせるほどのニグレドモードの破壊力であった。

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「「「願い祈り全てを背負いッ!」」」
「「「本気を越えた、本気の歌ッ!!」」」
「「「痛みなんて何も怖くないッ!」」」


「滾れッ!」

「沸騰せよッ!」

「この身体ッ!!」

装者たちの本気にキャロルも本気を出す。
アルカ・ノイズごと薙ぎ払おうとしている。
こう、敵だけじゃなく味方にもあっさりと吹き飛ばされるノイズさんの悲哀よ……
旧ノイズと比べて攻撃的になったアルカ・ノイズだが、やっぱりどこかノイズさんであった。

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「かざせッ!」

「さあッ!」

「闇夜にッ!」

「「「稲妻をォオオッ!!」」」

「RADIANT FORCE(IGNITED arrangement)」だがその歌詞は「RADIANT FORCE」とは異なっている。
やや攻撃的になっていると言えよう。
トーンも下がっているし心なしかピッチも上がっている。
場面と状況、テンションに合わせた変化である。
歌と物語の一体化を目指したシンフォギアがまた新たな境地に達した瞬間であった。
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(それでも響は、傷付け傷付く痛みに隠れて泣いている――)
(わたしは何もできないけれど、響の笑顔も、その裏にある涙も、拳に包んだ優しさも、全部抱き締めてみせる)
(だから――)


また新たな強さを手にした装者たちであったが、未来はその裏にある弱さを知っている。
その上で認めて止めずに、響の持つ全てを受け止めてみせると誓った。
これぞさらなる進化を遂げた未来GX!
これはもう第4期になったら結婚して子供を産むしかないレベルの進化だ。 iPS細胞ぉ!

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「負けるなぁぁぁあああぁああッッ!!!」

叫んだ! 未来が叫んだ!!
戦場に立つ響を認め、受け止めて叫んだ!
未来の変化がこの叫びに集約されている叫びだ。
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「稲妻を喰らえぇええぇええッ!!」

叫んだ! 弦十郎も叫んだ!
相手の得物を掴み引き寄せるコンビネーションは第1期第6話第1期第11話で師弟揃ってネフシュタン相手に用いている。
2人の絆が表れた技である。
新たな変化だけでなく旧来の在り方も感じさせる胸熱な展開である。

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「「「絆ッ!」」」
「「「心ッ!」」」
「「「ひとつに束ねッ!!」」」
「「「響き鳴り渡れ希望の音ッ!!!」」」


イチイバルブラック! 天羽々斬ブラック! ガングニールブラックの波状攻撃だ!
まさに絆と心をひとつに束ねた一撃である。
これにはキャロルも為す術もなく食らう。
だが、キャロルはラスボス。ただやられるだけでは――

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「「「信ずことを諦めないとッ!!」」」

「歌えッ!」

「可能性にッ!!」

「ゼロはないッ!!!」

普通にやられたぁ!
いや、これはもうキャロルを責められまい。
ここまでやられればもう止めろという方が無粋だ。 最大最強を力尽くでねじ伏せるのがニグレドモードで「RADIANT FORCE(IGNITED arrangement)」だ!!

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「飛べよッ!」

「この奇跡にッ!!」

「「「光あれェェェエェェエェェェエエッッ!!!」」」

何か光あれというか光になれと言わんばかりだが、この一撃で決着した。
キャロルのダウルダヴラは砕けたのか、ロリ幼女に戻る。
あ、やっぱり、あれってけっこう無理してたんだ……
ともあれ、かつてキャロルに言われたように響はできることをやってみせたのだった。
実に最短で真っ直ぐに一直線であった。

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「勝ったの……?」

「デスデス……デースッ!!」

【朗報】この激勝に常識人、日本語を焼却する。
デスデス……デースッ!!
何これ、すごく可愛いんデスけど……

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「キャロルちゃん……どうして世界をバラバラにしようなんて――」

「忘れてたよ……理由なんて……」
「『想い出』を焼却……戦う力と変えた時に……」


響はキャロルを力でねじ伏せた。
ねじ伏せたが、あくまでも求めるのは対話である。
かつてフィーネさんを倒した時のように言葉を交わそうとするが、キャロルの答えは無情にも拒絶だった。
これは本当に想い出を失ったのか、それとも。

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「その呪われた旋律で誰かを救えるなどと思い上がるな――……」

言祝がれた悪意は、墜ちて燃えて尽きて、そして――
フィーネさんとは違って、最後の最後まで悪意をぶつけたまま、キャロルは自らの命を断ったのだった。
シンフォギアの力で誰かと通じ合えず救えなかった現実に響は慟哭するのだった。
ラスボスは倒せど響の物語は未だにゴールを迎えていない象徴か……

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同時にキャロル城の歯車が動き出す。
そこにいるのは健在なオートスコアラーである。
ラスボスを倒せど俺たちの戦いはこれから状態である。
そして、不動のオートスコアラーたちの中で唯一ガリィだけ表情を変えて性悪な笑顔を浮かべている。 危険度が一番高いオートスコアラーだけあって未だに底を見せていないガリィであった。
制作陣にも逢いに行ってきたし、幾波乱も起こしそうだ……

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あと謎の垂れ幕が降りてきている。
ブラック企業の社長が倒れたお祝いかな?

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「呪われた旋律――誰も救えない――」
「そんなことない……」
「そんな風にはしないよ、キャロルちゃん――……」


キャロルからぶつけられた悪意にも響は屈せず、明日を見るのだった。
ラスボスは倒れれど戦いはまだ終わっておらず、立花響の物語は続いていくのだった。
これにて戦姫絶唱シンフォギアGX第1部完! 1クールアニメでこの構成はおかしいだろ!(褒め言葉)
ここまでで1クールほどの密度はある怒濤の展開だった。
密度の高さが度々言及されるシンフォギアだが、GXになって1クールで2部作をやってのけるほどに高まってしまった。
そりゃMOTTAINAIほどに新楽曲のBILLION MAIDENなわけである。
それ故に本来は大本命になるはずの「BAYONET CHARGE」でさえ牽制になるほどの怒濤の展開だ。
あまりの展開に視聴1時間程、想い出が焼却され身動き一つ取れなかった人がここにいる。
ともあれ、「RADIANT FORCE」に始まり「RADIANT FORCE」に終わるシンフォギアGX第1部完!
たった6話でギアの形態変化をしラスボスを倒すという無茶苦茶をやってのけた。
さらに偉い人に怒られた第7話が待ち受けているというのだから一瞬の油断を許さない。
これはシンフォギアGXにとって第2の始まりに過ぎないのであった……
次回へ続く。


さて、圧倒的な勢いでラスボスを倒してしまった。
実にシンフォギアであった。
だが、完全勝利とは言い難い結果である。
何せキャロルとはわかり合うことができなかった。
シンフォギアの力を誰かを倒す力としてしか使えなかった。
抜剣すれば誰かを殺すまで鞘に収まらないダインスレイフの呪いは解けていない。 これがニグレドモードの限界なのかもしれない。
故に響の心情としては敗北だろうか。

また、二課装者たちの心の闇が改めて浮き彫りになった。
特に響と未来は共依存がより強まっている。 どちらかが倒れれば、どちらも倒れてしまうくらいに依存している。
このままだと子供を産むしかなくなってしまうぞ。

ここでマリアさん。頑張ってください。
アンタもアドバイスしたから!
でも、何か忘れられているけど!
マリアさんはマリア・カデンツァヴナ・イヴるか、それとも……

・マリア・カデンツァヴナ・イヴる【動詞】
凹むことを指す。


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ところでバナナノイズはやっぱりアンタかよォー!


・今回の劇中歌
Exterminateより「Exterminate」


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One thought to “戦姫絶唱シンフォギアGX EPISODE06 抜剣”

  1. 今回の演出で思ったけど
    プロジェクトイグナイトってやっぱりWA5の通常戦闘曲「When the heart Ignites」のオマージュなのかなぁ

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